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水島素良エッセイ集  作者: 水島素良


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若い人は死にたがり、歳をとった人は生きたがるものなのかもしれない

 ※noteに昔書いた記事の再掲です。


 私的意見です。が、若い頃って「死にたい」「生きていたくない」「なんで生きてるんだろう」って思いがちな気がするんですよね。で、なぜか死に惹かれたりする。重くて暗いロックを聴いて共感したり、やたらに「死ね」だの「殺す」だのと物騒な言葉を気軽に使う。

 後から振り返ると、あの頃は若くて健康で生命力がみなぎってるわけですよ。ある意味、死とは最も遠い位置にいるのが若者ですよね。まあ、事故とか災害で死ぬことはあるけど。


 生命力みなぎってるのに、

 なぜ「死にたい」になるのか。


 未だにはっきりとはわからないんですが、たぶん、「死」から最も遠いところにいるからこそ、「死」に憧れてしまうのではないでしょうか。そして、生命力がみなぎりすぎているからこそ、そして、人生経験のなさや世の中をまだ知らないという不確かな状況だからこそ、「どうしていいかわからない」みたいな感覚になりやすいんじゃないかな。


 最近は見かけなくなりましたが、昔は古本屋に行くと、「13歳で自殺した子が残した詩集」とか「若くして亡くなった誰かの手記」みたいなのが必ず置いてあったものです。危ないことに、そういう「才能があるのになぜか早く死を選んじゃった人」はいつの時代にもいて、美化されがちなのです。

 昔から若者は悩んで死にたがる傾向がある。

 たぶん、成長過程で致し方ない通り道みたいなものなんだと思います。


 だから、ちょっと「死にたい」とか「なんで生きてるかわからない」と思ったくらいで死を選ぶのはやめていただきたいと本当に思います。


 それ、大人になるためのただの通過点だから。

 ごく自然なことだから。


 通り過ぎたら「あれ?なんだっけ」ってなるから(たまに大人になっても悩み続ける人がいて、そういう人は哲学者や作家になるかもしれません……)。


 対して、大人。

 年を取った。体力も衰え、階段がつらくなり、老眼で近くのものが見えなくなり、頭は白くなるかハゲるかする。若い頃のような無茶はできなくなる。老化とともに身近になるのが「死」。


 はい。ここで健康に目覚めます笑


 「死」は容赦なく近づいてくる。人間、恐ろしいものが近くに来たら逃げたがるものです。長生きするために食べ物にこだわり、筋トレを始めたり健康雑誌や医者が書いた本を読み始めます。基礎化粧品を高いエイジングケアものに変えたり、シワを伸ばすマッサージを始めたり、通販の健康食品に手を出したり、有名な先生の健康に関する講演を聞きに行ったり。音楽も、やたらに穏やかで明るい歌を聴いたり作ったりするようになる。

 いつか「死にたい」とかぼやいていた、

 美しい少年少女はどこへやら。


 人生100年時代。

 とにかく「死にたくない!」ので、

 長生きするためにがんばるのですよ。


 人はこうも方向転換するものか笑


 人によっては、年を取ってから「自分とは何か」という問いに回帰する人もいます。哲学の教室に通い始めたり、若い頃やっていた趣味をやり直したり。それも、「人生は残り少ない」という危機感が原動力になっているように思います。




 私的なことですが、私も若い頃、やたらに暗い歌詞の音楽ばかり聴いたり、自殺についての本を読んだり、暗い内容の小説を書いたり、「なんのために生きているのか」と思ったり(いまでもちょっとは思ってるけど)、していたものです。

 今、当時聞いていた音楽や読んでいた本を振り返ると、暗くて怖いのでもう絶対手を出せません。たぶん、歳を取って実際に「死」が近くに来ているから、わざわざ暗いものや怖いものに近寄る気がなくなったのだと思います。「死ね」とか「殺す」とか若者が言ってるのを聞くと怖いです。私たちはあんたたちより「死」の近くにいるのだよ。怖いからやめてくれ!って感じなのです。


 今はなんでも、

 明るくて平和なのが好きです笑

 創作物もハッピーエンドじゃないと嫌になりました。昔はそうじゃないものも平気で見ていたのですが今はだめです。バッドエンドを見るとしばらく暗い気分を引きずってしまいます。



 あと、歳を取ることで世の中や世界を知って、自分の立ち位置の恵みをわかってきたというのもあります。世界には戦争や飢餓で苦しんでいる人がいるけど、自分は(貧乏ではあるけれど)平和な国でちゃんと設備のある家に住んで、ごはんやおやつを食べれてる。恵まれてるなあと本当に思います。


 大人になってみたら、人生に大した目的や意味がなくても、それなりに楽しく暮らせることがわかってきました。いい意味でいい加減に。

 だから、若い頃みたいに暗いものに惹かれにくくなったようです。




 ほんとにこれは言いたいんだけど、

 若い頃に「死にたい」と思うのは、

 はっきり言って「普通」のことで、

 一過性のものだから、

 そこで絶対死なないでほしいということ。


 一時期のことなのだよ。本当に。


 とは言っても渦中の若い人は納得しないだろうとは思う。それに「生きている意味は何だろう」と考えて考えて考え抜くことも大事だから、悩めるうちにとことん悩んどくといいと思う。大人になったらたぶんそれどころじゃなくなるから。人生の意味より増えていくシワや白髪のほうが悩みになる日が絶対来るから笑




 だから、

「死にたい」も「生きたい」も、

 人間として当たり前の感情かもね。




 読んでくれてありがとう。



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