9-2.空を自由に飛びたいな!!箒で爆進ドッグファイト!!
魔女っぽいなこれ
ロッカ「デ、デンジャラシティー!?!?なんだにょ?」
ヨコミ「ワタシが説明しよう!!デンジャラシティとは、魔法協会によって、魔法使い同士が自由に闘う事が認められた数少ない地域。魔法界屈指のワイルドな街なんだ!!」
ヨコミが人差し指を立てながら語る。ロッカ、メメイ、マフィンが大きく頷く。デンジャラシティの中では何処でどのような戦いがあっても、誰かが止めに入る事は無い。寧ろ止めた方が罪なくらいだ。
ヨコミ「つまり、ここに行けば、とにかく!ひたすらに!実戦経験を積むことが出来る!!まほ検の点数の六割は実技なんだが、それを大きくカバーする事が出来る」
まほ検には、筆記と実技の二つの試験があり、得点制である。その試験の300満点中、150点は疑似戦闘による実技試験だ。魔法バトルし放題のデンジャラシティは、実技の特訓にもってこいという訳だ。
ロッカ「でも残りの筆記の方はどうすればいいんだにょ!!」
ヨコミ「筆記の対策は学校の授業と家勉だ!」
ロッカ「にょ!!」
まほ検の合格点は明言されていないが、7割ほどの点数をとることが出来ればほぼ確実に合格ができるとされる。そこをめざして特訓だ!!ロッカ、ヨコミ、エコロ、ごら子は放課後の教室を飛びだし、デンジャラシティへと向かう!!
エコロ「と、その前に……ロッカってまだ箒、乗った事ないよね?」
ロッカ「突然の魔女っぽい要素キター!!まだ乗った事ないにょ!乗りたいにょー!!」
エコロ「いいね。箒の運転については、まほ検で良く出題されるんだよ。だから、乗れるようになるだけで点数アップすると思うよ」
ロッカ「すんばらチッチ!早速乗りに行こう!」
エコロ「とりあえず今日は私のを貸すよ」
二人はごら子とヨコミ、そしてメメイとマフィンにデンジャラシティで待ち合わせをする約束をし、下駄箱で靴を履き替える。その直後強化魔法モリモリで、エコロの家へと全力疾走。到着。エコロはすぐさま家の物置から、年季を感じる渋いダークブラウンの箒を二本取り出した。片方をロッカに渡し、外へと誘う。
エコロ「ロッカは自転車乗れるもんね、なら箒もすぐに乗れるようになると思うよ。まずは跨ってみて」
ロッカ「にょ!!フォーwww」
ロッカは直ぐさま箒に跨り、その直後左手で柄をがっちりと掴み、右手でしごき始めた。エコロはそれを見て咄嗟に箒に跨り浮かび急加速。360度、大きな円を描くように宙返りし、ロッカに突進した。
エコロ「やめなさぁーい!!」
ロッカ「にょわぁぁぁぁ!!」
ロッカが箒に跨ったままぶっ飛ぶ!!そしてロッカはその衝撃で大きな屁が出そうになったが我慢!!踏ん張って屁を我慢した事によってその分身体から魔力が溢れ出す!!
エコロ「お!丁度いいや。ロッカ!!その魔力をそのまま箒に集中させてみて!!」
ロッカ「わ、分かったにょ!!ボヮオン!!」
箒に跨ったまま体制を整え、そのまま自分の腕を通して箒へと魔力を放出!!すると、箒から風が溢れ出し、ロッカを乗せたまま目にも止まらぬ速さで空高く舞い上がった。エコロも箒に乗ってそれに追従する。
ロッカ「にょぉぉぉおおおおお!!ロケットみたいだにょおおおおおおおお!!」
エコロ「中々いい調子!その魔力を途切れさせないまま、自分が進みたい方向に柄を向けるの。そして背筋はピン!」
ロッカ「おげい!ピン!ピン!ピンピン!ピンピンピンピンピンピン!!ピィーーーーーーーーン!!」
最初は不安定で思いっきり左右に動きがブレていたが、少しずつ落ち着いてくる。まだ慣れないながらも前にいるエコロの背中を追いかけるように箒を運転する事ができるようになった。
ロッカ「行けた!行けたにょ!!やっぱりワタチって天才!?コルソン家乗っ取れるかにゃあ!!」
エコロ「いいね!乗っ取ろう!!スピードの管理とかテクニックとか、そういうのはデンジャラシティに行くまでに教えるから!!早速行こうか!!ついてきて!!」
ロッカ「そいや!!」
エコロはスマホでナビを見て、デンジャラシティのある方角を確認した後。ロッカを引連れて出発した。
【魔法界、マーズッキ地区、荒野】
魔法界の広さは未開の地を除くと、大体日本二つ分くらいの広さだ。そしてこれが、ルナクレープ、マーキュリンボ、ヴィーナトピア、マーズッキ、プルーティ、ジュピターニャ、サータン、ネプチュール、ウーヌスという9つの地区に分かれている。デンジャラシティは、ロッカ達がいるルナクレープに隣接する地区「マーズッキ」にある。遠そうに感じるかもしれないが、箒は一般の航空機よりも速く飛べるので問題は無し!!(時速で言うと350kmくらい)ルナクレープにある魔法学校からマーズッキにあるデンジャラシティまで1時間もかからないのだ!!今、二人はルナクレープとマーズッキの境界線を越えてすぐの荒野に来ていた。
ロッカ「なんだここ!?何もねぇー!!」
エコロ「まあここはね……後15分もすればデンジャラシティにつくよ」
ロッカ「うぉぉぉおおお!たのちみぃ!!」
箒に乗りたての頃と比べるとかなり運転に慣れてきたロッカ。最初はそこまでスピードも出せず、たまに落ちそうになる事もあったが、今となっては遠くの景色を見たり、エコロと話したりしながら高速で乗りこなす事が出来ている。ロッカのセンスなのか、はたまたエコロの指導が上手いのか、みるみるうちに成長していった。これでもう安心と思いきや、箒に慣れたロッカに、突然の試練が訪れる。
ロッカ「うーん?なんか遠くで白い塊?みたいなのが飛んでなぁい?」
エコロ「え?雲?いや、そんな事は無いはず……そこまで高い所を飛んでるわけでもないし……」
ロッカ「にょ!?こっちに向かってくるにょ!?」
白い雲のような塊がどんどんこちらへと向かってくる。エコロが推測するに、こちらの箒と同じ350km程度で飛んで来ている。
エコロ「見えた!!あれは!!」
遠くから見たら白いモヤのような物だった何かが、近づく事によって、何かの集合体だと言う事が分かった。更に距離が近づくと、それ羽ばたいてる事が分かった。そして、それが発する音が聞こえるその距離まで接近すると……
???「ボロロロロロロロローン!!!!」
エコロ「ぼろんどりだぁぁぁぁああああ!!」
ぼろんどりとは、魔法界で良く食用の家畜とされている鳥の魔獣だ!!そのぼろんどりの群れが固まってこちらに向かってきているというのだ!!
ロッカ「にょwにょwぼろーんw」
エコロ「ぼろんどりって普段は大人しくて害は無いんだけど、野生の群れになると凶暴性を増して人間を食そうとと襲いかかってくるの!!」
ロッカ「にょえー!!まるでインターネットだにょ!!wどうすればいいにょぉぉぉお!!」
エコロ「倒す事も出来るけど、あの子達は基本的には無害な魔獣だから、食用以外での殺生は魔女としてはあまり望ましくないかな……だからさ、箒の運転の最終テストとして、ぼろんどりから上手く逃げ回って見ようよ。ソイ」
ロッカ「おっ!それは楽しそう……だねぇ?」
エコロ「よしそれで!!じゃあ、行こう!!」
ぼろんどり「ボボボーボ・ボーボロン!!」
約二百羽ほどのぼろんどりが目の前に!!
エコロ「先ずは二手にわかれるよ!!その後旋回してデンジャラシティとは反対側へ」
ロッカ「は、反対側ぁ!ぎょ、御意!!」
ぼろんどりを向かいにエコロが右を向き、ロッカが左を向き、その後加速する。エコロの言葉通りに二人は一度距離を取った。二百羽のぼろんどりは大体半分ずつに分かれ、それぞれを追いかける。
エコロ「ロッカ、聞こえる?」
ロッカ「!?コイツ直接脳内に!!」
エコロ「これは緊急通話魔法、まほ検1級の実技で必須で課される魔法よ。使えば少し離れた距離の人間と、魔力を介して連絡出来るの」
凄い。学生にして準1級を持っているエコロだが、それにあぐらをかかず、全魔法使いの最上級である1級の勉強もコツコツと進めているのだ。
ロッカ「そんな事も出来るにょねぇ」
エコロ「準2級の実技でやらされる事は無いけど、筆記で説明する問題は出たことあるから、しっかり覚えといてね」
ロッカ「ぎょ、御意!!」
エコロ「よし!じゃあ次のステップに行こう!!次は急速V字ターン!私のを見て真似してみて!!」
ロッカがエコロの方を見ると、エコロは一瞬だけ減速し思いっきり箒の柄の向きを先程の状態から120度回転させ、改めて加速!突っ込んでくるぼろんどりの群れとギリギリすれ違うように追い抜かす。それを追いかけようとするぼろんどり達だったが、彼女と同じように急速なV字ターンをしようとする個体や、少しずつ減速し緩やかに旋回しようとする個体、戸惑って変な動きをしてしまう個体など、それぞれがバラバラに動き衝突が起きまくる。群れが体勢を立て直す頃には、エコロはもう今から追いかけても届かないはるか遠くの距離にいた。上手く巻いたようだ。一方、ロッカは……
ロッカ「にょー!!回転しスギィ!?ぶつかるぅー!!」
ロッカはV字ターンに失敗し、180度回転してしまう。ここままでは再びぼろんどりに真正面から突っ込んでしまう!!
ロッカ「仕方がないにょ……ここは、ネットネトネットォ!!」
ロッカは巨大な魔法の網を生み出し、ぼろんどりの群れに被せるように飛ばす。
ロッカ「ネットなら、特に相手を傷つけてる訳でも無いのでセーフ!!さてと、エコロちゅあんの所にゴゥゴウ!!」
追いかけてきたぼろんどりは全羽ネットに絡まり身動きが取れなくなってしまう。ネットの中で羽をバタバタさせながら「ボロンボロン!!」と大きな鳴き声を上げて、少しずつ墜落していく。ロッカはそれを通り抜け、エコロの向かって行ったデンジャラシティへと箒を発進!到着を待ち遠しくしながら駆け抜けていくロッカだったが、彼女の身体は突然大きな影に覆われた。
???「よくも私の可愛い子らをいじめてくれましたね!!」
巨大な鳥......体長約5メートルほどのカラフルな鳥がロッカの目の前に大きな風をおこしながら現れる。ロッカは巻き起こった風に体幹を乱されるがなんとか踏ん張る!そのまま巨大な鳥を避けて進もうとするが、鳥は大きく羽ばたき竜巻を起こした。ロッカはそれに巻き込まれ箒に乗りながらグルグルと回転させられ自分の意志では身動きが取れなくなる!!
ロッカ「ちくしょおおおおおお!!なんなんだにょ!!」
巨大な鳥「私はゼニス=ボーロン!!この子達の大いなる母親です!!」
ロッカ「こいつ!自分で大いなるとか言ってるにょ!!ごめんにぇー!!子供たちにはこれ以上何もしないからこの風を止めてえええええええええええええええええ!!」
ボーロン「あんまり反省しているようには見えませんね!!もう少し反省して貰わないと!!ボロボロロロロロロオロロロロロオオオオオオオオオオオン!!!!」
ロッカ「んぎゃああああああああああああああああああああ!!」
ロッカはゼニス=ボーロンによって起こされたさらに激しい風に完全に飲まれ、思いきり回転しながら飛ばされ、箒と一緒に地面へと落ちていく。
ボーロン「反省しなさい!!」
ロッカ「にょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ズドン!!
ロッカ「こんな高さから落ちて......ワタチが魔女じゃ無かったら普通に死んでたにょ!!まあそもそも魔女じゃ無かったら、箒に乗って墜落とかしないけどぬぇ」
地面に叩きつけられたロッカは、辺りを見渡す。そこには「デンジャラシティまで50km」という看板が立っていた。もう一度箒に乗れば、10分もかからない距離だ。ロッカは気を取りなおして箒へとまたがった。
ロッカ「エコロちゃん達が待ってるにょ!!デンジャラシティへ......GO!!」
ついにデンジャラシティへ!




