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転移

 オンラインゲームの最中、PCのディスプレイが閃光を放った――。

 彼が反射的に閉じた目を開けた瞬間、視界は自室から一変した。小学校の体育館ほどの広さのワンフロア。石畳の床の中央には豪奢な赤い絨毯が延びる。絨毯の先、一段高くなった場所にはアンティーク調の背の高い椅子が置かれ、仕立ての良さそうなマントをはおったロマンス・グレーの老人が彼を見下ろしていた。いや正確には、彼らを、だ。

 彼の前後には、スエット、ジャージ、よれたTシャツなど、部屋着のような格好をした10名ほどの若者たちが腰を下ろしていた。高砂の老人は、それを見つめている。そこで、ふと気づく。彼や若者たちの左右には、甲冑姿の騎士たちが居並んでいた。騎士たちもまた、老人と同じように彼らを無機質な視線で観察しているようだった。中世風のインテリア、位の高そうな老人と甲冑騎士――それらと部屋着の者たちの対比が、ひどくアンバランスに映り、彼の現状認識を困難にした。

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