建国準備
魔王領を占領した後、雄樹は数日かけて事後処理を行った。コントロールセンターのナビに従い、処分場に注ぐ川――セナルト川という。――の汚染原因を特定した。北部にある皮革工場から出る汚物や魔道具を作製する際に使用する鉱石の放流が原因だったため、排水装置を破壊し、念のため川一帯に浄化をかけた。
次に、無限ポイントを使用し、コントロールセンターを最上位の”中央情報局”にバージョンアップした。これにより、この世界のあらゆる場所の情報収集•分析•監視が可能となるほか、権限を与えられた者のみ、ステータスウィンドウを通じた画面共有や放送受信、相互通信が可能となる機能が追加された。
最後に、魔王領内を視察してまわった。領は縦長の地形で、日本と同じく四季がある。北部は高山地帯がそびえ、寒冷な気候であることから、気候に左右されにくいマニュファクチュールが発達している。反対に、南部は温暖な気候で、農業が盛んである。そして、北部と南部の製品が魔王城のある中央部の首都に集まるため、この地域は商業が発達していた。
これから、処分場の住民の衣食住の課題を解決するため、雄樹は新国家を樹立しようと考えた。その点、魔王領は処分場よりも、設備、気候、食料自給率等、あらゆる面で遥かに豊かであり、既存の社会システムを活躍することで、負担なく新生活への移行が可能になるだろうと期待を持った。
「あとは、皆の気持ち次第だな」
魔王領に入り5日目、雄樹は処分場の住民と領内に残った奴隷等を一括指定すると、魔王城前の草原に転移させた。




