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ヒトと魔物のキューピッド  作者:
八年生
241/300

翼少女とレッドシューズ



 彼女の話をしよう。

 遺伝で背中から鮮やかな青色の翼が生えていて、孤児院育ちで、芯が強い。

 これは、そんな彼女の物語。





 談話室のソファに座りながら本を読んでいると、ズシリと肩に重みが乗る。



「……あの、ウッラ?」


「ナニかしら」



 己の頭上で、ウッラが赤みのある濃い紫色の髪を揺らして首を傾げたのが()えた。

 相変わらず鮮やかな青い翼とは真逆に近い色合いをしている。


 ……でも今はそれよりも。



「ナンでアナタ、わたくしの肩に座ってんですの?」



 現状が問題だ。

 何故己はソファに座った状態で同級生女子を肩車しなければならないのだろう。


 ……したくてしてるワケじゃありませんけれど!


 いきなり乗ってこられたのでこちらとしては無賃乗車された気分だ。

 いや、無賃じゃなくても乗車される気は無いが。


 ……天使には神を移動させる為の車みたいな天使も居るそうですけれど、わたくし戦闘系天使だから乗り物系じゃありませんしね!



「いやホラ、私って翼生えてるじゃない」


「生えてますわね」


「ソレも腕が翼っていうタイプじゃなくて、背中に」


「生えてますわね」


「そのせいで私って背もたれが使えないのよね」


「まあ、背中に翼生えてたらそうなりますわよね」


「でも止まり木系の椅子無いでしょ?ここ」


「一応背もたれ部分を止まり木と仮定するコトは可能だと思いますけれど、まあ、そうですわね」



 ちなみにこの談話室に置いてあるソファやらは自動で修繕されたり綺麗な状態になったりするので、爪が鋭い鳥が止まっても問題無い。

 破けても修復されるのだから。



「というかそもそも私って翼生えてるだけで足は普通に人間だし」


「ですわね」



 己の肩の上から伸びている足は完全に人間の足だ。

 というかヒトの胸を足置きクッションみたいにするの止めて欲しい。


 ……本読みにくいんですけれど……。


 身長と一緒にすくすく育っているので、その胸にウッラの足が乗ると丁度ふくらはぎなどが当たり、要するに足の位置的にめちゃくちゃ本が読みにくい。

 異世界の自分曰く、チャイルドシート並みの不自由さまである。



「つまり背もたれの無い椅子がベストだから丁度良いのがあるなって」


「おいコラ誰が椅子ですのよちょっと」



 やたら膝枕ねだられたりもする辺り、皆には己がどう見えてるんだろう。

 己は天使であれど椅子では無いのだが。


 ……や、まあ、天使って言っても混血だから半分ですけれど。


 というか普通にその辺に背もたれ無しの椅子もあるのだが。

 ちゃんとしたソファタイプのヤツ。



「でも私って翼があるせいか体重軽いし問題無いでしょ?別に」


「重さ的には確かに問題ありませんけれど、突然肩車させられたら不満くらい覚えますわ。あと本が読みにくいので降りろ」


「やーよ」



 強めに言っても駄目か。

 実際ウッラは親が鳥系魔物だったのか、高いトコロを好むので仕方が無いとも言えるのだが。


 ……ウッラって孤児院に捨てられてたそうですし、ねえ……。


 なので親がホントに鳥系だったかは不明である。

 青い翼だし、羽ばたいたりしている辺り天使では無さそうだが。


 ……天使の場合、羽で飛ぶっていうよりも、空間内にある魔力なんかの流れに乗って動いてる、って感じらしいんですのよね。


 つまり羽は魚のヒレに近いモノらしい。

 ただのサポート用なので、姉は羽が無くとも飛べるのだ。


 ……まあ、ある程度のバランス感覚と、空間内の魔力を感知してソレに身を任せるコトが出来たら、って感じのようですけれど。


 四人兄弟でも飛べるのは姉だけな辺り、そう簡単では無いようだ。

 悪を察知する能力は全員に備わっているのだが。


 ……あ、いや、でもお兄様は微妙ですわね。


 寒気や悪寒は感じるらしいが、良いトコロもあるかもしれないという信じる心が強いせいで、その危険信号を無視しがちなのが兄である。

 その結果怪我をするコトも少なくないので、ホント、心配が多い。


 ……ステルスコートがその辺フォローしてくれてますし、わたくしもお兄様の同僚の方々に頻繁に伝言を伝えて貰ってるから大丈夫でしょうけれど……。


 伝言は兄への忠告に加え、妹がそれ程までに注意しているというのを同僚の方々にインプットさせる為のモノだ。

 少なくともソレだけ心配な兄だというコトがわかれば、注意して見ていてくれるだろうから。



「ところでジョゼ、本題なんだけど」



 ……成る程、本題があるからこそ、逃げられない為にもこの体勢になったんですのね……。



「ナンですの?」


「良いバイト先知らない?」


「また増やす気ですの?」


「良いじゃない別に。私体力あるから問題無いし。ソレにしっかり稼いで孤児院の運営費に回したいのよ。捨てられてた私を拾って育ててくれた恩があるワケだし」


「言ってくれればわたくしが寄付を」


「却下。ジョゼの場合とんでもない額寄付してきそうだし、過剰なお金は毒になるわ。

あと下手に孤児院に金があるってなると悪人が寄ってくるかもしれないでしょ。よって却下。孤児院に居る子達は殆どが幼児だからこそ、自衛手段だって最低限だし」


「…………ま、否定出来ませんわね」


「というか既にちょいちょいアナタ寄付してるわよね」


「アレッ、バレてましたの?」


「正体隠しもしてないクセにナニ言ってんのよ。匿名で寄付してくれてるけど、翻訳した分の収入、一部孤児院宛てにしてるじゃない」


「匿名って正体隠してると思いますわよ?」


「学園長に口止めしてないでしょ。聞いたらソッコで教えてくれたわよ」



 ……アダーモ学園長……!


 確かに口止めはしていなかったし、アダーモ学園長はある程度の質問には答えてくれるヒト。

 そりゃ答えるわな、と納得した。



「というか誕生の館とかにも寄付してるのはナンで?そういうの、学園長が負担してるから別にお金の問題は無いハズでしょう?」


「ソレならナンでウッラは孤児院に提供する為のお金を稼いでんですのよ」


「……子供達それぞれに新品のプレゼントしたいからよ。基本的に食べ物に使ってるから、服とか本とか中古ばっかりだし」


「じゃあわたくしもソレで」


「ソレでじゃないわよちょっと」


「良いじゃありませんの別に。わたくしは有り余るお金に困ってんですの。悪用しなさそうなトコに提供して身を軽くしたいんですのよとにかく!」


「一度は言ってみたい言葉ランキング上位に食い込むセリフよね、ソレ……」



 実際言う立場になるとナニも面白くないのが残念だ。

 というかマジで身に余る金なので正直怖い。



「さておきバイトよバイト。良いバイト無い?短期系」


「アナタ短期バイト好きですわよねえ」


「翼がある方が良いとか悪いとかあるでしょう?店の広さ狭さとかで。だから色んな店のバイトして、今の内に経験して、将来最適な職に就きたいのよね。バイト沢山やってれば実績出来るし」


「成る程。つってもそうですわね……短期ならカフェのバイトでも紹介しましょうか?カルメン店主……あの四つ腕店主の居るカフェ」


「ああ、あの。でもいつも店長とそのパートナーで切り盛りしてるわよね?」


「客増えて来たし、店内はスペースウルフによる空間だから客の制限が無いんですの。そして四つ腕な分対応は出来るけど、バイトを雇った方が良いのか、でもバイトを雇って仕事が増えても困るし、という感じみたいで」


「つまりお試しでバイトを雇ってみたいって感じ?」


「ええ。良さげな子居たら紹介してって頼まれたんですのよね。で、やるつもりなら紹介状書きますけれど?」


「お願いするわ」


「了解ですわ」



 紹介状と言っても、ウッラについてを軽く書いて、後は己のサインをすれば良いだけだが。



「というかいい加減降りてくださいませんこと?」


「私有翼系だからか高いトコが好きなのよね」


「降りろ」


「やーよ」



 メッセンジャーなのに、どうして天使の発言力は弱いのだろう。

 いやまあメッセンジャーだからこそ、神の言葉や圧を正確に届ける分、天使自身の発言力が無いのかもしれないが。





 自室で魔物についての専門書を読んでいると、突然部屋の扉がゴンゴンゴンゴン!と叩かれた。



「ジョゼ!ちょっと!緊急事態!私が!」


「あー……」



 扉の向こうにはウッラが居るのが()えた。

 様子を窺うにどうもマジで緊急事態っぽい。


 ……んー、ルームメイトが居るんですのよねー。


 彼女は引きこもりタイプの上にあまり他人と関わりたがらないタイプなので、無言でそそくさとシャワールームに逃げてしまった。

 まあ彼女は彼女で遺伝がアレなので仕方が無いか。



「ハイハイ、どうぞ。カギ開いてるから入りなさいな」


「お邪魔するわ!」



 扉を開けたウッラは、バサバサと羽ばたきながら部屋に入って来た。

 確かにいつも羽ばたきを利用するコトは多いが、己の姉のように常に浮いているタイプでは無いハズだが。


 ……って、あら。


 何故歩いていないんだろうと足をよく()てみれば、理由はすぐにわかった。

 ウッラは赤い靴を履いていた。


 ……コレ、レッドシューズですわね。


 ()える反応からしても間違いなくレッドシューズ。

 シンプルなパンプスで、赤く細長い布が交差するように下腿をホールドしている辺り、コレはもう完全に足を支配下に置かれている。



「……ウッラ、アナタ、つまりその靴についてを聞きに来たんですのね?」


「そうよ!」



 ソファに座りもせず、空中でバサバサと羽ばたきながらウッラは肯定する。



「ちょっと休んでたらいつの間にかこの靴を履いてたし、脱げないし!」


「脱ぐなんて酷ぇなあ」



 ヘラッとした笑みを浮かべているかのような声色で、レッドシューズはそう言った。



「俺を履いてた方が色々便利だぜ?そう、色々とな」


「ふっざけんな!急に踊り出すしで意味わかんない!勝手に足動くし行きたい方向に行けないし!」


「そりゃソレが俺だからどうしようもねーよ。つか羽ばたくとか反則じゃね?」


「知るか!」


「はいどーどー」



 ヒトの部屋でそう騒がしくしないで欲しい。

 ウッラが苛立ちによって強く羽ばたくと、その分羽根も舞い散ってるし。



「とりあえずウッラ、アナタはそのレッドシューズについてを聞きに来たんですのよね?」


「そう!とにかくコレがレッドシューズって名前の魔物だってコトはわかった!あと足を勝手に動かしたり脱げないってコトも!」


「よしよしステイステイ、簡単に説明するから落ち着きなさいな」


「あ、俺に有利っていうか俺に対して好印象抱く感じの説明でヨロシクな~」


「うん、わたくしその辺ちゃんと正直な返答を心掛けてるので好印象になるかはアナタの性質次第ですわ」


「うへぇ」



 レッドシューズがそういう反応をしただけでアウト寄りの魔物だと発覚したも同然なのだが、良いんだろうか。

 まあ己はほぼ無関係な外野だから良いが。



「まずレッドシューズとは普段……というか誰の足にも履かれてないフリーの時は赤いリボン姿になっていて、気に入った相手が居るとその足にまとわりついてシューズ化しますの。

シューズ化するとその足を完全に支配下に置き、対象が死ぬまで踊り続けますわ」


「害魔じゃない」


「一応どれだけ不眠不休で踊って疲労したとしても絶対に死なないようにはなりますわよ。

どんな妨害があっても踊り続けるし、それこそ怪我をしてもソッコで治っちゃうという……まあ、要するに無痛覚になって不死系になるってコトですわ」


「でも害魔よね」


「まあそうですわね。死ぬまで離れないし踊らせ続けますので」


「せめてちょっとでもフォロー入れてくんね?」


「わたくし正直者なので嘘は言えないんですのよねー」



 というか痛覚が無くなりソッコで怪我が治るわ疲れが溜まらないわというのは良いコトなのだが、その間ずっと踊らされるのが厄介だ。



「で、どうにかする方法は?」


「んー、レッドシューズの場合、その方法がかなりアレというか……」


「お願い教えて」



 ウッラは真顔で己の肩をガッと掴んだ。

 足を床につけない為か、足を折り曲げ、バサバサと羽ばたいた状態で。


 ……あー、羽根がめっちゃ舞ってますわねー……。


 コレ掃除するの己がやらにゃいかんのだろうか。



「地に足をつけると踊り始めるのよコイツ!」



 ウッラは己の肩をギリギリと掴みながらそう叫ぶ。

 普通に痛い。



「孤児院ソコまで広く無いからずっと羽ばたき続けるワケにもいかないし、このままじゃバイトもまともに出来やしない!お願いだから教えて!」


「あだだだ爪食い込んでますわ爪爪爪」


「教えなさい」


「足足足切り落としゃどうにかなりますわ!」


「切り落とせば良いのね!?」



 パッと肩を解放されたので、ヒリヒリするソコを軽く撫でる。

 酷い目に遭った。


 ……わたくしホントに無関係ですのに、ナンでこんな目に遭うのでしょう……。


 天使の微妙な幸薄属性、どうにかなって欲しいのだが。

 種族的なモノだから無理なんだろうか。



「じゃ、サクッと切り落としちゃってくれる?」


「いやソレわたくしに言ってんですの?」


「そうよ?」


「こらこらこら待て足は大事な体の一部だろうが!」


「その一部を支配してんのはドコの靴よ。ソレに今は痛覚無いんでしょ?切り離した瞬間に痛覚戻って痛みに呻き苦しむ可能性はあるけど、死ぬまで強制で踊り続ける羽目になるよりマシだわ」



 ……辛いか痛いかの二者択一とか悪魔の二者択一ですわよねー……。



「ソレに今は高性能な義足もあるし、手や足が無くても普通に生きてる生徒は沢山居る。私の場合翼もあるから問題無いわ。というコトでジョゼ」


「だからナンでわたくしに言うんですのよ」


「自分でやるなんて覚悟決まらないじゃない。ジョゼに任せた方が勢い良くスパッとやってくれそうだし」


「うーんその信頼を喜べば良いのか複雑に思えば良いのか……」



 正直に言うと複雑過ぎる。



「とにかく!足を支配下に置かれて好き勝手されるなんて許せない!私の体は私の体よ!この足は捨てる!」


「だー待て待て待て早まるな!わかった支配解除する解除!」


「つまり脱げるようになるってコト?」


「いやソレは俺でも無理だけど」


「切り落とすわ」


「だから話を聞けって言ってんだろ!?離れたりは出来ないけど、無理矢理強制で踊らせるってのはオンオフが可能なんだよ!ただ俺達自身踊らせるのが好きだから解除するコトが無いだけで!」


「解除する気が無いなら切り落とすわ」


「止めろ!」



 ……うーん、その足ってウッラの足なのに、ウッラ自身がその足を捨てるぞって言って脅してるの、こう、色々コメントに困る感強いですわね……。


 というかナンでこの部屋でやるんだろう。

 ルームメイトがシャワールームから出てこれないので普通に困る。


 ……シャワー浴びるワケでも無いのにシャワールームに引きこもるしかないって、相当に負担ですわよね……。



「解除は出来るし解除するから!お前が定期的に、そう、週にい、にか、さ、よ……毎日ホント十分くらいで良いから踊ってくれれば!」


「とりあえずアンタからしたら凄まじい譲歩をしたっていうのはよくわかったわ」



 ウッラは自身の足、レッドシューズを見ながら頷いた。

 まあ確かに、血を吐けるなら吐いていただろう声だったので、相当に譲歩してソレなんだろうというのはとても伝わった。



「でもお風呂とか入れないしベッドに土足で寝るのはイヤ。つまり却下。切り落とすわ」


「お前思い切りが良すぎんだろオイ!?風呂とか、そういう、あの、そういうのは一時的ならアンクレット化出来るし!だから切り落とすな!」


「一時的じゃ寝てる間に靴に戻るじゃない」


「違う二十四時間維持するのが無理ってだけだ!そのくらいは出来る!」


「ふぅん……」


「な?問題無いだろ?というワケで切り落とすのはだな」


「でも正直デメリットが無くなっただけでメリット無いわよね。切り落としましょう」


「痛覚無いし!疲労無いし!再生能力バリ高だから!ソッコで金が欲しい時とか腕とか切り落として人肉として提供出来るから!止めて!」


「…………ソレはちょっと魅力的かも」



 初めての好感触に、レッドシューズは深い安堵の息を吐いた。

 靴である以上無機物系魔物なので、呼吸はしていないだろうが、まあそういう感情なのだろう。



「……じゃ、とりあえず良いってコトにしとくわ」



 そう言ってウッラは羽ばたくのを止めて降りようとし、ピタリと止まる。



「もし踊り始めたら切り落とすから」


「踊らせねーっつの!俺達レッドシューズは気に入った相手が踊る姿を見たいから踊らせようとしてるだけなんだよ!踊っても貰えずに切り落とされそうになるなら譲歩くらいするし!」


「なら良いわ」



 ウッラがゆっくりと着地すると、その足は勝手に踊り出したりはしなかった。

 どうやら、本当に支配は解除したらしい。


 ……にしても、アンクレット化が可能だったり支配を解除可能だったり踊りに強い関心があったり、っていうのは初耳でしたわね……。


 大体被害者が踊らされている為足を切り落としてレッドシューズを仕留めるしか無く、話などを聞けた前例がかなり少ないのだ。

 この情報はいつも通り、フランカ魔物教師に伝えておこう。





 コレはその後の話になるが、ウッラとレッドシューズはそれなりに仲良くやっているらしい。

 というかウッラ自身別に踊るのが嫌いというワケでは無いので、レッドシューズに習っているような感じになっているそうだ。


 ……まあレッドシューズ自身、踊らせるコトが可能で踊り好きなら、踊りを教えるくらいは出来そうですし、ね。



「ハイ、ワンツーワンツー……ソコで右腕前に伸ばして左腕上に!」


「よいしょっと」


「そう!だーいぶん上半身の動きもサマになってきたじゃねえか!」


「そりゃどーも。ただ踊りの時間だけ足を勝手に支配下に置くの止めてくれない?」


「良いだろ別に、踊りの時間なんだし。お前だって上半身下半身でどう動けば良いか混乱するより、上半身の動きだけに集中出来る分良いだろうが」


「ま、その後ずっと支配下に置いたりしないから良いけどさ」



 そう溜め息を吐くウッラだが、その表情は結構楽しげだった。

 上手く行っているようでなによりである。




ウッラ

孤児院育ちの頑固少女であり、遺伝なのか背中に青い翼が生えていて飛行可能。

やたら思い切りが良くすぐに腹を括れる為、足を切り落とそうとしていたのは十割本気。


レッドシューズ

気に入った相手をただひたすらにどこまでも永遠に踊らせ続けるという害魔であり、足に寄生している状態に近い為足ごと切り落とされてしばらくすると消滅する。

流石に最初の二十秒程度しか踊らせるコトが出来ていない状態で足ごと切り落とされるのはイヤだった。


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