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ヒトと魔物のキューピッド  作者:
四年生
103/300

設計少女とトークポストカード

ルビを多用しているので多分かなり読みにくいです。



 彼女の話をしよう。

 幼い頃に高熱を出し、母音しか発音出来なくなったが、魔道具に対して凄まじい理解力を有する。

 これは、そんな彼女の物語。





 ふと、図書室の一角に積まれた本の山が視界に入った。

 その本の山に囲まれながら、同級生であるボーナがガリガリとペンを紙に走らせていた。



「ボーナ、また設計図ですの?」


おう(そう)


「魔道具?」


おいおう(モチロン)ああい()おえいあ(ソレしか)えいあいい(出来ないし)


「充分過ぎる程だと思いますけれど……」



 ボーナは幼少期に高熱を出したらしく、その後遺症で発音があ行のみになっている。

 まあ自分は字幕が()えるので会話に問題は無いが。


 ……発音以外にもう一つを除いて、ボーナに後遺症ありませんしね。


 そんなボーナは魔道具関係の才能に長けており、その才能は生まれつきのモノらしい。

 ボーナ曰く、まだ慣れていない頃にその才能を全力でフル回転させていたせいで高熱が出たんじゃないか、と思っているそうだが。



「今度のはナンですの?」


ううう(ふふん)おうおおあ(今度のは)うおいあお(凄いわよ)えうあうおうお(連絡用の)あおううあうあああ(魔道具なんだから)!」


「連絡用?」


いああえお(今までの)あおううあ(魔道具は)おいあ(距離が)おおういうおううい(遠過ぎるとすぐに)あうおうあ(雑音が)あいっあいううああい(入ったりするじゃない)うういあうあっあい(通じなくなったり)おあ(とか)……」


「なりますわね」


おえい(ソレに)おあお(他の)あおううお(魔道具の)あおう(魔力)おおおっあいあっえ(ともごっちゃになって)おうえう(混線)いあっあいううああ(しちゃったりするから)おういうおああい(そういうのが無い)あおううお(魔道具の)えっえい(設計)おいえうお(をしてるの)あうあ(まずは)いいうおい(至近距離)ああ(から)あえいえ(試して)おうえう(混線)いあいあおうあお(しないかどうかを)あういういうう(確認しつつ)うっういお(ゆっくりと)あおうあおうあ(作動可能な)おいお(距離を)いおええーっええ(広げてーってね)


「成る程、まずは作り上げてから改良を重ねると」


おう(そう)!」



 ボーナはニコニコと笑いながら頷いた。

 見せてもらうと、設計図は凄く細かい図形と文字がビッチリと書き込まれていた。



「……凄いですわねー」


おおいえい(遠い目に)あっえうえお(なってるけど)おえっえ(ジョゼって)あおううおうおう(魔道具の授業)いあえあっえ(苦手だっけ)?」


「んー、魔力の流れとかは()えるので感覚でガガガッとやって良いならイケるんですのよ。ただ機械の授業とかみたいな、立体的な組み立てとかは微妙ですわね。ヤバいかどうかはわかるから致命的な失敗はしませんけれど」


ううううおういっえ(充分得意って)いっあっえ(言っちゃって)いいうああいお(良いんじゃないの)おえ(ソレ)ああいあっえ(私だって)あうえいえ(感性で)あっえううあああ(やってるんだから)あうえいえ(感性で)いえうああおええ(イケるならソレで)いいああい(良いじゃない)おおおお(そもそも)ああいお(私も)えっえいうえうおう(設計図専門)いあいあおおあうい(みたいなトコあるし)


「アレ、設計図だけでしたっけアナタ」


おあお(他も)あいあいえいうえお(大体出来るけど)ああいあ(私が)えっえいううあうっえ(設計するヤツって)いあおおいいおえう(自他共に認める)ええうえ(レベルで)おうえいおうあえお(高性能だけど)おおううああい(その分かなり)えいいうああおうお(精密な作業を)おおえあえあう(求められちゃう)おおえ(のよね)


「あー」



 確かにこの設計図を見ても、生徒が自作出来るかと言われると相当慣れている生徒じゃないと無理だろうという感じだ。

 というか魔道具の授業は中の上レベルの成績である自分からしてもまったく理解できない。


 ……いえまあ、わたくしの場合は実技よりも知識でカバーしてる部分が多いですものね。



ああ(ただ)えっあうあああ(折角だから)あうおうい(参考に)いあいえいあおおおあ(機械系魔物とか)ういううえいあおお(無機物系魔物)おあお(とかの)おうおうおおいい(情報も欲しい)おおえ(のよね)



 ボーナはチラチラとこちらを見ながらそう言う。



「……まあ確かに、魔道具は魔力を流すコトで魔法染みた性能を発揮する道具のコトですから、ワリと構造が似てたりもしますけれど」


えおえお(でしょでしょ)あああおえあい(だからお願い)ああうおえうあっえ(探すの手伝って)!」


「んなモン自分で探せば良いじゃありませんの」


あっえ(だって)おっううあいうお(ボックスダイスを)あえいいああ(前にしたら)おうおうおあ(構造とか)いいあっあっえ(気になっちゃって)いいあっあっえ(気になっちゃって)……おあいあうい(こないだつい)ううういあっえ(夢中になって)いうおう(質問)いあうっえああ(しまくってたら)いおおおええ(司書の声で)あうえうい(完全に)おいうああええ(腰砕かれて)えうおあえいっえ(念のためにって)おっううあいうえお(ボックスダイスへの)えっおういうい(接触禁止)いあえあっあお(にされちゃったの)


「うっわとんでもないやらかし」


ああっえうあお(わかってるわよ)ー!」



 この膨大な蔵書数の図書室に入荷された検索機能を自ら使えなくするとは。

 流石に引いたが、ボーナもそのやらかした感はわかっているらしく拗ねたようにそう言った。



あおいっえ(かといって)ああおいうああえ(また腰砕かれ)あうあいああ(たくないから)いおいお(司書にも)いえあいえお(聞けないでしょ)?」


「いえまあボックスダイスに迷惑掛けないのであればうーん……」



 ランヴァルド司書は愉快犯みたいなトコもあり、自分の低音でヒトの腰が砕けるのを面白がっているコトも多いので期待は出来ない。

 というか普通に話していても腰砕けになるので、面白がられても面白がられてなくてもどっちにしろ聞くという選択肢は無さそうだ。



おあ(ホラ)



 ランヴァルド司書に聞けばと言おうとして言い切れなかった部分を指摘された。


 ……ぐうの音も出ませんわー。



えおおえああ(でもジョゼなら)おおおおいういあう(この図書室にある)あおおあうえいおおう(魔物関係の本)あいあいおうえうえお(大体読んでるでしょ)?」


「まあ、一年の頃に……」



 読んだは読んだが、一年の頃に詰め込んだせいで微妙に記述を忘れていたりもするという事実。



「って、ああ、成る程。だからわたくしに聞いたんですのね?」


おう(そう)あおううあうえいお(魔道具関係の)おうああ(本なら)うあいいうあえお(詳しいんだけど)あおおあうえいお(魔物関係の)ああっえ(棚って)うあういあいああ(普段見ないから)あおお(場所も)おういうおうあお(どういう本かも)ああうあいおおえ(わかんないのよね)あああおえあ(だからジョゼが)おえああういあう(コレは役に立つ)っえ(って)あいおあうおおえう(太鼓判を押せる)おうおいええ(本教えて)!」


「ボーナが知りたいのは生態とかが詳しい専門的な方ですし……そうですわね、一度読んだヒトに聞くのは正解だと思いますわ。

じゃあとりあえず、まずはここに積み上げられた本で読み終わってもう良いって本教えてくださいな。ついでに戻しましょう」


「ええ!」


「その前に」



 突然の低音に、丁度立ち上がったトコロだった自分とボーナの腰が砕けた。

 先ほどからこちらをじっと見ていたランヴァルド司書は、とても楽しそうな笑顔を浮かべながらあの低音を放つ口を開く。



「図書室ではもう少し声を控えてくれると嬉しいな」


「ハイ……!」


おえうああい(ごめんなさい)……!」



 突然の低音に、流れ弾が当たって腰砕けになっていく周囲の先輩後輩同級生の姿に申し訳ないと内心頭を下げつつ謝罪する。

 正直自分は図書室でのデフォ小声を貫いていたのだが、盛り上がっていたボーナの少し大きめな声にストップを掛けなかったのも事実なので仕方がない。





 とりあえずオススメの本を借りてから、図書室を出てボーナの自室へと移動した。

 注意されておいて長居をしたりは流石に出来ない。



「あら、結構整ってるんですのね」


おういうえああお(どういう部屋だと)おおっえあおお(思ってたのよ)


「設計図で床の踏み場も無い部屋」


「……ああ(まあ)いっああえあ(三日前は)おうあっあえお(そうだったけど)あうあい(流石に)うーうえいおい(ルームメイトに)あういあっえおおっえ(悪いなって思って)……えっえいうい(設計図に)うううおーおああ(夢中モードから)おういいおおっあ(正気に戻った)ううあうい(瞬間に)おういいああ(掃除したわ)


「正気に戻ったのが早いのか遅いのかわかりませんけれど……ルームメイトって誰でしたっけ?」


いあお(リナよ)いあおあーおあー(リナのパートナー)えあう(である)いっういあーあっお(ビッグイヤーキャット)ああ(なら)ああいおいっえう(私の言ってる)おおあおいいおえう(言葉も聞き取れる)ああっえおおえ(からってコトで)うーうえいおい(ルームメイトに)あっあいあい(なったみたい)


「成る程」



 そして周囲を赤く染めてしまうリナの特性上、メンタルが強いヒトがルームメイトに選ばれたのだろう。

 具体的にはほぼ毎日赤く染まる部屋とかに居ても平常心を保てるタイプ。


 ……普通のヒトなら真っ赤な部屋に住むとか、完全に心を病みますものね。


 リナ本人は完全に病んだ状態だが、辛うじてビッグイヤーキャットセラピーがあるので今は結構大丈夫そうだ。

 パートナーが出来る前に比べれば、初期の町付近に出るモンスターとラスボス前の町付近に出るモンスターの強さくらい違う。



()ああいあ(ただいま)~」


「お帰りなさい、ボーナ」


「……ん?」



 ボーナが声を掛けた方を見ると、ソコにはポストカードがあった。

 極東風のポストカードで、極東の侍が描かれている。


 ……魔物、ですわね。


 ポストカードの中で、絵で出来ているハズの侍が動いていた。



「あの、ボーナ?そちらは?」


ああおおおうおあーお(ああこのポストカード)おおおあえ(この子はね)ああいおいえううえい(私の記念すべき)あいいっあうえお(第一作目の)あおううえあい(魔道具であり)あおお(魔物)おおあお(その名も)おーうおうおあーおお(トークポストカードよ)!……ああ(まあ)えいえいあ(命名は)うあうあえうえい(フランカ先生)あえお(だけど)


「第一作目……」



 トークポストカードに視線を向ければ、彼はポストカードの中からペコリとお辞儀をしてくれた。



「初めまして、ボーナの友人さん」


「ああ、どうも初めまして」


()?」



 こちらからもお辞儀を返すと、ボーナは不思議そうに首を傾げた。



おいあいえ(もしかして)おーうおうおあーおあ(トークポストカードが)あいあいっあ(ナニか言った)?」


「ええ、挨拶をしてくれましたわ」


えー(へー)いいあえあいあう(良いわね挨拶)ああいお(私も)おーうおうおあーおお(トークポストカードと)ああいあいうあえお(話したいんだけど)おおいいあおお(この耳だもの)



 ボーナは溜め息を吐きながら耳に触れた。

 そう、ボーナは発音以外に、聴覚にも後遺症が残っている。

 ソレは魔物の声が聞こえない、というものだ。


 ……人間や混血の声は聞こえるようですけれど。


 しかし魔物の声はまったく聞こえないらしい。

 ボックスダイスに検索を頼んだり質問をしたりという時も、近くに居たのだろうランヴァルド司書に通訳を頼んだのだろう。

 そりゃボックスダイスへの接触を禁止されるレベルで腰も砕ける。


 ……トークポストカードの命名をしたのがフランカ魔物教師だっていうのも納得ですわ。


 ボーナの耳ではトークポストカードの声は聞こえないから、動く絵の魔物という認識だった可能性が高い。

 魔物の声が聞こえて、会話が出来るコトを理解したフランカ魔物教師だからそういう名称にしたのだろう。



(じゃ)あっおう(早速)いあいえいあおお(機械系魔物)おあおえいあいああ(とかの生態から)あおううい(魔道具に)うあえおうあ(使えそうな)いいいおあうあえ(知識を蓄え)あいおおえ(ないとよね)ああうあいおお(わかんないトコ)あっああおえい(あったらジョゼに)いうおうううああ(質問するから)おえあえあういい(ソレまでは好きに)ううおいええ(くつろいでて)おうあい(ちょうだい)


「はーい」



 自分が返事をするや否や、ボーナは図書室で借りた本に意識を集中させていた。

 この調子だと、本気でわからない部分の質問以外で口を開いたりはしなさそうだ。



「すみません」


「エ?」



 見ると、トークポストカードは申し訳なさそうな表情でこちらを見ていた。



「こういう時はパートナーである僕がお茶とかを用意するべきなのでしょうが……僕は見ての通りのポストカードですから、この中でしか動けないんです」


「ああいえ、お気になさらず。話し相手になってくださるだけで助かりますわ」


「そうですか?ソレなら良いんですが……」



 どうやらこのトークポストカードはキリッとした侍の見た目とは違い、控えめな性格らしい。



「んーと、じゃあ聞きたいんですけれど……ボーナの第一作目というのは?」


「ああ、僕の背中……背中かな?裏面というか……に、魔道具用の術式が書き込まれてるんですよ。ソレで無機物系の魔物化した、というか」


「成る程」



 確かによく()てみれば、裏面に複雑な幾何学模様が書き込まれていた。

 魔道具も魔物も意思があるかどうかみたいな程度の違いなので、魔道具にしようとして魔物が出来上がるというのもわからなくはない。

 機械系魔物の殆どは人工的に作られたモノだし。



「……というか、その術式ってボーナが何歳の時にやったヤツなんですの?めちゃくちゃ精密に()えるのですけれど……」


「え?その位置から見えますか?」


「ああ、わたくし目が良いんですのよ」


「成る程、そういうタイプの方も居るんですね」



 トークポストカードはあっさりと納得してうんうんと頷いた。

 この感じだとトークポストカードは基本的に自室待機がデフォルトっぽいが、しかし四年間ルームメイトなどを見ていれば普通じゃないヒトも結構居るというのはわかる。


 ……やっぱ四年目ともなると、早くに納得してもらえたりして良いですわねー。


 一年の頃は色々と手探りで、最早懐かしい気分だ。

 コレが高等部に進級すると今の思考もまた懐かしくなるのだろう。



「僕が魔物化したのは、ボーナが高熱を出した直後ですよ」


「あ、直後なんですの?」


「というか……僕にこの術式を施した結果、容量オーバーで高熱を出し、母音以外の発音と魔物の声に関する聴覚を失ったらしく……」


「うわあ……」


「目覚めた瞬間、持ち主だとわかる女の子が顔を真っ赤にして鼻血を出しながら気絶したのを目撃しました。産声代わりの僕の第一声は、誰かーーー!でしたね」


「ウッワア……」



 ソレはもう意識覚醒直後にトラウマシーンではないか。

 昼寝していたら流していた映画の丁度グロシーンで目が覚めてしまったコトがあるらしい異世界の自分もドン引きしているので、コレは相当にトラウマ事件。



「ソレで会話不可能って、大変じゃありませんの?」


「一応パントマイムで最低限の意思疎通は出来るんですけどね」


「パントマイム」



 まあ確かに会話が出来ないならそうなるだろう。

 トークポストカードはポストカードの中に描かれている侍だから手話を使おうにも見えにくいだろうし。


 ……わたくしなら余裕ですけれど、ボーナの視力は普通ですしね。



「ソレに僕は持ち主の夢に入り込むコトが出来るらしくて、その中でなら人間サイズになってボーナと話したりが出来るんですよ!」


「エッ、ソレは普通に凄いですわ」


「でしょう?」



 トークポストカードは嬉しそうに、というか誇らしげに胸を張った。



「細かい意志疎通はソコで出来るし、夢の中だから一緒にキャッチボールをしたりも出来るんです!

ソレに夢の中というコトで聴覚じゃなく脳の動きみたいなアレだからか、会話も普通に出来るので……最近は目が覚めるまでしりとりをして遊んだりしてるんですよ」


「……楽しそうですわね」


「ハイ!ボーナに話し掛けるコトは出来ても聞こえてはいないってわかってるから、会話が出来るのがとっても嬉しくて楽しいです!」



 その笑顔は百点満点の笑顔だったが、あっという間にしぼんでしまう。



「……でも、出来るコトなら現実のままでボーナと話せたらな、とは思いますね」


「あ、やっぱソレは思うんですのね?」


「ソレはモチロン」



 でも、とトークポストカードは我慢するような苦笑を浮かべる。



「でも、ボーナに高熱を出させて色々失わせてしまったのは僕のようなものですから。奪っておきながら会話をしたいだなんて、本人には言えませんよ」


「……言わないんですの?」


「言わないです。寂しいのは事実ですけど、ボーナは僕との会話が出来なくても楽しそうに設計図を書いてますし、夢の中で話せるのも事実ですし。本人が魔物との会話が出来ないままでも困っていないのなら、ソレで良いかなって」



 まったく良いと思っていないのが丸わかりな笑顔を浮かべながら、トークポストカードはそう言った。





 コレはその後の話になるが、トークポストカードとの会話を後でボーナに全部チクった。

 本魔が居る場だったのでめちゃくちゃ叫ばれたが、ボーナにトークポストカードの声が聞こえていないなら妨害に屈する必要は無いなと言い切った。

 結果、ボーナはソッコで魔物の声を聞き取れるようにする補聴器の魔道具を設計した。



あっえおおあえ(だってソコまで)あいあいああっえ(会話したがって)うええうあうえ(くれてるなんて)いあああっあおう(知らなかったもん)あおおっえ(魔物って)あいあいあえあお(大体誰かの)あーおあーあああ(パートナーだから)あーおあーえあう(パートナーである)おおあえあい(その誰かに)あういえおあえあ(訳してもらえば)おうあいあいあーっえ(問題無いなーって)おおっえあい(思ってたし)おーうおうおあーおお(トークポストカードも)うえおああえあ(夢の中では)うううい(普通に)あいあいええ(会話してて)あうおいああいい(ナンも言わないし)……おー(もー)!」



 設計図をガリガリ書きながら、ボーナはそう言っていた。



おおああおいおお(世の中のヒトの)あういあう(役に立つ)あおううっえ(魔道具って)あうあええあああ(考えてたから)おおういおあ(補聴器とか)おおういえいいあっえ(その内で良いやって)おおっえあえお(思ってたけど)ううえうううい(優先順位)あうあえ(爆上げ)えういうえ(現実で)あええあいお(喋れないの)あいいいおあ(寂しいとか)おういうお(そういうの)うえおああえああ(夢の中でなら)あいあえいううあああ(会話出来るんだから)おういうい(本人に)いいああいおえおう(言いなさいよねもう)

いっえうえあおあ(言ってくれたのが)おえあっあい(ジョゼだったし)いいえおっおえお(聞いてソッコでの)いういあっあああ(チクりだったから)おあっあえお(良かったけど)あうあい(あんまり)ああおうあいおおあい(仲良くない子とかに)あえいおういうおお(前にこういうコト)いっえあおっえ(言ってたよって)ああいいいああ(又聞きしたら)おっうあおう(ショックだもん)おー(もー)おー(もー)!」



 ……うん、怒りながらソッコで完璧な設計図を作り上げたのは凄かったですわねー。


 そして設計図が出来たらソッコで教師達に頼んで試作品を完成させたのも凄かった。



あい(ハイ)おーうおうおあーお(トークポストカード)あいああえっえいえ(ナニか喋ってみて)


「え、ええと……ボーナ、しばらく寝てませんけれど、大丈夫ですか?僕の為にって頑張ってくれるのは嬉しいですけれど、僕にはボーナの健康が第一ですから、ちゃんと休憩はしてくださいね」


「……おいおいええうああ(時々寝てるから)あいおううお(大丈夫よ)えおおおういあ(でも補聴器は)ああいあうあ(まだ試作な)あえあっえいおうえ(だけあって微妙ね)……「おうおあえいっえ(僕の為にって)あああいあ(から先が)いいおえああっああ(聞き取れなかったわ)えお(でも)あうおいうえい(ちゃんと休憩)いえうああいえ(してくださいね)あいおえあああ(は聞こえたから)


「あ、でも前よりは聞こえてますね!」


いあおおいおえあ(今のも聞こえた)!ええ、おえああおうおう(コレからどんどん)あうえいい(完成に)いあうえうあお(近づけるわよ)!」



 一人と一枚で楽しそうに会話しているのを見届けながら、()える補聴器内部の状態をノートに書きこむ。

 しかし自分がキッカケになったのは事実とはいえ、どうして自分が補聴器の作成メンバーに加えられているのだろうか。




ボーナ

容量オーバーによる高熱により機能が幾つか使用不能になり、あ行以外の発音と魔物関係の聴覚を失った。

でも設計は出来るしこの学園のヒトは大体筆談無しで喋っても理解してくれるコト多いし良いや、と気楽に考えてる。


トークポストカード

ボーナによって生み出された魔物だが、目覚めた瞬間はショッキングが過ぎる光景だったので実は今もトラウマ。

夢の中なら話せるし、と寂しいのや現実で喋りたいというのを我慢していたが、ジョゼフィーヌによってあけっぴろげに全てをバラされた。


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