秋の忘れ物
暑さが長く地を這って
季節の境目がよく分からない
終わりかけの夏の概念
残暑ちゃんと別れの予感
秋の忘れ物
紅葉が色付くのをまるで
残暑は拒んでいるみたいだ
秋の訪れを感じる前にもう
冬がすぐ近く迫ってる
涼しくなり始めてもまだ
季節外れを更新する暑さ
衣替えなんてさせないからって
残暑ちゃんは今日もツンデレだ
読書の秋 食欲の秋
スポーツの秋 暑いままの秋
何もかもを夏を引きずりながら
秋の思い出として残してた
夏を忘れられたくないなんて
潤んだ目をしながら縋る
残暑ちゃんに振り回されながら
今日もただ秋を消費する
もう時の流れに逆らえないんだと
ただ寒くなっていく地の上で
夏と秋をグラデーションのように
翻弄した残暑ちゃんは消えた
ふと立ち寄った冬のカフェで
小さな落ち葉を拾い上げた
夏に残せたものは無いけど
この身が暑さを覚えてる
○お読みいただきありがとうございます。
ブックマークや評価をぜひお願いします。
(評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます)
2021年10月になっても確かしばらく暑くて天候にキレてた記憶があり、そのうち夏なのか暑さなのかの概念のような残暑ちゃんと脳内会話しながらゆるりと時が過ぎていく「残暑ちゃんと秋人くん」という話が思い浮かび、暑さにキレているうちに書いてみようと思ったのですが、エクストリーム社畜ゆえ志半ばで頓挫しました。今思えば字面を見れば見るほどヤバいのを書こうとしていたのではないかと思っています。