天使装甲エンジェーマー【シナリオ版】
シナリオ形式は読みづらいというには、小説形式版もあります。
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■紹介>
28ページ想定。変身ヒーローものです、きっと……たぶん……まあそう思って読みゃあそう見えるかも。(汗)
かなり以前に考えた同人ADV用のネタ(没)を少年漫画風にアレンジしようと試みてみたもの。なお流用はネタだけで、人物も物語も漫画用に新しく作りなおしました。
■あらすじ>
権大寺博士の息子、誠は、紗枝とのデート中に、テロ国家『北部連合』の工作員に白昼堂々と拉致される。だが、彼には強い、しかし大きな問題のある味方(?)がいたのだった……没シナリオの再公開~。
<人物>
誠:科学者・権大寺博士の息子。男前だがちょっと優柔不断?
紗奈:誠のGF。勝ち気。
風華:エンジェマ・ホーク。ロングで眼鏡の静かな女性。
海美:エンジェマ・シャーク。ちょっとセクシー?な雰囲気。
森枝:エンジェマ・ベアー。野生的な感じ。
デルベロス:テロ国家『北部連合』工作員のボス。
工作員:『北部連合』の下っ端たち。
ファシス大佐:『北部連合』と対立する組織、『帝国同盟』の幹部。
構成員:『帝国同盟』の下っ端たち。
[1]
□
怒りを抑えてる紗奈。
紗奈「あのね、誠。」
□
誠、隣に座ってる。
誠(笑顔)「なに、紗奈? …あ、ああ。愛してるよ」
□ そこは港が見える公園のベンチ。
近景で二人が並んで座ってる。
紗奈(怒りを抑えつつ)「いえ、それはいいの。私が言いたいのはそんなことじゃなくて…………」
誠「なに?」
□
バッ!
紗奈、立ち上がり誠の前に立ちはだかる。
怒りのオーラ全開。
[2]
□
紗奈(絶叫)「いったいどこの世界に、デートに女連れで来る奴がいるのよっ!!」
誠の隣、紗奈がいたのと反対側に、お皿を手に持ち落ち着いてカップで紅茶を
飲んでる風華が。
□
風華(にこっ)「あ、私のことはどうかお気になさらず。」
紗奈(怒)「気にならないわけないでしょっ!!」
[3]
□
T「天使装甲 エンジェーマー (Angearmer)」
[4]
□
3人、公園を歩いてる。
先にどんどん行く不機嫌な紗奈、
追うように説得しながら誠、
その後をおしとやかについていく風華。
誠「しょうがないだろ、父さんの命令なんだから!」「…そりゃ、紗奈には悪いと思うけど。こいつらはボディガードなんだよ、僕と君の!」
□
紗奈「へえ~。女に自分を守らせてんですか誠くんは。」
□
誠「だからそれは、やむを得ない事情が……」
紗奈「どんな事情だか!」
□
誠「あのさ、紗奈……」
□
誠「俺の父さんは、ほら生物化学者だろ。」
紗奈「無名のね!」
誠「父さんの研究をねらってる奴がいるんだよ。テロリストとかが。」
[5]
□
誠「頼むよ……わかってくれ、紗奈。」
紗奈(背を向けたまま)「そんなつくり話、信じろっての?」
□
風華「紗奈さん。信じても信じなくても真実は真実なんですよ。」
紗奈「フン!」
□
公園の外、引越し屋の2tトラックが三人を見張るように徐行してる。
□
風華「! 誠さん、来ます!」
誠「!」
[6]
□
バッ!
いきなり、工作員たちが三人を取り囲む。手にはさまざまな銃器。
その後ろには、レフ板を持った男たち…まるで特撮ヒーロー物の撮影のよう。
デルベロスが指揮。
紗奈「!!」
□
デルベロス「ふふふ……ガールフレンドを射殺されたくなければ大人しくしてもらおうか、権大寺誠くん」
□
紗奈(両手を挙げつつ、パニック)「な、な、な、なんなのよ、コレ? テレビの撮影?」
□
風華(小声)「誠さん、アーミングを!」
誠(赤面して)「紗奈の前で? イヤだよ!」
□ 走ってるトラック。
□
荷台に、3人が縛らられて転がされてる。
見張りの工作員たちもいる。
[7]
□
誠「まさか白昼堂々町中でしかけてくるとはな……」
デルベロス「ふふふ……堂々とやる方がかえって疑われないものさ。誰もがあれをチープなヒーロー物の撮影だと思うはずだ。」
□
紗奈「撮影じゃないの?」
デルベロス「みろ、お嬢さんなどまだわかってない、ふふふ……」
□
どん!
誠、地下室にほうり込まれる。
□
室内には誠と紗奈が。
風華は扉の外で捕まってる。
誠「俺達を拉致してどうするつもりだ!」
デルベロス「知れたことよ!」
□
デルベロス「一人息子の貴様を人質に権大寺博士をおびき出し、祖国へお連れするのだ。」
□
誠「親父がキサマらなんかに従うもんか!」
デルベロス「それは試してみないとわからんことだ。」
(さりげなく、地下牢の上部に鉄格子窓が見える。)
[8]
□
デルベロス「この女は研究室に!」
工作員「はっ!」
風華「誠さん!」
誠の声「風華っ!」
扉が閉じられる。
□ガシャーン!
誠、口惜しそうに睨み付ける。
紗奈「誠! これはいったいどういうこと!?」
□
誠「紗奈、落ち着いて聞いてくれ。俺達はテロ組織『北部連合』の工作員に拉致されたんだ。」
紗奈「えっ!?」
□
誠「テロ国家『北部連合』の目的は、俺達じゃなく父さんだ。父さんの研究、『エンジェーマー』が目的なんだ。」
[9]
□
誠(扉の方を睨み付け)「こんなことが無いよう気を付けてたんだけど……まさか公園で襲われるとは。」
紗奈「それでボディガードが……でも、役に立たなかったわね、あのひと。」
□
誠「風華……大丈夫かな。」
□ 夜。
□
コン!
音に気がつく誠。
□
鉄格子窓の外に、海美と森枝の顔が。
誠「海美……それに森枝!」
森枝「シッ!」
[10]
□ 外。
2人が腹ばいになって、通気孔のような窓を覗き込んでる
森枝「何やってるのよ誠ちゃん?」
海美「風華がついてたのにだらしないわね。」
□
誠「めんぼくない」
海美「すぐ森枝とアーミングし脱出して!」
□
誠「今、ここで!?」
森枝(鉄格子に顔を押し付け)「顔は届くわね、さあ、早く」
□
ちらっ
誠、紗奈を見る。
紗奈「?」
□
誠「紗奈、ちょっとの間、むこう向いててくれないか?」
紗奈「なんで? 何を始めるの?」
□
誠「アーミング……見られたくないんだ、紗奈には。」
□
紗奈「嫌よ! もうここまで巻き込まれたんだもん、すべて知りたいわ!」
[11]
□
海美「急がないと見張りが来る。誠さん、早く!」
誠(紗奈に)「しかたないな… 騒ぐなよ、紗奈?」
□
紗奈(疑問顔)「?」
□
紗奈(驚愕)「!!」
□
鉄格子ごしにキスをする誠と森枝。
紗奈の声無き声「!!!」
□
紗奈「ちょっ……なっ、なっ、何やってんのよあんたたち…!!」
□
ピカァッ!
誠と森枝から閃光が走る。
[12]
□
AB「エンジェマ・ベアー!」
誠、アーミング(装甲化)してエンジェマ・ベアー(AB)となる。
誠を縛っていたロープがちぎれて飛び散る。
□
紗奈(驚愕)「……誠!?」
[13]
□
CRASH!
AB、扉を打ち破る。
部屋でトランプをしていた工作員たちは驚愕。
工作員たち「な、何だ!?」
□
キィィィィ……
AB、破壊の埃の向こうに立つ。
□
工作員「エンジェーマーだ! 撃て!」
工作員たち、発砲。
ドドドドド
BANG! BANG!
□
くわっ!
ABの目が光る。
[14]
□
グワッ!!
CRASH!!
AB、大暴れ。
工作員たちを殴り倒していく。
□ 同
□ 同
[15]
□ 全員倒したところで、紗奈が扉から覗く。
紗奈「ま、誠、…大丈夫?」
□
AB(振り向いて)「見張りは全員やっつけた。脱出して風華を助けよう。」
□ 地下道。
4人が地下道を走る。(アーミングは解いてる)
誠「つまり……エンジェーマーは父さんの研究成果のひとつなんだ」
[16]
□
誠「アーミングと言って、人の装甲になる力を持ってる特殊能力者なんだ、彼女たちは。」
紗奈(悲しそうに)「そのアーミングに誠とのキスが必要ってこと?」
□
海美「粘膜接触で一体化するエンジェーマーは、偶然に開発された現象なんです。」
森枝(頭を掻きながら溜息)「相性でもあるのか、特定の人にしか装甲化できないのよね~。」「私たち3人は誠ちゃんに反応するの。」
□
紗奈(困り顔)「ううっ……理屈はなんとか納得したけど、感情が……」
誠「シッ!」
□
ドドドドド……
遠くから響いてくる音。
海美(誠に顔を寄せ)「この音は…海水!」
□
誠(緊張顔)「海美! アーミングだ!」
海美(笑顔)「ええっ♥」
歯を剥いて怒り泣きしてる紗奈を、森枝が苦笑しながら羽交い締め
[17]
□
抱き合って唇を重ねる2人。
□
さらに濃厚に。
誠(汗)「……」
海美(赤面して嬉しそう)「んん…んっ♥」
ピカァッ!
□
紗奈(涙顔)「っっっ!! ーっ!!!」
森枝(引きつり笑いしつつ紗奈の口をふさぎ)「紗奈さん、おさえておさえて!」
[18]
□
AS「エンジェマ・シャーク!」
地下道を渦巻く濁流の中、森枝と紗奈を抱いて泳いでいくAS。
□
AS、紗奈と森枝の口に手を当て、水を飲まないようにしている。
[19]
□
V0000M!
海上へ飛び出る3人。
□ 岸の近くの薮の中。
すでにアーミングは解かれてる。
紗奈に背を向け服を絞ってる誠。
前を隠してる下着姿の紗奈と森枝。
誠「エンジェマ・ベアーは筋力を増強する装甲、エンジェマ・シャークは水中から酸素を透過する装甲なんだ。」
紗奈「だから、手を通して息ができたのね。」
□
がさがさ…
薮を掻き分けて出てきた海美。
海美「誠さんっ、発信機が反応したわ。風華の居場所が…」
誠「なにっ!? すぐ行こう!」
□
森枝(顔を寄せ)「また私の番かな?」
誠(赤面)「あ、ちょっ……」
海美「ずるいですよね。」
紗奈(怒)「そーゆー問題じゃないでしょっ!!」
[20]
□ 場面転換。研究室。
中央にベッドがあり、風華が手足を拘束されている。
周囲に、白衣の工作員たち。
□
デルベロス「さて……エンジェーマーのお嬢さん。この世に言い残すことはないかな? 解剖されたらもう命はないのだからな。」
□
風華「……死にはしないわ。誠さんが必ず私を救ってくれますもの。」
□
デルベロス「フフフ…権大寺誠くんは地下牢でなすすべも無く口惜しがってるよ。……では、解剖を開始する。」
□
デルベロスの声「CTスキャンだけでは解けなかった謎がこれでわかるだろう。」
風華に迫る。メス。
恐怖で緊張する風華。
[21]
□
ZDooooM!!
バラバラバラ……
壁が崩れて数人の影が。
デルベロス「な、なんだ!?」
□
軍服姿のファシス大佐。
ファシス「そのエンジェーマー、こちらに渡してもらおうか。」
□
デルベロス「き、貴様……『帝国同盟』のファシス大佐!」
□
ファシス大佐「エンジェーマーは究極兵器! キサマら『北部連合』にはわたせん! 構成員ども、やれ!」
構成員たちが銃を構え突入。
[22]
□
ダダダダ
BANG! BANG!……
研究室で銃撃戦。
□
銃撃戦。
□
銃撃戦。
□ 外。
壁際に誠たちが隠れている。
誠「海美の作戦通り情報を漏洩してみたけど…かえってまずいことになっちゃったんじゃないか?」
海美「いえ、この混乱に乗じて風華を!」
[23]
□
ガッ…!
弾雨を潜り研究室に突入するAB。
□
デルベロス(驚)「エンジェーマー!」
□
風華(喜)「誠さん!」
□
Dooom!
ZZZZZ!
ABが暴れまわる。
□
ファシス大佐「生身の構成員ではエンジェーマーには勝てない! 一時転進(=退却)!」
□
誠、風華の縛めを解く。
誠(すでにアーミングを解いてる)「風華、大丈夫か!?」
風華「誠さん、デルベロスがヘリで逃げます! アーミングして追跡しましょう!」
[24]
□
ベッド上に腰掛けた風華と誠のキスシーン。
誠の首に腕を廻してる風華…必要以上に濃厚に。(笑)
風華「あんっ…♥」
□
森枝「…怒らないの?」
紗枝(くやし涙を流しつつ)「もう慣れたわ。」
□ 空
バリバリバリバリバリ……
逃げて行くヘリ。
□ ヘリの中。
工作員「同志デルベロス様! 何か近づいてきます!」
デルベロス「なに!?」
[25]
□ 空。
Goooooowm…
空を飛んで近づいて来る物体…
□
それはAH。
AH「エンジェマ・ホーク!!」
□ ヘリの中。
デルベロス「エンジェーマーだ! 撃墜しろ!」
□
Zvoooom!
ヘリの銃撃。
□ 空。
太陽の方へすっとんでいく、ヘリとAH。
[26]
□
DWooooooM!!
空中で大爆発。
それを見ながら浮いているAH。
[27]
□ 海。
岸辺にいる、誠たち5人。
森枝「ファシス大佐には逃げられちゃったけど」
海美「やつらの拠点をひとつ破壊できた…作戦成功、ね。」
□
風華、誠の後ろから近づき
風華「あの…誠さん」
□
風華、誠の胸にしなだれかかって
風華「私、信じてました。きっと誠さんが助けてくれるって!」
誠、受け止めて赤面
紗奈(泣き怒り)「☆!!!! そういうのは私の役廻りのはずよっ!?」
森枝(呆れ笑)「慣れたんじゃなかったの?」
紗奈「これはアーミングに不必要でしょっ!」
□
ハァ、ハァ、ハァ、
紗奈、海を睨みながら、顔にタテ線で
拳を握り締め。
紗奈「誠……私、決めたわ。」
誠「紗奈?」
紗奈「私……」
[28]
□
紗奈(拳を見つめ決意の表情)「私、誠と結婚する!」
一同(驚き)「おーーーーっ!?」
□
紗奈「そして、誠のお父さんに私専用のエンジェーマーを開発してもらうのよ!」
「誠と同じく、三人のたくましい男性にキスと引き換えで守られる私…ああ、
なんて美しきべるさいゆっ!!(はーと)」
すでに自分の世界に入ってしまって完全に恍惚。涎もちょっと。(笑)
誠(涙流して大焦り)「さ、さ、さ、紗奈ーっ!?」
そして、後ろで呆れたり笑ったりしてる3人だった。
---おわり