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2-3.バァーン!!アルコールランプ爆発!?

数学(笑)の後は......

ロッカ「ほにゃほにゃあ! ワタチ、甘海ロッカ! 魔女でーす!」

エコロ「じゃじゃー! 私は草壁エコロ! 同じく魔女でやんす」

 

 二時間目 科学の授業開始前 実験室。


ロッカ「ほぇー! 魔法の世界なのに科学とかやるんだー!」

 何百年か前まで、魔法界ソルシエーレで科学を学ぶという風潮は無かったが、化学と魔法を融合した技術「魔科マカ」が生まれてからは、今のような風潮が生まれた。

 

 キーンコーンカーンコーン

 キーンコーンカーンコーン

 チャイムが鳴る。


マッソン「はーい、それじゃあ授業始めるよー」

 マッソン先生が部屋に入ってくる。


ロッカ「えー!? まーたマッソン先生!?」

 先程の数学の授業に続いて、再びである。


エコロ「理数系の授業は全部マッソン先生らしいよ」

 エコロが小声でロッカに伝える。


ロッカ「ウソーん……」

 全然居眠りできないじゃん、とロッカは思った。

 ロッカはあの、人格矯正マッソンゲームの一件の後にマッソン先生と一緒に教頭先生からお叱りを受けていた。マッソン先生に対しては、落ちてくるタライを避けれれば問題は無いが、教頭先生となるとそうは行かない。


ロッカ「仕方がない、真面目に受けるにょ」

 姿勢を正すロッカ。


授業が始まってから二十分ほどがたった。


マッソン「つまり酸化というのは......」


バァーン!!

 授業中に突然、実験の為に用意してあったアルコールランプが爆発し、その周辺が燃え盛る。


ヨコミ「うわ! なんだ突然!」

 近くにいたヨコミがその場を離れる。幸い、誰も怪我はしていないようだ。しかし、炎は少しずつ燃え広がっている。

 

ナナバ「みんな! 下がってて!」

 ナナバが声を上げ、炎の近くへと走って行く。


ナナバ「天の恵! ワダツミ!」

 彼女がそう唱え右手を炎の方へと向けると、その掌から大量の水が吹き出す。

 炎は少しずつ小さくなっていき、鎮火する。

 他の教室から、ラルコット先生が駆け付ける。


ラルコット「みんなー、大丈夫!?」

 担任のラルコット先生が、生徒たちに声をかける。

 授業は一時中断、全員自分のクラスの教室へと戻る。


《天の恵、ワダツミ》

パワーD

スピードD

レンジD

ガードD

コストS

レアリティD

総合評価C


 廊下にて


ヨコミ「いやーまったく……アルコールランプが突然爆発するだなんて誰も思わないだろう!」

 ヨコミが左腕で教科書を抱えながら話す。


エコロ「ホントだよね。ヨコミとごら子、ランプのめちゃくちゃ近くにいたよね。怪我しなくて良かったぁ」

 安心した表情で、エコロが二人に向かって話す。


ヨコミ「立っている場所がもう少し後ろだったら、靴が焦げてたかもしれないな!草!」

 靴を見ながら笑うヨコミ。


ごら子「わたしは割れたランプのガラスの破片が顔に当たりそうになったわ。危うくわたしのキレイな顔がキズ物になる所だったんだけど」

 ごら子は少し怒っている。

 話しながら歩くエコロたちの前から何か、声が聞こえてくる。


ロッカ「待ってぇーお願いだよナナバちゃーん! さっきのまたやってにょー!」

 ロッカが逃げるナナバを追いかけながらお願いをしている。


ナナバ「これ以上やると体力使っちゃうからやりたくないー!」

 そう叫びながらロッカから逃げ回るナナバ。

 ロッカはナナバが先程炎を消すために使った、掌から水を吹き出す魔法をもう一度見たいようだ。


ロッカ「ナナバちゃんが出したお水、飲みたいにょー!」

 いや、見たいのでは無く、飲みたいようだ。


ナナバ「なにそれー!? 性癖ー!?」

 余計嫌になったのか、さっきよりもスピードを上げて逃げるナナバ。


エコロ「ロッカ……何やってんだか。」

 やれやれといった表情で、エコロは呟く。


ヨコミ「魔法と言えば、エコロはどんな魔法が使えるんだい?」

 ヨコミがエコロに問う。


エコロ「私はね、魔法生物の生成が得意なんだー。特には爬虫系統がねー」

 エコロの答えを聞いて、ウンウンと頷くヨコミ。


ヨコミ「爬虫類......そうか......それは......」

 さっきまで元気に話していたヨコミが、突然口ごもってしまう。


エコロ「ん?どうしたの?具合でも悪い?爬虫類苦手だった?」

 エコロはヨコミが体調を崩したのでは無いかと心配する。


ヨコミ「ん?ああ!いやそうじゃないんだ!爬虫類はワタシも大好きさ!!その魔法ってさ、亀も出せるのかい?」


エコロ「うん、出せるよ。そういえば、最近だとロッカに魔法の説明をする時に出したかな」

 エコロの話を聞くヨコミは、嬉しそうなのか悲しそうなのかどちらとも言えるような表情であった。そう話しているうちに、教室につく。


 生徒全員で教室内で待つこと十数分、ラルコット先生が戻ってくる。


ラルコット「さっきの事件の原因が分かりました……」

 教卓の前に立ち、生徒たちの前で真剣な表情になって話すラルコット先生。


ラルコット「この学校とその周辺に何十体かの、凶魔獣(ペイン)が入り込んだようです」

 凶魔獣(ペイン)、先日渋谷でロッカとエコロを襲った猿たちのような怪物の事だ。

 ラルコット先生が話を続ける。


ラルコット「次の時間からは予定を変更して、ペイン退治を行います。皆さん、しっかり準備をしておいて下さいね!」

 前にエコロがロッカに教えていたが、魔女の仕事はペインを退治する事である。それ故、今の様な状況や担当地域にペインが現れた時は、実技授業の一環として、生徒全員でのペイン退治が始まる。


ラルコット「必ず何人かのチームを組んで行動する事、大きな危険を感じたら逃げて先生を呼ぶ事。これ、絶対!!」

一同「はい!!」

 ラルコット先生の話に対して、ビシッと返事をする生徒たち。そして、各々がチームを組むなどし始める。


ヨコミ「なあ、ロッカ、エコロ。ワタシと一緒に組まないか?」

 ヨコミが二人をペイン退治のチームに誘う。


エコロ「いいねー。よろしくね、ヨコミ!」

「いえーい! チームバァトル!」

 二人はノリノリで返事をする。


ヨコミ「よし! 契約成立だ!」

 ニコニコしながら話すヨコミ。


小さな女の子「ごら子師匠! ついて行ってもよろしいでしょうか?」

 黒髪で左右の毛がちょこんと跳ねている小さい女の子が、ごら子に近づき誘っている。


ごら子「え、別にいいけど」

 ごら子が女の子に対して答える。


小さな女の子「やった! それじゃあ早速行きましょう!ごら子師匠!ペイン退治へ、レッツラゴー!」

 女の子は、そのままゴラ子の手を引いて教室の外へ出て行ってしまう。

ごら子「そんな引っ張らなくてもすぐ行くから」


エコロ「えーっと、あの子は」

 名前を思い出そうとするエコロ。

ヨコミ「彼女は、メメイ君だな。昔、ごら子に危ない所を助けて貰ってから、彼女の事を師匠と呼んでいるんだぞ!」

 ヨコミが、楽しそうに説明する。なるほどと頷くエコロ


 キーンコーンカーンコーン

 キーンコーンカーンコーン

 ペイン退治開始の 号令がなる。

ペイン退治、開始!!

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