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第23話 課題と妙案②

魔方陣を越えると、2人が出てきたのは砂漠だった。


スタッド「なんか暑い.....」


レアルは軽く辺りを見渡した。しかし、見える範囲には何もない。一面砂漠が続いているだけだ。


レアル「おかしい....ちゃんと書いてあった魔方陣の通りに来たんだけど....」


レアルはもう1度自分の持っている紙に目をやる。確かに場所は合っている。


レアル「とりあえず、この辺を探してみるか...」


???「おーい!誰かおりまへんかー!」


遠くから誰かの声がする。


スタッド「もしかして村に住んでる人!?」


スタッドは目を輝かせてレアルの方を見る。

レアルは少し呆れながら忠告する。


レアル「一応警戒したほうがいいかもよ?罠って可能性もあるし。」


スタッド「いくら依頼だからって、最初から気負いすぎだよ!とりあえず行ってみよ!」


雲ひとつない快晴の中、スタッドは声の主の方に呑気に走り出した。


レアル「相変わらず調子のいいことで...」


レアルはその後ろをトボトボ歩いて行った。


数分ほど走ったところで、スタッドが立ち止まって振り向く。


スタッド「レアル!村があったよ〜!!」


レアル「ナイスー!」


レアルは急いでスタッドに合流した。


丘になっている部分を登ってに下ろすと、そこには日干しレンガで出来た家の数々が立ち並んでいた。


レアル「ここが多分依頼主の村なのかな...?」


スタッド「とりあえず降りてみよ!風持線(ウインドワイヤー)!」


スタッドは空中にワイヤーを固定し、自らを振り子のようにして降りていく。


スタッド「先行ってるねー!」


レアル「....あの度胸は私にはないわね。登録(ブックマーク)


レアルは村の地面と魔方陣を繋げて移動した。


レアル「さて...と。とりあえz....」


スタッド「やっふううううううう!!!!」


スタッドが、赤い帽子の男性が言いそうな声を上げながらレアルの横を通り抜け、風がなびく。


レアル「....少しは静かに出来ないのかしら。」


呆れながらスタッドを無視して、村の中を探索し始めた。


今までレアルが訪ねた2つの村とは、砂漠の中というだけあってまた違った雰囲気を醸し出している。が、それとは違う何かをレアルは感じていた。


レアル「....やっぱりなんか血生臭いわね..」


レアルはふと近くの家の窓に目をやった。すると、その奥には血だらけの死体が倒れ、床には血が付着し、天井からもそれは滴っていた。


レアル「死体!?」


レアルが後ずさりすると、誰かにぶつかった。


レアル「誰!?」


レアルは急いで振り返った。





一方その頃スタッドは、


スタッド「あー...流石に遊びすぎて、レアルが勝手に行っちゃったよ。仕方ない。風持線(ウインドワイヤー)!」


今度は建物の天井にワイヤーを固定し、家々の上を歩きだした。


スタッド「えーっと...レアルが歩いて行ったのがこっち側だから、まあこっち側に歩いて行ったら会えるかな?」


スタッドは建物の天井を伝って歩いて行った。


数分ほど歩いた時、レアルとはまた違う誰かの声がした。


???「おかしいなあ....後1人おっさんがおるはずなんやけど」


スタッドはとりあえず考えるより先に顔を出して声を掛けた。


スタッド「何か困り事ですか?」


建物の屋根上から声を掛ける。


黒髪を下ろし日に焼けた、スタッドと同年齢程度の少女がそこにいた。


???「ん?ああ、ちょうど良かったわ。あんさん、ここら辺でおっさん見いひんかったか?うちちょっと探しとんねん。」


スタッド「あんさん.....あ、私のことですか?」


???「ああ、そやったそやった!確かにここやったらあんま通じひんわ!」


少女は景気良く笑っていた。最も、スタッドにはその意味がよく分かっていなかったが。


スタッド「ええと、それで、おっさんでしたっけ?特に見てないですね。」


???「分かったわ。わざわざ付き合うてくれてありがとな!」


少女は笑いながらその場を去っていこうとする。


???「ほな、さいなら。」


スタッド「え?ああ、さよn....」


大きい音を立てて、突然スタッドの立っていた場所に槍のようなものが生えてくる。


スタッド「え!?」


しかし、音に驚いて飛び退いたことが功を奏し、間一髪で避けることができた。


スタッド「これ...砂の塊....?」


槍のようなものをよくみると、ただの砂の塊だった。


しかし、先端は剣のように細く尖っており、人を殺すには十分な凶器となっていた。


???「へえ、あんさん随分と上手いこと避けはりますやん。」


少女は感心したかのようにスタッドの方を見る。


???「もしかしてあんさんも、魔導士ってやつなんか?」


スタッド「ええ、そうだけど...?」


???「ああ、なるほどな。つまりあんさんが、うちが探してた相手ってことやな!」


スタッド「ちょっと!私はおっさんじゃないって!!と言うか貴方が異世界転生者!?」


???「ん、そうやで?むしろ気づいてなかったんか?」


スタッド「じゃあ容赦する必要もないわね!再現(リプロ).....」




レアル「状況を見ながら、私の指示を聞くこと。」





スタッドの脳内にその言葉がよぎる。


スタッド「......ちょっと気が乗らないけど....風持線(ウインドワイヤー)!」


空中にワイヤーを固定し、スタッドは来た方向から逆に移動して行った。


???「ありゃま、うちにはあんな機動力ありまへんがな。」


遠くなっていくスタッドの影を見ながら少女は吐き捨てるように言った。



スタッドは建物の屋根上をワイヤーによる空中移動を交えながら走って移動した。


....どうやら、少女は追ってきていないらしい。


スタッド「助かった...にしても、もっとゴツいのを想像してたからちょっと意外だったな.....」


スタッドはその場に腰を下ろして休憩する。


スタッド「そういえば、レアルはどこにいるんだろ」







数分前




???「あ、すまんな。ついついぶつかってしもうたわ」


レアル「あ、こちらこそすいません。急に大声まで出しちゃって」


???「いやいや、全然気にせんでええで」


会話の主はレアルと同い年程の少女だった。


???「所で、あんさん何か探しとるんか?」


少女の方から話を切り出してきた。レアルはとりあえず死体の話の前に、依頼主の場所を訪ねてみることにした。


レアル「あの、この村の村長さんの家ってご存知ないですか?今ちょっと探してて...」


少女は笑顔で


???「ああ、今からでええなら案内するで?」


と言った。


レアルも完全に警戒を解いた。


レアル「すいません。わざわざありがとうございます」


???「気にせんでええで。まあ、もう死んでるやろうけどな。」


レアル「....え?」


???「おっと、口が滑ったわ。」


レアルの眼前の家の壁を突き抜け、槍のようなものがレアルの腹を突き抜いた。


レアルは血を吐いて、そのまま後ろにあった家の壁まで突き飛ばされる。腹からも大量に出血していた。


???「ダメやないか....いくらゴツいおっさんじゃないからって、警戒を解くなんて。」


少女はさっきより目つきが鋭くなっただろうか...笑いだけは一向に崩さずにレアルに話しかける。


レアルは喋ることもできなくなっていた。


???「まあ、同じ女やしな。今殺すのは勘弁したるわ。





....まあ、どっちゃにせよその内この暑さで死ぬやろうけどな。」


少女はその場を去ろうとしていた。


???「冥土の土産に教えたるわ。うちの名前はベル・ティンバー。お察しの通り異世界転生ってやつをしてきた身や。」


レアルは半ば意識を失いかけている中、その言葉を聞き取った。


???「ほな、うちは後おっさんを探して帰るとするわ。ほな、さいなら〜」


少女はその場から歩いて離れて行った。

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