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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

最愛の人へ、このギフトを

作者: 道上 萌叶
掲載日:2025/12/21

 後書きまで読んでいただけると、彼女たちの気持ちを理解できるかもしれません。


 要素にチェックを入れるか迷いましたが、*私*の気持ちはそれなのでチェックを入れています。

 偶々立ち寄った洋菓子店で、そのギフトボックスはとても可愛く、とても輝いて見えた。それが目に入った瞬間、あの人の笑顔が浮かんだ。

 気付くと私はお会計を終えていた。手には梱包まで可愛らしいギフトボックス。

 何故、こんなものを買ってしまったのだろう。後悔しても、買ってしまったものは仕方がない。1人で食べればいい。そう思っていたのに、私はそれを買った流れで、あの人に、彼女にメッセージを送っていた。


『今日、これから会えるかな?』


 何故、こんなメッセージを送ってしまったのだろう。

 今からでも遅くない。間違えた、としてしまおう。

 だが、決心するのが遅かった。気付けば彼女から、返信が来ていた。


『いいよー。せっかくなら、家来る?』





「で、急にどうしたん?」


「あ、うん、えっとね、これ。良かったらどうぞ」


「えー、何々? え、めっちゃ可愛い! 開けてもおけ?」


「うん‥‥‥」


 ずっと変わらない笑顔の彼女に出迎えられた私は、リビングに通された。彼女の淹れてくれたハーブティーも、ずっと私が知っている、リラックスできるもの。

 彼女が丁寧に包み紙を剝がしていくのを見守りながら、私の心は、これまでにないくらい早鐘を打っている。


「え、なにこれ」


 彼女の声に、目の前が真っ暗になったと錯覚してしまう。ああ、やっぱりやめておけばよかった、と。


「めっちゃ可愛いんだけど!」


「え‥‥‥」


「ねね、これ、ギフトボックスってやつだよね。どこのやつ?」


「えっと、新本(しんもと)町の、ちゅーりっぷってお菓子屋さん。黄色い屋根の」


「あそこなんだ。今度旦那と行こっかな」


 彼女の言葉に、仕草に、いちいち一喜一憂してしまう。でも、私のこの気持ちは、彼女に知られてはいけない。


「ね、どれ食べる?」


「え?」


 開けたばかりのギフトボックスを、私に見えるように向けた彼女が問いかけてくる。


「美奈、これに一目惚れしたんでしょ。一緒に食べようよ」


 首を傾げる私に、彼女は笑っている。

 いたずらっ子のように笑う彼女の言葉は、半分当たっているけれど、半分は違う。でも、本当のことを知られてはいけない。


「ばれてた? じゃあ、遠慮なく」


 ミモザのアイシングクッキーを摘み、口に運ぶ。ほろほろ溶けるクッキーは、私の心と似ている。

 やっぱり、と笑う彼女も、ミモザのアイシングクッキーを摘み、口に運ぶ。サクサクとした軽い音は、私達の関係。

 彼女の最愛の人は私じゃない。でも、今だけは、この時間だけは、彼女の目に映るのは、私だけがいい。

黄色いチューリップの花言葉‥‥‥叶わぬ恋

ミモザの花言葉‥‥‥秘密の恋、友情

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