8-2.エコロ、始まりの物語!!覚悟の魔女デビュー!!
ついに50話!?
時は過去にさかのぼる!これは、エコロが中学一年生の時の出来事である。エコロが自分の部屋で眠りにつく頃、彼女の父ジオと母グリーネの二人は暗い寝室の中で……何か相談をしていた。
グリーネ「私は、エコロちゃんには自由に生きて欲しいのよ。人生には沢山の選択肢があるもの」
ジオ「その気持ちも分かるし僕もそう思うんだけどね、グリーネ。グラスウォール家は代々魔法使いとなり戦うと言う伝統、その伝統を途絶えさせる事もまた、そう簡単な事ではないんだ」
グリーネ「500年の伝統は確かにそう簡単に絶やしてはいけない物だわ、だけどそれでも、私は娘の人生を大切にしたい」
ジオ「グリーネ......」
エコロ「お母さん、お父さん......」
グリーネ「エコロちゃん、起きてたのね?」
寝室の扉がゆっくりと開き、キャベツの形をした枕を抱えたエコロが入って来る。ジオとグリーネは何か心配したような表情でエコロの方をみる。エコロはトイレに行く途中、廊下に漏れていた二人の会話を立ち聞きしていたのだ。
エコロ「私ね、魔女になってもいいかなって思ってるの。お母さんとお父さんが凶魔獣と戦っているのは何回か見たことがあるけど。かっこいいなと思ったし、これが沢山の人の幸せに繋がってるんだなと思って......私もこうなりたいなって思ったりして」
魔法使いである両親が、出来るだけエコロの身を危険にさらさぬように努めてきてはいたが、それでも偶然付近に凶魔獣が現れた際や緊急の任務の際には、エコロの身を案じながらも付近で戦う事もあった。そういった時にエコロは二人の戦う姿を見ていたのだ。ジオとグリーネはエコロが自分の意志をもって魔女になりたいと話したことに少し驚きながらも、その姿をみて納得した。
ジオ「エコロ......そうか......僕は確かにエコロに魔法使いになって欲しいと思ってはいるけど、もしも無理をしているんだったらそれはダメだ。僕だってお母さんと同じで、エコロが何か本当にやりたい事があるんだとしたらそれを尊重したい。しっかり三人でお話して決めよう」
グリーネ「そうよね、エコロちゃんももう中学生だものね。お母さんとお父さんで勝手に決めるのも良くなかったわ。魔女になるのならば早いうちが良いともいうけど、ゆっくりと話しあっていきましょうか。でも、今日はもう遅いわ。お休みして、明日みんながお家に帰ってきたら決めましょう」
三人は眠りにつき、明日を迎えた。エコロはこの時、魔法界の普通の学校に通っていた。魔法界はその名の通り魔法で成り立ってこそいるが、実際に魔法使いとして生活している者は人口の3割程度である。昔から私生活においては、源流界と同じようなものであった。現代では魔科の発展もあり、源流界でいう電力うガスが魔力に置き換わっている事以外はほとんど変わりはない。また、使われる魔力も源流界のそれらと同じように、世界各地にある魔力大樹という日の光から大量の魔力を生み出す大きな木から供給されている。つまり、自身が魔法使いでなくても魔法界での生活では全く困る事はないのだ。今となっては魔法使い、魔女は凶魔獣を倒すか、研究を行い新たな物を生み出す存在のどちらかでしかないのだ。
次の日、三人は家のリビングにて、家族会議を始めた。
グリーネ「そう、だからね。魔女になる以外にも沢山の選択肢がある。だけどね、今魔女になってしまえば、魔力が急激に衰退する30歳までは凶魔獣と戦う義務を背負わされる。どんな状況であれ、凶魔獣と戦う事を優先しなければいけない」
エコロ「うん、分かってる。遊んでいる途中でも、学校の途中でもね」
ジオ「ああ、まあ魔法学校に入ってしまえば周りは皆魔法使いだから、一人で抜け出すなんてことは無いだろうけどね。とにかく、全てが凶魔獣退治優先の生活になる」
エコロ「大丈夫、それも覚悟の上だから」
グリーネ「エコロちゃん、もうそこまで知ったうえで決めているのね......それじゃあこれで最後。凶魔獣がいない時は自由な時間だから、遊んだり好きな事は全然出来るだろうけど、他の何かを極める為の十分な時間はきっと作れない。途中で止めるなんて事も出来ないからね」
エコロ「いいよ、多分私、好きな事は沢山あるけど、どれも全力でやろうだなんて考えないと思うから。全力で出来るのが、きっと魔女のお仕事なんだって思ったの」
ジオ「なあエコロ、なんでそこまで覚悟を決められているんだ?何がエコロをそうさせる?」
エコロ「それはお父さんとお母さんみて......それで後、今まで言ってなかったけど、小学5年生の時、魔女の子に助けられた事があって......それがとっても私にとって眩しくって、ずっと忘れなれなくって......」
ジオ「憧れ......か......それはとても素敵な物だね。これならお父さんも安心だ」
グリーネ「ええ、エコロの気持ち、お母さんにもしっかり伝わったわ」
グリーネとジオはエコロのその瞳を見て、彼女を魔女として送り出す事を決めた。その上で諸々の説明を行い、一週間後に契約を行う事を決めたのであった。その後も勿論エコロの意志は変わる事は無く、彼女は晴れて魔女となった。
エコロ「やったー!!」
ジオ「魔法生物の創造魔法と突出した魔法観察眼か......前者はグリーネの母、後者は僕の物を継いだようだね」
エコロを見てジオがそうつぶやく。魔法使いとなった者の得意不得意は遺伝する事がある。家族で似たような魔法が使えるようになる事も少なくはない。エコロは母方の祖母と父であるジオの得意魔法を受け継いだようだ。
グリーネ「そういえばエコロちゃん。魔法学習の方はどうするの?お父さんとお母さんと一緒にお勉強をするか、魔法学校に転校するかになるけど」
エコロ「魔法学校にも行ってみてたいけど、私、お父さんとお母さんから学びたいんだ!!」
グリーネ「まぁ......お母さん嬉しいわ......」
魔法使いになってから三年間は魔法学校または、魔法検定準一級以上を持つ者の元で魔法学習を行う。その後は魔法協会より担当地域を与えられ、その地域を少人数で凶魔獣から守る事となる。エコロは両親の元で無事三年間の学習を終え、無事に優秀な魔女となり、源流界、日本の神奈川県の有御茶町を任される事になる。この後は有御茶高校の学生として日常を送りつつ、ロッカ達にばれないよう凶魔獣退治に励んでいたのだ。源流界に凶魔獣が現れるのは主に夕方から夜にかけてなので、なんとか正体を隠しつつ、頑張っていたのだ。
エコロ「お母さん、お父さん!私!立派に魔女として頑張ってるよ!」
これが、エコロの、魔女になるまでの話。
――そして、時間は現在へと戻る。
グリーネ「エコロちゃん......強くなったね......」
エコロ「お母さん......もうやめようよこんな事......」
残酷な事にエコロは今、ヒョウの合成凶魔獣と化した自身の母、グリーネ=グラスウォールを止める為、涙を流しながら戦闘していた......
そして同刻、魔法の最先端を行くゼペット魔法学院にて、三賢者が集っていた。
ライオネル「あのチャーリンが、もう動き出したというのか!これは緊急事態だ!!ええい!!奴を『魔法界禁忌の大罪人』と指定し、即刻に止めるのだ!!」
合成凶魔獣達はロッカ達のいる場所だけではなく魔法界全体で侵略を行っている。その現状を完全に把握した三賢者。その中の一人ライオネル=ラビソントゥ=コルソンが声を荒げる。
マルコ「アタシも勿論賛成だよ......これ以上アタシ達の魔法界を滅茶苦茶にしてもらっちゃ困るからね。それじゃあ各地の管轄に今すぐ伝達するよ」
懐からトランシーバーのような魔道具を取り出し、声をあげる。
マルコ「魔法協会、六大貴族、各地の代表に告げる!!チャーリン=エッグハートを七人目の『禁忌の大罪人』とし、今すぐ全魔法使いの力を持って止めよ!!」
『魔法界禁忌の大罪人』には、この魔法界において禁じられた行為を行った上、多くの者の命を脅かした者が指定される。指定された際には、全世界の魔法使い全員が緊急でこの者を止める事が義務付けられている。つまり今チャーリンは、全ての魔法使いを敵に回したという事になる。
【歴代魔法界禁忌の大罪人】
1.憤怒の破壊王 ドルルガン=デスゲリオン 源流界暦1539年没
愛人を凶魔獣に殺され怒り狂い、古代兵器ラグナ・カノンを起動。魔法界そのものを破壊し諸共、凶魔獣を殲滅しようと企むが、コラルゲン=スラスウォールら、始まりの魔法使い達により止められる。
2.怠惰の眠り姫 メイメイ=アーチャン 1731年没
自身が眠りの中で見た夢をそのまま現実にしてしまう魔法を使い、眠りながらに世界を我が物としようとする。その夢により多くの人々が朽ち果て、世界は崩壊へと向かって行ったが、ブレイバー=クリムガルによりそれは止められた。
3.嫉妬の暗殺者 スレイヤー=スレイヤー 1754年没
源流界の貧民街にて、何らかの手段を使い魔法使いから魔法の力を奪い取り、その力を使って六大貴族のダイナモン家、レオパルド家の重鎮を暗殺。それにより魔法界の政治や経済は混乱に陥る。またこのニュースにより世界に激震が走り、人々は震えて眠るように。さらに当時の三賢者エグゼスを暗殺しようと企むが失敗。返り討ちに合い捕縛される。
4.暴食の支配人 グールグーイ=ドゥーム=ディミトゥリ 1860年没
自らが喰らった者の魔力を得る事が出来る魔法を使用、六大貴族である自身の金と権力を用いて人さらいを行い、さらった魔法使い達を何人も喰らって力をつけていく。しかし、同じくディミトゥリ家の男であるカインによりそれは止められた。
5.強欲の時泥棒 バルバロス=バルバロッサ 現在存命
人間の命を犠牲に時を操る魔法を生み出す。その力を使い歴史を改変し、己の考える世界を実現しようと企むが、サンドラ=ムーン=パールナイトら六大貴族の精鋭達によって捕縛される。しかし、時を操り若返り、なんどでもを逃亡を企むため、彼を完全に封じ込める結界をメリルーマウンテンに張り、そこに封印している。
6.色欲の風来坊 ファルザー=エロスマン 現在存命
世界各地の魔女を洗脳し凶魔獣の子種を植え付け、凶魔獣の赤子を産ませた。凶魔獣の赤子たちは異常な力を持っており、魔法界を滅亡の危機へと追いやった。バルカーナ=クリムガルらによりその危機は止められたが、今だ捕まることなく逃亡を続けている。
7.傲慢の研究家 チャーリン=エッグハート 本日指定
人工的に凶魔獣を作り出す実験を繰り返し行い、ついにそれらを使い魔法界全体を襲撃し始める。今現在、禁忌の大罪人に指定され、全世界の魔法使いによりその野望が止められようとしている。
バルカーナ「さぁてと!!アタイもいこうかな!!合成狂魔獣......そしてチャーリンを止めにね!!」
バルカーナが思いっきり立ち上がり、学院を飛び出す。それに続いて、マルコとライオネルもその場を去っていた。三賢者の一人、バルカーナがついに戦の場へと放たれる!!
マルコ「さて、アタシは一刻も早く凶魔獣を元に戻す為の方法を見つけ出さなきゃね……」
ライオネル「ワシは改めて魔法界全体の状況を確認する。そして状況次第では、ワシも戦場へと出よう」
シリアスになるけどゆるして




