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その風に背を押されて 序 始まり/決意
第八回アイリス様に投稿させて頂いたこの作品でございます。
こちらの作品はある音楽を聴いていたら思いついた作品になります。
猫の恩返しの主題歌、つじあやの様の「風になる」でございます。宜しければ、この作品を読まれる方は「風になる」を聴きながらなどは如何でしょうか?
では、どうぞよしなに。
ーー風が吹いた。強くはないが弱くもない風だ。実際に吹いたかと聞かれれば私は風なんて吹いてないと答えただろう。
だが、私にとって本当に大事なのはそこではない。
風に後押しされたのだ。些細なことだと思われるかも知れないが、私にとっては有り難かった。今の私にはどんな言葉よりも心強い。
ーーさぁ、あの坂道を登って会いに行こう。会って伝えるのだ。私のこの気持ちを。
大丈夫だ、怖くない。だって風に背中を押されたんだから。