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あんぐみ!!はちゃめちゃ魔法物語!!  作者: えのしぃ
8.合成凶魔獣襲来編

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8-3.伝説の遺物の目覚め!?グリーネを止めろ!!

母を前に

悲しみに顔を引きつらせるエコロと、ヒョウの合成凶魔獣(ペニシアン)と化した母グリーネの戦いが幕を開ける!!


エコロ「お母さん!止めて!!私はお母さんと戦いたくない!!」

グリーネ「そうね、私もよエコロちゃん。だけど、私の身体と本能はもう完全に凶魔獣(ペイン)の物になってしまっている……いずれ意識、心さえもそうなってしまうかもしれない。だからその前に私を消して欲しいの」

グリーネの形姿はほとんどヒョウだが、エコロはそこからも母の面影を感じ取ることが出来た。一方グリーネの目線では、そこにいるエコロが狩るための獲物に見えるようになっていた。しかし、辛うじてエコロの声だけは彼女の物として認識し、理性を保っているといった状況だ。


エコロ「そんな!そんなの嫌だよお母さん!!元に戻る為の方法だって見つかるかもしれないんだよ?」

グリーネ「元に戻れたとしても!その前に貴方を傷つけてしまうかもしれない……そんな事になったら……私はきっと耐えられない!」

エコロ「それは私だって同じよ!母さんを傷つけるなんて無理!絶対に!!」

ぞろぞろと距離を詰めるグリーネだったが、その間合いを同じに保つようにエコロは距離を取る。全てを諦めエコロに介錯をさせようとするグリーネと全力で拒むエコロ。


グリーネ「ほら……もウ……限かいガ……キたみたイ……はヤギャオ……エコ……ダイ……ギャオ!!」

エコロ「お母さん!」

グリーネの精神がペインにより一気に侵食されていく。もう彼女自身の意識があるのかも曖昧になってしまった。少なくとも、人の言葉を発する事はもう出来ない。


エコロ「なんで……ねぇ……なんでこんな事しなきゃいけないの!?どうすれば……いいの……」

心までもが凶魔獣(ペイン)になったグリーネを目の前で、無防備に跪いてしまうエコロ。グリーネの人としての理性は凶魔獣(ペイン)によって完全に破壊されてしまっている。今にもエコロに向かって跳びかかりそうだ。


ロッカ「エコロちゅああああああああああああああん!!助けにキタニョォォォォオオオオオオオ!!」

跪くエコロの後ろから高速でロッカが走って来た。そしてロッカは放心状態となったエコロを右腕で担いでそのままグリーネから距離をとった。


エコロ「ロッカ……?」

ロッカ「ワタチ、参!上!」

担いだエコロを地面に下ろすロッカ。魔法の実力もまだまだで、頼りない。それでもエコロは自分の元にやってきたロッカをみて、とても安心した。


ロッカ「話は聞こえてたにょ!!でも、安心して欲しい!!ワタチの縛り縄の魔法なら、エコロちゃんの母ちゃんを傷つけずに止める事が出来るにょ!!それで、元に戻す方法が見つかるまで待てばいい!!練習だってしてきたにょ!!ここに来るまでの間に三体の合成凶魔獣(ペニシアン)を三体とも傷つけずに捕まえて来たんだじぇい!!」

エコロ「……でもロッカ、お母さんを止めるのはそう簡単にはいかないと思う。ただでさえ強い合成凶魔獣(ペニシアン)が、更に一級魔女のお母さんの力を取り込んでいると考えると……他の奴らとは同じようには行かない……」

ゆっくりソロソロと近寄って来るグリーネに警戒しつつ、会話をする二人。エコロは合成凶魔獣(ペニシアン)は、素材となった者たちの能力に応じて強さが変わると考えている。ロッカもここまで数回の戦闘で何となくそれを察してはいた。食物連鎖の中でも上位に君臨する動物ヒョウと、魔女の中でもより優れた存在であるエコロの母グリーネ、そしてその彼女の意思さえも取り込む力を持つ凶魔獣(ペイン)の魂。これらが混ざりあった存在は、圧倒的な強さを持つ。


ロッカ「にょ!?それでも!!それでも!!大丈夫だにょ!!ワタチがいて大丈夫じゃ無かった事なんてある?」

俯いていたエコロの顎をクイッと持ち上げ、ロッカが問いかける。するとエコロはクスッと微笑み答えた。


エコロ「大丈夫じゃ無かった事だらけだよ……だけど……だけど……いつも最後はなんとかなってるよね……そうだよね!!今回もきっと……うん!!行くよ!!ロッカ!!」

ロッカ「行くよ!!って!!それはこっちの台詞だにょ!!」

いつもの調子で、流れでロッカを引っ張ろうとしたエコロだったが、今回、引っ張られたのはエコロだ。


エコロ「ありがとう……」


ロッカがエコロの腕を掴む。二人で手を繋ぎ、グリーネの方へと向かう。


ロッカ「もう一度言う。ワタチの魔法でエコロちゃんのかーちゃんを縛るにょ!縛ってそのまま動きを止めちゃえば、戦わずして、傷つけずして勝利だにょ!!だから、エコロちゃんはそれをサポートして欲しいにょ!!」

エコロ「分かった!!ロッカが縄で捕まえやすいように、誘導するよ。業厳爬虫八岐大蛇ごうごんはちゅうやまたのおろち!!」

エコロの足元から巨大な蛇が八頭飛び出してくる。大蛇たちは、グリーネをロッカの魔法が当てやすい所に移動させるように飛びかかる!!が……


グリーネ「ギャオン!!ギャオン!!」

大蛇たちを鋭い眼光で観ながら、即座に判断をし、跳ねるように動き回りながら前足を巧みに動かすグリーネ。その一連の動作が終わると同時に八頭の大蛇全ての首が跳ねられた。グリーネの爪での引き裂きによるものだ……


エコロ「嘘……大蛇達をこの一瞬で……?」

ロッカ「大丈夫!!今、蛇ちゃんの相手をしている間に、縛り縄を大量に仕込んでおいたにょ!!ってえーーーーーーーっ!!」

エコロが大蛇を生み出したと同時にロッカも縛り縄を生成し、グリーネの後ろ足を拘束する事を狙っていたが、その縄も大蛇の首を落とすついでに全て破壊されていた。


エコロ「そんな……これが……お母さんの力!?やっぱり止めるなんて……」

圧倒的な力を見せつけられ、傷つけずに止めるという生半可な考えでは何も出来ないと、エコロはそう感じてしまった。


エコロ「……もう、手段は選んでられないんだ……ロッカ……付き合ってくれてごめんね。ここからは本気で行こう」

ロッカ「ダメだにょ!!どんな状況だって、家族を……家族を傷つけるだなんて……だめだにょ!!だから……ウグ!!うぐぉぉぉおおおおお!」

会話の途中、グリーネが急速に接近し、ロッカの脇腹を引き裂いたのだ。吹き飛ばされ、地面に横たわるロッカ。


エコロ「ロッカ!!!!!!」

ロッカ「だい……じょうぶ……だにょ……だから......エコロち……も……まだ……諦めな……いで……」

ロッカの呼吸が徐々に浅くなっているのを感じる。彼女の回復魔法は、自分自身には使えない。このまま、意識が遠のくのを待つしかない。


エコロ「お母さんの事も大事だけど……ロッカ!!貴方の事もそれ同じくらい!!大事なんだよ!!だから!!私は……!!」

涙を流しながら、声を枯らしながらエコロは言った。覚悟を決めたエコロは、全身全霊の魔力を解放しようと構える。


すると突然、二人の服のポケットから光り輝く何かが飛び出す。その光の正体は二人がずっと大切に持っていた、あのおもちゃであった。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




エコロ「初めて一緒に魔法界(ソルシエーレ)に来た。この日を忘れないように、これはいつでも、近くに持っておこうよ」


ロッカ「おお!!良いにぇー!!これから、どんな事があっても、この日を思い出せるようにって感じー!!」




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




ロッカのコマファイター『エレクトリカルポリネシア』とエコロのコマファイター『ウルティメイタンアブラアゲ』である。そして、この二つのコマファイターは更に光を放ち、形を変えていった。


ロッカのエレクトリカルポリネシアは、一国の王を思わせる姿をした、純白の鎧を纏った男の姿へと変貌した。

鎧の男「私の名前はキャリバー、友に手を差し伸べる勇敢の君に、力を貸そう」


エコロのウルティメイタンアブラアゲは、妖狐を思わせる、白い着物に長く白い尾を生やした長身の青年へと変貌した。

妖狐のような青年「僕の名前はタマモ、友を信じ苦難に立ち向かう君に、力を貸すよ」


自身のコマファイターから現れたタマモと、ロッカのコマファイターから姿を現したキャリバーの姿を見て、目が潤むエコロ。


エコロ「やっぱり……このコマファイター達は……伝説の遺物だったんだ……」

実はこの二つのコマファイターは、店頭で購入したものでは無い。ロッカのは幼少期に、母であるセッカから突然貰ったもの。エコロのは自宅の屋根裏部屋の小さな箱に入っていたものだ。彼女達が魔法学校に入る事になったあの日、コマファイターをしたあの時からエコロは推測していたが、それは正しかったようだ。この二つのコマファイターは神話の時代に生きた存在が残した、伝説の遺物だったのだ


伝説の遺物はかつての所有者の魂と力を宿している。つまりタマモとキャリバーは神話の時代に存在した何者かなのだ。


グリーネ「ギュアオ!!ギュアオン!!ギュアオオオオオオオオンン!!」

完全に身も豹の凶魔獣(ペイン)となってしまったグリーネが、二人を鋭利な爪で引き裂こうと飛びかかる。しかし、そのタイミングで二人は巨大な光に包まれる。それと同時に激しい暴風が起こり、グリーネを吹き飛ばした!!


『エコロ=グラスウォール、タマモモード!』

白い尻尾が生え、手足はまるで狐のような毛に包まれ、獣の耳が生えたエコロ。彼女は自身の身体を見回し、困惑しながらも、確実に身体能力が上がった事を実感している。


『ロッカ=アマミ、キャリバーモード!』

全身が純白の鎧に包まれ、右手には剣を、左手には盾を構えている。ロッカは変身した自分自身の姿を見て、心を踊らせていた。


ロッカ「うおおおおおおお!?これは一体なんだにょぉぉぉおおおおお!!高そうな鎧キター!!それに、見た目の割に全然重たくないにょ!?しゅごーい!!これならなんだか、勝てる気がするにょー!!」


エコロ「これが、伝説の遺物の力?それにこの感覚は何……?身体が何倍にも軽くなったみたい……魔力の高まりもかなり感じる……圧倒的だわ。これなら上手に手加減して、お母さんを傷つけずに止められるかもしれない!!」

グリーネは再び立ち上がり、今度は慎重にエコロの方へと近づく。それをじっとみながらエコロは身構える。加速するためと後ろ足を大きく蹴り上げようとするグリーネの動きをみながら、エコロはグリーネの背後へと、目にも止まらぬ速さで回り込む。そして、そのままグリーネの全身をガッチリと抱きかかえた。彼女の腕に包まれたグリーネは完全に身動きが取れなくなっている。


エコロ「ロッカ!!後は頼んだ!!」

ロッカ「分かったにょ!!後はエコロちゃんのおかーちゃんをこの剣で……じゃなくて!!縄でしばるにょ!!シバレ!!シバレル!!シバルレルー!!」

ロッカが右手の剣を空に掲げながら呪文を唱えると、剣の向くその先から無数の縛り縄が現れ、グリーネへと飛んでいく。縄達は全てグリーネに命中。エコロはその瞬間グリーネを掴んだ腕を離した。縛り縄達はグリーネの全身を拘束し、完全に身動きを取れなくした。


ロッカ「やったにょ……綺麗に捕まえたにょおおおおおおおおおお!!」

エコロ「お母さん、動けないのは辛いだろうけど、元に戻るまでは大人しく待っててね」

グリーネ「キャオ……キャオ……クキャア……」

恐ろしい力を持った縄に縛られ、抵抗することさえも無駄だと悟ったのか、完全に動きを止めたグリーネ。


戦いが終わったからか、力を使い切ったか定かでは無いが、エコロとロッカは元の姿に戻っていた。また、二人には疲労ドッとやってきたような感覚で力が抜けてしまう。


ロッカ「うにょんぴ……身体がへにょへにょだにょぉぉ……寝たい寝たい寝たい……ベッドがほちいにょお」

エコロ「これが……伝説の遺物の力を使った反動……?まあそうだよね……流石にずっとこれで戦うとかは無理だよね……」

ロッカ「ま、まぁ取り敢えず一件落着って感じー?い、一旦休むにょー」

溶けるように地面に寝込み、ロッカはすぐさま眠りに着いてしまった。それを見たエコロは、優しく微笑んだ。


エコロ「ありがとう、ロッカ」

覚☆醒

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