1-1.突然の鼻血!!突然の魔女デビュー!?
ハチャメチャで最高な魔女物語、開幕!
【有御茶高校 放課後の教室】
ロッカ「あぁー↑ 素敵な恋愛してぇなぁー!!渋谷でナンパされ行くか!」
有御茶高校3年生の甘海六花は恋に恋する乙女!黒髪ショートヘアー!!三年生なのに受験勉強もせず毎日遊び呆けている!!
エコロ「もう、受験シーズンだよー? 勉強しないの? ロッカ?」
抹茶の様な色の長髪をした女の子、草壁枝小路が、支度を終えさっそうと帰っていく他の生徒達を眺めながら問いかける。
ロッカ「勉強? あ! 持ってきたにょ!」
かばんから何かを取り出したロッカ。
ロッカ「今日は~極太ソーセージと、ハンバァーグ!」
エコロ「それ弁当」
弁当と勉強をかけたダジャレに対しツッコむエコロ。てへぺろっと舌をだすロッカ。
ロッカ「あ、これかぁ~エコロちゃんそんなに食べたかったのぉ? あーんしてあげようか? あーん!」
エコロ「それクリキントン。(パクっ)」
ツッコミながらちゃっかり食べるエコロ。
ロッカ「まぁ勉強は置いといてー今日はどこ遊び行く? エコロちゃん!」
エコロ「置いとくな! 今日は私の家で勉強だ!」
無慈悲!エコロ無慈悲!でも実際はロッカの為を思ってやっている事なのだと、近くの席の鍋助は思った。鍋助は机の中を整理しているフリをしながら教室に残り、女子二人のトークをニヤニヤしながら聞いていた。彼は変態である。
ロッカ「えぇー!? そんなぁー! ほにゃほにゃほにゃぁー」
エコロ「ほら、今からちょくで行こう!!」
エコロが勢い良くロッカの背中を押す!
ロッカ「一回帰ってお風呂くらい入りたいにょぉー」
エコロ「風呂ならウチで入れてやる! 混浴でもいいよ!」
ブフォ!!
それを聞いて鍋助は大興奮。鼻血を出してしまった!!
ロッカ「ほにゃ!? ナベちゃんどうしたの!?」
突然近くの席で鼻血を出す鍋助に驚くロッカだったが、その直後、更に衝撃的な事が起こる。
鍋助「死、死ぬぅううううううううううううううううううううううう!!」
ぶしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
ロッカ「うわ!?一体なんだにょ!?」
「興奮したから出た」だけでは説明出来ないレベルの量の鼻血が鍋助の鼻から大量に噴き出して来たのだ。スプリンクラ―のように吹き出る鼻血。この出血量では、本当に死んでしまいそうだ。
エコロ「流石にこれは異常過ぎる......これはまさか、ペインの仕業......!?」
ロッカ「ん?エコロちゃんなんか言った!?」
エコロは何かに気づいたようだが、ロッカに対しては誤魔化した。
エコロ「な、なんでも無いよ!私は先生に知らせてくる!ロッカは鍋助くんを保険室に運んであげて!」
ロッカ「わ!分かったにょ!連れて行くにょ!」
タッタッタッタッタッタ
鍋助を担ぎながら廊下を走っていくロッカ!それを見送った後、エコロは辺りを見渡す。何かを確認すると、窓から飛び出し体育館裏へと向かう。
エコロ「やっぱり、いたわ。あれは、ブラッディG......直接見るのは初めてだけど、凄まじく気持ち悪いわね」
体育館裏には、人間と同じほどの大きさをした節足動物。赤黒い全身長い触覚を生やしガサゴソと動く......そう、そんなゴ〇ブリのような怪物「ブラッディG」がいた。エコロはその怪物を倒すつもりか、構える。
エコロ「行け!羽蜥蜴!」
エコロの目の前に、羽の生えた大きく黄色い蜥蜴が現れる。そして、蜥蜴は羽をパタパタと動かし高速で飛び、ブラッディGを丸飲みする。
エコロ「ブラッディGはスピードこそ速いけど、動き始めるまでに少し時間がかかる......そこを狙えば楽勝。図鑑で読んだ通りね。羽蜥蜴、お疲れさま。還っていいよ」
エコロはそう言って、ロッカがいる保健室へ向かった。羽蜥蜴は少し不機嫌そうな顔をしながら、姿を消した。
《魔法生物:羽蜥蜴》
パワーC
スピードB
レンジC
ガードD
コストC
レアリティB
総合評価C
一方その頃、保健室では
鍋助「僕はもう……駄目みたいだ……」
ロッカ「ナベちゃん諦めないで!」
尋常な量の鼻血を噴き出し、鍋助はもう干からびていた。全てを悟ったような表情で死を覚悟する鍋助。ロッカはそれを引き留めようと声をかける。
鍋助「いや、この量の血じゃ、もう助からない......さようなら......」
鍋助はそう言って、意識を喪失してしまう。
ロッカ「ナベちゃああああああああああああああああああああああん!!」
このまま鍋助は死んでしまうのか、絶望するロッカ。
???「まだ、助かる方法はあるよ」
背後から、声が聞こえる。
ロッカ「誰だにょ!?」
ロッカが声の方向を振り向くと、そこにいたのはエコロだった。
エコロ「ロッカちゃん、今まで隠しててごめんね。私、実は魔女なの」
突然のカミングアウト!!
ロッカ「にょ!?にょ!?」
実は魔女なの、と言われても訳も分からず、困惑するロッカ
エコロ「細かい事は後で話すから、まずはこの子を助ける為の方法を話すね」
しかし淡々と話し続けるエコロ。ゴクリ。息を呑むロッカ。
エコロ「私と契約して魔女になって??」
ロッカ「え……」
エコロの言葉に対して、ロッカは俯く。
エコロ「あぁ、ロッカごめん。突然過ぎて意味分かんないよね。いきなり魔女だとか何だとか言われて、気持ち悪いよね」
エコロの表情が暗くなる。
ロッカ「えー! ロッカちゃん魔女になれるにょー!? うれピー!!」
めちゃくちゃ笑顔でエコロの元に近づくロッカ。
ロッカ「ねぇー? 早く契約しよぉー! ほにゃほにゃ!!」
ロッカは身体をぬるぬると動かしながら、エコロの元へと近づく。
エコロ「......さっすがロッカ!」
ロッカの反応に対して笑顔を取り戻すエコロ。
エコロ「それじゃあ、まず利用規約と同意書の確認。ロボットでないかの証明。電話確認を、よろしくお願いします」
エコロは書類のようなものをロッカに手渡す。
ロッカ「利用規約と同意書なんて面倒くさいし読まないよぉ! どうせ大した事書いて無いし! えっとこの写真に車は四台! 後は電話確認ね!」
書類にある必要事項を適当に読み、手早く作業するロッカ。
プルルルルルルルルル プルルルルルルルルル
エコロ「もしもし、エコロです。実はこの一環のやり取りは魔女の契約には必要ありません」
ロッカ「にょおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
契約書類などいらなかった!
エコロ「それじゃあ、契約の儀式にうつるね。」
合掌するエコロ。ついにロッカが魔女になる為の儀式を行うようだ。
エコロ「私に続いて呪文を詠唱して!」
ロッカ「わかったぁ!」
エコロ「ロッカ=アマミ プリプリセクスィーチェンジ!」
ロッカ「ロッカ=アマミ! プリプリセクスィー! チェーンジィ!」
ロッカがそう唱えると、彼女の体がまばゆい光に包まれる。
ポポ!ポン!ポンポン!
光の中で、ロッカの姿が変化していく!
ピンクのキャップ!
白色に黒い文字で「まじょ」と書いてある半袖のTシャツ!
ダサTだ!
緑色のロングスカート!
足は学校でさっきまで履いていた上履きと靴下のまま!
ロッカ「こ これは!」
ロッカは衝撃を受ける。
ロッカ「きゃ......きゃわいいー!!!!!!!」
これが可愛いとは、ロッカのセンスはおかしい。
エコロ「因みに、これも別に魔女の変身コスチュームとかじゃなくて、契約の反動で衣装が変わっちゃうってだけだよ」
ニヤニヤと笑いながら、魔女の契約の面倒くさい仕様を話すエコロ。
エコロ「ロッカ! 貴方は私には無い癒やしの魔法の力を持っているの!それ使って鍋助君の身体を回復させるの! どうやるのかはもう、感覚で分かっているはず、適当な掛け声と一緒に魔法の力を開放して!」
エコロがロッカへと説明をする。
ロッカ「うん!!それじゃあいくにょ!」
ロッカ「ヨミガエレーヨミガエレーヨッミガエレー!!ほにゃあ!」
ロッカがそう唱えると、鍋助の身体が光に包まれる。そして、その光が消えた後、彼の身体は完全に回復していた。
鍋助「......あれ? 僕、生きてる!」
意識を取り戻した鍋助の姿をみてホッとするロッカ。一緒にほっとするエコロだったがハッと気づき、ロッカの服を引っ張る。
エコロ「ロッカ! 隠れて!」
ロッカ「にゃ? にゃんでぇ?」
エコロ「魔女は一般人に、正体をバラしてはいけないの!」
ロッカ「はうっ!」
エコロの話を聞き、とっさに隠れ、息を止めるロッカ。これにて、一見落着。
《ロッカの回復魔法》
パワーC(回復力)
スピードE
レンジD
ガードE
コストC
レアリティC
総合評価D
放課後 帰り道
ロッカ「あーびっくりしたぁー! まさかエコロちゃんが魔女だったなんてぇー」
エコロ「今まで隠しててごめんね」
ロッカ「いいんだよぉーほにゃあ! だってルールだもんねーしょうがないよぉーほにゃほにゃあー」
エコロ「ありがとう……ロッカ」
ロッカ「こちらこそ、ありがとうだにょー!」
二人で歩く帰り道。いつもと同じ帰り道。だけどいつもと違うのは、二人が魔女だって事。
エコロ「それじゃあウチで勉強会だぁー!!」
ロッカ「いやーんいやだにょー! 新宿行きたいー!」
ここから始まる!ロッカの魔女物語!