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最後の戦い

帝都の大砲が魔王軍戦艦へ砲撃を開始する。

「よし!全軍砲撃継続せよ!」

「では、行ってきます。」

「死なないようにな。無理をするでないぞ。」

俺達は戦艦の錨を辿って甲板へ上がる。

そこには何体もの魔物が待機していた。

「待っていたぞ!」

「そうみたいだな。」

剣を引き抜く。

「最初から本気で行くぞ。」

ジンが前衛で盾を構える。

「雑魚に構うことはない。俺の後ろに付いてろよ。」

彼の盾が光りだす。

「うおおおお!」

光の壁があらわられて、魔物たちをすりつぶしていく。

「これが俺の新技、ホーリーシールドだ!」

「いつから盾役になったんだ?」

「いやぁ、最近活躍できなかったからな。盾を鍛えたんだよ。さぁ、行くぞ。」

道中の雑魚をちぎっては投げて掃討していく。

「大したことないぞ。」

「たぶん、戦艦は砲撃戦メインで、白兵戦できるだけの魔物は少ないんだろうな。」

艦内の独房にたどり着く。

「姫様、助けに来ましたよ。」

「リョウ様、ありがとうございます。随分と早かったですね。」

「一直線で来ましたから!」

俺達は特に苦労もせずに姫様を奪還した。魔王軍はこんなに弱い組織だったのだろうか?

「よし、撤退するぞ!」

「そうは行かないな!」

紫の肌の美男子の魔物が立ちはだかる。

「私は魔王軍幹部候補生のゲルベスである。まさか戦艦に乗り込んでくるとは思わなかったが、これで終わりだ。」

と、甲板を切り刻みながら進んでくる。

あんなことしたら、時期にこの船は墜落すると思うが、お構いなしらしい。

「それは考えが浅はかだな!私の能力は吸収なのだ。」

と、船体に口を合わせる。途端にやつの身体が船と一体化する。

「残念だがこのまま魔王軍本拠地へ向かうぞ!これで憂い無く帝都を攻められるのだ!はっはっはっ!」

「くそー、こんな手があるなんてな。」

と、剣を突き刺す。この程度ではびくともしない。

すごい速度で船は帝都から離れていく。

「くそ、これが狙いだったのか……。」

流石にこのスピードでは飛び降りるのは無理だ。

本拠地から、魔物が船に乗り込んで来る。

そして、俺達は一気に囲まれてしまった。

万事休すか……?

いや、まだ終わらない。

「ジン、スイ。ここで死ぬわけには行かない。連携攻撃で一気に仕留める。」

と、いつだか決めたフォーメーションを取る。実戦はそんなに多くないが、やれるはずだ。

「ウィンド!」

まずは俺がウィンドで足払いをかける。

そして、ジンが突っ込む。

「フハハハハ!久々の激戦だな!」

と、すっ転んだ敵をめがけて攻撃する。

足払いを飛んで避けたやつにはスイが

「ファイア!ファイア!ファイア!」

と、炎で撃ち抜く。

これでゆっくりと進む、敵のど真ん中に来たら

「行くぞ!ウィンドブレイク!」

魔法を形作る力を暴走させ、変幻自在に変化させた魔法でひとりひとり貫く。

これは、敵陣の中央で発動すると一番成功率が高い。

だが欠点があり、それは……。

「うっ!」

一瞬、力が抜けて地面に倒れ込む。

「大丈夫?」

「あぁ、敵は?」

「まだたくさん……。」

「くそ、まだ終わらないか……。」

いつもなら一瞬力が抜けて終わるのに、今日はなかなか回復しない……。ここまでか?

魔物は体力を回復しつつ、こちらに迫ってくる。俺達は艦尾に追い詰められた。

「くそ、ここまでか……。」

策を講じないばかりに、敵の策にハマって死ぬとはな……。でも、前世よりはずっといい人生だった。

死ぬ間際、俺は走馬灯を見た。

あれ、あの人は誰だっけか……家族、いや兄弟……?



「助けに来た……。今度こそ!」

気がつくと黒い騎士が俺達の前に立ちはだかっていた。

「あなたは……。」

「まったく、その力は今後使うな。また死ぬことになるぞ。俺の戦い方を見ておけ。」

と、剣を構える。彼を見ると、致命傷だけは俺のようにかわし、それ以外は鎧で受け流しているようだ。

「お前は俺より脳の回転が早い。そして、耳から入った情報をいち早く処理し避けられる。だが、これをすると脳がオーバーヒートするんだ。」

と、説明しながら攻撃している。

「あなたは……?」

「俺か?俺はお前の……。」

敵が兜に攻撃してきたのを受けて、凹んだ兜を脱ぎ捨てて敵に投げつけた。その顔は……。

「お前の兄だよ。久しぶりだな。」

「兄さん!」

「再開の挨拶は後だ。この船を沈めるぞ!」

「はい!」

「俺達二人の力を、いやみんなの力を合わせる。」

「何をするんですか?」

「フル・サンダーだ。俺の覚えている中で最強の技だが、一人では撃てない。」

と、詠唱を始める。

「させないぞ!」

と、妨害が来るが兄さんはものともしない。

「悪いが、これでおしまいだ!フル・サンダー!」

俺達全員の身体を通してエネルギーが集まり、それが雷となって落ちてくる。

戦艦は見事に真っ二つになった。




「よう、と言っても寝てるか。お前には悪いが、俺はこれ以上この世界に干渉できない。俺はお前が死んだとき、助けてやるという約束を果たせなかったことをずっと気にしてた。その思いが、この世界に俺を運んでくれたんだ。だが、もうお前は1人前の冒険者だ。俺も心残りが消えたよ。もう会うこともないかもしれないが、元気でな。」


目が覚めると、俺はすべてを思い出していた。

俺は死の間際、ずっと兄さんと話していたんだ。

こんな大事なことを忘れていたなんて。

でも、思い出せてよかった。

俺、この世界で頑張るよ。ありがとう。


魔王軍は皇帝との交渉を開始し、大幅に譲歩した形で停戦が決定した。

ところが、この決定に魔王軍内部で対立が発生、魔王軍は統率が取れなくなり群雄割拠の戦国時代が訪れる。

皇帝は魔物の平和を守れなかったことにひどく悲しみつつも、一時の平穏を得た。


「貴様の経験、全て吸ってやろう。」

「う、うわあああ!」

魔王軍野中の有力者は、人間への復讐を誓い、権力争いに突入した。

そして彼らが統一されたとき、また戦争が始まる…………。


異世界に転生し、なんとなくで入ったパーティーから追放された俺は仕方なくギルドの余り者とパーティーを組む事にしました。第一章、完。




色々なところでいろいろな名義で作品を書いているうちに、やりたいことがぼんやりと見えてきました

では、また

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