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ヒトと魔物のキューピッド  作者:
四年生
110/300

未来予知少年とナンバーナンバー

後半ルビを多用しているので多分かなり読みにくいです。



 彼の話をしよう。

 物静かで、未来予知の魔眼を有していて、可能な限り幸せな未来に繋げようとしている。

 これは、そんな彼の物語。





 未来予知というのは、分類的には様々だ。

 未来に起こるコトを夢に見たり、一瞬視界にブレるように映ったり、鮮明に未来だとわかった上で見たり、意図的には見れなかったり。

 そして未来というのは枝分かれしている為、ヒトがどの道に行くかは基本的には不明とされる。


 ……そう、基本的には。


 大体の未来予知者は一番可能性が高い未来を見る。

 道が枝分かれしているようなモノであり、一番行く可能性が高い道というのは大きくてわかりやすいからだ。

 けれどその先に悲惨な未来が待ち受けているのであれば第三者、例えば未来予知者が「違う道を行くように」と指摘するコトでその未来に行くという可能性の確立を変動させるコトもある。

 まあ要するに、基本的な未来予知者は一番可能性が高い一つの道だけしか見れないコトが多い、というコトだ。


 ……ほぼ無限に広がっている未来を把握して常に最適を選ぶようにするとか、普通に脳の処理能力が限界迎えますわよねー。


 そのレベルで未来予知能力を把握出来る存在は居ないし、居たとしても頑丈な混血でもない限りは赤子時代に容量オーバーを起こして高熱でチーンとなるだけだろう。

 一応似たようなコトが出来る選択肢の魔眼持ちな武器屋店主であり情報屋なヒトは存在するが、彼は認識した未来の可能性をパートナーに記録してもらうコトでソレを回避しているらしいし、やはりそのまま自力管理はキツイのだろう。


 ……無理に全部を処理しようとすればオーバーヒート、無理のない範囲で把握しようとすれば見た情報は虫食いになる……と。


 未来予知系に関する詳細が掛かれた本を読みながら、ままならないモノだ、と溜め息を吐く。

 自分は()える動きから次の動きを見抜いたりは出来るが、ソレは予測であって未来予知では無い。


 ……未来予知が出来たら面倒事を押し付けられるのを回避して回数を減らせないかと思いましたけれど……。


 世の中、そう上手くは出来ていないようだ。

 好きな作家の新作で未来予知をする主人公が出てきて、厄介事をひたすら回避しつつ厄介事に巻き込まれるヒトには対策を持たせるなどの助けをして第三者の立ち位置をキープしつつ世界平和を成し遂げる、という感じの内容だった。

 厄介事を回避するという用い方はとても素晴らしいと思ったし、実際未来予知者はそういう用い方をしているので自分も少しで良いから使えるようになって回避出来るようになりたいと思ったのだが、残念ながら未来予知は先天性が殆どらしい。


 ……ま、わたくしの場合は借り物とはいえこの目があるだけ他のヒトよりは比較的先読みが出来る分、良いとしましょう。


 にしても本当にこの視力は一体ドコの誰が自分に付与してくれたのだろうか。

 めちゃくちゃ助かってるし日頃お世話になっているしガッツリ使わせてもらっているとはいえ、未だ出所が不明なのがよくわからない。

 誰かから付与されているらしい繋がりはあるので時々ソレをこの視力で辿ろうともしてみるのだが、残念なコトに相手は王都にも故郷付近にも居ないらしい。


 ……流石に王都の外まで()たりは出来ませんものね。


 同じ理由で実家に帰っても我が家の領地範囲しか()れず、繋がりを辿りきるコトは出来なかった。

 寧ろ実家の領地でも王都でも無い場所に居る存在に、物心付く前にこんな凄い視力を付与されるとか、一体どういうナニがあって相手がどういう思考の動かし方をしたらこういう結果になるのだろうか。

 いやありがたいのは事実なので良いのだが。



「ジョゼフィーヌ」


「グエッ」



 未来予知に関する本を開いたままそんな風に答えの出ない思考のラビリンスで右往左往していると、エドアルトに首根っこを掴まれた。

 エドアルトは筋力タイプではないので女子の平均よりも成長が早いらしい自分を片手で持ち上げたりは流石に出来なかったらしいが、思いっきり首が締まっている。



「え、エド、エドアル」


「……ああ、首か。悪いな、慌てていて声の掛け方を間違えたらしい」



 解放されたのでケホケホと咳き込みながら背後を確認すると、エドアルトは本心からといった申し訳なさそうな表情をしていた。

 自分のこの目で()ても本気でミスッたと思っているっぽい視線と脈拍なので、本当はただ普通に声を掛けようとしただけらしい。


 ……ナンで普通に声掛けようとしてミスッた結果、相手の首根っこ掴むという行動になるのでしょうか。


 焦りというのはまともな思考回路や順序を失わせるモノらしい。



「ふぅ……で、どうかしたんですの?」


「ああ、ソレが凄まじくアレな未来を予知したというか、厄介というか……」


「どうどう、落ち着きなさいな」



 鮮やかなバラ色の髪に反し、エドアルトの顔色は悪い。

 焦りがどうしても出てきてしまうのか、落ち着けと言っても落ち着けない様子だ。



「……エドアルト、とりあえずアナタの予知した未来というのは、どのくらい危険ですの?」


「最終的に世界崩壊、だな」


「ウッワ」



 思っていた以上にヤバいヤツではないか。



「ちなみにその未来が実現するまでのタイムリミットは?」


「結構長いが、しかし手を打つなら今日中となる。今日の夜までがリミットだ」


「ウッワ」



 しかも早い。

 エドアルトは未来予知の魔眼を有していて、そのタイプは一番可能性が高い未来を見る、というモノだ。

 ヒトによっては自分の未来だけだったり、近しいヒトの未来だけだったり、はたまた誰の未来も()えるが自分だけは()れなかったりとその範囲は様々だ。

 そしてエドアルトは遠い未来は()えないが一番可能性が高い未来、ソレも自分も友人も赤の他人の未来も、はたまた森や道などの未来も()えるらしい。


 ……前にどこどこの道が経年劣化で崩れて馬車を引く馬が足を怪我して死んでしまう、って予知してましたものね。


 馬は蹄が第二の心臓、つまり心臓のポンプ的役割をしているから足を怪我すると弱りやすくなってしまう。

 ソレは魔物であるこちらの馬も生態的には同じなので足への怪我はかなりの致命傷だ。

 その予知のお陰で崩れる前に道の修繕や補強が行われていたし、実際修繕したヒト曰く「崩れたらめっちゃヤバい崩れ方してたと思う」とのコトだったので凄くギリギリセーフだったらしい。


 ……要するに、エドアルトの予知って信用性が高いからこういう予知されると冷や汗流すしかなくなるんですのよねー……。



「……とりあえず、まだ時間はありますわね?んでもって一応聞きますけれど、わたくしに声を掛けた理由って」


「その未来を回避するのに協力してくれ」


「ホラやっぱり……!」



 可能なら大声を上げて机を強く叩きたいくらいの感情が胸の内に発生したが、ここは静かにすべき図書室だ。

 利用頻度が高い場所な上にランヴァルド司書に注意されて腰を砕かれたくはない。



「……わたくし、必要です、の……?」


「通訳として居てくれると助かる」



 つまり普通は言語的会話が望めない相手という可能性ありというコトか。

 エドアルトは未来予知という能力ではあるが、魔眼持ちだ。

 魔眼を有していれば霊視、つまりゴーストを()たりも可能であり、その場合自分の助けは不要だろう。


 ……あーヤダ、概念系魔物の気配がして本当イヤですわ……。


 概念系魔物は色々と特殊なのでこちらとしては色々と勘弁してほしい。



「…………ああもう、世界崩壊は困りますものね。オッケー、オッケーですわ。ただし端的でも良いので一旦座って詳細説明をしてくださいな。前提として情報が無いコトには動こうにも動けませんわ」


「交渉や……まあ、最終的に相手を養ったりは僕がするつもりだが。ジョゼフィーヌには通訳を頼みたいと思っているだけだから、そう気張らなくても良いと思うぞ」


「情報があるからそう言えるんですのよー?」


「すまん」



 ニッコリと笑ってそう言うと、エドアルトはこっちの足元がおぼつかない感からくる恐怖を察したのか、気まずそうな表情で頭を下げてくれた。



「……で?まずはわたくしに通訳を頼みたいとなった理由は?」



 隣に座ったエドアルトにそう問いかける。



「相手は概念であり、()えた未来からするとこちらからの言葉は聞こえているらしいがあちらの言語が独特過ぎて聞き取れなかった。……いや、聞き取るというよりも読み取れなかった、だな」



 概念系魔物というコトが確定して辛い。

 そしてボディランゲージ的な会話方法の可能性も出てきた。



「……その相手の種族名は?」


「ナンバーナンバー」


「ハァ!?」



 思わず立ち上がってしまい、ガタンと椅子が立てた音でハッと正気に戻る。

 ささっと椅子に座り直して深呼吸をし何事も無かったように表情を整え、今年は特に結んだりはせずそのままおろしている髪もささっと手櫛で乱れを直しておいた。



「……あの、エドアルト?ナンバーナンバーって凄くマイナーというか、ほぼ幻かつ実在してるのかと疑われるレベルで、存在を知っている方がマニアック扱いというレベルの魔物だと思うんですけれど……」


「うむ、その通りだ。故に僕はそのマニアックな魔物を知っているであろう、かつ通訳が可能だと思われるジョゼフィーヌに声を掛けた」



 確かに知っているし、普通の天使は神の言葉をヒトに伝える代理であり要するに通訳なので自分を選ぶのは間違いではないのだが、勘弁してほしい。

 自分は通訳ではなく戦闘系なのだ。


 ……いやまあ、だからといって悪と戦うのはちょっとアレですけれどね……。



「……ソレで、どうしてソレで世界崩壊になるんですの?」


「ジョゼフィーヌはナンバーナンバーの能力を知っているか?」


「あー……」



 ナンバーナンバーとは、数という概念がほんの少しだけ概念からズレ、自我を持った結果生まれた魔物だ。

 ソレ以上の詳細は知らないがそうだと記されているので多分そうなんだと思われる。

 そんなナンバーナンバーは数を操作するコトが可能で、言ってしまえば運命にすらも干渉するコトが可能というとんでもない魔物だ。


 ……「転ぶ」という事象に「転ばない」を足すコトで足はもつれるが転ばなかった、というプラマイゼロ状態にしたりが出来るんですのよね。


 「太った」に対して「無駄な体重と脂肪」を引き算するコトで痩せさせたりというコトも可能なのだ。

 しかしコレには当然、デメリットがある。

 ソレも出来るコトが大きい分、とんでもないデメリットが。



「……ナンバーナンバーの数を操作する能力は凄まじいけれど、その能力を多用すると世界の運命、そして因果が歪む、というアレですわね」


「そう、そういうアレだ」



 深刻な顔をしつつ、二人して同じタイミングで溜め息が出た。

 しかし溜め息も出る。

 要するに塔があるとして、ソレがゆっくりと傾いていくとする。

 最初から傾いているのではなく、傾き始め、傾き続けるのだ。


 ……ゆっくりと、ですけれど。


 ゆっくりとゆっくりと、ソレは歪んでいく。

 ゆっくりとした動きである為ヒトはあまり認識出来ないだろうが、決定的な程に歪み、その塔がヒトを巻き添えにして潰れた時にはもう手遅れだ。

 要するに誰かがその能力を多用させると運命と因果が自己修復不可能というレベルまで歪み、世界が捻じれて千切れて崩壊するというコト。



「シャボン玉みたいなモンですわよね……バランスが保たれている間は平気でも、一か所が崩れた瞬間に全てが崩壊する、というような」


「そして今夜、悪人がナンバーナンバーを見つけて好きなように命じ続け、将来的に世界が壊れる」


「ウッワ」



 ナンバーナンバーは魔物なので自我はちゃんとあるのだが、そもそもが数という概念なのだ。

 数というのはヒトに用いられるモノであり、つまりはヒトの言う通りに動くというのが生態である。

 そして元が概念なので良し悪しの基準がヒトとは違う、というのもある。


 ……まあ、要するに悪人に捕まれば世界が終わる、ってコトですけれどね。



「なので悪人がナンバーナンバーに出会う前に保護をしたいと思っている。先に保護して誰に言われてもその能力を使うなと言えば良いだろうし、場所は既に未来を()てわかっているからな」



 確かに先にそういうのを告げてしまえばその願いを優先するので、他のヒトの願いを叶えて世界崩壊、とはならないだろう。



「ただし()えたナンバーナンバーの言葉が……アレは言葉なのか正直よくわからないが、恐らく言葉、のハズだ。

数字の法則性に違和感があったので恐らくアレでコミュニケーションを取ろうとしている感じなのだろうが、悪人もソレを理解出来た様子は無かったから僕にはわからん」


「ソレでわたくしに白羽の矢が立った、と」



 まあ世界に崩壊されて困るメンバーの中には結局のトコロ自分だって含まれているのだ。

 生贄選ぶ為の白羽の矢とはいえ、天使の基本ジョブは通訳だ。

 ナンバーナンバーを引き受けたりというメインの部分はエドアルトがキチンとやってくれるようなので、張り切って通訳をしようではないか。





 コレはその後の話になるが、ナンバーナンバーは心配になるくらいあっさりとエドアルトに保護された。

 幾ら数というモノが人間に用いられるモノであり、食用系魔物のようなレベルで本能に刻まれているとはいえそんなあっさりオッケー出して大丈夫?とは本気で心配になった。

 というか一切疑わず聞き返したりもせずオッケー出すとか普通に心配になって当然だと思う。


 ……ナンか、そりゃ世界崩壊するレベルで悪人の願いを叶えますわよねってレベルでしたわ……。



「……ジョゼフィーヌ、ナニやら遠い目をしているように見えるが、大丈夫か?……というかソレは遠い目で合っているのか?」


「合ってますわよ、エドアルト」



 茶色で塗りつぶされたような目なのでそういうのはわかりにくいのだろうが、よくわかったなと思う。

 まあ雰囲気とかで察したのだろうが。



51 52 21(ナニか) 43 91 12(辛い) 25 45 44(コトで) 75 11 43(もあっ) 41 55(たの) 44 33 21(ですか)


「んー、辛いコトではありませんから大丈夫ですわ」



 心配してくれたナンバーナンバーには苦笑しながらそう返しておく。


 ……流石に心配してくれてる本魔に、アナタが心配でとは言いにくい。


 ちなみにナンバーナンバーは0から9までの数字が集まって球体っぽいような感じのカタチを作っているようなナニか、というビジュアルだ。

 まあ概念系なので違和感は無く、寧ろ概念系らしいビジュアルだと納得すら出来るレベル。


 ……ただ、数字だから言葉を発しないんですのよね。


 先程のは数字を順番に見せていただけであり、ヒトからすれば二つの数字をちょいちょい変えてやたら見せてくるな、というようにしか見えないだろう。

 自分の場合は自然に字幕が表示されるお陰で、ソレが異世界である地球にある日本の五十音というモノだと理解出来たが。

 字幕が表示されるお陰で内容がわかるのと、その言語の法則が理解出来るというのは別物なので、異世界知識のお陰で法則がわかって助かった。


 ……まあこの喋り方だと、そりゃ未来予知だけでこの言語を理解は出来ませんわよね。


 音を用いているワケでも無いので、目で()るコトで読み取る自分に頼むのが事実ベストアンサーだったのだろう。

 ナンバーナンバーの存在も知っているしで、我ながら自分の丁度良い人材感にちょっぴり戦慄するくらいだ。



「ところでアナタ方はナニか用事でも?」


「いや、単純にナンバーナンバーへの情操教育の為にと図書室に行ったんだが、長居には向かぬ場所だからな。

本を借りてきたのでここで読もうかと考えてここに、来たらジョゼフィーヌが砂になるのではと思わせる程の哀愁を漂わせながら遠い目をしていたから声を掛けたのだ」


「そ、ソコまでのレベルでしたの?」



 ちょっと恥ずかしい。



「……て、あら?エドアルト、その本」


「ああ、情操教育の為にまずは実在したとされる偉人の功績などから教えようかと」


「ソレは良いんですけれど、その本は向かないと思いますわ」


「ナンだと?」


「だってソレ、その偉人に対して現代風に色々ツッコミ入れるシリーズですもの。確かに!ってなるので人気は高いですけれど、まずは普通のヤツで本来の偉人像を教えてからじゃないと間違った偉人像になりますし、面白さも半減ですわよ?」


「…………本当だ」



 手に持っていた本をペラペラと捲り、その事実にたった今気づいたらしいエドアルトは目をパチクリさせながらそう呟いた。



「……長居したくないのはわかりますけれど、二度手間になる方がリスク高いと思いますので、コレからはちゃんと中身を確認するのをオススメしますわ」


「ああ、まったくだな。今すぐ返して別のを借りてくるコトにする」


101 41 32() 75 12(も行) 22 71 33(きます)


「……待て、ちょっと待ってくれ。ええと?」



 エドアルトはコミュニケーションを取る為にというコトで自分が提供したペルハイネン語版の表を取り出した。

 慣れれば表無しでわかるようになるかもしれないが、流石に初心者に表無しで数字言語を理解しろというのは酷だ。


 ……わたくしだって、この目が無かったらわからなかったでしょうしね。


 なのでペルハイネン語に適応させた表を作ったのだ。

 まあナンバーナンバーがナニかを言う度に自分が呼ばれて通訳させられるのはイヤだから、という考えが七割あったからこそだが。



「ああ、一緒に行くと言っているのか。いや、ナンバーナンバーは待っていてくれ。借りる時にまた司書の声で数字を散らばらせて暴走させるのは良くないだろうからな」



 どういう状態になったのか気になる感じのコトを言いつつ、エドアルトは一人で図書室へと向かった。

 恐らく数の集合体であるナンバーナンバーが低音にヤられた結果、数がバラけたりしたのだろうが……いや、まったく想像出来ないな。

 流石は概念系、人知では追い付けない位置に居る。



32 85 34(ジョゼ) 63 12 53(フィーヌ)


「ハイ?」



 こちらの名前を呼んでから、ナンバーナンバーはヒトだったら思案するように視線を動かしているかのように数を動かした。

 そして考えが纏まったのか、文字を羅列し始める。



14 45 11(エドア) 93 35 21(ルトか) 91 22 22(ら聞き) 71 32 41(ました)11 51 41(アナタ) 41 42 21(達が) 101 41 32() 105(を、) 12 14(いえ、) 34 21 12(世界) 105 41 33(を助) 24 44 23(けてく) 94 41(れた) 25 45 105(コトを)


「……わたくしはナニもしてませんわよ?」


12 12 14(いいえ、) 41 33() 21 92 71(かりま) 32 41(した)101 41 32() 61 62 45(はヒト) 52() 32 41 21() 13 75 55(うモノ) 44 33 21(ですか) 91 74 12(ら命) 94 12 31(令さ) 94 94 61(れれば) 25 61 74(拒め) 51 12 32(ないし) 25 61 72(拒み) 71 34 0(ません)

24 94 45(けれど) 35 94 61(ソレは) 35 94 44(ソレで) 11 92(あり、) 101 41 32() 75 71 41(もまた) 25 55 34(この世) 21 12 44(界で) 12 55 42() 45 32 44(として) 12 22 44(生きて) 12 93(いる) 35 0 31 12(存在)



 ですから、とナンバーナンバーは続ける。



44 33 21(ですか) 91(ら、) 101 41 32() 105 71 75(を守) 95 13 45(ろうと) 42 44 23(してく) 41 31 92(ださり) 11 92 21(ありが) 45 13 25(とうご) 31 12(ざい) 71 33(ます)

14 45 12(エドア) 93 45 52(ルトに) 61 75 13(はもう) 15 94 12(お礼) 105 12 12(を言い) 71 32 41(ました) 21 11 51(がアナ) 41 52 75(タにも) 15 34 101(お世話) 52 51 43(になっ) 41 55 44(たので) 34 62 15(是非お) 94 12 105(礼を) 11 11 41(言いた) 21 43 41(かった) 55 44 33(のです)


「……律儀ですわね」



 律儀にお礼を言ってくれたナンバーナンバーに、クスリと笑う。

 少々心配になるくらい素直な魔物ではあるが、まあエドアルトがそばに居れば大丈夫だろう。



「気にしなくて良いですわ。でも、どういたしまして」



 そう思いつつ、笑顔で返した。




エドアルト

未来予知の魔眼を有しており、今回とんでもなくヤバい未来予知をしてしまったので最適だと思われる助っ人としてジョゼフィーヌに頼んだ。

現在はジョゼフィーヌに作ってもらった表で頑張ってナンバーナンバーの言語を覚えている最中。


ナンバーナンバー

0から9までの数字が集まってカタチを成しているナニかであり、数という概念の魔物。

小さいレベルの物事なら足し引きしても因果は勝手に修復されるのだが、悪人の場合は世界的な物事を足し引きしようとするので、その場合は因果の修復が間に合わず世界崩壊に到達しかねないというある意味、というか色んな意味で危ない魔物。


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