8-6.諸悪の根源!?Dr.チャーリン現る!!
ついに、物語はターニングポイントを迎える!!
グリーネとの戦いに疲弊し、眠ってしまったロッカを少し離れた木陰へと運ぶエコロ。お姫様抱っこだ。ロッカは全くもって起きる様子は無い、キャリバーフォームによって一一気に魔力を使ってしまったからだ。
エコロ「私も疲れて来たな……ロッカが目覚める頃には全回復するように休もう」
ロッカのような治癒魔法は使えなくとも、強化魔法を応用して、自分自身の肉体や魔力を回復する事が出来る魔法使いは多い。エコロはロッカの横で寝そべりながらゆっくりと回復していった。
???「おっとぉ?大きな魔力の発生を察知してここまで来たんだけどなぁ……?どこいったかなぁ?」
白衣をまとい、大きな卵の殻のようなものを被った金髪で糸目の男?が近くにやってくる。エコロは彼からドス黒い魔力が溢れているのを感じ取った。男はまだこちらに気がついていないようだ。エコロは咄嗟に奴に察知されないよう自身への強化魔法を解除した。優れた魔法使いは周囲の魔法の力を感じ取り分析する事が出来る。奴もきっとそうだとエコロは判断し、そのままロッカを担ぎ近くの茂みへと息を潜める。
???「うーんおっかしいなぁ?」
ロッカ「ああぁぁん!!これ以上は出ないにょぉぉおおおおおおお!!」
???「なんだあ!?」
最悪のタイミングだ!ロッカの寝言である。大きな卵の殻のようなものを被った男は声がする方向を見る。
???「出てきてよぉ!何もしないからさぁ?」
エコロ「あなた……何者?」
ロッカを茂みの中に残して、奴の前に姿を見せるエコロ。奴から溢れるドス黒い魔力に警戒しながら、問いかける。
???「僕はチャーリン!!チャーリン=エッグハート!!よろしくねぇ!!」
エコロ「チャーリン!?今チャーリンって……うわぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」
エコロが大声を上げた。全身が青ざめ、吐き気を催し、屈んでしまう。ナーメによれば、今ここ周辺に現れた合成凶魔獣を作ったのはチャーリンである。エコロはそれを聞いていた。しかし、その情報以前にチャーリンから溢れ出ている、生き物としての根源的恐怖を感じさせるドス黒いオーラに、エコロはショックを受けてしまったのだ。しかし、こんな事で挫けてしまうほどエコロの心は弱くない。歯を食いしばる。
チャーリン「そんなうわぁとか言って屈み出さないでよぉぉ?笑ってくれよぉぉおおおお!!」
エコロ「チャ、チャーリン、私のお母さんを……みんなの大切な人を凶魔獣にした事……許さない!!」
チャーリン「許さないだってぇ?そこはありがとうだよねぇ?存在価値の無い人間達を僕の実験材料にしてやったんだからさぁ!!」
エコロ「こ、コイツ!!」
チャーリン「そうだぁ!!キミも新しい僕の実験台にしてあげるよォ!!こい!!アイアンクレーン!!」
エコロが魔法生物を生成する構えをとるのとほぼ同時に、チャーリンが爪をパチンとならす。すると空から巨大な鳥が飛んでくる。
巨大な鳥「オオオオオオオオオン!!オオオオオオオオオオン!!捕獲してやる!!捕獲してやる!!」
人の言葉を話している。チャーリンがアイアンクレーンと呼んだこの巨鳥は合成凶魔獣だ。よく見たらにツメに当たる部分が鋼鉄のクレーンのように改造されている!?
エコロ「お前!!一体どれだけの人を犠牲にしてきたの!?」
チャーリン「うーん百行くか行かないくらいかなー?百行ってたら嬉しいなぁ……」
エコロ「この……クズが!!」
エコロがチャーリンを睨む。
アイアンクレーン「捕獲してやるぅ!!捕獲してやるぅ!!オオオオン!!オオオオオオオン!!」
エコロ「!?貴方何処かで?」
奇声を上げながらアイアンクレーンがエコロを鷲掴みにしようと襲いかかる。エコロはそれを回避した時、アイアンクレーンからどこかで感じたオーラを受けた。本当になんとなくだ。エコロは確かにこの合成凶魔獣の材料となった人間と過去に出会ったことがある。だが、それが誰なのかエコロには思い出せずにいた。
もしも、あんぐみ!!ガチ考察勢がいたとしたら、ここで気づいているだろうが、殆どの読者はなんの事やら分からないと思うので解説しよう!!
この 合成凶魔獣の材料となった人間は、チャーリンの仲間であった男『アイアン』である。もっと分かり安く言うと『ウキウキ!!おさるとバトルin東京!!』のエピソードにて、よそ見をしていたロッカとぶつかり、猿の凶魔獣をけしかけてきた、あのマフィアのようなイカつい男である!!
チャーリン「ん?どうしたの?考え事なんかしてると、負けちゃうよぉ?」
エコロ「それは、確かにそうね……本気でこの合成凶魔獣を……そしてお前を捕縛する!!」
身体を反らせ、アイアンクレーンの攻撃をかわしながらチャーリンを指さす。そしてそのまま魔力を思いっきり解放する。エコロによる全力の魔法生物生成だ!!
エコロ「暗黒爬虫•極紋•宵闇蜥蜴!」
漆黒を纏った恐ろしく大きな宵闇蜥蜴が、エコロの影から思いっきり飛び出す!!そして、空中で大きく一回転した後、四肢を大きくバッと広げ、アイアンクレーンへと覆いかぶさろうとする!そして、見事後ろから力強くアイアンクレーンを羽交い締めを思わせるような掴みで、撃墜。大きな音を立てて地面に叩きつけられるクレーン!!
アイアンクレーン「グエエエエエエエ!!」
エコロ「よくやったよ!宵闇蜥蜴!!」
チャーリン「なんだよぉぉぉおおお!!そんな簡単に倒さないでよぉぉぉおおおおお!!僕の自信作なんだからさぁぁああ!?まあ、こんなんでやられちゃうんじゃあ大した作品とも言えないかぁ!!アハハハハ!!アイアン!!君はまた材料として使ってあげよう!!」
チャーリンが爪を鳴らす。するとアイアンクレーンはジュルルルルルルという音を立てながら小さく圧縮されていく。
アイアンクレーン「グェェェエエエエエエ!!」
首を絞められたように悶え苦しんでいたが、体の圧縮に合わせてその鳴き声は小さくなり消えた。そこにあった巨鳥の肉体は、小さな黒い卵状の球体になってしまった。球体と化したアイアンクレーンを拾い上げ、チャーリンは自身の白衣の内ポケットへとしまった。
エコロ「な、なにしてるの!?その鳥は仲間……少なくとも手下なんでしょう?」
チャーリン「なにって……再利用さぁ!!使い物にならなくなったからって捨てちゃうのは勿体無いでしょう?そうだ!そこにある奴も再利用しよう!」
ぐったりと倒れているグリーネの方向を、チャーリンは見た。エコロの全身に電撃のような鳥肌が迸る!!
エコロ「ダメーーーーーーーーー!!!」
大声で叫びながら超高速で移動し、チャーリンが爪を鳴らそうとするのを止めにかかる。エコロは、チャーリンが爪を鳴らす事をトリガーに、自身が作り上げた合成凶魔獣を圧縮するのでは無いかと推測したのだ。そしてそれは正解であった。エコロは瞬時にチャーリンの目の前へと入り込み、チャーリンのアゴに強化魔法モリモリの拳でアッパーをくらわす。
チャーリン「うわぁぁぁぁあああああ!!何するんだよぉぉぉぉおおおおおお!!」
チャーリンはエコロの拳を受け、顔面から思いっきり吹き飛んだが、空中で体勢を立て直し体操選手の如く綺麗に着地した。確かに大声を上げながら吹き飛んだが、エコロはこの一撃に手応えを感じなかった。チャーリンも痛みを感じていないように見える。
エコロ「なんなのコイツ……」
チャーリンは常に薄ら笑いを浮かべている。エコロはその様子を不気味がりながら見ている。そこで、近くの茂みがザワザワと揺れた。ロッカが眠っている茂みだ。
ロッカ「あぁーんw良く寝たにょーwってエコロちゃん何やっとんの!!?そこにいる奴誰よ!?もしかしてまたバトり始めてる感じぃー?」
茂みから上半身を出し、すぐさまエコロとチャーリンを見て騒ぐロッカ。チャーリンはその姿を見て何かに気がついたような表情になる。
エコロ「コイツはチャーリン!改造凶魔獣を作った極悪人だよ!!」
ロッカ「にゃ!?にゃんだってぇー!!お前かぁ!!この!このー!!チャンポコアホッタレがーっ!!!!!」
ロッカがガニ股になってチャーリンを指さしながら怒鳴る。その様子を見て、いや、その様子を無視してチャーリンは突然ロッカに問いかけた。
チャーリン「キミ?両親の顔、覚えてる?」
ロッカ「え!?なんだいきなりお前!!個人情報ですにょー!?おかーちゃんは普通に生きてるから覚えてるも何もないにょ!!でもおとーちゃんの事は……確かに覚えてないにょ!!」
チャーリン「アハハハハハハハハハハハハハハハアハハハハハハッッハッハハハ!!!だったら教えてあげるよ!!」
チャーリン「君のお父さん凶魔獣だよ!!」
ロッカ「えっ!?」
衝撃の事実!!




