第1話 騎士団長①
北ヴィエイユ王国には5つの騎士団が存在する。
国家防衛を主任務とする国家の顔である“第1騎士団”
遠征を主任務とする北ヴィエイユ王国主戦力の”第2騎士団”
北方の諸部族の牽制を主任務とする”第3騎士団”
女性のみで構成され美しくも他の騎士団に実力は劣らない”第5騎士団”
それでは、第4騎士団は...という話になるが、人気がない。それくらいの事しかない。任務がはっきりしている第1、2、3騎士団と違い任務もなければ、新鋭の第5騎士団のような貴族令嬢の護衛という特殊な任や勢いや野心もない。
実力はあるが掃き溜め。それが、他の騎士団やほんの一部の貴族の評価であるが、逆に世間一般や大半の王侯諸侯からは税の無駄遣い、4がなくなるなると外面が悪いから一応残しておこうくらいの評価である。
「そういえば第4騎士団の予算は足りてるのかしら?」
リリアは自分の趣味である官能小説を執筆しながら桜花に尋ねた。王族の人間が何かしらの趣味に没頭するという話は特段珍しい話ではない。北ヴィエイユ王国の最大版図を築いた国王でさえ、演劇鑑賞(R18のもの)を見るのが止められず、正妻を除いて側室は全て女優であったと言われるくらいである。(北ヴィエイユ王国の公式発表によれば側室は5人であるとされるが、実際は37人いたという)
「貴女の食事に消えているのですが...。」
「どれだけ少ないの!?」
「予算は私たちの給料と貴女の食事をギリギリ賄えるように第1王女様が調整なさっていますから...。」
「なるほどね...。」
西方諸国の中でも1,2を争う美しさを持つといっても過言ではないリリアが王城から外を眺める。これだけでも絵になるレベルなのだが、部屋が汚部屋な事、様々なR18の本が散らばっていることからリリアの美しさが逆に際立たせている。
「てか、桜花。貴方、軍服着てないけどよく王城に入れるわね。」
「一応、人気なんですよ。この服装。」
桜花は...。というよりも第4騎士団に対する世間の目が冷たい理由の一つとして第4騎士団が制服を持たないことというのがある。例えば、桜花は東方の国々で使用される学生服であるセーラー服なるものを着ている。出身は東方のほうである桜花が着るのは何らおかしな話ではないのだが、ここは西方でも東方のとの関わりがほとんどない国である。加えて、西方では異質な片刃剣である刀を腰に帯びており、森の中にいる白兎のように悪目立ちしてしまっている。団長がこれなので数少ない他の団員も非常に個性的な格好をしている。
「まあ、男性の方々からは変な目では見られていますが...。」
「いや...。まあ...。それはね...。」
反応に困るリリア。確かに王城には若い娘が少ない。
そんな中、第5騎士団長を太陽として桜花の事を月と呼んだりしている王城の兵士もいる。王族は不埒な目で見れないし、メイドは原則として伯爵以上の名家出身の人間が多い。となると名家の出身ではない女性騎士団長や騎士団員というのは高嶺の花くらいで見られるのである。実際は雲の上の人物レベルなのであるが、王城の兵士感覚が麻痺しているのもある。
「まあ、そんなことよりも、今日の騎士団会議何だけど...。」
「?あっ...。」
「何よ、桜花?」
「忘れてました...。」
「はぁ?」
「...。」
第4騎士団創設以来会議の欠席率は45%。ちなみにこの欠席率は無断欠席率である。現在、桜花の部下は全員出払ってしまっている。
故に、誰も伝えにはこない。ある人物以外は....。
「のう。いつまで待たせるのじゃ?桜花よ」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
レビュー?とか評価?とかしてもらえるとうれしいです。(システムをよく理解できていない)
それでは、どうぞ皆様よしなに。




