プロローグ
夜空に広がる星々が静かに見ていた。
神殿の頂に立つ神官の長は、星の光を仰ぎ見ながら堂々と告げた。
「星神の祝福を受けた双子がこの世に現れた。」
その声は空へ透き通るように広がりそして消えた。だが、約100年間1度も無かったこの神託を聞いた者の胸には深く響いた。
それは希望か、あるいは破滅か。
同じ夜、辺境の町の孤児院の門前では赤子の双子が毛布に包まれて泣いていた。
その双子の片方の瞳は夜空の星のように澄み渡り、もう片方は深い闇を持っていた。
名は姉がナリア、妹がアリア。2人は星の神に祝福されし双子であることを、誰も知らなかった。
この瞬間から彼女たちの運命という歯車は回り始める。