2-7.大乱闘!!ブーメランバトル!!
お久しぶりです! 新章開幕!
今後も続く、ハチャメチャ魔女物語!
ロッカ達が、学校に突然現れた謎のペイン『史上最大の苦痛』らを撃退してから約一週間が経った。騒動から数日、魔法界の人々は、さらなる脅威に怯えていたが、今は平穏を取り戻しつつあった。凶魔獣によって破壊されたルナクレープ魔法学校とその周辺も、一日で復旧が完了した。ロッカ達がコマファイターで学校を破壊した時の修繕もしかり、魔法界の建築魔法は凄まじいものである。
今日は休日! 魔法界のエコロの家で、ロッカとエコロは過ごしていた。
ロッカ「おいエコロぉ!コマファイターしようじぇー!」
エコロ「嫌だよ」
ロッカ「冷た!しろくまくらい冷たいにょうううう!」
エコロ「別に白熊は冷たくないやろがい」
一週間前にコマファイターで、源流界の学校を壊したにも関わらず、懲りずにエコロを誘うロッカ。エコロは流石に反省したのか、暫くコマファイターからは離れようと考えている。
ロッカ「じゃあ、ブーメランバトルしようじぇー!」
エコロの勉強机の引き出しを開けて、ブーメランを取り出すロッカ。それを見たエコロのテンションが、突然上がりだす。
エコロ「いいぜ、いいぜ、ベイベエエエエ!」
熱く燃え上がるエコロの瞳!
ブーメランバトルと言うのは魔法界で有名なスポーツである。ルールはシンプルで、お互いにブーメランを持って投げ合い、先に相手の身体に直撃させた方が勝ちというものである。ロッカは最近このスポーツを知り、この機会にふとやろうと思ったのだ。
エコロ「移動範囲はインフィニティで!」
エコロが大きな声で宣言する。ブーメランバトルの公式ルールでは、二百五十平方メートルの正方形のフィールドを駆け巡りながら戦う。しかし、今回エコロが指定した移動範囲、インフィニティは文字通り無限、つまりどこに行ってもても良いと言う事である。
通行人などを巻き込んで危ないのでは?と思うかもしれないが、そこは問題は無い。ブーメランバトルは魔法で空を飛びながら戦うので、他に空を飛んで移動している魔法使いや鳥などに注意するだけで大丈夫だ。
ロッカ「よし、それじゃあいくジェイ!ブーメランバトル!スタンバイ!レディ……ゴー!」
ロッカの宣言と共に戦いが始まる。
「ダイオウドソクムシ!」
ものすごい速さで家の窓から飛び出し、魔法の力で空中を走るエコロ。因みに今唱えたのは空中を移動する魔法の詠唱である。
「それは!昨日学校で習った空飛ぶ魔法!早速使っているのねー流石だにょ!ま、ワタチも今から使うけどにゃ!メンティスコーラ!ってほにゃああああ!?」
ロッカの身体が思いっきり上空へと吹っ飛ぶ。彼女が使ったのはエコロのとは違ったタイプの魔法だった。空中を飛ぶ魔法は大きく分けて三種類ある。エコロが使ったダイオウドソクムシのような、見えない足場を自身の足元だけに作り、空中を地上と同じように走り回る「空中ダッシュ型」 ロッカが使った、一つの方向へと思いっきり吹っ飛ぶ「ロケット型」 精密な魔法操作が必要でスピードもまずまずだが魔法で翼を作り出し、戦闘機や鳥のように飛び回る「ウイング型」である。
エコロ「あらららら、かなり遠くまで吹っ飛んだね。さて、私はこの後どう動こうかな」
遥か彼方まで飛んでいくロッカを眺めながら、エコロは一旦地面に着地し、ウロウロと歩きはじめる。
ヨコミ「お!エコロじゃないか!何やってるんだ?」
住宅街を、通りかかろうとしていたエコロの目の前に、ヨコミが現れる。
エコロ「ヨコミ!今はロッカとブーメランバトルを」
自慢のマイブーメランをヨコミに見せびらかしながらエコロは話す。
ヨコミ「お、いいね! ワタシも仲間に入れてくれよ!」
対決に乱入しようとするヨコミ。彼女は散歩をしていた途中で特別忙しいというワケでは無かったので、ブーメランバトルに参加する事を即決した。
エコロ「いいね!あ、でもヨコミは今、ブーメラン持ってるの?」
ヨコミ「持って無い! 今から買いに行くぞー」
ブーメランを買いにヨコミが走って行く。エコロはその背中を見送る。
ヨコミ 参戦!!
一方その頃、ロッカは飛んでいった先にあった、大きな屋敷の庭の中でブーメランを投げる素振りをしていた。
ごら子「何やってんのロッカ」
ロッカ「ほにゃ!?ごら子ちゃ!?ごら子ちゃんこそこんな所で何やってるのー?」
突然目の前に出て来たごら子に声をかけられて驚くロッカ。
ごら子「何やってるも何も、ここわたしの家の庭なんですけど」
ロッカ「ええええええええええ!!こ……このでっかいマンションみたいなのごら子ちゃんの家なのおおおおおお!!? めっちゃでけええええ!!」
ものすごい勢いでブーメランを振り回しながら驚くロッカ。
ごら子「前に言わなかったっけ? ウチ、魔法界六大貴族であるコルソン家の娘だって。でロッカは何やってるの?ブーメランバトル?」
そう、ごら子は魔法界を統治する、六大貴族「コルソン」の娘なのである。
魔法界の法律や政策はマロノフ家、ディミトゥリ家、レオパルド家、コルソン家、ダイナモン家、パールナイト家、この六大貴族が取り決めている。そして、この取り決めによる権力の濫用を防ぐ為、魔法界の各地区の代表が監視、抑制しているのだ。また、この二勢力の均衡が乱されるような事が起こった時、魔法協会のエノ神らが間に入る事になっている。
ロッカ「ええええええ!? 何でワタチが今エコロちゃんとブーメランバトルしてるって知ってるにょおお?貴族だったって事も含めて、もうめちゃくちゃ驚キンタ!」
ごら子「そりゃ右手にブーメラン持ってりゃ分かるでしょ」
そう言って、屋敷の中へと戻って行くごら子。
ロッカ「確かにー。ってごら子ちゃんもう行っちゃうにょ?」
ロッカが引き止めようとした頃には、ごら子は屋敷の中へと戻っていた。ロッカは少しがっかりする。
ロッカ「ごら子ちゃんもブーメランバトルに誘おうと思ったのにー」
そうつぶやいて、トボトボと帰ろうとするロッカの目の前の地面に、突然ブーメランが突き刺さる。
ごら子「呼ばれなくとも、参加するつもりだったんですが」
ごら子 参戦!!
そして……四人は集う……約束の地へ……
緑生い茂る、魔法界で最も大きいとされる公園『ピクト公園』にエコロは辿り着く。
エコロ「きっとここに、ロッカとヨコミは来るはず。」
辺りを見渡しながら、エコロは決着の時を待つ。
ごら子「中々やるじゃん、ロッカ」
ロッカ「ごら子ちゃんもね!」
超至近距離でブーメランを投げ合いながら、ロッカとごら子がやって来る。それを見てエコロが身構える。
ヨコミ「よそ見は、いけません代」
エコロの背後に、ブーメランが!?間一髪で回避し、飛んできた方向を見ると、そこにはヨコミの姿があった。
エコロ「やっぱり、全員集まった」
エコロが微笑む。ここ『ピクト公園』では、毎年ブーメランバトルの全国大会が行われているのだ。それを知っていて皆、直感でここに来たのだ。
エコロ、ヨコミ、ごら子、ロッカ......
四人のブーメラン乱闘が今、幕を上げる!
エコロ「喰らえ!」
エコロが攻撃し合うごら子とロッカを同時にうち取ろうと、二人に同時にぶつかるよう、思いっきりブーメランを投げる。
ごら子「そうはさせない」
ごら子が一旦ロッカから距離を取り、手元に戻ってきた自分のブーメランをエコロが投げたブーメランに向かって投げ、攻撃を弾く!ごら子のブーメランは彼女の手元に戻っていく
エコロ「しまった!」
ロッカ「へへへ、ダブルブーメランだにょおおお!」
弾かれたエコロのブーメランはロッカの手元へ。左手にエコロのブーメラン、右手に自分のブーメラン。ロッカはこの瞬間、二刀流となった。
ヨコミ「スキあり!」
武器を失なったエコロに向かい、ヨコミが攻撃する。エコロはそれに反応し、ヨコミの投げたブーメランをキャッチする。
エコロ「よし! 武器は取り戻した!」
ヨコミ「フフフフフフフフ……」
喜ぶエコロを見ながら、ヨコミが不気味に笑う。
エコロが手元を見ると、その手にあったのはブーメランでは無く、ブーメランパンツだった!?
ヨコミ「さっきブーメランを買いに行った時に一緒に買っておいたのさ!本物はこっちだ!」
ヨコミが投げた本物のブーメランが、動揺するエコロの肩に向かって飛んで行く!
エコロ「そんな陳腐な罠にはまるかあああああああああ!!気合だあああああ!」
エコロが空中で勢いよく側転し、ヨコミのブーメランを両足で挟みキャッチ!ブーメランを挟んだ両足を思いっきり振り下ろしながら開き、そのままロッカの方向へブーメランを飛ばす。
ロッカ「ほにゃ!」
ブーメランはロッカの背中に直撃!ロッカの持っていたニ本のブーメランが宙に飛ぶ。その片方をヨコミが、もう片方をごら子がキャッチする。ロッカにぶつかったブーメランはエコロの手元へと戻ってくる。
ごら子「今度は私が二刀流と言うわけ」
両手に持ったブーメランを残ったエコロとヨコミに一本ずつ投げるごら子。それを見てヨコミが笑う。
ヨコミ「死角を取らせて貰ったぞ!」
ヨコミがごら子に向かって言い放つ。ブーメランがごら子の太ももに直撃する。ごら子が二人に向かって攻撃する前に、既にヨコミはブーメランを投げていたのだ。
ごら子「まさか、わたしが負けるなんて……」
まだまだこれからだというタイミングで脱落。悔しがるごら子なのであった。
エコロ「遂に一対一だね」
エコロがヨコミに告げる。お互いにブーメランを二本ずつ持ち、間合いを取る。
ヨコミ「ああ、行くぞ! エコロ!」
二人同時に、二本ずつ投げる。
エコロのブーメランの片方はヨコミにキャッチされ、もう片方は軌道を逸れ、遠くに飛んでいってしまった。ヨコミの投げた物は二つ共、エコロに向かって物凄いスピードで飛んで行く。エコロは身体を反らし、なんとか攻撃を避けるが大勢を崩してしまう。
エコロ「やばい!」
そこに、先程エコロからキャッチしたブーメランを持ったヨコミが近寄る。
ヨコミ「チェックメイト……だな!」
ヨコミが体制を崩したエコロに接近し、超至近距離でトドメのブーメランを投げる。
エコロ「かかったね。それ、よく見てみな。」
ヨコミ「な!? これは!?」
ヨコミが持っていたのは、先程自身が騙し討ちの為に使ったブーメランパンツだった。エコロはこれをずっと、懐に持っていたのだ。
エコロ「本物はこっち!」
そう言って、取り出した本物のブーメランをエコロが投げる。ブーメランパンツを投げる為に大きく振りかぶっていたヨコミは対応できずそのままエコロのブーメランを受け入れる。
ヨコミ「やーらーれーたー!」
勝者! エコロ!
エコロ「やったぜ」
こうして、よつどもえのブーメラン大乱闘は幕を閉じたのであった。
ロッカ「エコロちゃん超つええええええええええ!!裏でこっそり練習でもしてたの?」
エコロ「練習も何も、私、小学生の頃にブーメランバトルの世界選抜チームに選ばれるほどの実力者だったのよ」
ヨコミ「え!?それ、凄すぎないか!?」
ごら子「どうりで私が負けるわけだわ」
戦略性が深い




