第24話 課題と妙案③
ようやっと忙しい時期が終わりました。
ちょっとだけ投稿頻度が回復します。
スタッドは風持線で空中を渡る最中、壁に打ち付けられたレアルを見つけた。
スタッドはその場に降り、レアルに近づいた。
スタッド「レアル!大丈夫!?」
レアルは意識を保っていたが、傷の影響か声を出せなくなっていた。
そして、腹に人差し指ほどの穴が空いていた。
スタッド「ここは一旦退かなきゃ!再現....」
スタッドは手に風の魔力を込める。
スタッド「再現登録!」
............しかし、何も起こらなかった。
スタッド「あれ?再現登録!」
レアルは思った。 レアル(やっぱり、所詮は再現の魔法....発動するたびに若干魔法陣の変わる登録とは相性が悪すぎたのね....)
スタッド「なんで発動しないのよ!」
スタッドは地面を蹴りながら嘆いた。
レアル(とりあえず、ここは私が登録を....)
ベル「なんか知らんけど、これは”チャンス“ってとこやんな?」
スタッドの眼前の家の壁から、砂の槍が突き出される。
スタッド「再現風旋刀!」
スタッドは槍を刃で切断した。
レアル(まずい!スタッドが防げたのはいいけど、このままじゃ登録を使おうにも、発動を見られたら確実にやられる!)
ベル「さっきから、あんさんよう耐えますなあ」
ベルは飄々とした態度で言った。
スタッド「悪いけど今邪魔しないで!」
ベル「いやいや、それは無理ある話やで?」
スタッドの周りに砂の柱が生える。
ベル「これで確実に仕留めさせて貰うで。
まあ、悪く思わんといてくださいな。」
スタッド「風持線!」
スタッドの手に、風の糸が巻き付いた。
スタッド「風旋刀!」
糸に風の刃が巻き付く。 スタッドは糸を手から外し、それを両手で構えた。
スタッド「正直不安ではあるけど....これが私の奥義!」
スタッド「風鞭舞!」
スタッドは風の糸を、鞭のように振り回す。囲んでいた周りの柱を、みるみるうちに折っていく。
ベル「ほう、あんさんやりますやん。」
スタッド「このまま押し切る!」
スタッドは床に鞭を打ち付けた。風の魔力が下から一気に噴き出し、スタッドが宙に浮く。そのまま、鞭をベルの方に振り下ろそうとした。
しかし、あとすんでのところで風の鞭は霞となって消えた。
スタッド「........あ、失敗した...!」
べル「どうやら、まだ完全に扱えんようやな?」
スタッドは空中で体勢を崩す。ベルは今にも攻撃をしまいと構えている。
レアル(火炎砲撃!)
壁にもたれかかりながら、ベルの方に炎の球を放った。
ベル「これでしまいや!」
スタッドに向けて、家の屋根から槍が放たれる。しかし、それがぶつかる直前、炎の球体が岩を砕いた。ベルとスタッドは後ろに弾き飛ばされる。
スタッド「風持線!」
スタッドは空中にワイヤーを固定し、地面に着地する。
砂煙が家の屋根周りで発生し、ベルの様子は見えない。
スタッド「レアル!ありがとう!」
レアル(撤退するなら今しかない!登録!)
......しかし、何も起こらなかった。
レアル(え....?スタッドのと違って、私の登録は発動できるはず!)
レアルは2つ、重要なことを思い出した
1つは、初めてフィスの家に行った時の、フィスの言葉だった。
フィス「多分君が思ってるほど便利でもないよ。少なくとも一回は完全に身に着けておかないと使えないし。そもそも魔力辞書がもし使えなくなったら、その時点で戦えなくなっちゃうってのもまずいしね。」
そしてもう1つは、あの魔導書に書かれた言葉だ。
術式暗記
魔導書に書かれし魔法文字を自動翻訳し、単語として魔力辞書などに記録する。
仮に文字の解読ができなくとも、これを利用すれば簡単に魔術を起動することができる。
レアル(単語として.....ということは、魔法を唱えないと発動そのものができない....)
レアル(じゃあ私は今、半分くらいしか魔法が使えない....!)
砂煙が晴れてくる。そこには、冷酷な目つきで、口元だけが笑っているベルがいた。
ベル「いやあ、さっき倒し切ったと思ったんやけどなあ。あんさん、そんな死に急いでるんか」
ベル「まあ、ええわ。こうなった以上、うちも容赦せんで。
......地操傀儡」
砂の槍が、次々と家の壁を貫いて来る。
スタッド「まずい.....これ以上きたら持たない!」
レアル(火炎陣!)
レアルとスタッドを囲うように、炎の壁が3方向に立ち上がった。
スタッド「レアル!」
レアル(いくらか魔力が上がってるとはいっても、あんまり時間はない...!ここを打開するには.....)
ベル「っち...!いくらうちでも、あの中には簡単に攻撃でけへんわ...!めんどい事してくれよって....!」
レアル(何かこの状況で打開できる魔法は...!)
スタッド「炎の壁が消えたら、一瞬で勝負をつけなきゃ...!」
レアル(そうだ....まだスタッドは......!でもどうやってスタッドに情報を伝達すれば....!)
術式暗記
魔導書に書かれし魔法文字を自動翻訳し、単語として魔力辞書などに記録する。
レアル(記録.....じゃあ、その逆は....?)
レアル(逆の手順を踏めば....もしかしたら....)
レアル(術式暗記......!)
レアルの手から、魔法陣が放たれた。それは、魔導書に書かれた登録の魔法だった。
スタッド「魔法陣....!?」
スタッド「でもこれなら、再現魔法で再現できる!!」
スタッド「再現....!なんかの魔法!」
レアルとスタッドの真下に、大きな魔法陣が生成される。
そして、2人はその中に姿を消した。
数秒後、炎が消えた。
ベル「....逃げはったか。まあ、またそのうち会うことになるんかもな。」




