3-1.ジャッバーン!!泉のカニを狩猟せよ!!
4ヶ月ぶりじゃけぇ……おひさー
魔法界の街をエコロとロッカが歩いていると、クラスメイトのナナバと寿司職人のような格好をした青年が会話をしていた。そこにエコロが声をかける。
エコロ「おお、こんにちはナナバ。えーっと、そこの方は......」
リ・ヤン「俺の名はリ・ヤン。ここ、ルナクレープ地区にしか無いと言われている食材を取りに、キュリン地区からやって来たぞ」
青年はリ・ヤンと名乗った。遠くからはるばる食材を探しに来た見た目の通り料理人だった。
ナナバ「リ・ヤンくんはわっちの幼馴染なんだ。小さい時から料理人になるのが夢だって言ってたけど。本当になれて良かったわね」
ナナバがリ・ヤンの肩を掴みながら話す。
リ・ヤン「それで『ギルモガニ』はこのルナクレープの何処にいるんだ? 教えてくれ」
ナナバ「わっちも詳しくは分からないんだけど、北の泉に生息してるって言われてるの」
ロッカ「カ……カニーッ!! ワタチもカニ食べたぁーい!!」
リ・ヤンは『ギルモガニ』という『魔獣』ロッカ達がいた源流界でいう動物を探しているようだ。ロッカはカニというワードに反応し、リ・ヤンとナナバの会話に突然割り込む。
リ・ヤン「い、今から早速北の泉にいくつもりなのだが、お前たちも一緒に来るか?」
ロッカ「え? いいにょおおおお!? やったあ!!」
ロッカの反応に困惑しながら、リヤンは彼女らを北の泉へと誘う。
エコロ「私は、いいかなぁ……」
ロッカ「え? エコロちゃんなんでぇー?」
エコロ「カニ……怖い……めっちゃ怖いい!」
ロッカ「うわああああ! エコロちゃん大丈夫ぅー?」
ガクガクと身体を震わせながら返事をするエコロ。青ざめた顔をしているエコロを見ながら、ロッカは彼女を泉に誘うのを諦めた。エコロは次第に冷静さを取り戻し、落ち着いた。
ナナバ「わっちは勿論ついていくよ」
リ・ヤン「ついてきてくれるのか? ナナバ」
ナナバ「当たり前じゃんか、そういう仲でしょ?」
リヤン「ありがとう」
ヨコミ「綿霜行こうかな……カニ食べたいから!」
草むらから突然、ヒョコっとヨコミが現れる。みんなが話しているのを見つけて、こっそり近づいていたようだ。
ナナバ、リ・ヤン、ヨコミ、ロッカの四人で、北の泉へと歩いて向かう事になった。ナナバの用意した地図を見ながら、ゆっくりと進んで行く。
泉へと向かう道中で、何十羽かの『ぼろんどり』が飛び立った。ぼろんどりとは、魔法界のあらゆる所に生息する、鶏と鳩をを足して2で割ったような鳥だ。「ぼろん」と鳴くのが特徴的な為、この名前が付けられた。
飛び立つぼろんどりの群れ、それを見たリ・ヤンの素振りや表情、声色が突然、まるで人格が乗っ取られたかの様に豹変する。
リ・ヤン「鳥食う」
リ・ヤンは思いっきり跳躍し、飛ぶ鳥の羽を懐から取り出した包丁で断ち切り、撃ち落とす。
ナナバ「リ・ヤン君どうしちゃったの!?」
リ・ヤン「鳥食う、鳥食う、鳥食う」
そして、撃ち落とした鳥をナイフで捌き出す。それを見ていた三人は、少し怯えていた。
ヨコミ「え!?何!?グロ!?え!?グロ!? 草生えぬ!」
あたふたするヨコミをよそに、鳥を解剖するリ・ヤン。それを止めようと、ナナバが近寄る。
ナナバ「リヤン君!リヤン君!正気を取り戻して!」
リヤンの身体を押さえつけて、ナナバが声を上げる。
リ・ヤン「......あ、ああ。俺はまたやっちまったのか……」
ナナバの声に反応し、冷静になるリ・ヤン。悲しげな表情で、自分自身の行為を反省する。
リ・ヤン「と、言うわけでね」
突然、冷静になったリヤンが歩き出した。一行は彼は何か訳ありなのだなと言う事を察しながらも、何も言わずにそっとしておいた。
丘を二つほど越えた後、四人は大きな大きな泉に辿り着いた。ロッカは真っ先に泉に向かって走り、飛び込む!
ロッカ「ほにゃ!ほにゃぁ!びちゃびちゃパーティだにょう!」
泉の中に身体を浸からせながら腕を振り回し、しぶきを上げまくり大興奮するロッカ。
ヨコミ「アホ過ぎるんだが!こやつ!」
ヨコミが白目を向きながらそう述べる。
ナナバ「本当にいつもこんな調子なのね、風邪ひかないようにねー」
ナナバはロッカを軽くあしらうようにそう伝えた後、リ・ヤンの肩をポンポンと叩く。
ナナバ「リ・ヤンくん。この辺りだと思う」
リ・ヤン「ああ、分かった」
ナナバの言葉を聞いて、リ・ヤンはポケットから赤い粉を取り出す。この赤い粉は『ギルモガニ』をおびき寄せる為の撒き餌のような物だ。リヤンは早速、粉を池に向かってまく。
ブクブク……ブクブク……
水面に大きな泡が浮かんで来る……
リ・ヤン「そろそろだな、来るぞ! ナナバ!」
リ・ヤンが身構える。
ドンバッシャーン!
池の中から、大型トラックと同じくらいの大きさをした、金色がかったカニが飛び出す。
ロッカ「ほにゃあああああああ!あーれー!!」
その時の勢いで、近くではしゃいでいたロッカが吹き飛ばされる。空の彼方まで……
ヨコミ「イッチャッタナ……」
ロッカが飛んで行った遥か彼方を眺めるヨコミ。飛んで行ったロッカを見送った後、リ・ヤン、ナナバと共に、カニの方へと身体を向ける。
リ・ヤン「狩猟開始だ」
リ・ヤンが両手に包丁を構え、ギルモガニに飛びかかる。
ナナバ「わっちもサポートするよ!ワダツミ!」
ナナバは泉の水を弾丸の形に固め、カニに向かってそれをぶつける。カニはナナバの狙い通り、あまりの威力に身体がよろめき身動きが取れなくなる。その隙にリ・ヤンが思いっき跳躍し、上からダイブしながらカニの右の足を包丁で三本切断する!
ヨコミ「綿霜、参戦!はいチョッキン!」
ヨコミが魔法で鋼のハサミを生み出し掴み、カニの右足に向かって突っ込む。カニはそれを右腕のハサミでガードする。ヨコミのハサミとカニのハサミがぶつかり合う!刀の鍔迫り合いのようにお互いのハサミを押し合う!
ヨコミ「圧倒的!切断力!」
ヨコミのハサミがギロチンの如く勢いよく閉じ、カニのハサミを粉砕する!悶えるカニ!
ヨコミ「ワタシのハサミの方が強いのだ!ガッハッハッ!」
高ら『カニ』笑うヨコミなのであった……
ヨコミ「つまらないギャグ過ぎてむしろ……草!」
ナナバ「よし、トドメを刺すよ!ヨコミちゃん!リ・ヤンくん!」
ナナバの掛け声に反応して、リ・ヤンは思いっきりカニの頭部に包丁を投げる!それに合わせてヨコミも同じ場所に向かってハサミを飛ばす!二つの刃はプロ野球選手のボール並みのスピードでカニの頭部に刺さった。カニ、再起不能!
ヨコミ「やったぜ」
倒れたカニを見ながらドヤ顔ダブルピースするヨコミ。ナナバとリ・ヤンも達成感に満ちた表情だ。
リ・ヤン「ここに青猫トマトの宅急便を呼んで、このでかいカニを運んで貰おうか。来るまで待とう」
リ・ヤンがそう言って、泉の傍で座り込む。青猫トマトの宅急便というのは、名前でわかる通りこの世界で有名な配達屋の一つだだ。大きな空飛ぶホウキや魔法陣を駆使して何処へでも物を運んでくれる。
ナナバ「わっちもそれで賛成。飛んでっちゃったロッカもここに戻って来るかもしれないしね」
ヨコミ「そうだな。カルトアニメの話でもしながら、ゆっくり待っているとしようか」
ナナバとヨコミもリ・ヤンの意見に賛成し、ここで待つことにした。
《魔道具:リ・ヤンの包丁》
パワーB
スピードB
レンジE
ガードB
コストC
レアリティC
総合評価C
その頃、ロッカは……
ロッカ「ほにゃあああああああああああああ!!」
空からズボッと積もった雪とダイブしたロッカ、飛ばされた先は、雪山だった。
ロッカ「ほにゃあ……ここはどこだにょう?」
辺り一面が真っ白な世界を、ロッカが見渡す。遠くの方を見ると、村らしき建物の集まりが見える。ホッと一安心するロッカだった。
ロッカが少し落ち着いて考えを纏めていると、近くで子供の泣く声が。
ロッカ「ぽえー?誰かおるんかぁ??」
そう訪ねながら、泣き声の方へと向かっていく。
???「Oh……mother……何処なんです?」
ロッカが向かった先には茶色い布を身体にまとい、オレンジ色のマフラーを付けた、9歳くらいの子供がいた。雪山で一人、遭難したのだろうか?
ロッカ「ショタだにょ!」
カニカマうまし




