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最果ての戦艦  作者: Alc
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5話 軍事訓練

『アルク、起きて!もう集合の時間よ!』


アルターの声で目を覚ますと、ぼんやりとする頭で昨日の事を思い出す。僕が軍の入隊を決めた後、ライドさんの端末から地図が送られてきた。今日の放課後に来るように、との事だ。何をするのか少し不安だ。キツイ事はやりたくないなぁ。


『早くしなさい!』


そうだった、準備しなきゃ。洗面所で顔を洗い、着替える。今日は施設の案内だけですぐに終わるみたいだ。靴を履き廊下に出ると、隣の住人トーマスも丁度部屋から出て来た所だった。


「おはよう!昨日の入学祝いアルクも来ればよかったのに……」


トーマスが元気よく挨拶してくれた。


「おはよう。ごめん、大事な話だったんだ」


「まぁしょうがないか。昨日の入学祝いなんだけどさ、カルド・レラも来たんだ!ほら、銀河美少女選手権の。同じクラスだったんだよ!いやぁ嬉しいなぁ!」


昨日からやけにトーマスのテンションが高いと思ったらそれが理由だったのか。トーマスと一緒に食事を済ませ、集合場所に向かう。食事中、トーマスは沢山の人に声を掛けられていた。……凄いな。もうそんなに知り合いが出来たのか。彼曰く、「情報収集には人脈は重要だからね」だそうだ。何の情報を集めるんだろう?



○○○



施設の案内は昼前に終わった。ライドさんに言われた通り、地図に表示されている建物に向かう。建物に入り受付の人にここに来るように言われたことを伝えると、すぐにライドさんがやってきた。


「おまたせ、早速だけどこれに着替えてくれるかな?」


ライドさんの後ろを付いて来ていたヒューマノイドに服を渡された。更衣室で服を着替える。戦闘服だった。程よく肌に密着するつなぎの様な服を着て、その上に硬めの上下を着込む。最後に全身を覆う甲冑の様な服を装着し、フルフェイスのヘルメットをかぶって着替えが終わった。肌が出ている部分は無く、服の中は気密性が高い。恐らく宇宙空間でも使えるのだろう。


「さて、今日は君を教える教官達と顔合わせをした後に身体測定だ」


「分かりました」


僕はそれを聞いてヘルメットを外そうとするが外し方が分からなかった。移動中にライドさんに聞くと側頭部のスイッチを押しながら『頭部装甲解除』と言って外すそうだ。


「じゃあ訓練場に行こうか」


訓練場は屋内にあり、1km四方の何もない空間になっている。そこには僕の教官であろう人達が既に待っていた。


「なるほどね、そいつを一人前にするのが今回の任務ってわけか」


「あぁ、そういう事だ。よろしく頼むよ」


ライドさんはその人と握手を交わす。リーダーだろうか?僕と同じぐらいの背丈なのに威圧感が凄い。握手する動作1つ取ってもその身のこなしは洗練されていた。


「俺はアラドだ。よろしくな!」


そう言ってライドさんと握手していた人が僕にも手を差し出したので握手する。すると後ろにいた大きな熊の亜人の人も近くに来た。


「……ドルズだ。よろしく」


「アルクです。今日からよろしくお願いします」


「今日は俺達2人しかいないが、お前を教える奴は他に3人いるからそのつもりでな。早速だがまずは持久力を試そう」


アラドさんはそう言って端末を操作する。室内の床に陸上競技用のトラックの線が浮かび上がる。このトラックを走れと言うことか。


「このトラックは一周500mだ。さて、何周出来るかな?」


アラドさんの言葉を聞きつつ僕は走り出した。自身無いなぁ。昔から運動は苦手と言う訳でも、飛び抜けて出来る訳もなく、いたって平凡だった。取りあえずやれるだけやってみよう。



○○○



もう何周したのだろうか。100を超えた辺りで数えるのをやめた。その辺りから呼吸が辛くて考える余裕がなくなってきていたからだ。もう無理だ……。この週を何とか走り終えると床に倒れ込む。


「はぁっはぁっ……僕、何週しましたか……?」


「327週だ。ふむ、まあまあだな」


「いやいや、何の訓練もしてない人間が300週超えるのは凄いよ!やはり小隊長の評価は厳しいねぇ」


アラドさんはまあまあだと言うがライドさんは褒めてくれた!ドルズ教官は何も言わずただ見ているだけだった。でも何でこんなに走れたのだろう?まぁそれだけ自分が頑張ったという事なのだろう。少し休憩を挟んで残りの測定を終える。腕立て伏せ、腹筋、懸垂の他に遠投などもやった。


「よし!今日はこれで終わりだ。明日もよろしくな」


「はい!明日もよろしくお願いします」


疲れで歩いて寮に帰る事すらも辛かった。部屋に戻るとお風呂だけ入ってすぐに寝てしまった。アルターには『ご飯を食べてから寝なさい!』と言われたが、ほとんど耳に入ってこなかった。




○○○



次の日の朝目が覚めて体を起こすと、体中が痛かった。筋肉痛だ。授業の準備をして、食堂に向かう。準備と言っても場所の確認くらいで、持ち物なんかはほとんどない。食堂は沢山の人でごった返していて、食器の音や話し声などの喧騒が聞こえてくる。入学式の前までは静かだったのに。徐々にグループが出来つつあるという事か……。適当に食べ物を選んで空いているテーブルで食べる。少ししてトーマスも食堂に来た。


「おはよう、トーマス」


「おはよう~」


「眠そうだけどどうかしたの?」


眠そうに目をこすりながら食事をするトーマスが少し心配になって聞いてみる。


「ちょっと情報の整理をしてたら夢中になっちゃって気付いたら朝になってた……」


「情報の整理?何の情報を集めてるの?」


「俺、情報を集めるのが趣味なんだ。ニュースから痴話げんかまで片っ端から集めてる。だから何か面白いネタがあれば教えてくれ!」


「今は特にないかなぁ」


一瞬、巨大戦艦の事を思い出したけど流石にこんなところで話すのはマズイと思い話さなかった。トーマスは少しがっかりした様子だがしょうがない。そんな話をしていると噂のカルド・レラが近くのテーブルに座った。その周りには男女問わず取り巻きが沢山いた。


「やっぱり食事も美容に気を使ってヘルシーなものにしてるのね!やっぱり銀河一の美少女は違うわね!私も同じ物にしようかなぁ」


「……そうね」


「アバンギャルドの表紙に選ばれたんだってな!俺それ買うよ!」


「あら、ありがとう」


かわるがわる話しかけられて少し疲れているようだ。それを見てトーマスが人だかりの中に入っていく。


「ちょっと!食事中なんだからゆっくりさせてあげなよ!そんなに質問攻めだと食事出来ないよ……!」


トーマスがそう言うと、カルド・レラを取り巻いていた人達は「それもそうだね、ごめん」と口々に謝り解散していった。カルド・レラは近くのテーブルから僕達のテーブルに移ってきた。


「ありがとう、助かったわ。入学式からずっとこれなんだもの……。所でトーマスの隣の貴方は?」


「人気者は大変だね〜」


トーマスがおどけたように言う。


「僕はアルベルト・アルク。アルクでいいよ」


「アルクね。知ってるかもしれないけど私はカルド・レラよ。レラでいいわ、よろしくね」


レラは微笑みながらそう言った。やはり銀河一の美少女の名は伊達じゃないな。微笑みの破壊力が凄い。紅い髪と対照的な青い瞳が見事に調和していて、とても綺麗だと思った。


他愛もない話しをしながら食事を終えて教室に向かう。レラは食事を終えるとまた取り巻きに囲まれていたが、少しすっきりとした様子だった。ゆっくり食事が出来たのが良かったようだ。



○○○



今日の授業が終わったので共和星連の施設に向かう。最初だからか計算のやり方や、やった範囲のおさらいをした。出身の星や学校によって範囲や計算方法の教え方が違っていたので、こういうやり方も出来るのかと勉強になった。そんな今日の授業を思い返している内に施設に着いた。受付に行くと着替えて昨日の場所にくるように言われた。

受付の人に言われた通り着替えて昨日の場所に行くと、アラドさんの他に見たことない男女がいた。


「おはようございます!昨日言ってた新しい人ですか?」


「あぁ、その通りだ」


アラドさんはそう言って他の2人に目を向けると、2人は自己紹介を始めた。


「俺はヴィンセント・マイヤーだ!船の操縦を教える事になってる。よろしくな!」


「レイシス・ケイルよ。私は機械について色々と教えるわ。基礎訓練は2人でやるから、よろしくね」


「はい!よろしくお願いします!」


ヴィンセントさんは僕より背が低く年齢は30代くらいに見える。レイシスさんは狐の亜人のようで耳としっぽが生えている。簡単な挨拶を終えると、すぐ訓練に入った。最初は基礎体力をつける為に、ひたすら体をしごく。それが終わると次は座学だ。操縦や機械をうえでの基礎知識を学んだ。シュミレーターでヴィンセントさんと模擬戦もやってみたけど、戦闘機はボタンが沢山ありすぎてもたもたしてるうちにやられてしまった。そこで今日の訓練は終わった。

やられたままなのが少し悔しかった。


「操縦は慣れだよ、慣れ!」


「そりゃ貴方はそうかも知れないけど……。でも、そうね。何事も慣れることは重要ね。その事に触れた時間が多い程、身について行くものよ」


2人がそう言っていたので、僕も時間のある時は教わった事を復習しようと思う。

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