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プロローグ

 学校のクラブ活動というのは、お遊び程度のものとガチなものがある。うちの「バスケ部」はいわゆる、「ガチ」な部活であった。平日は毎日、ラントレから始まり、体幹トレーニング、フットワーク練習。アップが終わったと思えば、直ぐにボールを使った練習が始まる。休日にオフなんてあるはずがなく、外部コーチと顧問による、鬼みたいな練習が4時間続く。


 1年生の間、こんな経験をしたんだから正直辞めようとも何回も思ったが、うちは工業高校だから、部活をやめてしまえば、就活の時大変な思いをするぞと担任にとめられ、なんだかんだ今に至る。

 そういえば、部活を入った当初担任に、「バスケ部は就職してからも職場を途中退職した奴がいないんだ」といわれたが、理由を身をもって体感した。


 だが、そんな生活もついにおさらばかもしれない。なんと、今日から顧問が変わるのだ。前までの根性論ばっかりのクソ顧問とついにおさらばできたのだ。顧問から「来年からはいなくなる」と言われた時。裏では一部のスタメン以外は全員で歓喜した。だが、まだ安心はできない。次の顧問もあのようなクソであった場合、再度地獄が訪れることになるからだ。


 そして、ついに新しい顧問と対面する。


 体育館の重い扉が開けられた。その奥から出てきた新顧問。体はひょろひょろ。作業服を着ていて、サングラスはかけていない。おまけに猫背。








 勝ったぁぁぁぁぁぁ!!!!!!


 神様、仏様ありがとう!!!これで我らバスケ部の一年はとても充実できることが確定しました。本当にありがとうございます!!!!


 なんてことを心で思いながら顧問の前で集合する。


 キャプテンが号令をかけ挨拶をし、新顧問がしゃべりだした。

「君たちは、勝つバスケをしたいか、それとも楽しむバスケをしたいか?」


はぇ?


 最初の挨拶とか、意気込みとかを語られるかと思いきや、こんなことを言われたので全員が固まる。それを見かねた新顧問が


 「あー、ごめん。じゃあ、勝つバスケがしたい奴は、センターラインよりも入り口側に、楽しむバスケがしたい奴は舞台側に行ってくれ」


と、頭をポリポリしながらけだるそうに言った


 我々は旧顧問に育てられ自由参加と言われれば強制参加とすぐに変換できるような俺らだが流石に自分が得をする選択ぐらいわかる。そして、全員が勝つバスケに並んだ。自分の意志ってどうやって決めるんだっけ。。。



 「えっ、まじで」



 その声を上げたのは、センターラインを越え逆側にいる人間かと思いきや、新顧問がその声を上げた。いや、君がそれ言ったらあかんやろ。


 大きなため息をついた後、新顧問は「じゃあ集合して」と声をかけた。


 メンバー全員は餌に群がる犬のように、素早く集合をする。これもあいつの指導の賜物だ。


 顧問はその様子に驚きながらも。


「えっと、今日からこのバスケ部を担当する、石田です」


と挨拶をしはずめた。


「僕は、この学校では土木工学科の授業を担当します、去年までは別の高校に勤めていました。バスケ自体は小学校から中学校までの8年間やっていて、そこからは卓球をしていました。」


ここまでは普通の自己紹介であったのだが、この顧問はまたも、俺らを驚かせた。








「最初に言っておくが、俺はバスケが好きじゃない」








まじで?


 久々に新作投稿です。自分自身もこんな部活がよかったなぁっていう妄想です。

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