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ルークのその後…Ⅰ

 ルークはその後、宿屋を出て一人で夜道を歩いていた。


 チッこれも全てカインのせいだっ。


 何も考えずに歩いていると自然と目の前にギルドがあった。


 とにかく今は金が必要だ。それから、カインに復讐してやるっ。


 「おい、おまえこのクエストって受けれるか。」


 適当にあったクエストの依頼書を掲示板から取る。


 受付の女に顔をまじまじと見られた。


 「はっはい。クエストは受けられますが…少々お待ちいただけますか? 少し複雑な手続きが必要でしてっ。」


 「わかった。早くしろよっ。」


 わかりましたと返事をすると受付の女性裏に入っていった。


 女が裏に行ってから、数分は経っただろうか


 チッ遅えよ。早くしろよっ。


 「おまえが勇者ルークか。」


 入り口で憲兵が2人槍をルークに向けたまま話しかけてきた。


 「ああそうだ。」


 「おまえに捕縛命令が出てる。逃げれると思うな。」


 憲兵2人がジリジリと距離を詰めてきやがる。


 勇者を剥奪されるのも今月いっぱいと聞いていたが、どうやら鉱山を抜けたことは報告がいっているらしい。尋ね人にでもされたか…


 それに、あの女ちくりやがったな。次あったらぼこるぜ。


 その前に今は人が集まる前にとんずらしねえとなっ。


 ルークは剣を抜き、憲兵に斬りかかる。


 お前らみたいなザコに捕まるかよっ。オレは勇者だぞ。


 憲兵を一撃で倒す。


 この街を一刻も早く離れようっ。


 金はそうだ。そこらへんに歩いている商人からもらえばいいんだ。オレは勇者だからなっ! 





 ルークは街を離れ鉱山の街と商人の街サンタルークの森の中に潜んでいた。


 商人がルークの目の前を通る。


 「おい、とまれ。」


 オレは商人の前に立ちはだかった。


 商人が驚いて馬車を止める。


 「どうしました。まさか盗賊ではないですよね。」


 「オレが盗賊に見えるか。仲間はいねえよオレ一人だ。それに勇者だ。ほらっこれがその証拠だ。」


 カインは勇者の冒険証を商人に見せる。


 「それは失礼しました。それで勇者様が…どういう御用で。」


 商人のやろう、まだルーク様を警戒してやがるなっ。


 「ああ、ギルドの依頼でここらへんで盗賊が出るって言われていてな…お前の積み荷を狙われるかもしれねえから、街まで護衛してやるよ。報酬はそうだなっ。30万PYNでどうだ。」


 「そっそんな無茶苦茶なっ。30万PYNなんて到底払えませんよ。」


 「そうか。残念だよ。交渉決裂かっ。」


 ルークは剣を抜く。


 「ま、待って下さい。それ脅迫ですよ…勇者様がしていいことではありませんっ。」


 「俺は護衛してやるって言ってんだ。脅迫でもなんでもないぜ。それで…どうする? 」


 ルークは剣を振る動作を見せる。これだけ脅せば商人ごときオレの言うことを聞くだろう。


 「なんて卑怯な…わっ分かりました。背に腹は代えられません。街まで護衛よろしくお願いします。」


 「おう。最初っから勇者様にお願いしてればいいんだよ。先払いだ。ほら行くぞ。」


 商人はビビりながらお金を渡してきたっ。それだその目だ。俺を敬えっ。


 「後、俺は腹が減ってるんだ。勝手に食うぞっ。」


 商人の積み荷から勝手に食材を取って食べる。鉱山で働いてからなにも食べてなかったからな。冷えていて美味しくないがまあタダメシだ許してやろう。


 「おい。馬車の積み荷に乗って警戒しててやる。さっさと進め。街の前で起こせよ。」


 ルークは馬車で横になり、体の疲れを癒やした。


 


 ルークは目を覚ますと、もう商人の街サンタルークが目の前に見える。


 憲兵に見つかると厄介だな…積み荷の点検もあるだろうし。街中まで行ったらバレちまうかもしれねえ。


 商人に声をかける。


 「ここまで来たらもう安全だ。盗賊に襲われなくてよかったな。」


 「…はい。」


 「おう。オレを乗せたことは誰にも言うんじゃねえぞ。言ったらどうなるかわかってんな。」


 そう言いながら、ルークは馬車に積んでいた食料をカバンに入れ、馬車から飛び降りた。


 ルークの走り去る姿をみて、商人がつぶやく。


 「勇者なんて言っておきながら…あなたが盗賊じゃないですか。」


 その後、商人はすぐに憲兵に報告した。


 憲兵から報告を受けた帝国議会は大騒ぎになり、ルークが重罪人として指名手配されたのであった。



 ルークはその後、サンタルークのダンジョン内に潜っていた。ダンジョンで魔獣を狩りながら、冒険者からお金と素材をもらう。まさに一石二鳥だっ。


 クックック。オレは天才だなっ。


 念のため、数日程度で滞在するダンジョンを変えるか。討伐隊が組まれても厄介だからな。まぁ捕まりはしねえけどっ。



 ルークは先程冒険者から巻き上げた金を数えながら思い出した。帝都には闇ギルドと言われるものがあることを。所謂、普通のギルドじゃ受けてくれないような依頼も受けられるギルドだ。誰でも高額を支払えばどんな依頼でも受けてくれるらしい。


 オレがいますべきことは身の安全の確保とカインへの復讐だっ。


 帝都の裏ギルドで金が稼げて、カインに復讐できるならっダンジョンじゃなくていいかっ。

 

 カインへの復讐を考えると笑いが止まらない。


 前、戦って殺せなかったのも油断があったからだ。普通に戦ったらオレは負けない。


 おっまた初級の冒険者がきたみたいだ。お金と素材をもらうか。


 サンタルークのダンジョンは難易度が低い。商人もダンジョンに来るくらいだ。そんな奴らかるーくいじめてやれば、お金と素材をくれる。


 オレは優しいから全部のお金をもらうことはしない。500PYNは残してやる。なぜならオレは優しいからなっ。


 一回のお願い<恐喝>で数万PYNは稼げる。元々持っていたお金と合わせて100万PYNは超えただろうか。これで当面の間お金に困ることはない。


 「待ってろよカイン。」


そんな笑い声がダンジョンにとどろいたのであった。

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「親の七光りだとバカにされ帝国騎士団を追放されたので、もふもふ犬と冒険者をしながらスローライフを満喫する。戻ってきてくれと懇願されてももう遅いっ!~反逆の猟犬~

」も同時連載しております。


みたい方は「作者マイページ」から見ることができます。ぜひ見てくださいねッ☆



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