8-7.絶対絶命!!ロッカ、死す!?
あらすじ
ロッカがメリルーマウンテンから何とか外に出たロッカだったが、そこには人間と狂魔獣を合成する事によって作られた改造狂魔獣達で溢れかえっていた……ロッカはエコロと合流し、改造狂魔獣と化したエコロの母を止める。一時の休息へと入るロッカ達だったがそこに、改造狂魔獣達を作り上げた諸悪の根源Dr.チャーリンが現れる。そして、戦いの中でチャーリンは、ロッカの父が狂魔獣だという衝撃の事実を告げたのだった。
ロッカ「は?ワタチのおとーちゃんが凶魔獣だってぇー!?てけとーな事言ってんじゃねえぞ?おい!おい!おい!」
チャーリン「嘘じゃないよぉー!!信じてくれよぉ!!ていうかさぁ、本当は分かってたんでしょー?自分の身体の中に凶魔獣の血が流れてるって事をさぁ?」
ロッカ「エッ!?それは……」
エコロ「いいよロッカ、そんな奴の言う事なんか気にしなくて」
チャーリンの一言にロッカは今までの事を思い出す。自分の生まれ育った場所、周囲から感じていた違和を思い出していた。エコロはチャーリンの言う事は信じていない。もし本当の事だとしても、なんだと言うのだ、そんな姿勢であった。
ロッカ「ま、まさか!?」
チャーリン「ほらね?」
ロッカ「ワタチが人にドン引きされたり滅茶苦茶怒られたりするのは凶魔獣の血のせいだったって事ーっ!?しょーげきー!!」
エコロ「え、それは違う気が」
ロッカ、何も分かっていなかった!!心当たりなど全くもって無く、自分の小さい時の事も何も覚えていないのであった……
チャーリン「いい……とってもいいよ!!凶魔獣の血を持つ魔法使い……これを素材に合成凶魔獣を作ったら、きっと!!アハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
エコロ「そんな事はさせない!!」
チャーリン「君が止めようが僕はやるよ!!ホイホイホイホイホイホイホイホイホイホイホイホイホイホイホイ!!ほぉーい!!」
ロッカ「な!?なんだにょ!!」
チャーリンは白衣の内ポケットから、アイアーンクレーンを圧縮した物と同じ黒いタマゴのようなカプセルを八つ放り投げた。それぞれのカプセルが割れる、そこから出てきた黒い泥のような物が膨張していき、生き物の形を作っていく。そうして現れたのは強い魔力を内包した合成凶魔獣達だった。
1.ヒステリーヒッポ
理性が完全に崩壊しているカバの合成凶魔獣。目に見えるもの全てにのしかかり破壊する。口から特大の光線を撃つことが出来る。
2.ギンギンマンモス
重機を思わせる金属製のゾウの合成凶魔獣。その身体はあらゆる物理攻撃を許さない。半永久魔力機関と呼ばれる魔道具が内包されており、魔力が底を尽きる事は無い。
3.モジャリオン
たてがみがチリチリに焼け爛れた獅子の合成狂魔獣。そのたてがみの中に、下級の凶魔獣を飼っており、それらを使役して戦う。
4.グリーズ・リー
トゲがついた三節棍を振り回す熊の合成凶魔獣。力、スピード共にトップレベル。純粋な格闘で勝てる者は少ないだろう。
5.サイバーン
二足で立っており巨大な槌を持ったサイの合成凶魔獣。槌を変形させ鎧として纏い、四足歩行で突進する戦略と、二足で戦う戦略を、相手によって使い分ける。
6.ジャアクシャーク
闇の魔力で宙に浮き、空中を泳ぐことが可能。地上での活動を可能とした鮫の合成凶魔獣。代わりに、水中を泳ぐ事はもう出来ない。
7.デスアリゲイチョウ
噛まれたら即死レベルの牙を持つワニの合成凶魔獣。草むらや沼に潜伏し、相手に噛み付くチャンスを伺うなど、狡猾さも兼ね備えている。
8.グレンヴォルフ
蒼い炎の魔力を纏った狼の合成凶魔獣。炎を自在に操り、それに触れたもの全てを焦がす。
ロッカ「なんだにょ!!極悪な動物園が開園してしまってるにょぉぉぉぉおおおおお!!」
エコロ「チャーリン!!そうやって、そうやって貴方は沢山の凶魔獣達をここに解き放っていたのね……」
チャーリン「本当はもっとお披露目したいけど、今手元にあるのはこれだけさ!まぁ、君たちを捕獲するには十分すぎるけどねぇ!!」
エコロ「悔しいけどそれはその通り……全ての凶魔獣が超級相当……今の消耗した状態では一体でも相手出来るかどうか分からない。仕方がない……ここは!!」
エコロが何かを詠唱し始める。これは緊急脱出魔法を使うための呪文だ!!緊急脱出魔法は、大量の魔力と体力を消費してしまうが、約5km離れた場所へと、数人の仲間一緒に一瞬で移動することが出来る!!が……
エコロ「あぎゃあ!!」
緊急脱出の詠唱が終わりそうになったその寸前、エコロの顔面に何かが命中!!熊の合成凶魔獣であるグリーズ・リーが投げた三節棍だ!そして、それに対して畳み掛けるように八体のペニシアンが、エコロへと飛びかかる。絶対絶命!!
ロッカ「エコロちゅぁぁぁあああん!ゲビィィイイ!!」
エコロと合成凶魔獣の間に飛び込み、ロッカは全ての攻撃をその身に受けた。突進され、噛まれ、殴られ、燃やされた!!
ロッカ「ンガーーーーっ!!」
エコロ「ロ!!ロッカァァァァァア!!」
黒焦げになり、ふらついた直後その場に倒れるロッカ。エコロはロッカを抱えて遠くに逃げようとするが、既に数体の合成凶魔獣に後ろに周り込まれていた。
チャーリン「何やってるんだよォ!?貴重な実験材料がボロボロになっちゃったじゃないかぁ!!死んじゃうかもしれないだろぅ!!ホラ!もう一つの方も動けなくして、さっさと確保して!ホラホラァ!!」
黒焦げでボロボロのロッカを見て怒り顔になるチャーリン。傷つけずに捕獲するつもりだったようだ。エコロは虚無を見ながら低い声で言い放つ
エコロ「あぁ、もういい……ねぇ、これ以上抵抗しないから……お願い。ロッカを連れていかないで。私を代わりに実験材料にしていいから」
チャーリン「うん、無理に決まってるね!!君もそれも、両方とも僕の物さ!!」
俯いたエコロの顔から、雫が落ちる。
エコロ「ロッカ……ごめんね……こんな過酷な戦いに巻き込んでしまって。一緒に魔女も楽しいかなとか思っちゃって……あの時ロッカを魔女にしてしまって……ごめんね……」
チャーリン「なーにブツブツ言ってんのさぁ!?材料が喋るなんて本来おかしいんだからさぁ!!」
苦しそうな顔で、黒焦げになったロッカに覆いかぶさり囁くエコロ。
それを全く気にせずに、二人の元へと近づくチャーリンと合成凶魔獣(ペ二シアン)達。
完全に意識を失っているロッカ……
二人の物語は こ ん な と こ ろ で 終 わ っ て し ま う の か ?
???「希望の光!!」
目をつぶっても瞼の裏に届く程の輝きを放つ光に包まれる!!
この光は……!?
魔法と出会いし始まりの時代より受け継がれた、コルソン家の究極奥義......悪を滅ぼし、友を助ける為の力……!?
合成凶魔獣達の動きが止まる。相当のダメージが入ったようだ。そして、ロッカも息を僅かながら吹き返した。
チャーリン「こ、この光は……まさか!!」
ごら子「間一髪、だったわね」
そこにやって来たのは、息切れしながらもカッコつけて登場したごら子であった。そして……
???「強くなったな、ゴスポワール。だが、まだまだワシには到底及ばないの」
ごら子「当たり前じゃない。じいじはこの世界の上澄みなんだから。いつかは越すけどね。」
魔法界のトップに立つ三賢者でありコルソン家当主であり、ごら子の祖父である、ライオネル=ラビソントゥ=コルソンだ。
ライオネル「Dr.チャーリンよ。貴様は断じて許されぬ大罪を犯した。今ここでワシに裁かれよ!!」
チャーリン「嫌だねぇ!!それじゃまぁ、データも集まったし!僕はここら辺で帰らせて貰おうかなぁ!!ホイホイホイホイホイ」
ライオネル「希望の光!!五連星!!」
チャーリン「うわぁぁぁぁあああああああ!!」
バァーン!!!
ライオネルより希望の光が五連発で放たれ、合成凶魔獣達は一瞬にして気絶!!そしてチャーリンは攻撃に耐えきれず爆発した!?ごら子が一発でも放つのに苦労したこの魔法を、いともたやす使用!!これが、圧倒的魔力を持つライオネルの実力だ!!
ごら子「やった……のかしら?」
ライオネル「いいや……緊急脱出魔法に似た魔力を感じた。間一髪で逃げられた可能性が高い……何処に逃げられたかは分からんが、これをマルコ達と共に解析すれば、奴の居場所を突き止められるかもんしれん……」
ライオネルはチャーリンが爆発した残骸を拾い上げ、腰にかけた袋の中に入れた。そこに、涙目でロッカを抱えたエコロがやってくる。
エコロ「ごら子……そして、ライオネルさん……本当に……本当にありがとうございます!!」
チャーリンの爆散と同時に、襲撃してきた各地の改造凶魔獣達も意識を失ったそうだ。こうして、ガナルスティール村とその周辺の危機は去ったのだった。怪我人は出てしまったが、死人やチャーリン達に連れ去られた者は一人としていなかった。ロッカも、希望の光に宿った治療の力と、その後の処置によって、三日後には元気に復活!!
しかし、まだチャーリンは生きているだろう。合成凶魔獣にされてしまった人間達を元に戻すという課題も残っている。そして、明かされたロッカの真実……この先、彼女達にどんな過酷な運命が待っているのか……待っていないのか!?
合成狂魔獣襲来編、完結!!




