表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩『恋の燃焼−long version』

作者: 游月 昭

『恋の燃焼(long-version)』13/12/28




 激しい生命力が俺の奥で爆発する


 赤い血はたぎる


 肌の紅潮は細胞の生きる意志


 吐き気をもよおすほどに


 おもい、興奮が連鎖する



恋には幾つかの筋書があって、自分が迷い込んだ寂れた港からハッピーエンドまで漕ぎ着けるか、という想定をいやがおうにも行う。途中で燃料が切れないように、座礁しないようにと、道筋を下見しながら、いずれ伸るか反るかの行動に移す。座礁した場合には、大概助け船は来ない。そのため恋の告白は無謀な行為であるといえる。



 狭い路地を全速力で突っきる


 貴女には俺が見えないだろう

 

 視野は開かれず、後戻りはあり得ない


 擦り傷だらけで往来に噴き出る



女の嗅覚は鋭い、芽生えから暴走までの一部始終に感づいていても、ビックリの表情を浮かべながら頬を赤らめるか、困惑の表情を見せながら、最後まで美しく魅せたあげくに引導を渡す。その前後で関係は激変する。



 激しく飛び出した下郎の顔を見てくれ


 素っ裸の変質者の一瞬の炎を


 ただ一つの魂を


 はかなげなその腕で受けとめてくれるか


 さもなくば、


 100円ライターで俺に火をつけてくれ


 激しく無様に燃えよう


 跡形がなくなるまで俺を見届けてくれ



恋とはエゴなのである。受け入れられないとしても、いつまでも自分を「見て欲しい」のだ。わずかながらでも自分に対する愛情があったのだとさえ信じて、恋は、死、に至る。



 恋は灰になり、風に散り


 洞穴の隅にわずかに黒くこびりつくだけ


 過ぎ去った影が広場の木陰にまぎれる


 ただ、


 年老いた男の瞼に


 今も美しい花びらが散る

 




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ