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9-37 2ndボス、リパルシャント戦3

「サエラ、守護霊【カーミラ】を顕現させてコウモリをボスに向かわせろ」


 カーミラはコウモリの眷属を3体召喚する。


「前衛4人は引き続きタゲを取れ。他のやつらは全力で立て直しにあたれ!」


「「「了解!」」」


「さてと……」


 俺はスクルドの設定をいじる。

 この戦いでは俺のパートナーの力が必要だ。


「【未来の女神 スクルド】、顕現せよ!」


 流れるような金髪をなびかせて女神が出現した。


「合図と同時に固有エキストラスキルを使え」


「また何か企んでるのね」


「当然だ」


「何をしでかす気なの?」


「――ボスのエリアディフェンスダウンを反射して、逆に防低をかける」


 リパルシャントが使う高範囲状態異常は5種類。

 ドラゴンロアー、Aスリープ、Aシーリング、Aパワーダウン、そしてAディフェンスダウン。


「リフレクトミラーをかけている相手なんかに、不用意にデバフスキルを撃ってこないんじゃない?」


 リフレクトミラーはデバフを無条件で跳ね返す。

 ミラーがかかっている相手にデバフを撃ちこんでも自分が不利になるだけ。Mobだって、そんなことくらい分かっている。


「そうだな。だから、次に撃ってくるエリアに合わせてミラーを張るしかねえ」


「じゃあ、ディフェンスダウンやロアーを使ってこなかった場合は、作戦失敗ってこと?」


 防低効果があるデバフスキルはドラゴンロアーとAディフェンスダウンの2種類。


「そうだ。――だから、ディフェンスダウンを撃たせるように()()()()


「誘導ねぇ……いいわね。面白そう」


 さぁ、反撃の始まりだ。

 俺は全員にメッセージを送り作戦を伝える。



「vitタンクはどんどん前にいけ! なるべく攻撃スキルは温存な」


 復帰したタンクを次々前線に送り込む。

 カーミラが召喚したコウモリを合わせて13人がボスに張り付いている。


「ちょこまかちょこまかと……」


 動きが遅いリパルシャントは一方的に翻弄されている。

 だが、戦いの流れをひっくり返す圧倒的な力がボスにはある。


「うるさいよっ!」


 リパルシャントの足元に魔法陣が現れる。

 そして、巨竜が口を大きく開けた。


「ここだ、スクルド!」


「任せて!」


 スクルドがピシッと仕込み杖を晴眼に構え、エキストラスキルを発動。


「Aディフェンスアップ!」


 遅れてリパルシャントのスキルが発動。


「アースブレス!!」


 強烈な土属性範囲攻撃。

 が――、


「私たちはそんな攻撃では倒れないわ」


 スクルドがAディフェンスアップでDEFを上げたおかげで、ほとんど軽傷で済んだ。やられたのは低HPのコウモリだけだ。



「防御を上げたくらいでいい気にならないでっ!」


 顔を真っ赤にしてリパルシャントが怒る。

 ここで視聴者に問題だ。


「自慢の一撃を防がれたリパルシャントがタンクに有効打を与えるには、どうすればいいと思う?」


 封印? 攻低?

 いや違うな。正解は――



「Aディフェンスダウン!」



 あらかじめタンクにはDEFをガチガチに固めるように指示している。

 高DEFのタンクたちを倒そうと、リパルシャントはアースブレス等の広範囲攻撃を撃つ。

 それすら防がれたら――防低をかけてダメージを通す。


 俺はボスの思考をこう誘導した。

 5分の2の確率で起こるラッキーを待つなんて、分の悪い賭け、ごめんだな。

 だって、俺はギャンブラーじゃなくて、ゲーマーだから。



 というわけで、


「「「リフレクトミラー!!」」」


 全員が武器を持ち替え、ミラーを発動。

 おびただしい数の赤茶色の砂の魔法弾がリパルシャントを襲う。

 リパルシャントの頭上に壊れた鎧のアイコンが出現した。

 さぁ、仕上げだ!


「未来の女神【スクルド】、憑依せよ!」


 スクルドを憑依させジャンプ。

 襲ってくる雷をかわしながら跳び上がる。


『さぁ、私の代わりに決めちゃって』


 スクルドの応援を受け、掛矢に持ち替える。

 さぁ、ルシファーの攻略報酬のユニークスキルのお披露目といこうか!


「これが俺の第3のユニークチート――」


 魚座を発動させて、掛矢をめいっぱい振りかぶる。



「ジャイアントォォォキリングゥゥゥッッ!!!」



 ユニークスキル【ジャイアントキリング】。

 サイズ巨大のMobに対して、スキル倍率3倍、与ダメ10倍の攻撃と超大ディレイを与える超火力スキル。

 まさに小さな冒険者が巨人に打ち勝つためのチート。


 本当はインフィニティボックスっていう、所持量が桁違いに増えるという超俺向きのパッシブスキルもあったんだけど、やっぱゲームは殴ってなんぼでしょ!


 ゴガアアアアアンッッッ!

 リパルシャントの頭上に回る星のアイコンが出現した。

 よっしゃぁっ、スタンにかかったぞ!


 ダメージは6,994,294。

 一気にHPバーが削れたな。

 防低様々だ。



「これでしばらくは寝っ転がっているだけな」


 俺たちを見下ろしていた巨竜は地面に横たわっている。

 ここからは殴り放題だ。


「さぁ、この調子で一気に攻めるぞ!」




 こうして、俺たちは2ndステージをクリアできた。

 ここまでのタイムは4時間8分9秒。

 火力、体力、防御力の3拍子そろったうえにデバフの嵐という超強い2ndボスだったが、通常武器でも倒すことができた。


 そして、いよいよ次はFinalステージ。

 絶対にタイランに勝ってみせる!


次回は5月31日の12時頃に更新の予定です。








この作品を面白い、もっと続きが読みたいという方がおられましたら、下にある★★★★★のところを押して評価していただければ、非常に励みとなります。








今回のレイドダンジョンは拙作『将来魔王になって夢の国でハーレムを目指す』とのコラボです。


こちらも読んでいただいたら嬉しいです。


作者ページから飛ぶことができます。


参考までにURLも張っておきます。 https://ncode.syosetu.com/n2551dl/

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