表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で「あいどる24」作りました。  作者: みっど
第十八章 第二次異世界大戦 後編
70/80

第七十話 ファイナリティアーツ

 

 アナタはアイドルに『強く思われた』ことがありますか?……俺はあったらしい。

 

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 地鳴りは、遠くの方から絶えず鳴り響いている……

 この世界の端の方から、少しずつ崩壊しているのだろう。

 ここにいても、この世界の住人たちの悲鳴が聞こえてくるような気がする……

 

 「バグ、お前本当にやっちまったんだな……」

 俺は、怒りのような、悲しみのような、複雑な感情を抱いていた。

 

 冗談であってほしかった……とても大掛かりな、俺を騙すためのドッキリだったら……

 「ドッキリ大成功!ギガンティックマスターさん、ビックリしました?」

 ……ギリギリまで、バグがそう言ってくれないかと、本当にそう願っていた。

 

 

 「さあ、私の相手は、お前がしてくれるのだろう……?第三ラウンドの、開始だ」

 そう言ってバグは、邪道十三人衆たちを配置につかせる。

 「今回我々の勝利につき、独自のルールを付け加えさせてもらう。

 付け加えるルールは、『キャスリング』だ」

 

 『キャスリング』……

 チェスのルールの一つ、その意味は『王の入場』。

 その意味の通り、王であるキングを守り、城兵であるルークを動きやすくする特殊手。

 一手で、キングとルークの場所を変更できる、お得なルールでもある。

 

 「これでキングであるバグを守りつつ、ルークであるキャルロッテとリンを攻撃手に当てやすくしたってわけか」

 神魔がタブレットを見ながら解説してくれた。

 「しかもキャスリングは、一手で二駒を同時に動かすことができる唯一の手だ。

 ゲームの上でも、邪道十三人衆のほうが有利になるのは間違いない」

 

 「それでもやるしかない……このまま世界が崩壊するのを、黙って見ているわけにはいかない!」

 俺はメンバーに檄を飛ばす。

 「みんな、相手はあの王道十二将すらも倒した強敵だ、俺たちじゃ手も足も出ないかもしれない……

 でも止める、止めてみせる……お前たちの故郷でもあるこの世界を、崩壊なんて絶対にさせない!」

 「はい!」

 

 俺はリンカのそばに行き、リンカの目を診てみる。

 「これは……?」

 傷や、病気といった類ではない……?完全に、『視覚』そのものを失っているみたいだ。

 これじゃあ、回復魔法や治療魔法でも、直すことは……

 「マスター、私に構わず戦って下さい」

 「わかった、全て終わったら、現実世界で診てもらおう」

 

 

                   異世界アイドル24側の配置

  

     歩兵竜「ナナ」           香車竜「モモ」

     歩兵竜「ヒビキ」 飛車竜「アイカ」 桂馬竜「ミキ」

     歩兵竜「マフユ」          銀将竜「シノ」

     歩兵竜「アオイ」          金将竜「ラン」

     歩兵竜「フタバ」          王将竜「俺」

     歩兵竜「カルラ」          金将竜「オウカ」

     歩兵竜「カオル」          銀将竜「ユイ」

     歩兵竜「ミソラ」 角行竜「ミコト」 桂馬竜「アカネ」

     歩兵竜「マキ」           香車竜「ヒフミ」

 

 俺はメンバーを配置につかせ、自分も『王将竜』に乗る。

 ちなみに俺の将棋の腕前は……駒の配置と動かし方を知っている程度、数えるほどしかやったことがない。

 なので、サポートとして、タブレットを持った神魔も連れている。

 世界の存亡をかけた戦い……ゲームスタートだ!

 

 「カオル、6の参へ」

 「ポーンドラゴン、3のe」

 「ミコト、6の肆だ」

 「ナイト、3のfだ」

 「お互い、三十秒経過」

 

 「アカネ、7の参へ移動」

 「ビショップ、4のc」

 「アカネ、そのまま5の肆へ展開」

 「ポーンドラゴン、3のb、ビショップの通り道を作り、ナイトと共に防衛だ」

 

 

 お互い手が進む……こうしている間にも、世界の崩壊は進んでいるのか……

 くそっ、でもできるだけメンバーを危険な目に合わせたくない!

 

 その時、レイブンの顔がニヤリと歪む。

 「おいシャルド、反則ギリギリだが、ここからなら狙えるはずだ……やれ!」

 レイブンがシャルドに指示を……まさか!

 

 「アドバンスドアーツ、『影足』!」

 シュインッ

 

 俺の真後ろの影から、ダークマタードラゴンを従えたシャルドが……!

 「ダークマタードラゴン融合、『ディザスタードラゴン』!」

 「くっ!」

 「マスターーーッ!」

 ドガガガガガガガガーーーーッ

 巨大な黒竜の、災厄属性の攻撃……

 

 煙が晴れる……俺の姿はない。

 「えっ……マスター、いったいどこに……?」

 

 「俺は、ここだ」

 ボードの、俺がいた場所に、大きな穴が空いている……

 穴の中から俺とランが出てきた。

 「ランがとっさに『床落とし』で、俺ごとボードの下に落としてくれたんだ……助かった、ありがとうラン」

 「いえ……」

 

 ランが何とかしてくれなかったら、今ので終わっていた。

 レイブン、あの野郎……

 

 「シャルド様、アナタの相手は私です!」

 ミコトが、シャルドと俺の間に入り、牽制してくれている。

 

 あれ、ランの持っている床落とし、少し曲がっているような……

 「ラン……お前の床落とし、ヒビが入っているじゃないか!?」

 「はい……実は数日前からひびが入り、補強し、騙し騙し使っていましたが、さすがにもう限界のようです」

 

 審判の塔で拾ってから今まで、数多くの敵と戦い、何度も窮地を救ってくれた『床落とし』……

 逆に、今までもってくれたってほうが凄いのかも、感謝しかない。

 

 「おそらく、アドバンスドアーツ、あと一回が限界かと思います……なので、『ファイナリティアーツ』を使います」

 「『ファイナリティアーツ』?」

 

 「はい、『ファイナリティアーツ』とは、その名の通り、『最後の必殺技』という意味です。

 通常の技よりも、遥かに強力な威力を放てる一方、

 武器なら、使用後、その武器はコナゴナに砕け散り、二度と元には戻りません。

 人間や生き物なら、命を消費し、その後死亡してしまいます。

 まさに『ファイナル』、命をかけた究極の最終技となるのです」

 

 「そんな『アーツ』があるのか……」

 使用すれば二度と元に戻らない……本当に考えて使わなければならない大技だ。

 

 「ポーンドラゴン前進だ、相手の金将竜を攻撃」

 NPCのポーンが、俺とラン目掛けて突進してきた!

 

 「マスター、床落としに、マスターの最強魔法を撃ってください!」

 「わかった」

 

 俺の前に魔法陣が展開……『炎』『水』『風』『地』『光』『闇』……

 「スー・シュー・ゴウ・レイ・ファシオン

 炎神 水神 風神 地神 光と闇の王をいただきて すべての者に安息と死を……

 六極炎属性ヘキサグラム、『ヘキサゴンフレア』!」

 

 俺の作った大火球は、ランが放った床落とし目掛けて飛び、命中した!

 

 「ファイナリティアーツ、『カグヅチ』!」

 

 バオオオオオオオオオオオオオオオーーーー!!

 俺のヘキサゴンフレアを受けた床落としは、巨大な炎の竜と化し、ポーンドラゴン目掛けて落ちていく!

 ズドガアアアアアアアアーーッ

 ドドドドドドドド……

 

 床落としは、業火の中、散り散りになっていく。

 俺とランの脳裏には、床落としの思い出が、走馬灯のように流れる……

 

 

 「これをキミにあげよう、これで過去を断ち切るんだ!」

 「……はい」

 

 「アドバンスドアーツ、『キュウビ』!」

 ランの体から九本の炎の槍が飛び出し、ベンケイに突き刺さる!

 「グアアアァァーーーでござる!」

 

 「我の捨てた槍でよくぞここまで来た、褒めてやろう」

 「『りさいくる』……」

 「?」

 「捨てたものを修理・再利用して復活させる……

 マスターのいた世界では『りさいくる』と言うそうです。そしてこれはただの『床落とし』ではありません。

 タングステンで補強した、名付けて『床落としマークⅡ』です!」

 

 「ラン、一体どうやって……」

 「自分で自分の足元に『床落とし』をして、ゴーガンのブリザードブレスを回避しました。この中庭に地下があって助かりました」

 「私達の『怒り』と『慟哭』を受けろ!アドバンスドアーツ『キュウビ』!」

 ドンッ!

 

 ランは自分の槍の『床落とし』を構える……

 「実は『錬金術師アルケミスト』のトーコに、『床落とし』に『無色の魔力石』を装着してもらったの……

 この『無色の魔力石』は、どんな魔法も威力を倍にして、槍にエンチャントしてくれる」

 ノノが唱えたメガボルトは、空中の床落としに直撃!そのまま雷を纏った巨大な槍に……

 「レゾナンスアーツ、『巨神おとし』!」

 

 「闇の民レイザさん、私に『闇属性魔法』を!」

 「わかった」

 「行きます、新レゾナンスアーツ、『オロチ』!」

 ランの槍から、八つ巨大な黒龍が飛び出し、敵に襲い掛かる!

 ドガガガガガ……

 

 

 「今までありがとう、さようなら……『床落とし』……」

 

 

 リンVSアオイ

 

 「リン!お願い、誰かリンを止めて!」

 コズミッククイーンが、リンに向かって叫ぶが、リンの攻撃は止まらない。

 「『ギャラクシアンローズ』」

 リンの周りに薔薇の花びらが舞い散り、その中に七人のリンの分身が現れた。

 

 すかさず、バグの指示が入る。

 「リン、7のaへ、敵の歩兵竜を攻撃だ」

 リンが、アオイを攻撃しようとしている!

 「気をつけろ、アオイ!」

 「大丈夫です、クラちゃん、召喚!」

 「ピィーーーーーー!」

 おお、水たまりを亜空間に繋げて、クラちゃんを召喚したのか!

 

 「クラちゃん、触手で攻撃!」

 ドガッドガッドガッ!

 クラちゃんの十本の足で、リンを攻撃、リンの分身はことごとく消えていく。

 

 「残りは一体……本体はあれね、クラちゃん、攻撃よ!」

 「ピイィーーーーー!」

 ドガッ!

 

 「残念だったな、そいつも違うぜぇ」

 レイブンが、楽しそうに、アオイに近づいてきた。

 「そんな、じゃあ本体は一体どこに……?」

 

 「へへへ、丁度いい、お前のそのペットも、オレ様が『強奪』してやろうか……」

 何だと?レイブン、あの野郎……

 「アオイ、クラちゃんを戻せ!レイブンが狙っているぞ!」

 「わかりました、クラちゃん、戻って!」

 「ピピーーー」

 

 そう言われ、クラちゃんが水たまりに戻ろうとした時……

 リンの前に魔法陣が展開……『水』『風』

 「氷の精霊よ 我に宿りて氷結の力高め その息吹で敵を粉砕せよ

 氷属性アナグラム フロストブレス!」

 ビキビキビキ!

 

 「しまった、水たまりが……」

 水たまりが凍り付いて、クラちゃんが戻れなくなった!

 「ピィピィーー……」

 

 「へへへ……観念して、おとなしくオレ様に『強奪』されなっ!」

 レイブンがデスサイズを構える……マズイ!

 「クラちゃん、逃げてーー!」

 アオイの悲痛な叫び……でも逃げるって言っても、このボードの上じゃあ……

 

 「ピィピィ、ピピピピ、ピィーピピ……」

 (アオイ、今までありがとう……)

 クラちゃんが、そういった気がした。

 

 ギュルルルルッ!

 「な、何ぃ!?」

 クラちゃんの触手が、レイブンの体に、何重にも巻きついた!

 「クラちゃん、一体何を……?」

 

 ブブブブブブブ……

 クラちゃんの触手が、振動している……?

 「ピィ……ピイイィィーーーーーッ!!」

 「これはっ!?クラーケンのファイナリティアーツ、『クラーケン絞殺刑ストラングラー』だ!」

 神魔が、タブレットを見ながら叫んだ!

 「なんだって!?」

 バキバキバキバキバキッ!

 

 「うおおおおぉぉーーーー!?」

 さすがのレイブンも焦っている……これは!?

 「クラちゃーーーーーーんっ!」

 ズズシイィィィ……

 

 クラちゃんごと、レイブンが爆発したかと思ったら、その場にはクラちゃんと、もう一体の死体が……

 「自分があの三猿みたいに『強奪』されて、自分の手でアオイを攻撃するくらいだったら、自らの死を選んだってことか……クラちゃんのやつ、バカやろう……」

 「そんな、クラちゃん……」

 その場に泣き崩れるアオイ……

 

 「クックック……危なかったぜぇ、近くのウォリアーに『うつせみ』を使わなかったら、マジでやられていたな」

 「レイブンッ……お前、生きていたのか」

 クラちゃんの死体の、その後ろで、レイブンが腕を組んで立っている。

 「クラーケンを『強奪』できなかったのは残念だったが、そのアオイって女の切り札は無くなっちまったなぁ、さあどうする?」

 「レイブン、てめぇ……」

 

 

 海鳴のホーンVSカルラ

 

 海鳴のホーンが、カルラの前に立ちはだかる。

 「海鳴のホーンの相手はお前のようだな、セイレーン」

 空魔のソウケイが、ホーンの代わりにカルラに話す。

 

 「是……」

 「ん……?話せないのか?」

 「否……」

 「おかしなやつだな……まあいい、たかが魔界の海の魔物、『音バグ』を操るホーンの敵ではないわ」

 ソウケイのやつ、完全にカルラを舐めてかかっているな……

 

 「ホーン、邪道流バグ技、『音バグ・ノイズ』だ!」

 「△◇●&#!$%……」

 海鳴のホーン、何言ってるか全然わからないけど、酷い不快な音だ!

 

 「あーー、あー、あーーー……」

 カルラ、まさかこのノイズに『共鳴』しようとしているのか?

 「△◇●&#!$%……」

 「なんと!?ホーンのノイズまで『共鳴』させることができるのか!?」

 カルラすげー、あの不快な音を『中和』しちゃった。

 

 「くっ、ならば、『音の壁』だ!」

 「わああああああーーーーーー!」

 ホーンの前に、見えない『音の壁』が!

 

 「アー、アー……」

 カルラ……またチューニングしている?

 

 「アアアアアーーーー……」

 バリーーーーンッ!

 

 「そんなバカなっ、『音の壁』まで『共振』で破壊するとは……」

 マジかカルラ、あの『音バグ』に、まったく引けを取っていない、スゲー。

 

 「恐るべき才能だ……なるほど、相当な手練れだな、こんなやつがいたとは……」

 あのソウケイを認めさせたぜ、カルラならこのまま海鳴のホーンも……

 「レイブン、頼む」

 「いいだろう……

 ホーン、お前にこの『三猿』を与える、従えてみせろ」

 「なんだって!?」

 

 レイブンがそう言うと、三猿たちはホーンの前に整列した。

 「今よりお前たち三猿は、この海鳴のホーンと行動を共にせよ……バトルモード!」

 「ウキウキ……ウガアアアアッ!」

 三猿たちが、巨大な大猿のモンスターに!

 「見ザル言わザル聞かザルよ、アドバンスドアーツ『感覚変換エクスチェンジセンス』だ!」

 ピキーーーーーン!

 「キャーーーッ!」

 「しまった、カルラーーーッ!」

 

 カルラは、両手を地面につき、目を見開いて動かない……いや、動けないのか……?

 俺はカルラをアナライズ!

 (な、何も見えない……?耳からも変な音しか聞こえてこない……?)

 「カルラ、視覚と聴覚を入れ替えられたのか!?」

 今のカルラは、耳からは目に見えるものの音が、目には耳から聞こえる音が映像になって見えているってことか……

 「そんな、『聴覚』が使えないんじゃ、『超域絶対音感』も使えない……」

 

 「フフフ……さあて、どうやって料理してやろうか、なあ海鳴のホーンよ」

 海鳴のホーンと、モンスター化した三猿たちが、ゆっくりとカルラに近づく……

 カルラ……くそっ、どうしたらいいんだ……?

 

 

 館長VSミキ

 

 「おばあちゃん、しっかりして!」

 館長に話しかけるミキ……館長もバグ化しているけど、きっと体の中で、自分と戦っているに違いない。

 

 最初の位置から、一歩も動くことなく立っていたバグが、静かに話し出す。

 「館長の能力は『文字バケ』……

 詠唱はモチロン、通常の会話すらも、文字が変換され聞き取ることは不可能となる」

 

 「くっ、『文字バケ』か……

 昔の古いゲームならともかく、今のゲームで『文字バケ』なんて起こるはずないのに」

 俺が昔子供のころにやった、2Dのゲームなら、文字バケするやつもあったかもしれないけど……

 

 「ギガンティックマスター、お前のアナライズも、この文字バケ中ならおそらく、使い物にならないだろう」

 「なんだって!?」

 俺は館長をアナライズしてみた。

 (体の自由が効か……〇△た×※Λ■□02●◎よ……)

 本当だ、アナライズまで文字バケしてる!

 

 (△▼シ荷$%&Σい、9♪Ж!!)

 何を言っているかは、わからない……わからないけど、館長が考えそうなことは、わかる!

 (アタシに構うでない、おやり!)

 きっとこうだ!

 

 「ミキ、館長の思いを無駄にするなっ!」

 「でも、でも私には……」

 

 ズアァァァ……

 「えっ?」

 ミキの持っているネクロノミコンが、異様な妖気を漂わせている……?

 

 と思ったら、今度はマフユの懐にも異様な妖気が……?

 「まさか、これは……」

 マフユが懐から取り出したのは、もう一つの『ネクロノミコン』!?

 「マフユ、お前そのネクロノミコン、持ってきていたのか」

 「このネクロノミコンは、魔界からミコトがやってきたときに持っていたものを、私が拾ったものです。

 まさかミキも同じものを持っているとは思いもしませんでした」

 

 『ネクロノミコン』が、同じ場所に二冊……何か嫌な予感がする。

 異様な妖気を漂わせていた二冊のネクロノミコンは、ミキとマフユの手を離れ、空中で一つになった。

 ブワワワワワ……

 

 二冊のネクロノミコンは、一つになると、一回り大きく、さらにどす黒い一冊の本に変わった……

 「ヒヒヒ……我、二十年の封印を解き、今まさに復活せり、ヒーヒヒヒ……」

 「なんだ、この声は……?」

 

 ドスッドスッドスッ!

 その時、館長の体を、地面から生えた、数本の巨大な針が貫く!

 「ぐふっ……!」

 「おばあちゃーーーん!」

 「そんな、館長ーーーっ!」

 

 空中に浮かんでいたネクロノミコンは、ゆっくりと館長のもとへ降りていく。

 すると、巨大な針で串刺しとなった館長の死体が、みるみる邪悪な姿に変わっていく……

 目が開き、ネクロノミコンを手に取り、静かに話し出す……

 

 「ヒヒヒ……フフフフフハハハ!

 やっと、やっと復活が叶ったぞ!忌々しい封印を施しおって、さあ復讐劇の始まりだ」

 

 「なんだあいつは……バグ、これもお前の差し金か?」

 「違う……これは、私の範疇にない」

 「なんだって!?」

 

 禍々しい妖気を放ち、館長の体を乗っ取ったそいつは、周りを見渡し、またゆっくりと話し出す。

 「私は、『古の、ネクロマンサー』……

 「古のネクロマンサー!?」

 「ミキの父親が封印したっていう、伝説のネクロマンサーか?」

 

 「そんな、お父さんが封印したはずなのに……」

 ミキの父親、祓魔師エクソシストのブックスが、戦いの果てに封印した伝説のネクロマンサー……どうして今頃封印が解けたんだ?

 

 「我は、古い体を捨て、新しい体に転生することで、千年以上生きてきた。

 二十年前、転生するために、災厄眼を持つ赤子の娘に憑依しようとしたが、エクソシストに阻まれ、封印されてしまった」

 「二十年前……私の体を乗っ取るために、憑依しようとしていたのね……」

 

 「ほう、お前あの時の災厄眼の娘か……

 あの時邪魔されなければ、お前は我となり、永遠に生きることができたのになぁ……

 災厄眼の体を手に入れやすくするために、わざわざ不幸になるという虚言まで流したのに……」

 「なっ……あの虚言は、あなたが流したものだったの……?

 そのせいで、いったいどれだけのオッドアイの人が不幸な目に会ったか……」

 ミキは当時のことを思い出し、怒りと悲しみで震えている……

 

 「我はあの時、体と魂を、別々のネクロノミコンに封印されてしまった……

 おかげで封印されたネクロノミコン二冊が揃わないと、現世に顕現できなくなってしまった……忌々しい」

 そうか、それでネクロノミコンが二冊に……でも、今ここで揃ってしまった……

 

 「だが、二冊揃ったおかげで、やっと体と魂が一つになれた。

 お前たちには、感謝しなければなぁ、ヒーヒヒヒ……」

 

 後ろで話を聞いていた、バグが手をかざす……

 「邪道流バグ技、『フリーズ』!」

 ピタッ

 ネクロマンサーはその場で停止した。

 

 ゆっくりと歩き出すバグ……そのままネクロマンサーに触れた。

 バキバキバキバキ……

 ネクロマンサーは、さらに異形な姿に変化していく……

 パチンッ

 バグが指を鳴らすと、ネクロマンサーは何事もなかったかのように動き出す。

 「なっ……この力、これはいったい……?」

 

 「お前を、死んだ館長の代わりにスカウトしよう、私の駒となり、命令に従ってもらう」

 ネクロマンサーは、一瞬目を見開いたが、一つ息を吐くと、ニヤリと不快な笑みを浮かべた。

 「……まあいいだろう、我は、復讐を果たし、永遠に生きることができればそれでいい」

 「では早速働いてもらう、目の前にいるその娘を殺せ、そいつは祓魔師エクソシストブックスの娘だ」

 ネクロマンサーは、くるりと振り向くと、ミキをターゲットに絞る。

 「そうか、お前がブックスの娘か……ならばお前を殺して、その体を乗っ取れば我の復讐は完成する、ヒヒヒ……」

 「くっ……」

 マズイ……今ミキはネクロノミコンも無くし、母親からもらった魔導書のみ……

 

 「フフフ、我はバグ化したことで、更なる力を手に入れた。

 今までダメだった、自分より上のレベルの者の死体も操れるようになった……しかも」

 ネクロマンサーが、パチンと指を鳴らすと、地中から数体の死体が起き上がってきた。

 「そんな、お前たちは……」

 俺たちの目の前には、死んだはずの王道十二将たちの死体と、見知らぬ男女の死体が二体……

 

 「そんな……お父さん、お母さん!」

 ミキが叫ぶ……見知らぬ男女二人、この二人、ミキの両親か!?

 

 「ヒヒヒ……こういうこともあろうかと、死体を取っておいて正解だったな……

 さあ、この死体たちを相手に、お前はどこまで戦えるかな……ヒーヒヒヒヒ」

 

 

 ソウケイVSアカネ

 

 風と大気の技を使い、空中に浮遊しているソウケイが、アカネを見下している……

 「ほう、地獄の番犬と魔界の大蛇を従える、ビーストテイマーか……」

 

 それに気づいたアカネが、戦闘態勢をとる。

 「べロスちゃん、ヒュドラちゃん、いくとよ!」

 

 ソウケイが、ゆっくりと地上に降りてきた。

 「二人とも、目の前にいる、ポーンドラゴンに乗っているソウケイを攻撃とよ!

 べロスちゃん、『獄炎のブレス』! ヒュドラちゃん、『ポイズンブレス』!」

 「バオオオオオオ!」

 「シャアアアアア!」

 べロスとヒュドラの、ブレスによる波状攻撃!

 

 「フフフ……」

 バフゥッ!

 「えっ!?」

 ソウケイが、煙のように消えた!?

 

 「フフフ、今のは私の『ファントムシフト』だ。

 私は、バグ化する前は、幻術使いだったのでな」

 煙のように消えたソウケイの後ろに、もう一人ソウケイが立っている……

 「そんなバカな、俺の『サーチ』にも引っかからなかったぞ!」

 

 「フム、どうやらバグ化したおかげで、サーチにも引っかからない幻術を作ることができるようになったようだ」

 「そんな……」

 「名もなき村の時の、私の幻術も見破れなかったお前たちでは、私の相手などできぬわ」

 名もなき村の幻術……あれはこいつの仕業だったのか。

 

 

 アカネの前に魔法陣が展開……『水』『水』『風』『地』

 「雲合霧集 黄霧四塞 五里霧中 神秘なる霧よ 二度と抜け出せぬ 幻の中へ誘い給え

 蜃気楼属性クアトログラム、『ミラージュ』!」

 バアアアアア……

 やった、ソウケイを霧の中に封じ込めた!

 

 「無駄だ……私は『サーチ』持ちの『シーカー』でもある……この霧の中でも、お前の位置は把握できている。

 そこだ、『乱気流タービュランス』!」

 ババババババァーー!

 「キャーーー!」

 「アカネーー!」

 

 マジか、後ろに回っていたアカネを、まるで見えていたかのように……

 「フッ、幻術使いの私に、幻術を使うなど、愚の骨頂……さあ、そろそろとどめと行こうか」

 

 「くっ、マズイ……アドバンスドアーツ、『逃げ霧』!」

 ザアアアアアア……

 アカネの周りに、白い霧が立ち込める……

 

 ソウケイの前に魔法陣が展開……『水』『風』『風』『風』

 「ダル・キル・マダル・オーレシオ

 怒りの竜 空昇りて天の竜となれ その力もって 今こそ世界を浄化せよ

 竜巻属性クアトログラム、『トルネイド』!」

 グオオオァァ……

 巨大な竜巻が発生して、アカネの霧を全部吹き飛ばしてしまった!

 

 「なっ……霧が……」

 「フフフ、私は大気を操る術も得意でな……どうやら私とお前は、とことん相性が悪いらしい」

 「こっちの技や術がまったく通用しない……

 この人バグ化していなかったとしても、相当強いとよ、まるで勝てる気がしない……」

 

 

 メギードVSイオナ

 

 「キャーー!」

 メギードが、ナナとヒビキを蹴散らしながら、進軍してきた!

 

 「これ以上は行かせません、アドバンスドアーツ、『烈火 白炎剣』!」

 真っ白な炎を纏った、イオナの手刀が、メギードめがけて振り下ろされる!

 

 「ぬうん、『パラディンブレイク』!」

 ガキィィーーンッ!

 

 「な、六千五百度ある、私の『白炎剣』が……」

 メギードは、持っている『はかオガの剣』で、イオナの手刀を受け止めた!

 「バグ化したことで威力が増した、気力と衝撃波で、炎の威力を弱めたんだ……

 気をつけろ、『オーバーキル七重奏クインテッド』なんてまともに受けたら、イオナじゃ耐えられない!」

 

 「くっ、六千五百度でもダメなんて……

 でもこれ以上温度を上げると、私の腕が持たない……」

 

 「イオナ、とりあえず防御に徹して、距離をとれ!」

 「わかりました、『フェニックスウォール』!」

 イオナは、炎の壁『フェニックスウォール』を張りながら、メギードから距離をとる。

 

 するとメギードは、剣を持った右手を真っすぐに上へかかげた。

 「邪道流バグ技、『パラディンブレイク・拡張エクステンション』!」

 ズガガガガガガァァーーー!

 振り下ろした剣から、七つのどでかい衝撃波が飛び散る!

 

 「うわあーーー!」

 「キャーーー!」

 周りにいたメンバーたちは、避けたり、対斬撃結界で防御!

 でも一発一発が『パラディンブレイク』並みの威力……みんな『対斬撃結界』だけじゃ防ぎきれていない!

 

 俺はメギードをアナライズ

 (くそっ、体がいうことを聞かない……誰かオレを止めてくれ!)

 その時、爆発の煙に乗じて、メギードがマキに襲い掛かる!

 マズイ!トレントのマキの防御が、間に合っていない!

 「マキーーー!」

 「邪道流バグ技、『オーバーキル七重奏クインテッド』!」

 ドドガアーーーッ!

 くっ、いくら鋼なみの体といえど、一撃で15554ダメージはさすがに耐え切れない……

 (くっ……オレはなんてことを、すまない、すまない……)

 

 煙が晴れると、そこにはマキはいなく、傷を負ったミソラが……

 ズルズルズル……

 力なくその場に倒れこむミソラ……

 「ミソラーーー!」

 

 「そんな……私、どうして……」

 マキは俺の後ろの安全な場所に移動していた……これは、『うつせみ』?

 いや、六獄の一つ、『幻夢ゲンム』か……?

 

 マキがミソラのもとへ駆けつける……膝の上に横になるミソラ、傷が深い、血が止まらない……

 「ミソラ、なんで……」

 「私がアナタを助けたのは、覚悟の上、アナタは気にしなくていいわ……」

 「でも、でも……」

 マキはミソラの手を握りながら、大粒の涙を流す。

 

 「私たちトレントは、精霊に最も近い存在……

 自分で、自分の『死の気配』を感じ取ることができるの……私は自分の命が、もう長くないことはわかっていたの」

 「だからって、こんな……」

 

 「ゴホッゴホッ……

 マキ、ああマキ……今まで迷惑ばかりかけてごめんなさい、でも、私はアナタに会えて、幸せでした……

 どうか、私の分も、生きて……ゴホッゴホッ……」

 「いや、そんなこと言わないで、ミソラ、死んじゃやだよ……

 また『私の娘です』って言って、私をからかってよ、困らせてよ、お願い……」

 

 「マスター……他のメンバーの中や、十三人衆の中にも、『死の気配』を感じる人がいます……気を付けてください。

 マスター、マキのことを、お願い……しま……」

 ガクッ……

 「ミソラ、ミソラーーー!うわあぁぁん……」

 ミソラ……

 

 

 リュオンVSシノ

 

 「リュオン、7のcだ」

 「まずい……『新たな世界最強の男・リュオン』が攻めてくる、あんな奴、どうやって止めたらいいんだ……?」

 

 シノが、盾を構えながら俺の前に出る。

 「メンバーの中で、最高の防御力の私が止めてみせます!」

 「シノ、たとえお前の『アマノイワト』でも、あいつの攻撃を止めるのは至難の業だぞ」

 「わかっています……でも、盾である私が逃げ出すわけにはいきません!」

 

 「邪道流バグ技、『ヘビーグラフィックフィールド』!」

 ウウゥゥゥン……

 「くうぅぅ……」

 リュオンの周りにプログラムの負荷がかかり、メンバーたちの動きが悪くなっている。

 「みんな、大丈夫か!?」

 俺は普通に動ける……俺はプログラムではないから、負荷がかからないってわけか。

 

 「『ドラゴニックブレス』!」

 バアアアーーーッ!

 「くっ、『アマノイワト・雲』……っ、う、動きが……」

 ドバアァーーッ

 「キャーー!」

 リュオンの『ドラゴニックブレス』は、簡単にシノの『アマノイワト・雲』に風穴をあけた!

 

 「大丈夫か、シノ?」

 「だ、大丈夫です……くっ……」

 全然大丈夫そうじゃない……

 

 「『龍眼りゅうがん』覚醒……はあぁぁ!」

 リュオンの『龍眼りゅうがん』が開き、気力が高まっている……

 「まずい、大技が来るぞ!」

 「私が……『アマノイワト・極』!」

 「シノ、お前じゃ無理だ、下がれ!」

 

 「『アルティメットVブレイク』!」

 ズドガガガガガガガガガーーッ!

 バリーーーンッ

 「キャーーーー!」

 「シノーーーッ!」

 シノの『アマノイワト・極』すらも破壊され、シノはそのまま後ろまで吹き飛ばされ、気絶してしまった。

 ガクッ……

 「シノ、シノーーーッ!」

 

 

 ◇シノの精神世界・シノside

 

 真っ暗闇の中に、私一人が立っている……

 これは、夢……?

 「ここは……私はいったい……?」

 

 スウゥゥ……

 目の前に、私そっくりの女の人が現れる。

 「あなたは……?」

 「私は、シノ……もう一人の、心の中の、アナタ……」

 「もう一人の、私……?」

 

 そのもう一人の私は、まるで私の全てを見透かしているかのような目で、見つめてくる……

 「人間は誰しも、心の中にもう一人の自分がいるわ……良い自分と、悪い自分、マスターの心の中にも、天使と悪魔がいたようにね」

 「良い自分と、悪い自分……?」

 「今アナタは自問自答していることになるわ……アナタは今迷っている、だから私が出てきたの」

 「……」

 

 本当に、全部見透かされているみたい。

 「アナタは今、悩んでいるわね……あの技を使うことを」

 「……」

 「あの技を使えば、あなたは確実に死ぬことになる。

 もうマスターには会えないし、メンバーともお別れ」

 「そう……ね」

 

 私は現実を突きつけられ、少し目を伏せた。

 「私は、そこまでする必要はないと思うわ……

 アナタは、マスターに尽くしている自分を、美化しているだけじゃない?もっと自分の幸せを考えてもいいはずよ」

 「でも、このままだと……」

 

 もう一人の私は、くるりと後ろを向くと、まるで独り言のように話し出す……

 「たとえ世界が崩壊しても、マスターの現実世界に避難すればいいだけのこと。

 それに、崩壊後は新しい世界をまた作ると言っているわ、現実世界が嫌なら、またその世界に行けばいい」

 「……」

 「それに、このままでいいの?」

  

 私はドキッとした……今まで避けてきた、本当の私の気持ち……

 「アイカさんがいる限り、マスターが私に振り向くことはないわ……悲しいけど。

 だったら、アナタはアナタの幸せを探すべきだわ」

 「私の幸せ……?」

 

 「今のアナタは、奴隷だった昔とは違う。

 今のアナタは現実世界の『あいどる24』の「上林志乃」と瓜二つ、男性たちが放っておくわけがないわ。

 こちらの世界であっても、その美貌があればどこの貴族であろうと選び放題」

 「……」

 

 私の幸せ……何度も、考えたことがあった。

 「結婚だけが女の幸せではないわ……

 でもね、恋をして、結婚して、家庭を持つ……女として生まれたのなら、当然望んでもいいことよ」

 まさに正論……マスター以外の人と結婚して、家庭を持つ、それが幸せ……?

 

 「マスターも、アナタが幸せになるなら、そうした方がいいときっと言うわ」

 「そうね……

 確かに、マスターならそう言うでしょう」

 聞かなくてもわかる、マスターはきっと、私の一番を考えてくれる人……でも

 

 

 「アナタが言っていることは、全部正論、一つも間違ってはいないわ……」

 「じゃあ……」

 

 「でも、正論じゃないの……私、やっぱりマスターが好き。

 あの笑顔も、頭ポンポンしてくれる手も、ほめてくれた時の声も、全部好き。

 あの時マスターに出会っていなければ、私はたぶんこの世にいなかったと思う……

 マスターに命を救ってもらったこの恩を返したい。

 マスターにはずっと笑っていてほしいから」

 

 「アナタがマスターのことが大好きだということはわかっているわ。

 でもそれでは、アナタばかりが不幸になるのではなくて?」

 

 私は、マスターのことを思いながら、自分の考えを話す。

 「愛は自己犠牲だって言うけど、それは違うわ。

 ちゃんとそれに見合う対価を、すでにもらっているもの……

 あの笑顔、手のぬくもり、必要としてくれたこと、手を差し伸べてくれたこと、思ってくれたこと……

 そのすべてが愛につながる」

 

 私は、何か吹っ切れたような、覚悟を決めたような、そんな気持ちになった。

 「私の幸せは、マスターなしではありえない」

 

 もう一人の私は、目を閉じ、ため息を一つ……

 「私、もう迷わない……

 マスターのため、メンバーのため、この世界のため、私は戦う。

 私は『異世界あいどる24』の盾……盾が逃げるわけにはいかないわ!」

 

 もう一人の私は、少し笑顔になった……

 「アナタが見かけによらず頑固者だってことは、知っているわ。

 だって私はアナタだから」

 「うん」

 

 「覚悟を決めたのなら、行きなさい……私たちは、いつも一緒よ」

 「ありがとう、もう一人の私……」

 

 

 〇俺side

 

 「はっ……」

 シノが目を開けた。

 「気が付いたか、シノ、よかった」

 

 シノが、ゆっくりと立ち上がる……

 「シノ、無理するな、下がれ!」

 ヒイィィ……

 シノの体から、何かオーラのようなものが立ち上っている……?

 シノの顔も、いつもの顔ではなく、覚悟を決めたような真剣な顔……

 

 「使うわ、私の命……マスターのために!」

 シノが構えると、シノの周りを色違いの四枚の盾が回りだし、合体し巨大な光る盾に……

 「ファイナリティアーツ!」

 ヒイイィィィ……

 「なっ、シノ、今『ファイナリティアーツ』って言ったのか!?」

 巨大な光る盾は、さらに発光し、ボード全てを覆いつくす……

 

 「『アマノイワト・ゼロ』!」

 

 

 ☆今回の成果

  ラン ファイナリティアーツ『カグヅチ』

  クラーケンファイナリティアーツ『クラーケン絞殺刑ストラングラー

  シノ ファイナリティアーツ『アマノイワト・ゼロ』?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ