~イライラしながら転生したのでとりあえず城を潰して回って見ようと思います~
俺は佐々木裕也いわゆるニートだ。
しかもゲームにどっぷりハマっている。特にRPGが好きなんだが今もそのゲームで魔王城を攻略しているところだ。
「回復ちょうだい!」
「バフかけて!」
「いけ、やれるぞ!」
フレンドとあと少しで倒せそうだったその時、目の前にものすごく明るい光がたちこめた。
「ここはどこだ…?はぁ?ゲームしてたのにふざけんなよ!
チッ、あと少しで倒せたのによぉ」
「お主は私の手違いで別世界に送ってしまった」
「誰だお前は!」
「地球の神じゃよ」
「そもそも手違いってなんだよ!」
「この世界から地球に送られてしまった者がいてのう。
そいつをこの世界に戻そうとしたら間違えたんじゃわい。」
「わかったわかった。それはいいから早く俺を元の世界に戻してくれよ。そんくらい出来んだろ?」
「それがのぅ、お主を送るので力を使ってしまっての。あと2〜3年は転移してあげられないのじゃ。」
「は?何言ってんの?早く戻せよ!」
「無理なものは無理じゃ。その代わりと言ってはなんだがお主にスキルをさずけよう。その名も"建造物破壊"じゃ」
「建物壊してどーすんだよ!せめてチートスキルを寄越せよ!」
「さっきも言った通り力が残ってないんじゃよ。これが精一杯しゃ。それではの。」
「おい待て!ふざけんなよ!」
「はぁ…これからどうするか…」
そういえばゲームの途中だったな。あー思い出したらイライラしてきた。
「お?あれもしかして城じゃね?ゲームの魔王城に似てるけど…まっいっか」
「こちとらイライラしてんだ、城の一個や二個壊れてもええやろ。」
~two hours letter~
城は以外と遠かった。しかしとんでもなくでかかったのだ。
「でかっ」
「こんなデカくても行けんのかな"建造物破壊"は」
城に向かって言い放った。
「建造物破壊!」
すると目の前であんなに大きかった城が跡形もなくいきなり消えた。マイクラのワールドエディットみたいな感じで。
実はそこは魔王城だったのだが、魔王の配下や魔王自身までもがいいままであったはずの床がいきなり無くなってしまい宙を舞っていた。
アイツらの間抜けな顔に少し快感を覚えた俺は次の城へと向かった。
その世界の人々からは英雄と呼ばれていることを知らずに。