8-1.おしゃべりナメクジ!?ナーメナメータ登場!!
ロッカ「い……一体何が起こっているんだにょ!?」
辺り一面に広がる凶魔獣の群れを前に驚愕するロッカ。そこに、大きな唇をした巨大なナメクジの凶魔獣がやってくる。ロッカはそれに気づき戦闘態勢を取る。
ナメクジの凶魔獣「おやおやw君はこの状況をまだ理解出来ていないようナメねー!!」
ロッカ「ペ!ペインがシャベッタァァォァアアアア!!」
人ならざる存在である凶魔獣が人間の言葉を話す事は本来ありえない。しかし、確かに今、目の前にいる凶魔獣は言葉を発している。
ナメクジの凶魔獣「おっと、自己紹介がまだだったね。僕の名前はナーメ・ナメータ。チャーリン=エッグハート博士によって作られた、合成凶魔獣の一体ナメ!そして今、我々 合成凶魔獣は、手下の凶魔獣達を連れ、各地を襲撃しているのナメ!!」
ロッカ「こいつ!めちゃくちゃ色々教えてくれるにょ!ってなんでそんな事してるんだにょ!!」
ナーメ「それは僕たちが凶魔獣だからさ!そこには説明などいらないナメェ」
ロッカ「な!でも確かに……ペインは理由も意味も無く人に災いをもたらすってエコロちゃんが言ってたにょ!!」
そう、凶魔獣達が災いを招く事に、微塵にも理由などない。害虫でさえ生命の維持や繁殖の為に生きているが、凶魔獣にはそう言った物は全くと言って無く、ただ本能のままに壊し、汚し、荒らしていくのだ。
ロッカ「だったらこっちも問答無用!!さっき寿司屋から貰ってきた塩ぉぉぉおおおおお!!」
オーマイスシヨシから貰ってきた塩の小袋を開封しぶっかけるロッカ!ナーメの体が少し溶けた!!
ナーメ「んほおおおおおおおおおおおお!溶けるナメ!やめるナメ!!溶かすんじゃあなぃぃいいいい!!」
苦しそうに悶えるナーメ、普通のナメクジと同じように、身体に塩をかけられると溶けてしまうようだ。
ロッカ「害しかもたらさない奴なんてこうだにょ!塩!!塩ー!!シオシオシオシオシオシオォ!塩ぉ!!」
ナーメ「んほぉぉぉぉぉおおおおおお!!ナメェェェェエエエエ!!で、でも!そんな事していいナメか?僕は元人間……チャーリン博士が人間とナメクジを融合させて作り上げた凶魔獣だナメ!つまりここで僕を倒せば君は人殺しになるナメねぇ!?」
ロッカ「え……?人とナメクジのキメラって事……?にゅ……にゅぅぅぅうううう……」
衝撃の事実!?ナーメはナメクジと人間の合成凶魔獣だった!!恐るべきチャーリン博士!!外道だ!!非人道的だ!!ロッカは塩を振るのを躊躇してしまう。
ロッカ「そんにゃー!一体……一体どうすればいいんだにょおおおおおおおお!!そうだ、逃げるにょ!!」
ナーメ「逃がさないナメェ!?」
走って逃げるロッカだったが、ナメクジとは思えない異常なスピードで追跡してくるナーメ!!が、しかしそこに何者かが現れる。
マッソン「そぉーれ!!ムッキムッキナックル!!」
ドゥ組担任のマッソン先生だ!!草むらから突然飛び出して来たマッソンがナーメへと重たい拳の一撃を食らわせる。
ロッカ「お、お前は!?マ!マッソン!!」
マッソン「先生を呼び捨てにしてお前呼ばわりとは……貴方、あの山に入ったというのに、余計生意気になってしまったかしら?」
ロッカ「うるせーにょ!よくもワタチをあんな牢獄に入れてくれたわねぇ!?」
マッソン「ちょっとやり過ぎたかもとは思ったわよ。だけど全然懲りてないし丁度良かったわね!これは!」
自身をメリルーマウンテンへと放り込んだマッソンに怒るロッカ。マッソンはそれを楽しそうに受け入れていた。殴られたナーメは立ち上がり、反撃しようとする。
ナーメ「クソ!ナメやがって……てめぇはなんなんだナメ!」
マッソン「私はマッソン=グラディウス。筋肉増強魔法を使い、戦う魔女よ!行くわよォ!!ハァ!!ムッキ・ムッキ!!」
マッソンの全身の筋肉が膨張し、強化される。筋肉増強によって一回り大きくなったマッソンがナーメに巨大な一撃を喰らわせる。
ナーメ「ナメェェェェェェ!!分かってるのか!?僕は人間とナメクジを使って作られた合成凶魔獣ナメよぉ!?」
マッソン「ええ、そんな事くらい知ってるわ!!だけどそんなこと、全然構わないわ!!ムッキムッキナックルー!!」
マッソンの重たい一撃が再びナーメに降りかかる。ナーメは思いっきり吹っ飛んだ。
ナーメ「ぶひゃぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」
マッソン「おらっしゃい!!」
ナーメ「クソ!ふざけんなナメぇ!!なんなんだナメぇ!!オオオン!」
ロッカ「マッソン先生ー!」
マッソン「大丈夫よ!気絶させるだけ!!今、マルコが合成凶魔獣になった人間を元に戻す手段を開発してるから!!」
ロッカ「マルコ?あぁ、ごら子ちゃんのおじいちゃんと同じめちゃくちゃ凄い賢者モォー!!の人かぁ!!」
三賢者の一人、マルコ=ギャンブルデパートは、今まで沢山の発明を生み出して来た。魔法と科学を組み合わせた技術「魔科」や数多くの優れた魔道具たちは彼女によって生み出されたのだ。今、そんなマルコが合成凶魔獣を元に戻す技術を開発中だという。
マッソン「傷つけずに捕獲するのが一番なんだけど、私はそういう器用な事は苦手でね。気絶してもらうわよー!!」
ロッカ「傷つけずに捕獲……そうだにょ!!ワタチの縄で縛ってしまえばいいにょ!!縛れ!!デカイナワー!!」
ナーメ「チクショー!!チクショー!!チクショー!!ナメー!!!!!!」
ナーメの柔らかい身体を縛り付ける。すぐさまヌルヌルと動かれ抜け出されそうになったが、更にそこに魔法の網を生み出し完全に捕獲した。
マッソン「そういえば貴方、縄の創造魔法使いだったわね!!やるじゃない!!」
ロッカ「にょにょにょーw」
マッソンの攻撃により弱っていたのもあり、ナーメを上手く捕まえる事が出来た。ロッカの魔法も何度も使っていくうちに強くなり、魔法の縄や網の強度も高まっていたようだ。
ナーメ「こ、この僕が!こんな奴らに捕まるなんてー!!ありえない……ナベ……」
ロッカ「よっほほー!!にょにょ!!……って……ん?」
網の中でジタバタしていたナーメだったが、もう諦めたのか大人しくなった。その隣でご満悦のロッカだったが、捕まったナーメの語尾がナメからナベに変わった事に違和感を抱いた。ロッカはナーメの顔や身体をじっくりと見てみた。
ロッカ「ナベ……?それにこの顔……どっかで見たことある気がするにょ……えーっと、このぅ真面目なのかアホなのかよく分からない顔……あ!!」
身体は完全に大きなナメクジであるナーメだが、顔や仕草には元の人間の面影らしきものを感じる。ロッカはこのナーメが、ロッカの元いた源流界の学校、有御茶高校のクラスメイトである煮切鍋助なのではないかと直感した。
ロッカ「もしかして、鍋助くぅーん?」
ナーメ「鍋助?あぁそういえば僕と融合させられた人間はそんな名前だったような?でもね?彼の自我はもうほとんど無いよ。なんだってこの僕が支配しているからさ!」
ロッカ「やっぱりー!!アンタワタチのプリチィ!!なクラスメイトである鍋助君の身体を奪ったのねぇい!!このクソザコナメクジィ!!」
ナーメ「乗っ取ったとは心外だねぇ!!合成凶魔獣は二種類の生物と凶魔獣の魂、この三つを繋ぎ合わせて作られるんだけど、その素材にされた三種類の内、最も自我が強い者が肉体を支配するナメ!!この身体の素材となったその鍋助とかいう人間と、ナメクジ、そしてかつて、凶魔獣であった僕の中で最も自我が強いのは僕!だから僕がこの身体を支配しているナメねぇ!!」
ロッカ「へぇー!!そういう事かにぇー!!ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ全部教えてくれてありがとうー!!」
ナーメ「そりゃあ合成凶魔獣になって人の言葉を話せるようになったら色々話したくなる物ナメ!!」
捕まっているにも関わらずまた網の中で楽しそうに話しだすナーメ。お喋りするのに夢中になってしまっている。
ロッカ「じゃあ今度は、君たちが攻めて来た辺りから、何があったか教えて貰おうかにゃー?」
ナーメ「良いナメよー?」
ロッカはナーメに、自分がメリルーマウンテンにいる間に、外で何があったかを聞き出した。寿司屋で時間の感覚がおかしくなってしまっているロッカにとっては、メリルーマウンテンに入ってから出るまでに約二日が経っているという感覚だったが、実際には5時間程しか経っていないという事を知った。その後、その五時間の間の出来事を、マッソン先生に確認を取りながら、ナーメから聴取して行った。
ロッカがメリルーマウンテンに放り込まれて少しした頃、合宿場とその周辺に百をも超える凶魔獣と凶魔獣の軍団がやってきたという。奴らの目的は、魔法使い達の殲滅。魔法使いの見習い達が集まるこの合宿場諸共全てを破壊し、凶魔獣の拠点とする事らしい。
ロッカ「びょえー!!こうしちゃいられないにょ!!マッソン先生!!合宿場に戻ろうにょ!!」
マッソン「元よりそのつもりよ!!貴方を連れて合宿場に戻る為にここまで来たんだもの!!」
マッソンはナーメが入った網袋を掴み、高速で合宿場の方へと走っていく。ロッカもその後ろについていった。




