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11.

 私の復讐には、万能薬の完成が不可欠だった。


 もちろん、そのためだけに万能薬の開発をしているのではないし、復讐を決める以前から、万能薬の開発に着手していた。

 私たちは来る日も来る日も、開発室を訪れては、実験データを見直し、何度も調整を行い、万能薬の完成を目指した。

 屋敷を出てからすでに、一か月近くが経過している。

 

 今も苦しみながら、万能薬の完成を待ち望んでいる人たちが何人もいる。

 その人たちのためにも、私たちは万能薬を完成させる必要がある。

 そして、さらに一週間が経過した。


「ついに、完成したぞ!」

 

 開発室の所長が歓喜の声をあげた。

 やっと、完成した……。


 しかし、実際にはまだわからない。

 人間で試したことは、まだ一度もない。

 いきなり、難病で苦しんでいる人たちに与えるわけにもいかない。

 まずは、効果を検証する必要がある。

 そこで、誰が最初に万能薬を試すのか、という話になった。


「私に、やらせてください」


 私は手を上げた。

 そもそもこの万能薬は、私の考えた理論が元になっている。

 まずは、それを考えた私が試すべきだと思ったのだ。


 そして、私が万能薬を試した結果を、世間に公表することにした。

 その方が、これから万能薬を摂取しようとしている人たちの不安も和らぐかもしれないと考えたのだ。

 私はさっそく新聞社に勤める友人を呼んだ。

 そして、私は自身の体で、万能薬を試すことにした。


 その結果は……。


     *


 (※ナターシャ視点)


 私はあれから毎日新聞を読んでいる。


 万能薬の記事は、毎日掲載されている。

 万能薬自体のことはもちろんのこと、それを与えられる人々に焦点を当てた記事も掲載されている。

 もちろん、その人々のうちの一人は、この私だ。

 今では私は、世間から注目されている人物なのだ。


 世間の人々は、万能薬で奇跡的に回復するという、感動を期待している。

 私にとっては、万能薬を飲まないという選択肢は、ないに等しかった。

 悔しいけど、すべては、レイチェルの計算通りになっていた……。


 そして、今日の新聞に掲載されている万能薬に関する記事には、驚くべき内容が書かれていた。

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