2-1.よろしく!!魔法学校の仲間達!!
魔法界での夏休み、スタート!
魔法界•ルナクレープ魔法学校
キーンコーンカーンコーン!
チャイムが鳴る。
魔法界•ルナクレープ魔法学校
キーンコーンカーンコーン!
チャイムが鳴る。
ラルコット「源界からやって来たのロッカちゃんとエコロちゃんです! 今日からこのクラスに入るから、皆仲良くしてあげてねー!」
教室の黒板の前にやってきたエコロとロッカを、担任のラルコット先生が紹介する。彼女が口にした源界とは、こっちの世界から見たロッカ達がいた世界の事である。
ロッカ「ほにゃほにゃー! ワタチ、甘海ロッカ! 魔女なのー!」
エコロ「じゃじゃー! 私は草壁エコロ! 魔女でーす」
ヨコミ「やあ、ワタシはヨコミ=ヒメクリだ!」
ごら子「ゴッ!わたしはゴスポワール=ラビソントゥ=コルソン。略してごら子。よろしく」
ラルコット「何でヨコミちやまんとごら子ちゃんまで一緒に挨拶!?あとここにいる人みんな魔女だから!魔女だからー! わざわざ言わなくてヨーシ!」
4人の挨拶に一気にツッコむ担任のラルコット先生。
ラルコット「二人はあそこの席に座ってねー!」
ロッカとエコロが教室の一番後ろの席に座ると、ロッカの席の一つ前に座っている、金髪ポニテでメガネをかけた女の子がロッカ話しかけてきた。
ナナバ「ようこそ! 【パー・アン】へ! わっち、ナナバ=オムレット!よろしくー」
ロッカ「よろしくねーバナナちゃん! ほにゃあ!」
ナナバ「誰がバナナじゃ! ナーナーバー!」
ナナバは紙に名前を書いて教える。
ロッカ「ナナバちゃんねー!覚えたよーよろしくにゃー! あ、あとパーマンへようこそってどう言う意味だにょ?」
ナナバ「パーマンじゃなくて、パー•アンね。この学級の名前だよー。この学校って、年齢は関係なく三つの学級のどれかに入るって形式なんだけど、パー•アン、通称アン組はその中で一番最初に作られた歴史ある学級なんだよ」
ロッカ「あーん!このクラスの事を言ってたのねぇ!一番ふるーいんだ、しゅごーい!パー•アン……あんぐみ!」
キーンコーンカーンコーン!
キーンコーンカーンコーン!
朝のショートホームルーム終了!
エコロとロッカは休み時間を利用して、クラスメイトたちに挨拶をしてまわる。
ルナクレープ魔法学校は、基礎教養を受けながら魔法の勉強もするといった方式だが、学年の境が無い上に魔法使い、魔女であれば誰でも入る事が出来る。
ロッカたちと同じ高校生くらいの生徒もいれば、小中学生くらいの子。大人も何人かいるのだ。
二人は様々な年の人とコミュニケーションを交わしながら新しい仲間達と交友を深めていく。
魔法学校の数は多いが魔女や魔法使いの数はそれほど多くないので、一校辺りの在学者数は少ない。クラスはアン組、ドゥ組トロワ組の3つのみで、先生を合わせても人数は五十人ちょっとである。
キーンコーンカーンコーン!
キーンコーンカーンコーン!
授業開始五分前の予鈴がなる。
二人は席に戻って授業の準備をしながら話す。
ロッカ「皆の名前覚えるの大変だにょー。取り敢えずメモでもとって後でゆっくり頭に叩きこもーっと!」
ロッカが自分の頭をコンコンと叩きながら話す。
エコロ「そうだね、皆の名前はゆっくり覚えよう。後覚えるべき事は何処に何の教室があるかとかかなー?日本の学校と比べるとかなり狭いからすぐ覚えられそうだね」
学校の面積は小さく、二階建ての校舎二棟と体育館、校庭があるくらいである。人間界で通っていた高校の半分以下の大きさだ。
ロッカ「はじめてーの授業ー!君と授業ー!あいびりーぶおーまいらーぶ!おーいえー!おーおおお!」
ロッカがいつも見ているアニメのエンディングの替え歌を歌いながら教科書を取り出そうとする。
ロッカ「あっれー? 最初の授業ってなんだけっけー?」
浮かれてしまって、何を準備すればいいのか忘れてしまったロッカに、エコロが話す。
エコロ「数学だよ」
それを聞いて、今から吐いてもおかしくないような絶望的な表情をするロッカ。
ロッカ「スウガク……スウガク……ナンデ……マホウノガッコウデ……スウガク……モウムリ……ナスカの地上絵になろ」
教室の床にうつ伏せになり手を広げ、ナスカの地上絵のモノマネをしだす。
ネルラ「ロッカちゃんが寝てるそこ、昨日ゴキブリが這いずりまわってたよ。変な汁とかも出してたっけ?」
エコロの前の席に座っている、紫色の前髪で目が少し隠れてしまっていてちょっと怪しげな子、ネルラが話す。
ロッカ「ひょっえー! ゴキちゃんいたにょぉー!?」
寝っ転がったまま、陸地に打ち上げられた魚のようにピチピチ跳ねるロッカ。
ネルラ「ウッソー」
ロッカ、転校初日、最初の授業でおちょくられる!
ナナバ「もー、ネルちゃん!人の事騙さないの!ロッカもそんな所で寝てないで、早く授業の準備しなよー」
ぶざけている二人にナナバが声をかける。
ロッカ「はーい、ごめんなちゃーい」
しぶしぶと席に戻る。
教室の前の方からそれを見ていたヨコミとごら子が話す。
ごら子「何やってんの。ロッカち」
ヨコミ「きっと、授業前の準備運動だろうな!」
ごら子「いや数学の授業にあの運動はいらないでしょ」
教卓側の扉が開く。先生が来た。
マッソン「おーっす、こんにちはーよろしくお願いしまーす。今日から新しい範囲やってくからしっかり聞いてなー」
高校での授業と殆ど変わらないなと、ロッカは考えながらノートと教科書を広げて、先生の話を聞く。
マッソン「つまり素因数分解って言うのは……ってなんかイビキが聞こえるなぁ。誰ですかー?」
寝ているのはロッカである。
それを見て周りの生徒がざわめき出す。
ラバーン「マッソン先生の前で居眠りはまずいって!」
マリカ「先生、大体の事は許してくれるけど居眠りだけは何故か過剰に怒るんだよね」
ラバーン「て言うか、あの子。転校初日からよくこんなぶっ飛んだ事できるなー、すごいよ」
前の席の方にいる生徒、ラバーンとマリカがコソコソと話す。
先生の表情が豹変する。
マッソン「おい、そこの寝てるやつ!転校生か!」
ロッカ大きめの声で呼んでも、起きない。
ロッカ「むにゃむにゃー。とぅーびーこんてぃにゅーどぉ……」
初日からかますロッカ!!