7-2.オレヲヨメ!!超生徒指導タイム開始!!
メリルーマウンテンの頂上にて、マッソンによるロッカに対する超生徒指導タイムが開幕した。
ロッカ「なにー!?何をする気だにょぉぉおおおおお!!」
今だに状況を掴めないロッカ。それを見ながらマッソンはニヤリと笑った。
マッソン「超生徒指導タイム……それは、生徒に正しい道を示す儀式よ!!」
語り出したマッソンだったが、ロッカは彼女が何を言っているのかあまり理解出来ていないようだった。
マッソン「つまり……貴方は私にしばかれて『誠実さ』を手に入れるって事よ!!」
ロッカ「それってつまり……お仕置きされるって事ぉ?」
マッソン「平たく言えばそうね」
ゴソゴソとマッソンが何かを準備しながら話している。そしてそれを聞いたロッカは再び発狂する!!
ロッカ「ヴォォォァァァアアア!!お仕置きなんてそんなキツイことされたくないにょおおおおおお!!」
ロッカが荒ぶり、逆立ちをしながら飛び跳ねるカンガルーのように暴れ回る。
マッソン「だったらこれからは真面目に生活する?」
マッソンは大きなボタンを取り出しながら問いかける。赤くて丸い、掌で思いっきり押して調度良いくらいのボタンだ。
ロッカ「それはもっと嫌だにょおおおおおおお!!」
ポケットから腐ったミカンを取り出してお手玉をしながら、ロッカはマッソンを脅迫する。
マッソン「どうしようもない!これは……貴方の根性から叩き直すしか無さそうね。ポチっ!」
そう言うってボタンを押したマッソン。
すると……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
山の地面が大きく二つに割れる。ロッカが割れた地面の奥を覗くと、そこには多数の罠、恐ろしいギミックが仕掛けられた謎の空間があった。
マッソン「超生徒指導タイムの、ルール説明を始めるわよ!至って簡単!このメリルーマウンテン内部の秘密の空間、通称『メリルの胃袋』を駆け抜け、最深部までたどり着く。それだけよ!因みに、中がどうなっているかは、私も分からないわ!」
『メリルの胃袋』に入った問題児は皆、真面目になって帰ってくるというのは有名だ。しかし、どのような原理でそうなるかは、実際に入った人間にしか分からない。また、もとよりルールを守ることの出来る人間は、入る事を禁じられているのだ。マッソン今まで何人かの生徒をここで公正してきたが、中で何が起きているかはハッキリとは知らない。
ロッカ「こんな!お仕置きなんて嫌だにょおおおおおおおおおおおおおおおおおぉおぉおおぉおおぉおお!!」
そう叫んだロッカだったが、マッソンに背中を思いっきり押され『メリルの胃袋』へと放り込まれてしまう。
ロッカへの『メリルの胃袋』でのお仕置きが始まった。そこら中に敷かれたレールの上を丸ノコギリがハイスピードで回転しながら走っている。不規則に、巨大なバーナーが並び、炎を吹いている。遠くには大量のセンサー式ガトリング砲台が設置されている。
ロッカ「あぁん!?殺す気かにょ!?蜂の巣にされてバラバラにされて燃やされて死ぬにょおぉぉおお!!うぉぉぉおおぉぉぉん!!」
ロッカはひたすら仕掛けを回避しながら叫び回る。ノコギリ、バーナー、ガトリング、全ての攻撃を間一髪で避けながら、奥へと進んでいくロッカ。ノコギリで衣服の一部を切られた!バーナーによる熱い空気がロッカに触れる!ガトリングの砲撃は過酷さを増していく!!
マッソン「安心しなさい。死にそうになったらちゃんと助けに行くからね」
阿鼻叫喚するロッカを上から眺めながら、マッソンは声をかける。しかし、必死に駆け回るロッカにその声は聞こえてなかった。ロッカは一刻も早くここを突破しようと、走り抜ける!そして、山の奥へとやってきた。
ロッカ「や……やっと安全そうな所に来たにょ……」
ここには、危険なトラップは無い。安心して地べたへと座り込むロッカだったが、ここで二つ目のおしおきが幕を開ける。突然、上から大きな檻が降ってきてロッカを閉じ込めた!!
ロッカ「牢屋!!今月もまた閉じ込められるにょおお!?」
先月、アンディによってキメオラ村の地下に幽閉されたロッカ。また閉じ込められてしまった。ロッカの目の前に『常識図鑑』と表紙に書かれたおおよそ300ページほどの本が現れる。そして、常識図鑑が突然喋りだした。
常識図鑑「オレヲヨメ!オレヲヨメ!オレヲヨメ!オレヲヨメ!」
ロッカ「嫌だにょぉおおおおおおお!!」
檻の外に出ようと鉄格子の扉を掴むがビクともしない。そこで、常識図鑑がロッカに近寄り話しかけてくる。
常識図鑑「オレノダスクイズニコタエラレレバ、コノオリカラデラレルゼ!シュツダイハ、オレノナイヨウカラ!!」
ロッカ「うるせぇえええ!!クイズなぞしたくないにょおおおおお!!」
ロッカは鉄格子を破壊しようと試みるが、魔法で強化された彼女の力でも、縛り縄の力を使ってもそれは出来なかった。
常識図鑑「ダイイチモン!!デーレン!」
そしてクイズが出題される。
ロッカ「にょ!?」
常識図鑑「ホドウノシンゴウガアオクナッタラワタレ。デハ、アカニナッタラ?」
ロッカ「急いで渡れ!!」
常識図鑑「ジュッジュッー!!フセイカイ!!セイカイハトマレ!!ダ!!」
ビリビリビリビリイ!!
ロッカに電流が流れる!!少し焦げ、髪の毛がアフロになった!!
常識図鑑「クヤシカッタラベンキョウシロ!!オレヲヨメ!!オレヲヨメ!!オレヲヨメ!!」
ロッカの手元へと、自身の身体を翼のように羽ばたかせ飛んでくる常識図鑑。
ロッカ「嫌だにょおおおおおおおおお!!読書なんかしたかねぇぇええええええええ!!」
それに対して読みたくないロッカは逃げ回る。仕方が無いと常識図鑑は動きを止めて問題を出し始める。
常識図鑑「デハダイニモン!!デーレン!!ミギアシヲダシテヒダリアシダスト?」
ロッカ「M字開脚!!」
常識図鑑「ジュッジュー!!フセイカイ!!セイカイハアルケル!!ダ!!」
ロッカに再び電撃が流れる。アフロみがさらに増す!!かなりボンバーだ。
ロッカ「チクショー!!どうすればいいんだにょ!?」
常識図鑑「ダーカーラー!!オレヲヨメ!!」
ロッカ「こんな分厚い本読んでられねーにょおぉお!!」
常識図鑑「ベツニゼンブジャナクテモイインダゼ!!ホラホラァ!!オレヲヨメー!!」
ロッカ「嫌だにょおおおおお!!シバレ!!シバレル!!シバルレル!!」
ロッカの魔法の縄が常識図鑑を襲う!常識図鑑は縄で十字に縛られ、身動きが出来なくなる。
ロッカ「にょwにょwにょwさぁwここから出すにょーっ!!さもなくば、もっと縛りつけてやるにょおおお!!」
締めつけを少しづつ強くしながら、常識図鑑を虐めるロッカ
常識図鑑「ヤメロ……ヤメロ……ヤメテクレェ……シゲンカイシュウ……シゲンカイシュウダケハ……」
常識図鑑の声色が変わる。元気よく凶暴とも感じられる声が、何かを恐れるような矮小な物となった。心做しか、小さく震えているようにも見えた。
ロッカ「そんなにビビらなくてもいいにょにぃーwほら早く、牢屋を開けなさいにょw」
思った以上に自分の魔法が効いてしまったロッカは、余裕そうに話す。
常識図鑑「アアワカッタヨ……アケルヨ……ハァ……マタヨマレナカッタ……オレ……」
涙ぐんだ声で、常識図鑑は話す。落ち込みながら鉄格子の扉を開けた。牢屋の外に出ようとしたロッカだったが、常識図鑑のあまりの落ち込みようが気になり、声をかける。
ロッカ「そんなに読んで欲しかったにょ?」
縄の魔法を解きながらかがみ、地面に横たわる常識図鑑を持った。
常識図鑑「アア……オレ八ダレニモシッカリヨマレタコトガネエンダ。ダッテ、アタリマエナコトシカカエテネーカラナ。ミンナオレニカイテアルヨウナコトハ、フツーニシッテルンダ。ダカラ、ジョウシキガネーオメーナラモシカシタラッテオモッタンダ」
ここ、メリルーマウンテンの山内「メリルの胃袋」にて何者かに産みだされた常識図鑑は、産みの親に命じられ、産まれたその日からここにて待ち構え、ここにやってきた人々に本である自身の内容に関するクイズを出していた。しかし、その内容は生きていれば自然と身につく内容ばかりで皆、本を読むまでもなくクイズに正解してしまう。クイズに答える前に常識図鑑を開く者もいたが、そんな人たちもあまりにも当たり前すぎる内容に途中で閉じクイズに正解してしまうのだ。
常識図鑑「イケヨ……ジャアナ……」
ロッカ「……」
バサッ
ロッカが常識図鑑を腕にかかえて外に出る。
常識図鑑「モシカシテ、オレヲヨンデクレルノカ……」
ロッカ「ワタチは読まないけど!山の外にはアンタの事を読んでくれる奴がいるはずだにょ!ヨコミちゃんとかナナバちゃんが多分面白がって呼んでくれるはずだにょ!!」
常識図鑑「ウゥ……アリガトウナ……」
ロッカは常識図鑑を腕に抱え、メリルの胃袋の奥へと進んだ……




