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2-40 ボスとの戦い方1

昨日は【異世界転生/転移・ファンタジー】部門の日間ランキングに265位で乗ることができました!


もっと多くの人に読んでもらいたい。この気持ちを大切にして頑張っていきます。

これからも応援よろしくお願いします。


説明が細かいです。苦手な方は読み飛ばしてしてください。

 メマリーがマザートマトを攻略した次の日。狩りが終わってから、メマリーのマザートマト攻略おめでとうパーティーを行うことになった。


 メマリーが集めたトマトをコプアさんに持って行ったときに、コプアさんから営業時間外にパーティーをやろうと提案されたのだ。

 本来の目標を達成していない以上俺としては断りたかったのだが、コプアさんの熱意に負けてしまった。コプアさんも見た目と違って、お祭り好きだからなぁ。



 フォーリーブズに入ると、キッチンから声をかけられた。


「ゴメンなさい。今日ね、むちゃくちゃ忙しかったから16時半前ぐらいにFPが満タンになっちゃって。ある程度回復してから調理を始めたから、もうしばらくかかりそう」


 コプアさんって冒険者じゃねーよな。冒険者以外にもFPってあったのか。知らなかった。vit低そうだから大変そうだな。ま、俺もvit1だけど。



「4人掛けテーブルに座ってね」


 コプアさんに促され、俺たちはテーブル席に座る。


「今日はわたしのおごりだよ~。いっぱい作ってもらったから、いっぱい食べてね~」


 サエラがにこにこしながら話す。


「やったぁ~」


 同じくメマリーもツインテールを躍らせて大喜び。

 っていうか、このパーティー有料かよ。コプアさんも参加するとか言ってたくせに。――何となく、そんな気はしていたが。


「いっぱい食べようね~」


「うん~」


 サエラとメマリーはまだ飯も無いのに、すっかりパーティー気分だ。

 俺の気持ちを察したのか、コプアさんが大皿を持ってキッチンから出てきた。


「お腹空いたでしょ」


「空いたぁー」


 メマリーが手を上げて答える。


「しばらく、これでもつまんでてね」


 大皿には3種類のバケット。トマトとローストチキンが乗ったバケット、トマトとスモークサーモンと玉ねぎが乗ったバケット、トマトだけのバケット。すがすがしいくらいのトマト尽くし。トマト300個あげたのは、ちとやりすぎだったか……。


 意外にもバケットは美味かった。全部トマトじゃねーかと思っていたが、全部違う雰囲気の味だった。これだけトマト尽くしでも飽きずに食べられた。残りのメニューも期待できそうだ。




「レイさん」


 改まった顔でメマリーが俺に話しかけてきた。


「あぁ」


「1つ教えてもらいたいことがあるんだけど、いいですか?」


「何だ?」


「ボスとの戦い方――教えてください」


 JAOの醍醐味はやっぱりボス戦だ。ボスとの戦い方は知っておかなくちゃいけない。

 それに、メマリーにはボスとの戦い方を知らなければならない理由がある。

 俺は持っていたトマトジュースのグラスをテーブルの隅に置いた。



「優勢に戦いを進めるうえで、最も役に立つものって何だと思う?」


「魔石?」


「違うな。情報だ」


 国家間の戦争でもスパイやハッキングを駆使して情報を得ようと必死だった。情報戦なんて言葉もあるくらいだ。情報の有無は勝敗に直結する。



「ボスの話をする前に、知らないMobと戦い方の話をしようじゃねえか」


 JAOは半月のアップデートで1~2個のダンジョンが追加される。それに伴って、新Mobも追加される。攻略Wikiを見ることができないこの世界ではMobの情報を手に入れることは不可能だ。

 JAOのゲーム特性を考えると、Mobの対処法を誤れば死亡一直線だ。ボスなら尚更。知らなかったからということは言い訳にすらならない。


「出会って1分でMobの特徴を把握するやり方を、お前らに教える」


 俺の言葉にメマリーだけじゃなくサエラも、メモ帳アプリを起動させた。



「まずやらなきゃいけないのは、小種族が何か判断することだ。小種族の大まかな特徴を押さえておけば、大きな読み間違いをする可能性は少なく済む」


「あの小種族のデータすごく参考になったよ。目から鱗だった」


 サエラが大きく首を振りながら俺を褒めた。


「ただし、見た目で判断しにくいものや、全然違うものもいるから注意しろよ」


 見た目美少女のオートマタとか、見た目美少女の吸血鬼とか、見た目美少女のデーモンとか、見た目美少女の霊体とか、果ては、見た目美少女のキノコや、見た目美少女の魚までいる。

 さっきから、「見た目美少女の」としか言ってねーな。さすが、「日本人の日本人による日本人のためのVRMMO」もとい「萌え豚の萌え豚による萌え豚のためのVRMMO」だ。



「ATK、HIT、DOG、DEF、この4つのステで真っ先に知らないといけないものは?」


「「ATKだね」」


 サエラとメマリーが同時に即答。メマリーもいっぱしの冒険者らしくなってきた。


「正解だ。高ATKの相手だと、DEFが低ければ下手しなくても即死だ。だから、最初は原則防御全振りだ」


「うん。定石通りだよね」


 サエラが俺の言葉にうなずいた。


「そこまですれば、最低ダメージになることが多い。そのときのダメージを見てATKがどれくらいあるのかを判断できる」


「どういうこと?」


 メマリーが俺に質問する。


「最低ダメージは、与えるダメージの1割だ。ということは、ダメージを10倍すれば、大まかなATKの見当がつく」


「そうやって計算するんだー。さすがレイ君だね」


「すごーい」


 サエラとメマリーが感心している。


「絶対にATKは読み取りたいところだな」



「次はDEFを調べるの?」


 サエラが俺に聞いてきた。


「バカ。せっかく敵の攻撃に関するデータをとっているんだから、HITも同時に調べろよ」


「あ、そっか~」


 サエラは俺の言葉に照れながら頭をかいた。


「まずは20%エリアで攻撃を数回わざと受けろ。これで命中したり回避したりする場合は、回避の魔石を外付けすることを考えたほうがいい」


「それで、敵の攻撃の当たり具合によって、外付けする回避の魔石の数を調整すればいいのかな」


「その通りだ」


 サエラの言葉に俺はうなずいた。



「次はDEFだ。防御は最大の攻撃っていうのは相手にも当てはまる」


 高DEFで武器攻撃を受ければ、DRAが大きく損傷し武器が消滅する。そうなると、攻撃できないだけでなく、防御ステータスも激減することもある。これを「防御は最大の攻撃」という。


「だから、相手のDEFが分からない状態で、むやみに低ATKの攻撃をするのは厳禁だ」


「威力の魔石を外付けしたり、高威力のスキルで攻撃をしたりして、相手のダメージをみればいいんだね」


 さすがはサエラ。鋭い。


「そういうことだ。予想のダメージから実際のダメージを減らせば、相手のDEFが導き出せる」



「相手のDOGも、HITと同じようにして調べるんだね」


「その通り」


 サエラの言う通りだ。最初は相手の20%エリアを狙って攻撃する。回避になればもっとHITを上げればいい。

次回は2月28日の12時頃に更新の予定です。




この作品を面白い、もっと続きが読みたいという方がおられましたら、最新話にある評価をしていただければ、非常に励みとなります。

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