魔力少年とウィッチブルーム
彼の話をしよう。
遺伝で魔力が主食であり、接触などで吸収が可能で、魔力を暴走させがちな新入生の魔力をよく食べている。
これは、そんな彼の物語。
・
エベラルドと共に、森の中を歩く。
「……で、いきなり森に行くから付き合えって、どういう意味ですの?」
「いや、食あたりしないかだけ確認してもらおうと思ってね」
「ナニ拾い食う気ですのアナタ」
「酷いな、俺は拾い食いをするような男だと思われていたのかい?まあ、ある意味拾い食いでも間違ってはいないかもしれないが」
ふふ、とエベラルドは微笑み、その水色の髪を風に揺らした。
「さておき何故ジョゼフィーヌを誘ったかという点についてだが、俺の主食は魔力だ。遺伝的に」
「ですわね」
食堂で食べる時も、殆ど魔力の塊みたいなモノを食べている。
要するに魔力を物質状態になるまで濃縮し固めたモノを、だ。
……とはいえソコまで濃縮しちゃうと相当なカロリー食になるからか、そういうのを食べるのはしばらく魔力を食べれなかった時くらいのようですけれど。
基本的にエベラルドは、他人の魔力をちょいちょい拝借して腹を満たしている。
こちらとしてもちょっとくらいなら少しだるいな程度で問題無い為、時々エベラルドに魔力を提供しているのだ。
……献血の軽めバージョン、みたいなモンでしょうか。
ちなみに提供する側の気分的には自分が食べてるお菓子を「食べる?」と言ってあげるような、そのくらいの感覚。
まあエベラルドは魔力の匂いや味を感じるらしく、エベラルドの方に好みなどがあるようだが。
……でも実際、エベラルドが魔力食べてくれるのは結構助かるんですのよね。
新入生の中には魔力を暴走させがちな子や、魔力が余っている為うっかり魔眼を使用してしまう子などが居る。
魔力暴走は、魔力量が多い、または魔法を使う時のイメージや呪文が下手、または慣れてない魔法を使用した後遺症などで発生するモノ。
……アレですわよね、慣れないランニングした結果汗がダバダバ出るみたいな……。
そして下手に魔力が暴走すると周囲が酔うのと、本人の疲労が強くなっていく為、早めにどうにかした方が良いモノ。
基本的には寝かせるなり気絶させるなり一回ショックを与えるなりすれば正常に戻るのだが、エベラルドの場合はそんな子に接触して魔力を吸収するだけで落ち着かせるコトが出来る。
……接触で魔力吸収が出来るのは強いですわよね。
エベラルドの場合、接触での魔力吸収などは任意で可能のようだから、警戒する必要もないし。
ちなみに余談だが、エベラルド曰く己の魔力は「匂い甘そうなのに中はそうでも無いしどっちかというと苦めな味」らしい。
……うーん、天使の特徴バリバリ出てますわね……。
いや天使の魔力が皆そういう感じではないと思うが、見た目優しそうなのに中身結構辛辣だったりするのが天使だと思うと、納得出来てしまうのも事実。
「そして俺は魔力の匂いを感知出来る」
「まあ、魔力を味覚的に感じたりもするなら嗅覚的に感じるのは不思議でもありませんわよね」
「そんなワケで端的に言うと、最近森からとても美味しそうな、そして濃厚な魔力の香りがしてきていてね」
「……落ちてるモノという可能性もあるし、トラップ的な魔力の可能性もあるから、色々と目視可能なわたくしに見せるコトで食あたり起こしたりするような魔力じゃないかどうかを確認して欲しい、ってコトですの?」
「その通り」
「成ーる程……」
まあ確かに、己の場合は悪に対して過剰反応するのもあって、危険があるかないかを知る時のセンサーとしてはかなり有能な方だろう。
センサーではなく戦闘系天使の混血だが。
「でもわざわざ今の時期に来なくても良かったんじゃありませんこと?」
「今の時期?」
「あら、知りませんでしたの?」
「特に心当たりは無いが……ナニかあったのかい?」
「まあ、ちょっと」
頷き、エベラルドに伝える。
「つい先日、森を歩いていたら急に魔力で出来た弾丸がこっち向かって放たれた、という証言が複数上がりまして。幸いにも怪我人は居ないんですけれど……」
そう、皆反射神経が高かったりスピードが速かったりするからか、放たれたと気付いた瞬間にソッコで避けたりしたらしい。
流石の頼もしさだ。
……というか、相手もナンでわざわざそのメンツに?って感じのチョイスばっかりですものねぇ……。
毎日朝と夕方に森の中を走っている、下半身が馬のセベロの場合は馬の速度なので普通に避けれたそうだ。
あとクラシーナも攻撃されたそうだが、咄嗟に生やした腕の壁で事なきを得たらしい。
……咄嗟に生やした腕の壁って、中々にパワーワードですわよね。
ちなみに現代において銃弾というのは人殺し用の道具であり兵器であるという、とても恐ろしいモノ扱いされているアイテムである。
とはいえ、魔力弾は魔力を小さく圧縮して放つモノなので魔法枠扱いであり、本物の銃弾よりは恐れられないが。
……だからこそ咄嗟に対応出来たんだろうコトを思うと、ホッとしますわ。
「……下手すりゃ怪我してて、そんな被害者が複数名。となると悪意を持って、もしくは悪意では無くとも人間に対し魔法を放つという「遊び」を覚えてしまった魔物かもしれない、と」
子供が壊すコトを遊びと認識してしまうと、遊ぶという感覚でモノを壊しまくる。
ビューティフルドラゴンに泣き叫ぶ系の肉を食べさせ続けると、そういう系統が食べ物だと認識されるせいで無関係のヒトまで食いかねない、みたいなアレ。
……誤認が刷り込まれちゃうと厄介なんですのよねー。
「とりあえず今んトコ怪我するような被害者が居ないので緊急性は無い扱いですが、害魔である可能性がありますわ。
その内狩人が出勤する可能性があるからこそ、今の時期じゃなくて良いんじゃと思ったんですけれど…………知らなかったんですのね?」
「ああ、初耳だよ」
「でもアナタの場合、多分知ってても来ましたわよね」
「ソレはモチロン!」
エベラルドはとてもとても良い笑顔でそう頷いた。
「先程から香っているとてもとても美味しそうな香り……コレを我慢し続けるのは不可能だ」
「でしょうねぇ…………ア」
「ん?」
視えたモノが飛んでくる方向を指差せば、エベラルドも気付いたらしい。
濃縮され弾丸のように放たれた魔力弾が、真っ直ぐエベラルドに飛んできていた。
「ふむ」
しかしソレは、魔力の塊だった。
魔法だろうがナンだろうが、魔力が元であればソレはエベラルドの主食となる。
……魔力から魔法に変化していたとしても、原材料が魔力である以上、料理みたいなモンらしいですし。
例えるなら魔力はサラダ、魔法はカレーみたいな感じ。
加工前か加工後か、という程度の違いであり食べ物であるという根本部分は変わらない為、エベラルドは手を前に翳してソレに触れるコトで吸収、食べたのだ。
「あっ、コレ……」
吸収した手の平を見ながらエベラルドが目を見開いた瞬間、魔力弾が放たれた方から、凄い勢いで飛んでくるホウキがあった。
「ちょっとー!ちょっとちょっとちょっと!僕の渾身の魔力弾を無効化とか意味わかんないんだけどー!」
「……ホウキ?」
「ふっふーん、そうだよ、ホウキ!僕は魔女のホウキ、ウィッチブルームさ!」
えっへんと胸を張るように宙に浮いているウィッチブルームは、正にホウキという見た目をしていた。
絵に描かれた魔女がよく持ってる感じ。
「さておき人間!覚悟しろ!僕は対人間用兵器な魔物!邪魔な人間を仕留めてこの森から遠ざけて、魔女が住みやすい場所を増やすんだ!あと個人的にうっかり五百年くらい寝ちゃってたから挽回しないと!」
無機物系魔物なだけあってうっかり寝過ごした時間が桁違い過ぎる。
「あの、現代は普通に魔女とか問題無く共存してますけれど……」
「問答無用!魔女に情け容赦が無い人間相手に情け無用!ソッコで撃退!サヨナラ人間!ハロー人外に優しい空間!」
「あーコレ話まったく聞いてくれてませんわねー?」
「覚悟ー!」
持ち手の先端部分から、魔力弾が連発された。
が、ソレら全てをエベラルドが吸収する。
「あれっ!?」
「ああ、やっぱり。ここ最近美味しい魔力の香りがすると思ったら、キミだったのか。感じていた香りと同じ味だったからもしかしたら、と思っていたんだ」
吸収する為特に衝撃なども受けていないエベラルドは、ケロリとした様子でそう告げた。
ケロリとしているというか、ニコニコしてる辺り超余裕。
「でもとりあえず魔力をそう弾丸のように撃ち出されるのは厄介かつ危険だから、一旦取り押さえさせてもらおう」
「はっ!?や、ちょ、こっち来ないで!」
「残念」
エベラルドに攻撃が効かないコトがわかったからか、ウィッチブルームは及び腰で逃げようとした。
……ホウキ相手に及び腰って表現で合ってるかはわかりませんけれど。
しかしガッツリと魔力を食べたコトもあってか万全の状態になっていたエベラルドは、スタートダッシュに失敗したウィッチブルームに難なく近付き、地面に押さえつける。
コレが異世界の自分一押しの床ドンというモノだろうか。
床じゃ無くて地面だが。
……今何か、ちゃうねんって言われたような……。
今のはただホウキを地面に押さえつけているだけであって、ロマンある床ドンとはちゃうねんと首を振られた気がする。
人間押さえつけようがホウキを押さえつけようが、ソコに意思があるなら生命体カウントで、殆ど同じに思えるのだが。
……やっぱ異世界間のギャップって強いんですのねー。
「やー!人間なのに動きはっやい!魔法使ったようには見えなかったのにー!しかもどんどん魔力吸われてない!?ナニコレ!?魔道具!?」
「まあ、生粋の人間でも現代人は誕生の館のお陰で全体的にスペックが向上しているからね。キミの知る人間とは大分違うんじゃないかな」
そう、誕生の館は両親となる双方の遺伝子から優れた部分をピックアップして子供を作ってくれるのだ。
当然個人差はあるので、優れた部分をピックアップしたとしても兄弟間で結構な違いが出るコトも珍しくはない。
……わたくし、兄弟に比べてかなり戦闘系天使寄りな本能が備わってますしねー。
ちなみに髪色もご先祖様の髪色からピックアップしてくるコトが結構ある為、己のように父と一致する髪色である方がレア扱い。
大体は親と違う色の髪になるコトが多いのが誕生の館産ベイビィ。
「ソレにエベラルド、生粋の人間と違って混血ですものね」
「は?混血?ナニソレ」
「あら、思ったより知らないというか……まさかさっき言ってた五百年眠りこけてたってヤツ、起きてからソッコでこうやって人間に攻撃カマしてたんですの?情報収集とかせず?」
「僕は対人間用兵器な魔物だよ?ただ人間を減らすのが僕の仕事!」
「先程から思っていたが、随分と過激じゃないか?」
「ナンで?人間は魔女の敵でしょ?」
「まあ……五百年くらい前なら相当に昔ですし、当時はまだ魔物と距離が開いてた時代だから、魔女とかかなり肩身狭い立場ですものね。地域によっては魔女狩りがあったりもしたようですし」
「……今は無いの?」
驚愕したような、けれど疑っているような、そんな声色でウィッチブルームは小さく呟いた。
独り言のようなその小さな声に、己は頷く。
「ええ、魔女狩りはもうありませんわね。というか魔女自体、優れた知識を持ちすぎた存在だとか、魔法のプロフェッショナルだとか、混血だとかの総称だったようですし」
「混血?なら俺達と一緒じゃないか」
「エッ、キミ達魔女だったの!?」
「いや俺は男だが」
「まー混血なのは合ってますわ。わたくしは戦闘系天使、そちらは……知りませんけれど魔力を主食とする魔物との混血ですの」
エベラルドに、友人の紹介をするタイミングなのに内容雑過ぎないか?という目で見られたような気がするが知らんぷり。
実際エベラルドの親について聞いたコト無いし、基本的に本人が主張しない限りそう聞くようなコトでも無いのだから知らないのが普通だ。
……ま、わたくしの場合は遺伝が強めなのもあって、お父様の種族を主張しがちですけれど。
ちなみに友人に親の種族を聞くのは友人の親の出身校を気にするようなコトなので、そこまでの興味が無いならそうそう聞かない。
異世界の自分の例えだと大体そんな感じらしい。
……わたくしからすると、周辺の大人って大概この学園が出身校だから、あまり理解出来ませんけれど、ね。
「やー、ナンだキミ達そっかー混血で人外寄りだったかー。ごめんねー」
エベラルドに取り押さえられたまま、ウィッチブルームは先程までの敵意を雲散霧消させてそう言った。
「人間かと思って思いっきり排除しようとしちゃったよ。ごめんごめん」
「いや、俺達は人外が親に居るというだけで人間寄りの人間なのだが……」
「じゃあやっぱ敵!?」
「まあ五百年前の価値観なら、人間名乗れずに魔物寄り扱いだったでしょうね。つまり敵じゃありませんの」
「なら良いや」
しかしウィッチブルームの気の抜き方が極端過ぎる。
まあ、特定の事柄に関して作られた魔物だと考えるとわからないでも無いが。
……ウィッチブルームで対人間用兵器ってコトは、魔女狩り対策の魔物ですものね。
魔女狩りを恐れた魔女が作り上げた武器。
周辺に漂っている魔力を自動的に吸収して内部で濃縮、先端から魔力弾を放ち相手を屠る。
ソレがウィッチブルームだ。
「あ、でもコレ僕どうなるの?歯向かったり害を為そうとしたからアウト判定で分解されちゃうのかな?」
「しませんわ」
「ああ、流石にソコまでは。今のトコロ怪我をするような被害も出ていないワケだしね」
「ソレはソレで傷つくな……」
もし目があったら胡乱な目になっていただろう声色だった。
「でもキミ達、混血なら色々大変じゃないの?現代ってそんなに大丈夫になったの?」
「まあ、そういう子を集めて普通に生活出来るようにって配慮された学園がすぐソコにありますので。ソコに通って、色々知って、自分の体質に合った服とか文化とか色々を学んでく感じですわよ」
「生きたまま火炙りとかされてない?」
「体質で体から火が出る子は居ますわね。あと炎系の魔物がパートナーだから頻繁に燃やされてる子も居ますけれど、耐熱防火系の魔道具があるから問題ありませんの」
ロザリーなどはグルームドールによって頻繁に燃やされているが、魔道具のお陰もあって普通に無事だ。
身に着けている対象の周辺にまで効果が及ぶという王族仕様の高級品なお陰で、ロザリーの服が被害にあったりもしない高性能。
……ま、グルームドール自身、ロザリー以外は燃やさないようにしているらしいので、不要な仕様かもしれませんけれど、ね。
ロザリーを燃やそうとする部分こそ一番どうにかしたい部分だが、グルームドールから発されるロザリーへの愛の炎なのでどうにもならん。
魔道具で対処するしかない。
「釜茹でとかされてない?大丈夫?」
「今は混血の方が主流になってきてるから問題ありませんわ。あと釜茹でに関しては混血によっちゃマジで平気なので……」
熱に強いタイプとか絶対余裕でお風呂扱いしてそうだ。
「……死なない子、居る?」
「死なない子も死なないヒトも結構居ますわよ。食堂でよくパートナーにはらわたを喰われながら食事してますわ」
「どういう意味?」
「そのまんまの意味だからナンとも言えないな」
「まー少なくとも、不死系とかも大手を振って町中歩ける時代ってコトですわ。アナタが知っている、人外を排する時代とは違って」
「……そっかぁ」
敵意も疑いも完全に無くなったのがわかったからか、エベラルドはようやくウィッチブルームを解放した。
解放されたウィッチブルームはふわりと浮きながら、小さく呟く。
「良かったね」
誰にともなく言うような、とても優しい声だった。
・
コレはその後の話になるが、ウィッチブルームはエベラルドと一緒に行動するコトになった。
どうも今までは魔女が作った魔物というだけでサーチされたらソッコでキルられる感じの扱いだったらしく、人間達の様子をゆっくり見たりが出来なかったらしい。
「ソレに僕は僕で人間への敵意や殺意に満ちてたからね!ゆっくり見る暇が合ったら気付かれる前に近くに居る人間から始末してたよ!」
さらっと言われたコトが中々に闇だったが、その辺の歴史についてはモイセス歴史教師から教わっているし、闇が深い魔物については他にも居るのでスルーした。
てるてる坊主辺りなど相当に闇が深い魔物なので今更今更。
「ねえねえ、アレはナンだい!?」
「露店」
「売られてるのは!?」
「髪飾りのようだが」
「へぇー、今って一般人が買える髪飾りも大分オシャレなんだねぇ」
王都を歩くエベラルドの隣に浮きながら、周辺を見渡してウィッチブルームはそうはしゃぐ。
……今まではサーチされたらソッコでキルられる上に、ウィッチブルーム側も人間認識ソッコで始末、だったようですものね。
しかし現代では混血が排されるコトは殆どなく、普通に共存が出来ている。
五百年前の価値観の上に世間知らず感強めだったウィッチブルームはその辺りに興味津々なようで、敵対してないならこっちも敵意を抱かないから町とか見たい、と主張したのだ。
……でも人間に攻撃しまくってた辺りからすると害魔認定寸前なんですのよねー。
基本的に害魔認定はガバガバで、場合によっちゃ被害者数とかそのメンタルとか諸々で判断されるモノ。
だがウィッチブルームの場合、ガチで人間を消しに来ていたし、実際に消したコトがある。
……まあ、他にもかつてやらかしてたような魔物は結構居るワケですけれど。
とにかく安全面的な部分を保証する保護者が必要な為、エベラルドがソレを担うコトとなった。
単純にあの場に居たしウィッチブルームの攻撃を無効化可能だから立候補したのかと思いきや、実際は違っていた。
……単純に、ご飯の為なんですのよねー……。
エベラルドの主食は魔力であり、他人から吸収したりも可能だが、流石に空中などに散らばっている細かく小さく少ない魔力は吸収出来ないらしい。
しかしウィッチブルームはそれらを吸収して活動用のエネルギーにしているので、ウィッチブルームを介すればその辺にある魔力を食べれるも同然となる。
……ウィッチブルーム的にも吸収された分はその辺から吸収すれば問題無いし、そうすれば色々見て回れたりするならソレでオッケー、って纏まりましたわね……。
色々あっさりし過ぎな気はするが、まあそんなモン。
「今の時代は色々と面白いモノがあるよねえ……あ、ねえエベラルド、あの館は?大きいトコ」
「俺のような混血……というか現代では人間同士の夫婦でも利用率が高い場所である、誕生の館だ。確か騒いだり暴れたり壊したりさえしなければ見学も可能だったハズ。行くかね?」
「魔物も入って良いの!?」
「ソレは当然だろう。そうでなければ、混血は生まれない」
「凄い時代だねぇ……」
誕生の館を見上げながら、ウィッチブルームはしみじみとそう呟いた。
エベラルド
遺伝で魔力が主食であり、魔力が暴走しがちな新入生の魔力を食べるコトで落ち着かせたりしている。
魔力が元だからという理由で魔法も接触で食べれる為、ひたすら攻撃魔法を放つ害魔などが出た時は臨時バイトする時もある。
ウィッチブルーム
魔女狩り対策で対人間用として作られた、武器として特化している魔女のホウキの魔物。
下半身が馬という見るからに人間じゃないセベロに攻撃した理由は、茂みによって下半身が隠れ、人間である上半身だけしか見えていなかったからというガバガバ判定の結果。