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番外話:次作予告


*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*


本話は次回作品について少し紹介するものです。


本編とは全く関係ありません。


*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*

凛:引き続き本編と無関係の話を失礼します。

本話では次回作まで時間がかかる埋め合わせとして、構想をちょっとだけ紹介しちゃいます。


蓮:またイレギュラーなことするな、この作者は。


凛:忘れられないか不安なんだよ。そもそも覚えられてないのにね。


蓮:元も子もないことを……。


凛:それじゃあ、さっそく次回作の構想を発表するね。

次回作は異世界もの。ストーリーは二種類が考えられています。

一つは現実世界から異世界に飛ばされた少年が主人公の甲案。

もう一つは元々異世界の人が主人公の乙案。


蓮:何で二種類あるんだ?


凛:それぞれ一長一短あって、どちらが面白いか決めかねているんだって。

甲案は読者と主人公が同一の状態のため分かりやすいけど、その分説明が多くなる。

乙案はいきなり話を進められるけど、異世界の常識を読者が理解できない可能性がある。


蓮:上手く書けばどっちでも行けるんじゃないか?


凛:上手く書けないから苦労してるの!

じゃあ、とりあえず両案の冒頭部案をちょっと紹介。

まずは甲案。主人公は異世界に馴染めず自殺未遂しちゃうような弱気で内向的な少年。


蓮:それ、大丈夫か?


凛:他の話が馴染み過ぎなんだよ。

異世界だよ、しかも戦争中、そう簡単に馴染める訳ないじゃない。


蓮:それはそうだとしても、そこにリアル求めてどうするんだ?


凛:異世界に苦悩する少年の心を丁寧に描いた作品にしたいんだって。


蓮:主題がファンタジーと乖離していると思うのは気のせいか?


凛:ほんとイレギュラー好きだよね。この作者。もはや病気だね。


蓮:そこまで言うか……。


凛:じゃあ、甲案冒頭部、紹介。




msi(仮題)


 僕が目を覚ますと、そこには女神様がいた。

栗色の長く美しい髪、慈愛に満ちた瞳。真っ黒のズボンに同じく黒い上着というのが僕のイメージしていた女神様とは異なるが、それでも、女神様と呼ぶにふさわしい、嘘のような美人だった。

「気がついたか?」

続いて現れた神様は、何だかとてもマッチョだった。二メートルはあろうかという長身。よく日焼けした赤い顔。年の頃は三十前後だろうか。服装は黒の厚めのズボン、腰には大きめのポーチ、シンプルな白い半袖のシャツ。シャツからは僕の腿よりも太い腕。

「浮遊物が気付いたんですか?」

奥からもう一人、女性が現れる。こちらは短い活動的な金髪と力強い瞳が印象的だった。この女性も黒のズボンに黒い上着、胸には星と線で組み合わされた、階級章らしき飾り。

よく見ると、先程の女神様も胸に同じような飾りを着けている。こうなると、神様と女神様というより、軍人といった方がしっくりくる。

訂正しよう。僕が目を覚ますと、そこには複数の軍人がいた。

「ああ。だが、まだ意識が混濁しているようだ。ジュディス、尋問は少し待て」

 隊長と呼ばれた大男の口から、なんだか穏当でない言葉が聞こえていてきた気がする。なぜ善良な一般市民であるこの僕が、軍人に囲まれなければならないのだろうか。

確か僕は半年ぶりに故郷に帰島するため、フェリーに乗っていた。その甲板上から僕は誤って転落してしまったのだ。徐々に迫りくる水面。父さんや母さん、悲しむかな、なんてことを考えたのを覚えている。

だから、てっきり天国に辿りついたのだと思ってしまったのだが、どうやら僕はこの軍人さんたちに助けられたようだ。

しかし、それにしては不自然だ。目の前にいる三人はどう見ても西洋人。僕は外国まで流されてしまったのだろうか。

「さて、いくつか質問をさせてもらうが、いいか?」

大男は人の良さそうな笑顔を浮かべている。だが、僕の視界に入っていたのは大男の太すぎる腕。もしも、あんな腕で殴られたら僕の首などポッキリと折れてしまうだろう。どうやら、僕に出来るのは恐怖に震えながら大男に従うことだけのようだ。

「まず、お前、名前は?」

「瀬良陽児です」

「セラか。歳は?」

「十八歳です」

「出身は?」

「日本です」

「日本? うーむ、サフィー、ジュディス、聞いたことがあるか?」

大男は後ろの二人の女性に尋ねる。だが、二人とも知らないのか、首を横に振っている。おかしいな、日本はそんなにマイナーな国ではないと思うのだが。

「ふうむ。お前、ひょっとして東洋の人間か?」

「あ、はい、そうです」

「なるほど、ならば我々が知らないのも無理はないか」

 日本は知らなくても僕が東洋人であることは分かったようで、僕は少しだけ安堵した。

「お前、魔力は使えるのか?」

 だが、続いての質問は思いがけないものだった。あまりに意外過ぎる質問に、僕は何も答えることができない。

「ふうむ。魔力自体を知らないようだな」

僕が目を白黒させているのを見て、大男は僕が「魔力を使う」ということを理解していないことに気づいてくれたようだ。

「ふむ。色々と興味深くはあるが、それは後回しだ。今は休もう。セラとかいったな、お前も楽にするがいい」

「隊長! こんな得体の知れない奴を放置するんですか? スパイかもしれませんよ」

「ジュディス、スパイが海を漂流していると思うか? 上手く拾われる確立など万に一つといったところだぞ」

「それは……そうですけど」

 隊長の判断なので、渋々従うものの、ジュディスと呼ばれた女性の顔には、明らかに不満の色が見える。

「あんた、おかしな真似をしたら遠慮なく撃つからね!」

 結局、彼女は僕に警告をすると、一番離れたところに腰を下ろした。僕は彼女に信用されていないようだ。

「セラさん、ごめんなさいね。彼女、悪い子ではないのだけど、ちょっと融通が効かないところがあるの」

 彼女に代わり、僕に話しかけてくれたのは、僕が最初に女神様と間違えた、栗色の髪の女性だった。前の金髪の女性とは違い、彼女の僕を見つめる視線は優しい。

「いえ、不審に思われても当然です。気にしてません。それより、まだお礼を言っていませんでした。助けて下さって、ありがとうございます」

「いえ……」

僕が助けてくれたお礼を言うと、栗色の髪の女性はなぜか気まずそうな顔をした。

「セラさん、申し訳ありませんが、セラさんは、まだ、助かってはいないのです……」

「あの、それは、どういうことですか?」

僕は栗色の髪の女性の言葉の意味が分からず、質問した。

「周りを良く見てみろ」

栗色の髪の女性に代わり、僕の質問に答えたのは隊長と呼ばれていた大男。僕はその言葉に従って周囲を見回した。

 右を見る。一面の海。

左を見る。一面の海。

前も後ろも一面の海。

そして、僕の居る場所は動力も付いていない小さな小舟の中。

「あの、陸はどちらでしょうか?」

「さあな。何せ我々は三日も漂流中なものでな」

 男の言葉は僕を呆然とさせるのに十分なものだった。

「ついでに言うと、もう、水も食料もありません」

 そして、栗色の髪の女神は申し訳なさそうに僕に絶望をもたらすのだった。




凛:なんか長めの紹介だよね。しかも全然始まってもいないし。


蓮:初めての異世界の場面だからな。いきなり激しい場面にはならないだろ。


凛:それに、激しい場面にしちゃうと、この主人公、死んじゃうから。


蓮:軟弱な主人公だと苦労するな。


凛:甲案は主に艦上での生活が主になるね。ちなみに主人公はこの後、ちゃんと助かるよ。


蓮:いや、助からないっていうことは、開始早々に死ぬってことだろ。


凛:まあ、そうだよね。登場人物は下のような感じだよ。



・瀬良陽児【本編の主人公】

・ラニール・グレスク【ミンサーラ東方軍二等海曹】

・ジュディス・レスター【ミンサーラ東方軍一等海兵】

・サフィー・ラーゲルフ【ミンサーラ東方軍一等海兵】




凛:じゃあ、次、乙案。主人公は海軍航空隊の飛竜乗り。

甲案に比べると正統派な感じだね。じゃあ、乙案冒頭部、紹介。




mkk(仮題)


 高度五千、雲の中を旋回する愛竜ハルヴァートの背の上で、ヴァディス・シェランドはじっと下方を窺っていた。視線の先にいるのは一頭の竜。油断なく周囲を警戒する相手の注意が逸れる瞬間を逃すまいと、ヴァディスは視線を目標に固定させる。

酸素の薄い高高度、自然と息が荒くなる。ふと気付くと、主人の緊張が伝わったのか愛竜の動きが硬くなっていた。

「ふうぅ……」

 ヴァディスは一度、大きく息を吐き出すと、愛竜の首へと手を伸ばした。視線は下方の竜に固定したまま、愛竜の首をガシガシと撫でる。竜のことを知らないものが見ると乱暴すぎるという印象を持つ撫で方。だが、感覚の鈍い竜には、少し乱暴すぎるくらいで丁度いいのだ。

 しばらく首を撫でていると、愛竜は気持ちよさそうに目を閉じ、甘えた声を出し始めた。リラックスしすぎた愛竜に、ヴァディスは軽く鞭を入れ、緊張感を取り戻させる。人にせよ竜にせよ、ベストなのは適度な緊張感。緊張のしすぎでも、気の抜きすぎでも最良の成果は期待できない。

そのうち、下方の標的に動きが見える。どうやら、ヴァディスの隠れている雲の前方、距離約六百の雲の中に身を隠そうとしているようだ。

「行くぞ! ハルヴァート!」

 背を向ける形で高度を上げる目標めがけてヴァディスは急降下を仕掛ける。目標も雲の中から現れたヴァディスに気付き、慌てて回避行動に移る。だが、上昇しようとしていたものと、急降下を仕掛けるもの、スピードの差は歴然。ヴァディスは難なく背後に取り付くと、愛竜の頭上に取り付けられた魔道銃に魔力を込める。

 慎重に、だが迅速に、そして最少に、ヴァディスは魔道銃に魔力を流し込む。銃に取り付けられた魔鉱石が、ヴァディスの魔力を象徴する赤い輝きに満ちる。すでにヴァディスの魔道銃の照準の中には目標の姿が捕らえられている。当然、相手も銃口に捕えられたのには気付いている。不利を悟った相手は挽回を狙い急上昇を仕掛ける。だが、ヴァディスは機主の動きから、それを読んでいた。

 ヴァディスは相手の動きに合わせて愛竜の首を上げる。目の前には、無防備な相手の背。絶好の機会に、ヴァディスは魔道銃の引き金を引いた。




蓮:なあ、凛。あの仮題は何なんだ?


凛:プロットが書かれてるファイルの名前だよ。

ちなみに「剣豪~」はasu、「従妹~」はrsrって仮題が付けられてたよ。


蓮:なんか随分な名前だな。


凛:ちなみに正式名が付けられた後もファイル名はそのままだよ。

だから作者のPC内では例えば39話なら、rsr39って名前で保存されてるって訳。


蓮:何というか、名前つけ直さないんだな。


凛:面倒だし、長くなるしね。そうそう、乙案の登場人物は下のような感じだよ。



ヴァディス・シェランド【ミンサーラ共和国ブランブルク基地所属、第五戦闘小隊長】

アイラス・リセル【ミンサーラ共和国ブランブルク基地所属、第五戦闘小隊二番機】

ラスター・バーゲル【ミンサーラ共和国ブランブルク基地所属、第五戦闘小隊三番機】




凛:御覧の通り、現在は甲案と乙案どちらで行くかを迷っているような状態です。

主人公すら決まっていない状態だから、当然、プロットも全くできてない。

世界観も甘いから、もっと詰めないといけない。

そう言う訳で甲案にせよ、乙案にせよ、公開は相当先になります。


蓮:案段階で公開するってどうなんだ?


凛:しばらく沈黙しちゃうから、こんなの作ってますよって言っときたいんだって。

まったく、しょうがない作者だね。


蓮:まあ、そう言うな。


凛:うん。じゃあ、いよいよ「従妹~」も12月4日投稿の次話で最終話。

これまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

では、最終話で会いましょう。ばいばーい。

*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*


前話に続いて大変失礼いたしました。


次の話が本当にラストです。


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