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最果ての戦艦  作者: Alc
1/13

プロローグ―全ての始まり―

全体的に少し修正しました!


書き直しをするつもりでしたが、そこまで変えずに済みそうです。

誤字や文章でおかしな所を見つけたら教えて頂ければと思います!

 爆発音が船を揺らし、艦内に警報音が鳴り響く。座席のシートの前についた娯楽用の画面には乗客への緊急時の指示が点滅している。僕はその振動と光で目を覚ました。


「うーん、眩しいなぁ」


そっと目を開けてみると何故か視線が低くなっていて、隣に目を向けると母さんが不安そうにしている。そうか、これはあの時の夢か……。その隣では父さんが強張った表情で周りの様子を確認している。


「大丈夫、大丈夫よ……」


母さんはそう言いながら僕の手を握った。僕の手も小さくなってる。

確か、そろそろ外のエンジンが爆発するはずだ。外を見たくて窓際に座っていた僕は、窓越しにエンジンの方に目を向ける。すると一瞬火が見えた直後、爆発して船が揺れる。分かっていても僕の体は反射的に強張る。爆発したエンジンの破片が船体に降り注ぐ。窓越しに破片がこっちに飛んで来るのが見える。しかし、椅子に座ってシートベルトを着けている僕はどうすることも出来ない。すぐそこにまで迫り来る破片。僕はせめて頭は守ろうと腕を頭にかざす。


破片が窓ガラスを突き破る音がして痛みが来ると思ったその時、意識が覚醒した。



---------------------------------------------------------



いつもの自分の部屋のベットで目を覚ました。嫌な夢をみた。僕は6歳の頃のあの事故で両眼と左腕を失った。


うちは3階建てで最上階に僕の部屋があるから遠くまで良く見える。

今日からしばらくは快晴が続くようだ。空には雲ひとつ無く、そよ風が気持ちいい。夢の事を忘れられそうな位清々しい気分だ。

家の周りは一面に畑が広がっていて、遠くにはうっすらと建物が見える。義眼のズーム機能を使ってビルの森をみるとその中でひときわ高い建物がある。宇宙エレベーターだ。宇宙エレベーターは地上から宇宙までを繋ぐエレベーターで、上は宇宙港になっている。


 僕は今日で15歳になる。ほとんどの星では15歳までは義務教育で、そこから先は働きに出る人とさらに学校に通う人とで分かれるようになっている。僕としては宇宙探索という職業に憧れていたけど、知識が多ければ探索にも役に立つと言う両親の勧めで高校に進学する事にした。


僕が通う予定なのはツェントルム系にある学者惑星の高校だ。学舎惑星はその名の通り星のほとんどが学校や研究施設になっている星で娯楽施設が少ない。


娯楽施設が少ないのは嫌だけど近くに遊園惑星があるしまぁいいや。少ないだけで全く無い訳じゃないし……。

そんな事を考えつつ外の景色から目を離して1階のリビングに降りる。


「あら、今日は早いのねアルク?」


母さんがそう言って僕に声を掛けてきた。


「うん、ちょっとね」


誕生日でプレゼントが待ち遠しくて眠れなかったなんて言うのも恥ずかしかったのでそう言って誤魔化した。


「母さんこそ朝早くからどうしたの?」


「その事なんだけどね、昨日の夜に連絡があって父さんと一緒にオーケアノス星系まで行かなきゃいけなくなっちゃたのよ……」


オーケアノス星系はまだ開拓途中ので人類圏の最端の星系だ。開拓途中とは言ってもそれなりに人は住んでいるし、定期便も出ている。父さんも母さんも軍に所属しているからその関係の仕事なのだろう。


「また?どれぐらいで帰って来るの?」


「それが分からないのよ。行ってみないことには何とも言えないわ……。アイナと留守番お願いね」


母さんは少し申し訳なさそうな表情で言った。アイナは僕の妹だ。金髪碧眼でそれなりに整った顔立ちではあると思う。調子に乗るから絶対本人には言わないけど。因みにうちの家族は全員金髪だ。


「そっか、分かった」


「それと、お父さんから誕生日プレゼントを貰っておきなさいね。ケーキは冷凍庫に入ってるから食べて」


……母さんには早く起きてきた理由もお見通しだったようだ。誕生日プレゼントを貰いにお父さんの部屋に行く。部屋のドアは開いていて、父さんが出張の準備をしていた。


「おぉ、アルクか。誕生日おめでとう。もう15歳になるのか…大きくなったな。よし、プレゼントをやろう」


僕が声を掛けると父さんはそう言って、人の腕ような物を取り出した。それは僕の新しい義手だった。僕の右腕と同じ位の大きさで、気持ち悪いくらいに本物の腕のような質感をしている。つけてしまえば義手とは分からないだろう。


「どうだ!凄いだろう?着けてみなさい」


父さんに促されて今使っている義手と付け替えてみた。かなり重い。前のが5キロ程だったので重く感じる。少なくとも20キロはありそうだ。腕を動かすと問題なく動いたが、微妙に感覚が違う。細い作業は慣れてからにした方が良さそうだな。


「ふふっ。重いか?それには色々と機能を付けているからな!それともう1つ……」


父さんは近くにあった箱から2つの義眼を取り出すと、義手と同じく着けるよう促す。父さんも装着を手伝ってくれる。


「よし!出来たぞ!目を開けてみなさい」


「うわっ!」


瞼を開けると壁まで1メートルは距離があったはずなのにすぐそばにあった。いや、これはピントが合っていないからか。ピントを調節しようと、遠くの物と近くの物とを交互に見る。それを数回か繰り返すと少し慣れてきた。


「どうだ?問題無いか?」


「前のより性能が高いから完全に使いこなせるようになるにはまだ掛かりそうかな。これ、全部父さんが作ったの?」


「まぁな。こういうの作るの好きなんだよ。どんなギミックを付けるか考えるのって楽しいだろう?」


「解らなくも無いけど必要なのかなぁ」


「ロマンだよ!ロ・マ・ン!」



----------------------------------------



そんな風にプレゼントの品定めをしていると両親が出発する時間になった。


「それじゃあ行ってくるわね。アルク、あなた明後日のこと忘れてないわよね?あなたも寮生活になるんだからちゃんと準備しなさいよ?」


「分かってる!明日ちゃんと買い物に行ってくるから大丈夫だよ」


「う〜眠い、おはよぅー。あれ?また仕事?」


丁度そこにアイナがパジャマ姿のまま眠そうに玄関まで出て来た。話し声のする方に来たのだろう。出張で暫く家を留守にする事を伝える。


「じゃあアイナも明後日から一人暮らしじゃん!やったー!」


アイナがそんなくだらない事を言っているのを横目に、父さんが真面目な顔をして僕に言う。


「アルク。お前も寮とはいえ、一人で生きて行くんだ。自分の望むもの、チャンスは自分の手で掴み取らなければならないと言うことを絶対に忘れるなよ?」


「お父さんの言う通りよ。貴方の人生なんだもの、自分の思ったようにやりなさい。アイナ、貴方もね」


そう言うと2人は表情をやわらげて「じゃあ行ってくる」と出発する。


……この2日後両親は死んだ。

小説書くのって大変なんですね…。

投稿は不定期なると思います。

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