4-6.エコロVSユメミ!!明かされるロッカとの出会い!!
過去回想入ります。
マリンとナナバが戦いを始めたその時、水の壁によって隔てられた向こう側では、ユメミとエコロの戦いが始まろうとしていた。
ユメミ「さぁ!!勝負よ!!」
ユメミが魔法を放つ構えを取る。彼女の一つ前の戦いでロッカに向かって放った、ソフトクリームミサイルの発射準備をしているようだ。
エコロ「やる気満々じゃないの。私も行かせてもらうよ!業厳爬虫八岐大蛇!」
エコロが最も生成を得意とする魔法生物でヘビを使った大技、八岐大蛇で応戦する。地面から巨大な蛇が8匹現れる。
エコロ「全て飲み込みなさい!」
エコロがそう指示すると、蛇たちはユメミの周辺で発射されようとしているソフトクリームミサイルに向かって飛び込み、大きな口でそれら全てを飲み込んだ。
ユメミ「全て処理されちゃった……なんていう対応力!さっきの変な子のようにはいかなそうね」
エコロ「さっきの変な子……あっ(察し)」
エコロは、ユメミのいう「変な子」というのが誰なのか一瞬で理解した。
エコロ「その「変な子」は私の親友よ」
ソフトクリームミサイルを処理し終えた蛇をユメミに向かって攻撃させながら、エコロは話す。
ユメミ「そうなんだね!貴方、なんとなく真面目っぽいけど、以外とそっち系なのかな?」
ユメミはエコロに距離を詰めて殴りかかるが、エコロは即座にバックステップで回避。アイスを処理した蛇たちにユメミを襲わせる。
エコロ「いや、私は結構真面目だよ?あの子が過剰に暴走しないようにみてあげてるんだよ」
エコロはユメミと適度な間合いを保ちながら、蛇への指示とサポートを行っている。
ユメミ「そうなんだ!だったらさ、今度伝えておいてよ。初対面の人の手をペロペロ舐めるのは流石に気持ち悪いからやめようねって!」
ユメミは蛇の攻撃を、スケートで滑るように移動しながら回避しつつ、そう述べた。反撃の機会を伺いつつ距離を取る。
エコロ「うん、確かに人の手を舐めまわすのは良くない事ね。だけどさ、気持ち悪いってのは訂正してくれないかな?」
エコロが、半笑いで問いかける。その笑いの裏側には、少々ではあるが怒りを感じられる。
ユメミ「え……流石にそれは気持ち悪いと思うよ?」
エコロ「やめて?」
エコロの圧が強くなるが、ユメミもあの舐めまわしで相当参ってるせいか、それには気がついていない。
ユメミ「かなーりやばいでしょ……野生の動物じゃないんだからさぁ!いや、野生動物でもそんな事しないよ」
エコロ「ねぇ、黙って?」
ユメミ「ええー!だってさ!」
エコロ「スネークイリュージョン」
エコロは3匹の蛇をユメミに向かって飛びかからせ、そのまま爆発させる。ユメミは爆風に巻き込まれ、吹き飛ぶ。
エコロ「まあこんな状況でお願いするのもあれだね。私に負けたらその気持ち悪いって言う言葉を、二度と口にしないで……暗黒爬虫・極紋・宵闇蜥蜴……」
エコロは、彼女が作る事の出来る中で最も強い魔法生物、宵闇蜥蜴を生み出す。あの史上最大の苦痛を、足止めする際に生み出された時よりも、殺意を増している。
ユメミ「なんか……怒らせちゃったみたいだね……ちょっと私も言葉の選び方が悪かったみたいで、ごめんね!って聞こえてない……」
ユメミはエコロの気持ちに気が付き謝罪するが、宵闇蜥蜴は止まらない。龍と言っても差し支えの無いほど、巨大な黒い蜥蜴から溢れ出た暗い煙によってこの場全体が闇に呑まれる……
【5年前、岩佐中学校体育館】
エコロがロッカの存在を知ったのは、中学の入学式であった。
生徒会「それでは、次に……校長先生のお話です」
壇上に校長先生がやってくる。
校長「えー、新入生の皆様……えー、ご入学……えー、おめでとうございます。この度は、えー」
校長先生の途切れ途切れの言葉の中には咳払いと「えー」が大量に挟み込まれていた、台本を考えてこなかったのだろうか。そこで、ある新入生が歌を歌い出す。
ロッカ「えー!えー!えーから始まるほにゃぺすワードは、アナリティックスティック!いえい!」
甲高い歌声が体育館内に響き、校長先生の声をかき消す。そして、沈黙が訪れる。
サッカー部の男「え、なにあいつ……」
眼鏡の女「やばすぎでしょ……」
長い髪の女「アナリティックスティックってなに……?」
新入生達がざわつき始める。謎の歌にドン引きする生徒も何人かいた。しかし、エコロの感想は周りのものとは違った。
エコロ「あの子、何だか面白そう……」
中学に入るまでのエコロは、真面目でふざける事の無い女の子だった。友人などとの会話でも、己の意見を押し込んでその場の雰囲気を壊さないように意識する。よく言えば空気を読める優等生、悪く言えば自分の無い周りに流される子であった。しかし、エコロ自身はもっと自分の気持ちに正直になりたい、今の自分を変えたいと考えていたのだ。
エコロ「あんな子と関われば……私、何か変われるかな?」
エコロはそんな疑問と希望を抱いていた。そして、その後は流れるように入学式は終わり、生徒たちは割り当てられたクラスの教室へと、進む。
先に教室に生徒達だけが集まり、教師はまだ来ないだろうと、皆自由に歩き回り会話などをしていた。
エコロ「あ、あの子だ」
エコロの入った一年一組の教室には、あの歌を歌っていた少女が居た。勇気を持って話しかけようと、エコロが少女の元へと近づこうとする。が、その手前、他の女子の会話がエコロの足を止めた。
茶髪の女「うわ、さっきのやばい子じゃん……」
太った男「え、まじか……近寄らんとこ」
小さな男「あの子と関わったら絶対変な目で見られるよぉ」
エコロの足が迷い出す。Uターンしてそのまま引き換えそうと動いた。が……
エコロ「いや……変わるんだろ、私!」
エコロは、走り出した。
エコロ「あの、私、草壁エコロっていいます。えっと……友達になって下さい!」
ロッカ「えっ!?ワタチ!?にょ!にょ!なんかいきなり友達出来ちゃった!?ワタチの名前は甘海ロッカ!よろちくぅ!!」
これが、エコロとロッカの出会いであった……
【現在、ギガ=ウマの馬車内】
エコロ「ロッカは私を変えてくれた親友なの。親友が悪口を言われたら、見過ごすわけにはいかないわ。それが事実であっても......ね」
宵闇蜥蜴によって敗北したユメミの目の前に立ち、エコロがそう告げる。そのままユメミのしっぽを取り、そのまま同じくちょうど戦いを終えたナナバの元へと向かう。
ユメミ「あーあ、やっぱり勢いでも、ストレス溜まってても、人の悪口なんて言うもんじゃないね……反省反省!こんな性格じゃ、最高の魔女になれないよ!私!」
ユメミはエコロの背中を見守りながら、ユメミはそう自分に言い聞かせた。
ここから約2分後、ゲーム終了のアナウンスが響き、この合宿のオープニングレクレーション「しっぽ取りゲーム」は終わった。
ハマディン「結果はっぴょおおおおおおおおおおおおお!!」
トロワ組の担任のおじさん先生、ハマディンがゲームの結果を発表する。得点の換算方法はシンプル。そのクラスの生徒が取ったしっぽの合計をそのまま得点とする。
ハマディン「三位……獲得数八本!トロワ組!!そして……」
一位が発表される……果たして優勝するのはどちらの組か!?
ハマディン「なんと!アン組、ドゥ組の獲得数は両者とも十本!よって同率一位でございますうううううううう!」
もどかしさも感じつつ喜ぶアン組とドゥ組のメンバー。
マダムサイクロン「あの娘共の姑息な罠にハマらなければ、ワタクシがしっぽの二本や三本をぉ!!」
ピップ「うぅ、開幕で服ごとしっぽを剥ぎ取られてしまいましたぁ……もっと楽しみたかったのに……」
ナナバに不意打ちをされたマダムサイクロンや最近魔法学校に入りトロワ組へと席を置いた、裸の上に茶色い布を羽織りオレンジ色のマフラーをつけた少年ピップは不甲斐なさそうな態度になっていた。
ヨコミ「ホワッチャッチャアーッ!あと一歩だったか!」
ロッカ「ワタチが、あのパクり野郎にしっぽを手渡さなければ勝てたのにぃ!」
ごら子「え?戦犯じゃない?その行為」
しっぽ取りゲーム編。完結!




