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4-11 クリスマスケーキ開発準備1

前回は感想をいただきました。ありがとうございます!

私たちも感想を楽しみにしています。

感想を送ろうか迷っている方は、勇気を出して送ってください。その一言が私たちの励みになります。



今回(4-11)から4-20の途中までは、回想(4-8と4-9の間)シーンになります。

レイがどのような戦略を立ててタイラン商会と戦うのか。それを振り返るお話です。

時はさかのぼり12月18日の朝。

仲間とくだらない話に花を咲かせる者、貼り紙を見に来た者、やってきた人たちに物を売りつけようとする行商人。王都ファクレーンで一番のにぎわいをみせる場所、メテオジャム前は今日も人であふれている。


「ごめ~ん。寝坊しちゃった~」


手を振りながら、サエラがやって来た。安定の遅刻魔だ。俺とコプアさんが溜息をついた。


「23分も遅刻するんじゃねぇ、バカやろう」


「昨日の夜、今日の旅行に何を持っていこうかなぁって考えてたらー、夜更かししちゃったんだよー」


「夜更かしっつーても、どうせ夜の10時とかそんなもんじゃねーの」


「9時まで起きてたよー」


「はぁ!? 昨日解散したの8時過ぎだったろ。1時間も起きてねえじゃねーか」


俺なんか、狩りとデータ検討で深夜2時まで起きてたっつーのに。



コプアさんが不安そうな顔で、俺たちに話しかける。


「ねぇ、本当に3日もお店閉めていいの?」


「心配すんな。この3日間は、これから戦うために力を蓄える期間だと思っている」


コプアさんには、12月18日から20日までフォーリーブズを閉めて旅行に行こうと話している。昨日は半ば強引に了承してもらったが、仕事熱心な彼女はやはり納得がいかないようだ。


「そうそう、今は何も考えないで気楽にいこうよ~」


サエラは楽しそうに喜んでみせることで、コプアさんの不安を取り除こうとしている。何も考えていないだけかもしれねーけど。


「うん、そうだね。2人がプロデュースしてくれる旅行、精一杯楽しまないとね」


コプアさんもつられて笑顔になった。



だが、俺とサエラは何も考えないというわけにはいかない。雑踏を注意深く観察する。

コプアさんがタイラン商会にストーキングされているのは間違いない。今も誰かがコプアさんをつけているはずだ。

怪しい人物の姿はとりあえず見られない。上手く人混みに紛れているのか、クローキングで隠密状態になっているのか、それとも居ないだけなのか、それは分からねえ。だが、警戒を怠ってはいけない。



俺とサエラとコプアさんでPTを組んだ。

メテオジャムを使えば、これまでに行ったことがあるマップに転移することができる。PTメンバーの一人が行けるマップには、他のPTメンバーが行ったことがなくてもワープすることができるのだ。


メテオジャムに近づくと、行先を選ぶウインドウが出現した。

このタイミングで、サエラが「レイ君~」と言って俺に接近する。近すぎるせいでサエラの柔らかいところが当たった。無視だ無視。

ウインドウを操作し、行先を指で軽くタップ。その瞬間、シャワァァァ~という音がして、周りの光景が虹色に輝く。そのことを認識すると同時に意識が飛んだ。






目を開けると、見渡す限りの草原が広がっていた。12月だというのに草は青々と茂り、牛や羊、ヤギが美味しそうに草を食べている。


「はぁ……すてきな牧場ねぇ~」


強くて冷たい風を体中で感じながら、コプアさんは開放感あふれる光景に目を奪われている。


「あ、間違えた」


そう言って、俺は側にあるメテオジャムに近づく。サエラはまたしても俺に接近。ぷにっ。あぁ、もう我慢だ我慢。

行先をタップし、このマップを離れた。



次のマップは全てレンガ造りのおしゃれな街だった。


「きれいな街ねぇ~」


「あ、間違えた」


転移。






こんなやりとりを繰り返すこと数回。着いたマップの光景にコプアさんは眉をひきつらせた。


「何なの、ここ……」

次回は5月4日の12時頃に更新の予定です。




この作品を面白い、もっと続きが読みたいという方がおられましたら、下にある評価をしていただければ、非常に励みとなります。

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