第20話 新しい仲間③
スタッドのステータスについて(飛ばし推奨)
スタッド・レビー
性別 女
年齢 16
職業 ホープ魔法学校学生
性格 単純かつ純粋
魔力 黒魔術 165 (有望)
白魔術 13 (悲しいほどに低い)
習得呪文
黒魔術(使用歴があるものに限定)
風旋刀 風属性 威力120 風属性の中級呪文
スタッドの必殺技その1にして基本敗因。
威力はレアルの殻炎砲撃に匹敵するが、消費魔力がべらぼうに高いわりに当てずらいという致命的な欠点を併せ持った諸刃の剣。
スタッド自体はレアルに近いレベルで高い魔力を持ち合わせているにもかかわらず、この魔法にとんでもない量の魔力を使ってしまったせいで、すぐにフィスに負けてしまった。
彼女がこの弱点に気づいていたら、フィスとも案外いい勝負になっていたのかもしれない。
風持線 風属性 威力なし 風属性の下級呪文
手からワイヤーを出し、空中に固定する。ただそれだけ。
前回も解説したが、レアルは基本移動用に使うのに対し、スタッドはこれを武器に転用するという使い方の差がある。
風鞭舞 風属性 威力180 風属性の重ね掛け 上級呪文
スタッドが隠し持つ、真の必殺技。燃費の悪さは前回よりも悪化しているが、
レアルの超炎砲撃弾と同様上級呪文としてカウントされる凄まじい魔法
(ただし、威力や相性などの要素では基本的に負けている。)
風持線に風旋刀を重ね掛けして発動している(レアルの重ね掛けとは違い、同時に発動することができないため、先に風持線を発動してから、風旋刀を追加で発動する形式をとっている。
発動後は、鞭のようにワイヤーを振り回して、周囲のものに大損害を与える。
さて、話を戻して。
....翌日早朝、フィス・スタッド・レアルの3人はレアルの家の前に集まっていた。
フィス「早速戦闘場所へ...と行きたいところなんだけど、その前にスタッドさんには1つだけ伝えておきたいことがあるんだ。少しこっちへ来てくれるかな?」
スタッド「分かりました!」
早朝で、まだ日も差し込まないほど暗いというのに、スタッドは相変わらず元気そうだ。
2人は少し離れた場所まで歩いて行った。
レアル「師匠...何を入れ知恵してるのかな....正直、新しい魔法とかを覚えられていたら勝ち目はなさそうだけど...」
そんなことをぼやいていると、2人が戻ってきた。
フィス「それじゃ、2人とも用意は整ったね?」
レアル「はい」
スタッド「はい!」
レアルは落ち着いた口調で、スタッドは対照的に元気に、それぞれ返事をした。
フィス「登録!」
3人の目の前に、普段よりも一段と大きな銀色の魔法陣が現れる。
太陽も少しずつ上り始めていた。
フィス「ここを通った先を、そのまま対戦場所にしてある。思う存分戦ってくれ。」
そういうと、フィスは先に魔法陣に入っていった。
レアル「いくらスタッドといえども....ここは譲らないわよ。」
スタッド「私だって、負けるつもりなんてないわ!」
2人は魔法陣を潜り抜けた。その先は、少し前に修行で使った崖だった。
レアル「ここは...」
2人の少し前に立っているフィスが言った。
フィス「用意ができたら、そこに並べてある石の辺りに立ってくれ。」
周囲を見渡すと、小石が直線状に並べられている場所が2か所ある。
レアルもスタッドも、何の迷いもなくその付近に立つ。
するとフィスは、懐からカメラを取り出した。
フィス「一応これも資料用の写真撮影の一部なんだ。持てる全力で勝負してほしい。」
2人の間に緊張感が走る。お互い黙ったまま、神経を研ぎ澄まして開幕を待っている。
そのまま数秒の時が流れ....
フィス「....始め!」
レアルは素早く魔法の構えに移る。
レアル「まずは牽制!火炎砲撃!」
手に炎が籠り、大きな火炎球となって地面を削りながらスタッドに突撃する。
スタッド「早速だけど、切り札で行くわ!再現火炎砲撃!!」
スタッドの手に、風が集まる。そして、それは丁度レアルの火炎球と同じような大きさの風の球となり、火炎球にぶつかって打ち消される。
レアル(火炎砲撃!?...でも、やってる呪文は風属性だし、何をしたの...?)
しかし、スタッドは追加で呪文を唱える様子がない。
レアル「よくわからないけど...私の魔法に反撃するつもりなら、これは読めないはず!」
レアル「2属性を重ね掛けして....殻炎砲撃!」
炎を纏った岩石球が、レアルの少し上から飛び出し、勢いよくスタッドにぶつかりに行く。
スタッド「これが、重ね掛け魔術...!でも、今の私なら....!再現殻炎砲撃!」
スタッドの手に風が集まり、先ほどと同じような球を生成する。そして、その上からもう一回風が重なり、一回目のものより巨大かつ高出力な風の球となった。そして、2つの球体はぶつかり合い、空中で爆発を起こす。
レアル「...まさか私の呪文がほとんど見切られてるなんて...!」
レアル「風持線!」
レアルは崖にワイヤーを引っ掛け、引っ張られるようにして空中を舞う。そして、スタッドもそれを追うようにワイヤーを展開した。
スタッド「得意魔法を真似られて焦った?」
元々風属性を使うのが非常に得意なスタッドは、すぐさまレアルに追いつき、同じく崖に向かって引っ張られながら質問した。
レアル「ええ、早速びっくりしたわ。でも、実践経験の差で、ここは乗り切らせてもらうわよ!」
レアル「火炎!」
レアルは片手から火炎放射をし、素早くスタッドのワイヤーを炙った。
ワイヤーは空気の塊であるため、すぐさま炎がスタッドの方に燃え広がる。
スタッド「え!?ま、まずい!」
スタッドはさすがに想定外だったようで、焦りに焦っている。しかし、ここまでの経験で何か閃いたのだろうか。急に自信にあふれたいつものスタッドに戻る。
スタッド「再現風旋刀!」
スタッドの手の周りに、風が固まって小さな手刀となる。そして、それを使ってスタッドは一度崖側のワイヤーを切り離した。
そして、少し落ちたところで、今度はレアルの背中にワイヤーを放つ。
レアル「え!?ちょ、私の背中に!?」
レアルは急に体に負荷がかかったために、焦って風持線を解除してしまった。
その場で瞬時に再発動しようにも、勢いよく落ちているためうまくワイヤーを固定できない。
レアル「それは厄介ね....登録!」
レアルは自分の服とワイヤーの切れ目となる位置に魔法陣を発動した。レアルが次に現れたのは、先ほどの位置よりもはるかに上の地点だった。
レアル「風持線!」
今度はしっかりと崖に固定し、レアルは何とか事なきを得た。
........しかし、スタッドの猛攻はここからが本番だった。




