表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/372

2-22 基礎ステータス1

評価を昨日に引き続きいただきました!

応援ありがとうございます。本当に嬉しいです!


ゲームシステムの説明が多い話です。苦手な方は流し読みしてください。後書きに簡単なまとめを記載しておきます。

「メマリー、まずは基礎ステータスを教えてくれ」


 基礎ステータスとは次の6つのステータスのことだ。

 生命力を表すvitalityヴァイタリティvitヴィットと略されることが多い。

 筋力を表すstrengthストレンクスstrエスティーアールと略されることが多い(他にいくつか読み方あり)。

 器用度を表すdexterityデクステリティdexデックスと略されることが多い。

 敏捷性を表すagilityアジリティagiアジと略されることが多い。

 知力を表すintelligenceインテリジェンスintイントと略されることが多い。

 抵抗力を表すresistanceレジスタンスresレジと略されることが多い。


 メマリーはサエラと交換したリンゴのタルトを頬張りながら答えた。


「えっほぉ――、vit12、str12、dex12、agi12、int11、resも12だよ」


「はぁぁぁぁぁ!! おまっ、どんっっな、ステ振りしてんだよぉ!!」


 JAOの定石から外れているメマリーの基礎ステータスに、今日一番の大声が出てしまった。


「お客様」


 後ろにコプアさんが営業スマイルで立っていた。


「はい……」


「店内で騒がないでいただけますか」


 なぜか敬語のコプアさん。言い知れぬ迫力に圧倒されてしまう。


「悪ぃ……ケーキ頼むから、許してくれ……」



 溜息をついてメマリーをジト目で睨む。


「お前ぇのせいで、コプアさんに怒られちまったじゃねーか」


「ごめんなさい……」


 俺に怒られてメマリーが謝った。


「次からステ振り気をつけようね」


 サエラはメマリーの頭をテーブル越しに撫でて慰める。頭を撫でられてメマリーは気持ちよさそうにしている。


「で、メマリー、本題に戻すぞ。そもそも基礎ステについて、どこまで理解しているんだ?」


 俺の質問にメマリーは胸を張って答える。


「全然分かってません!」


「よくそれで冒険者をやろうと思ったな。そういうことは、始める前にちゃんと調べておけ」


「ううっ……。考えるより先に行動するの、わたしの悪い癖……」


 いるよな、説明書もろくに見ないでゲームを始めるやつ。


「まぁまぁ、レイ君もメマリーちゃんをいじめちゃだめだよ」


「うっせぇ」



「誰か教えてくれなかったの?」


 サエラがメマリーに尋ねる。


「うん。酒場や狩場で聞いたんだけど、みんな馬鹿にするだけで教えてくれなかったの」


 ま、あの底辺どもにそんなことを期待するだけ無駄だろうな。


「だから、いっぱい教えてくださいね!」


 期待に満ちた目でメマリーは俺たちを見つめる。


「よし、俺が基礎ステータスについて講義してやる。基礎ステはレベルアップによって上昇させることができる、っていうのは知っているな」


「うん」


 メマリーはこくんとうなずいた。


「一度上昇させてしまうと、やり直しはもうできないから、ステータス上昇は計画的に慎重に行わなけりゃならねぇ」


 JAOでは課金アイテムであるヴァリュアブルストーン(通称『石』)40個、つまり約4000円でステータスリセットができた。もちろん、石が存在しないこの世界ではステータスはリセットできない。




「各種基礎ステの効果を教えておく。まずはvit」


「メマリーちゃん、覚えておいてね。vitは最重要基礎ステだよ」


 JAOでもvit型は人気があった。「HP0=死」のこの世界ではもっと重要だろう。


「そうだ。vitの値によって、最大HPと上限FP、ポーション回復量が変動する。ATKがものすごく高いMobもいるから、最大HPが高いに越したことはねえ」


 サエラと俺のvitは低い。HPは5000にも満たないくらいだ。しかし、レベルカンストしたvit99のキャラクターはHP16,600になる。vitの有無で3倍以上も違うのだ。



「それと、上限FPの増加も重要だ。FPが最大値に達すると行動不可になるからな。上限FPが高いほど長く行動できるので、お得だ」


 上限FPもvit1だと100だが、vit99だと145になる。この差はでかい。


「今から頑張ってトップ冒険者に追いつくためにも、vitを上げて上限FPを増やし、行動時間を延ばす必要があるともいえるな」


「分かったぁ、これからはvitに全振りすればいいんだね!」


「基礎ステは99までしか上がんねえぞ。というか、他の基礎ステも検討しろよ」


「うん、分かりました!」



「次はstrな」


「strも大事だよ」


 サエラも同意する。


「strは物理攻撃のATKと所持量、そして文字通り、力の強さに関係する」


「力の強さって?」


「文字通りの意味だ。右肘をテーブルにつけろ。何があっても手の甲をテーブルにつけるなよ」


 俺が肘をテーブルにつけると、メマリーも同じように肘をつける。メマリーの手を右手で握り、一気に腕をテーブルに倒した。腕相撲ってやつだ。


「すごい、すごーい。レイさん力持ちー。巨人と腕相撲しても勝てそうー」


 メマリーが手をさすりながら感心している。っていうか、さすがに巨人相手に力比べは厳しいから。


「俺のstrは99あるから、力が強い。力の強さは押し合いやノックバックに関係している。戦闘は、どれだけ相手に邪魔されずに攻撃を繰り出せるかが肝だからな」


「ノックバック?」


「攻撃を受けたときに、吹き飛ばされたり、のけぞったりすることだ」



「何といっても、strは所持量増加が一番大事だよ」


 サエラの言う通り。str1だと所持量は5600だが、str99だと所持量は15000にもなる。


「どうして大事なの?」


「はぁ!? 所持量5600でどういう狩りをするつもりなんだよ。タランバ・ハニカムみたいな低ラン狩場と違って、高レベルの狩場での狩り、ましてボス攻略をするつもりなら、武器は1本じゃ話にならねえ」


「狩場に何本も武器を持っていくんだね。わたしなんてクラブ1本しか持っていないのに」


「そんなのいくらでも作ってやるよ」


「わーい、やったぁ~」


「金を払ったらな」


「お金が貯まったらお願いします……」



「strがなきゃ、外付け魔石もろくに持てねえ。魔石はWEIが10もあるからな」


 WEIというのは重さを表すステータスだ。所持量5600あれば、魔石は560個持てるということになる。


「最後に、武器によってはWEIが5000を超えているものもある」


「5000! わたしが使ってるクラブ3本分よりも重いんだぁ」


 メマリーが手を上げて仰天している。ちなみに、クラブのWEIは1400。


「ツヴァイハンダーや長巻なんかがそうだな。WEIは高いが、その分強力だ。所持量が高けりゃ、武器の選択肢が増える。覚えとけ」

次回は2月13日の12時頃に更新の予定です。



◇今回のJAOのシステム説明まとめ1


vitが上昇するとHPが上昇する。



◇今回のJAOのシステム説明まとめ2


strが上昇すると、力の強さ・所持量が上昇する。




この作品を面白い、もっと続きが読みたいという方がおられましたら、最新話にある評価をしていただければ、非常に励みとなります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ