第18話 新しい仲間①
初見の読者さんへ
まずはこのページを開いてくださり、ありがとうございます。今回から第2章ということに(一応)しておくので、ここから読み始めてもらっても(多分)問題ないと思 (えたらいいなー程度で考えて)います。
そして、何度も読んでいただいている読者さんへ
魔法学校の設定、もっと序盤から生かすべきだったよね(懺悔)
...異世界転生者「フィルド・ミドル」との戦いから数日がたった。
魔導士見習いとしてかつてないほどに濃厚な日々を過ごしたレアルは、フィスからしばらく休養を言い渡されて、魔法学校に通う日々を再開していた。
レアル「次の時間....国語かあ...」
レアルは廊下を歩きながら眠そうな口調で、同級生でそこそこ仲の良いスタッドに語り掛ける。
スタッド「それなら、また前みたいに抜け出さない?せっかく魔導士の人のところに行って、いろんな魔法覚えたんだしさ!」
スタッドが好奇の目でレアルを見つめる。
レアル「まあ、どうせ国語だしね!それじゃ、登録!」
レアルの目の前に銀色の魔法陣が展開される。
レアル「これは移動用の魔法陣を出せる魔法ね。」
スタッドは魔法陣が出てきたことに一瞬驚いたのち、喜びながら大はしゃぎする。
スタッド「そんなこともできるの!?まだまだこんな魔法が残ってたんだ...!」
レアル「それじゃ、これはとりあえず私の家につなげといたから、さっさと休憩しに行こ?」
スタッドは不意に立ち止まて、魔法陣をまじまじと見つめる。そして真剣な顔で、レアルに一つ質問をした。
スタッド「登録だっけ...?」
レアル「うん、それがどうかしたの?」
レアルはスタッドがどういう意図でそれを言ったのか、不思議そうに尋ねる。
スタッド「....登録!」
スタッドが正面に向かって構えた手から、緑色の魔法陣が回転しながら射出される。
それは、色こそ違えどレアルの使った登録とそっくりだった。
レアル「え!?」
スタッド「やった!魔法陣を見てまさかとは思ったけど、この魔法、私が風の魔法でも、再現できる!!」
スタッドは大はしゃぎする。まるで新しいおもちゃを見つけた幼稚園児のようだ。もっとも、その妙に単純な性格が彼女の良い部分でもある訳だが。
レアル「え!?私の数時間にわたる努力を一瞬で....!?」
一方レアルは結構凹んだ。もちろん他の魔術を途中で習得したためとはいえ、自分が結構活用してきた魔法を、一瞬でコピーされてしまったのだ。
スタッドは、あまりにもはしゃいでいてその様子には気づかない。
レアル「....まあ、一旦私の家に行こうか」
レアルはさっきまでの元気を結構失いつつも、足早に魔法陣の中に入っていった。
そこには、いつもの見慣れた自宅の景色と、いつも見慣れている師匠のフィスがいた。
レアル「ん?師匠?」
レアルは若干困惑する。いくら師匠とはいえど、年頃の女子の家に、勝手に男性が入り込んでいるのだ。
普通ならマジで牢獄案件である。
フィス「あれ、この時間に帰ってくるとは思わなかったんだけどな...」
こっちもこっちでとんでもなく気まずそうである。
レアル「師匠...そういう趣味が....?」
フィス「ない!ないから!本当にない!神に誓えるくらいないよ!」
そこにスタッドが現れる。事態は余計に混乱を極めることが確約されたも同然だろう。
スタッド「あれ、この前の特別講師の方....まさか、下着泥棒!?」
これまたとんちんかんな状況推理だ。やはり単純というか、いろんな意味で馬鹿である。
そうレアルは思った。だが、この状況においてはその性格は役に立つ。
フィス「いやいやいや!いつの間に侵入から下着泥棒にまで派生するの!?」
彼の性格上、本当にそのような趣味はないのだろう。レアルはそれがなんとなく理解できた。
しかし、年頃の女子の家に侵入した罪は重い、極刑に値する。
レアル「やっぱりそういうことだったんですね!(すっとぼけ)」
フィス「なんか今日の君察し悪くない!?普段ならもうちょっと躊躇うじゃん!」
フィスももう完全に普段の冷静なキャラが崩壊している。徹夜でもしていたのだろうか?
スタッド「まあまあ、2人とも落ち着いて。」
元凶がなぜか仲裁を保とうとする。
フィス「下着泥棒まで行ったのは君が原因だよ!?」
レアル「まあ、とりあえず師匠。実際のところ、何しにここまで来たんですか?」
レアルも恐ろしいほど急に落ち着く。まさに変わり身というやつである。」
フィス「はあ...はあ....これだよ。」
フィスは机に置いてあった資料を見せた。そこには、魔導士国家資格試験と書かれた紙が置かれている。
レアル「魔導士国家資格試験....?」
フィス「そう、これに君を推薦しようと思ってね...」
フィスは疲れながら言った。
レアル「推薦!?」
レアルは思わず大声を出して驚く。
フィス「君、単独で事件解決が一件と、異世界転生者の討伐が一件でしょ?この戦績なら、十分に一次の書類審査を通れるなと思ってね。それで、その資料を書くために君の家を調査しに来たんだ。」
レアル「次からは言ってくださいよ....私だってコーヒーの銘柄とかをちょっと高級なのに差し替えるぐらいしたいですから。」
レアルがそこそこ強い口調でフィスに言う。
フィス「それに関しては本当にごめんなさい。」
レアル「それで、私からもちょうど一つ言いたいことがあったんですよ。」
フィス「なんですか...?」
果たしてこれが師匠といえるのか怪しいレベルでフィスは低姿勢だった。最も、全ての原因はフィスにあるといっても過言ではないのだが。
レアル「そこにいるのは、私の親友のスタッドなんですが、私の登録を見ただけで再現しちゃって...」
レアルは少し悲しげに言う。そして、スタッドが嬉しそうにそこに付け足す。
スタッド「なんか私の風属性で再現しようとしたら、結構簡単にできちゃいました!」
フィスはさっきまでのしゅんとした感じから、一気にいつもの調子を取り戻して返す。
フィス「それは本当かい!?」
スタッドは元気に何度も頷いた後、後ろを向いて呪文を唱える。
スタッド「登録!」
緑色の魔法陣がスタッドの目の前に浮き上がる。
フィス「そういえば、最初に僕が戦った時も、風属性の魔法ばかり使っていたけど....まさかね。」
フィスは少し考え事をした後、スタッドにこう言った。
フィス「スタッドさん...で合ってるかな? 君もレアルと一緒に魔導士になる気はないかい?」
スタッド「なりたいです!」




