表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最果ての戦艦  作者: Alc
8/13

7話 情報

「連絡します。本部より第一会議室の使用が申請されました」


「あら?どうしたのかしら?」


アルクの訓練を終えた私は、自分にあてがわれている部屋に戻る時に放送を聞いた。今日は本部との会議の予定はなかったはず。私は腕時計型の端末を起動して予定表を開く。赤い文字で会議室の予定表が更新されていた。やっぱり、何かあったんだわ。一度部屋に帰って戦闘服に着替えておいた方が良さそうね。そう考えて、足早で部屋に向かった。



部屋で着替えて装備の確認をしていると、エントランスの方から爆発音が聞こえて来た。


「やっぱり……!何かあったのね!」


備えあれば憂いなしって本当ね。急いでエントランスに向かうと、大型車両が3台入り口を突き破って侵入している。警備隊はエントランスより奥に侵入されるのを防いでいた。


「敵はロボットだけだ!電磁パルス(EMP)を照射しろ!」


「もうやってます!」


「ダメです、効いてません……!」


私は指揮を取っている隊長らしき男に状況を尋ねる。


「SCFデルタ小隊のレイシス・ケイルです!状況は?」


「SCF!?助かります!エントランスホールが敵のロボット集団に制圧されました!備え付けのEMP照射装置を起動しましたが、対策をされていて動きが止まりません……!」


それを聞いて私は廊下に作られたバリケードからエントランスの中を覗き見る。数体のロボットはEMP照射装置に当てられて倒れている。大型車両の中から出てきていないロボットはかなりいるようだ。


「クソッ!奴ら装置を壊し始めやがった…!」


EMP照射装置を壊し始めた?全ての機械にEMP対策をしてあるなら、壊す必要はないはずだわ……!車両から出てきていないんじゃないくて、出てこれないのかも知れないわね。


「全部が全部EMP対策を施されているわけでは無いようですね。まだ車両から出てきていない物は対策してないのでしょう。今車両の外にいるロボットの破壊を優先してください!」


「分かりました!全員EMP対策済みの敵から制圧しろ!」


それを聞いた周りの警備員は動いているロボット達を打ち始める。しかし、車両の周りのEMP照射装置は既に壊されていて、車両からはヒューマノイドだけでなく、ラジコンサイズの小さな作業用ドローンなど何種類かのロボットが出て来ている。


このままだと敵が装置を壊す方が速そうね……。


そう考えている内にも敵がエレベーターのドアをこじ開け始めている。

何か手を考えないと。周囲の状況を見渡すと、バリケードから3メートル程の所に小型のドローンが墜落している。あれを使おう。


「あの機械を回収してきます!援護を!」


私はそれだけ言うと、バリケードを飛び出した。すぐに周囲のロボット達が私に向かって来るが、援護射撃のお陰で敵よりも早くドローン所に着くことが出来た。自分でも近づいてくるロボットにレーザーガンを撃ちながらドローンをバリケードの裏の安全地帯まで運ぶ。

ドローンの機能はまだ辛うじて生きているようで、アームの部分が死にかけの虫の様にピクピクと動いている。それに構わず、私はドローンの整備用の接続ポートに自分の端末を繋ぐ。


「ゲートとの通信記録がある……?別の星系から動かしてるのね」


ゲートシステムは空間を捻じ曲げて他の空間座標と繋げて通れるようにしているもので、通信もそこを通す事により他の星系との通信がスムーズに出来る。それを利用して私達の手の届かない遠い場所からロボットを動かして足が着かないようにしているのだろう。


だけど、ゲートを使っているならこっちにもやりようはある。


私はゲートシステムにアクセスする。幾重にも掛けられているパスワードを周りにみられないように気を付けながら5分程で入力を終えた。このパスワードが流出してテロなんかに使われたら困るからだ。

遠隔操作でゲートシステムに供給されているエネルギー停止コマンドを打ち込む。これで10分後には機能を停止するはず。この10分が勝負ね!


敵のロボットは既にエレベーターをこじ開けて、別の階にまで侵入してしまっている様だ。


「敵は他の星系からあれらを動かしているようです。少し手を加えたので、あと10分程で敵の動きを止められると思います。私は他の階に侵入した敵を追います!」


ゲートシステムについては伏せつつ簡単に説明しておく。


「それはありがたい!ですが、1人では厳しいでしょう。何名か連れて行っては?」


「いえ、大丈夫です。SCFはこういう時の為に訓練していますから!」


「私達では逆に足手まといになりそうですね。分かりました、お気をつけて。」


「……みんな!後10分の辛抱だ、それまで敵を食い止めろ!」


その声を後ろに聞きつつ、私は非常階段に走る。戦闘服が私の動きを強化、補助して最も効率の良い動き方に変えてくれる。何人かの職員とすれ違いながらも数分で非常階段に辿り着いた。一瞬の逡巡の末に下に向かう事を決めて急いで階段を降りていく。下には機密性の高いモノや機密情報を保存してあるサーバールームもある。


「そうだわ、隊長にも連絡しないと……」


うっかりしていた。襲撃については隊長も把握していると思うけど、ゲートシステムを閉じた事も言っておかないと。隊長にコールを掛けると、すぐに反応があった。


『レイシスか、襲撃の件だな。どうした?』


「敵のロボットを鹵獲して情報を調べたところ、ゲートを介した通信でロボット達を操作している可能性があったので、ゲートシステムのエネルギーをカットしました。また、エレベーターを破られ敵が侵入したのでサーバールームの安全確認に向かっている所です」


『そうか、了解した。そのまま確認に向かってくれ。ゲートについては周囲の惑星には連絡しておくから問題ない。一応ここらの星域は中立の立場だが、どちらかと言うと共和星連よりだからな』


その場での最善の手を打ったつもりだけど、事前に連絡すべきだったかしら。


「指示を待たずに先走った行動、すみません」


『気にするな、素早い対応で助かる』


それだけ言うと隊長は通信を切った。サーバールームは地下10階にあり、その階は貸し金庫並の厳重さを誇る。階と階の間にも分厚い合金が入っているのでそう簡単にはいかないだろう。もうすぐ地下10階という所で下の方から大きな爆発音がした。


急いでサーバールームの方に向かうと、扉が破られて10体ほどのロボットがサーバールームに侵入していた。この階を警備していた人達は無数の切り傷があり倒れて動かない。手足を切り飛ばされているものある。サーバールームは体育館程の広さで、等間隔で円柱状のコンピューターが設置されている。中の様子を覗うと、1体のロボットが情報を抜き取っていて他はその護衛をしているようだ。


「まずいっ!」


ゲートの通信網が切断されるまで後数分はある。それまでに情報を送られると非常にまずい。私は情報を抜き取っている敵にレーザーガンで撃ちながら走る。2体の護衛が盾になり倒れる。敵の方も警備員から奪った銃で撃ち返してくる。戦闘服によって身を固めている私は構わずに突っ込む。多少当たった所で問題はない。敵は飛行ドローン2体に3体がヒューマノイド、残り3体が工業用ロボットだ。


速く情報を取り出している敵を倒さないと!


天井近くを飛んでいるドローンを無視して通り過ぎようとした時、ドローンがいた方から羽虫の様な音が聞こえて咄嗟に床に身を投げ出す。振り返るとドローンから格納してあったのだろうか、1本のアームが伸びていた。アームの先の方はチェーンソーになっている。羽虫の様な音は刃が回転する音だったようだ。一旦コンピューターの影に身を隠す。


「チッ、厄介ね……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ