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漫画原作(未作画)

天使装甲エンジェーマー【シナリオ版】

作者: 阿僧祇

シナリオ形式は読みづらいというには、小説形式版もあります。

https://ncode.syosetu.com/n0407v/


■紹介>

 28ページ想定。変身ヒーローものです、きっと……たぶん……まあそう思って読みゃあそう見えるかも。(汗)

 かなり以前に考えた同人ADV用のネタ(没)を少年漫画風にアレンジしようと試みてみたもの。なお流用はネタだけで、人物も物語も漫画用に新しく作りなおしました。


■あらすじ>

 権大寺博士の息子、誠は、紗枝とのデート中に、テロ国家『北部連合』の工作員に白昼堂々と拉致される。だが、彼には強い、しかし大きな問題のある味方(?)がいたのだった……没シナリオの再公開~。


<人物>

(まこと):科学者・権大寺博士の息子。男前だがちょっと優柔不断?

紗奈(さえ):誠のGF。勝ち気。


風華(ふうか):エンジェマ・ホーク。ロングで眼鏡の静かな女性。

海美(うみ):エンジェマ・シャーク。ちょっとセクシー?な雰囲気。

森枝(もりえ):エンジェマ・ベアー。野生的な感じ。


デルベロス:テロ国家『北部連合』工作員のボス。

工作員:『北部連合』の下っ端たち。


ファシス大佐:『北部連合』と対立する組織、『帝国同盟』の幹部。

構成員:『帝国同盟』の下っ端たち。


[1]

  怒りを抑えてる紗奈。

紗奈「あのね、誠。」

  誠、隣に座ってる。

誠(笑顔)「なに、紗奈? …あ、ああ。愛してるよ」

□ そこは港が見える公園のベンチ。

  近景で二人が並んで座ってる。

紗奈(怒りを抑えつつ)「いえ、それはいいの。私が言いたいのはそんなことじゃなくて…………」

誠「なに?」

バッ!

  紗奈、立ち上がり誠の前に立ちはだかる。

  怒りのオーラ全開。


[2]

紗奈(絶叫)「いったいどこの世界に、デートに女連れで来る奴がいるのよっ!!」

  誠の隣、紗奈がいたのと反対側に、お皿を手に持ち落ち着いてカップで紅茶を

  飲んでる風華が。

風華(にこっ)「あ、私のことはどうかお気になさらず。」

紗奈(怒)「気にならないわけないでしょっ!!」


[3]

T「天使装甲 エンジェーマー (Angearmer)」


[4]

  3人、公園を歩いてる。

  先にどんどん行く不機嫌な紗奈、

  追うように説得しながら誠、

  その後をおしとやかについていく風華。

誠「しょうがないだろ、父さんの命令なんだから!」「…そりゃ、紗奈には悪いと思うけど。こいつらはボディガードなんだよ、僕と君の!」

紗奈「へえ~。女に自分を守らせてんですか誠くんは。」

誠「だからそれは、やむを得ない事情が……」

紗奈「どんな事情だか!」

誠「あのさ、紗奈……」

誠「俺の父さんは、ほら生物化学者だろ。」

紗奈「無名のね!」

誠「父さんの研究をねらってる奴がいるんだよ。テロリストとかが。」


[5]

誠「頼むよ……わかってくれ、紗奈。」

紗奈(背を向けたまま)「そんなつくり話、信じろっての?」

風華「紗奈さん。信じても信じなくても真実は真実なんですよ。」

紗奈「フン!」


  公園の外、引越し屋の2tトラックが三人を見張るように徐行してる。


風華「! 誠さん、来ます!」

誠「!」


[6]

バッ!

  いきなり、工作員たちが三人を取り囲む。手にはさまざまな銃器。

  その後ろには、レフ板を持った男たち…まるで特撮ヒーロー物の撮影のよう。

  デルベロスが指揮。

紗奈「!!」

デルベロス「ふふふ……ガールフレンドを射殺されたくなければ大人しくしてもらおうか、権大寺誠くん」

紗奈(両手を挙げつつ、パニック)「な、な、な、なんなのよ、コレ? テレビの撮影?」

風華(小声)「誠さん、アーミングを!」

誠(赤面して)「紗奈の前で? イヤだよ!」


□ 走ってるトラック。

  荷台に、3人が縛らられて転がされてる。

  見張りの工作員たちもいる。


[7]

誠「まさか白昼堂々町中でしかけてくるとはな……」

デルベロス「ふふふ……堂々とやる方がかえって疑われないものさ。誰もがあれをチープなヒーロー物の撮影だと思うはずだ。」

紗奈「撮影じゃないの?」

デルベロス「みろ、お嬢さんなどまだわかってない、ふふふ……」


どん!

  誠、地下室にほうり込まれる。

  室内には誠と紗奈が。

  風華は扉の外で捕まってる。

誠「俺達を拉致してどうするつもりだ!」

デルベロス「知れたことよ!」

デルベロス「一人息子の貴様を人質に権大寺博士をおびき出し、祖国へお連れするのだ。」

誠「親父がキサマらなんかに従うもんか!」

デルベロス「それは試してみないとわからんことだ。」

  (さりげなく、地下牢の上部に鉄格子窓が見える。)


[8]

デルベロス「この女は研究室に!」

工作員「はっ!」

風華「誠さん!」

誠の声「風華っ!」

  扉が閉じられる。

□ガシャーン!

  誠、口惜しそうに睨み付ける。

紗奈「誠! これはいったいどういうこと!?」

誠「紗奈、落ち着いて聞いてくれ。俺達はテロ組織『北部連合』の工作員に拉致されたんだ。」

紗奈「えっ!?」

誠「テロ国家『北部連合』の目的は、俺達じゃなく父さんだ。父さんの研究、『エンジェーマー』が目的なんだ。」


[9]

誠(扉の方を睨み付け)「こんなことが無いよう気を付けてたんだけど……まさか公園で襲われるとは。」

紗奈「それでボディガードが……でも、役に立たなかったわね、あのひと。」

誠「風華……大丈夫かな。」


□ 夜。


コン!

  音に気がつく誠。

  鉄格子窓の外に、海美と森枝の顔が。

誠「海美……それに森枝!」

森枝「シッ!」


[10]

□ 外。

  2人が腹ばいになって、通気孔のような窓を覗き込んでる

森枝「何やってるのよ誠ちゃん?」

海美「風華がついてたのにだらしないわね。」

誠「めんぼくない」

海美「すぐ森枝とアーミングし脱出して!」

誠「今、ここで!?」

森枝(鉄格子に顔を押し付け)「顔は届くわね、さあ、早く」

ちらっ

  誠、紗奈を見る。

紗奈「?」

誠「紗奈、ちょっとの間、むこう向いててくれないか?」

紗奈「なんで? 何を始めるの?」

誠「アーミング……見られたくないんだ、紗奈には。」

紗奈「嫌よ! もうここまで巻き込まれたんだもん、すべて知りたいわ!」


[11]

海美「急がないと見張りが来る。誠さん、早く!」

誠(紗奈に)「しかたないな… 騒ぐなよ、紗奈?」

紗奈(疑問顔)「?」

紗奈(驚愕)「!!」

  鉄格子ごしにキスをする誠と森枝。

紗奈の声無き声「!!!」


紗奈「ちょっ……なっ、なっ、何やってんのよあんたたち…!!」

ピカァッ!

  誠と森枝から閃光が走る。


[12]

AB「エンジェマ・ベアー!」

  誠、アーミング(装甲化)してエンジェマ・ベアー(AB)となる。

  誠を縛っていたロープがちぎれて飛び散る。

紗奈(驚愕)「……誠!?」


[13]

CRASH!

  AB、扉を打ち破る。

  部屋でトランプをしていた工作員たちは驚愕。

工作員たち「な、何だ!?」

キィィィィ……

  AB、破壊の埃の向こうに立つ。

工作員「エンジェーマーだ! 撃て!」

  工作員たち、発砲。

ドドドドド

BANG! BANG!

くわっ!

  ABの目が光る。


[14]

グワッ!!

CRASH!!

  AB、大暴れ。

  工作員たちを殴り倒していく。

□ 同

□ 同


[15]

□ 全員倒したところで、紗奈が扉から覗く。

紗奈「ま、誠、…大丈夫?」

AB(振り向いて)「見張りは全員やっつけた。脱出して風華を助けよう。」


□ 地下道。

  4人が地下道を走る。(アーミングは解いてる)

誠「つまり……エンジェーマーは父さんの研究成果のひとつなんだ」


[16]

誠「アーミングと言って、人の装甲になる力を持ってる特殊能力者なんだ、彼女たちは。」

紗奈(悲しそうに)「そのアーミングに誠とのキスが必要ってこと?」

海美「粘膜接触で一体化するエンジェーマーは、偶然に開発された現象なんです。」

森枝(頭を掻きながら溜息)「相性でもあるのか、特定の人にしか装甲化できないのよね~。」「私たち3人は誠ちゃんに反応するの。」

紗奈(困り顔)「ううっ……理屈はなんとか納得したけど、感情が……」

誠「シッ!」

ドドドドド……

  遠くから響いてくる音。

海美(誠に顔を寄せ)「この音は…海水!」

誠(緊張顔)「海美! アーミングだ!」

海美(笑顔)「ええっ♥」

  歯を剥いて怒り泣きしてる紗奈を、森枝が苦笑しながら羽交い締め


[17]

  抱き合って唇を重ねる2人。

  さらに濃厚に。

誠(汗)「……」

海美(赤面して嬉しそう)「んん…んっ♥」

ピカァッ!

紗奈(涙顔)「っっっ!! ーっ!!!」

森枝(引きつり笑いしつつ紗奈の口をふさぎ)「紗奈さん、おさえておさえて!」


[18]

AS「エンジェマ・シャーク!」

  地下道を渦巻く濁流の中、森枝と紗奈を抱いて泳いでいくAS。

  AS、紗奈と森枝の口に手を当て、水を飲まないようにしている。


[19]

V0000M!

  海上へ飛び出る3人。


□ 岸の近くの薮の中。

  すでにアーミングは解かれてる。

  紗奈に背を向け服を絞ってる誠。

  前を隠してる下着姿の紗奈と森枝。

誠「エンジェマ・ベアーは筋力を増強する装甲、エンジェマ・シャークは水中から酸素を透過する装甲なんだ。」

紗奈「だから、手を通して息ができたのね。」


がさがさ…

  薮を掻き分けて出てきた海美。

海美「誠さんっ、発信機が反応したわ。風華の居場所が…」

誠「なにっ!? すぐ行こう!」

森枝(顔を寄せ)「また私の番かな?」

誠(赤面)「あ、ちょっ……」

海美「ずるいですよね。」

紗奈(怒)「そーゆー問題じゃないでしょっ!!」


[20]

□ 場面転換。研究室。

  中央にベッドがあり、風華が手足を拘束されている。

  周囲に、白衣の工作員たち。

デルベロス「さて……エンジェーマーのお嬢さん。この世に言い残すことはないかな? 解剖されたらもう命はないのだからな。」

風華「……死にはしないわ。誠さんが必ず私を救ってくれますもの。」

デルベロス「フフフ…権大寺誠くんは地下牢でなすすべも無く口惜しがってるよ。……では、解剖を開始する。」

デルベロスの声「CTスキャンだけでは解けなかった謎がこれでわかるだろう。」

  風華に迫る。メス。

  恐怖で緊張する風華。


[21]

ZDooooM!!

バラバラバラ……

  壁が崩れて数人の影が。

デルベロス「な、なんだ!?」

  軍服姿のファシス大佐。

ファシス「そのエンジェーマー、こちらに渡してもらおうか。」

デルベロス「き、貴様……『帝国同盟』のファシス大佐!」

ファシス大佐「エンジェーマーは究極兵器! キサマら『北部連合』にはわたせん! 構成員ども、やれ!」

  構成員たちが銃を構え突入。


[22]

ダダダダ

BANG! BANG!……

  研究室で銃撃戦。

  銃撃戦。

  銃撃戦。


□ 外。

  壁際に誠たちが隠れている。

誠「海美の作戦通り情報を漏洩してみたけど…かえってまずいことになっちゃったんじゃないか?」

海美「いえ、この混乱に乗じて風華を!」


[23]

ガッ…!

  弾雨を潜り研究室に突入するAB。

デルベロス(驚)「エンジェーマー!」

風華(喜)「誠さん!」

Dooom!

ZZZZZ!

  ABが暴れまわる。

ファシス大佐「生身の構成員ではエンジェーマーには勝てない! 一時転進(=退却)!」

  誠、風華の縛めを解く。

誠(すでにアーミングを解いてる)「風華、大丈夫か!?」

風華「誠さん、デルベロスがヘリで逃げます! アーミングして追跡しましょう!」


[24]

  ベッド上に腰掛けた風華と誠のキスシーン。

  誠の首に腕を廻してる風華…必要以上に濃厚に。(笑)

風華「あんっ…♥」

森枝「…怒らないの?」

紗枝(くやし涙を流しつつ)「もう慣れたわ。」


□ 空

バリバリバリバリバリ……

  逃げて行くヘリ。

□ ヘリの中。

工作員「同志デルベロス様! 何か近づいてきます!」

デルベロス「なに!?」


[25]

□ 空。

Goooooowm…

  空を飛んで近づいて来る物体…

  それはAH。

AH「エンジェマ・ホーク!!」


□ ヘリの中。

デルベロス「エンジェーマーだ! 撃墜しろ!」

Zvoooom!

  ヘリの銃撃。


□ 空。

  太陽の方へすっとんでいく、ヘリとAH。


[26]

DWooooooM!!

  空中で大爆発。

  それを見ながら浮いているAH。


[27]

□ 海。

  岸辺にいる、誠たち5人。

森枝「ファシス大佐には逃げられちゃったけど」

海美「やつらの拠点をひとつ破壊できた…作戦成功、ね。」

  風華、誠の後ろから近づき

風華「あの…誠さん」

  風華、誠の胸にしなだれかかって

風華「私、信じてました。きっと誠さんが助けてくれるって!」

  誠、受け止めて赤面

紗奈(泣き怒り)「☆!!!! そういうのは私の役廻りのはずよっ!?」

森枝(呆れ笑)「慣れたんじゃなかったの?」

紗奈「これはアーミングに不必要でしょっ!」

ハァ、ハァ、ハァ、

  紗奈、海を睨みながら、顔にタテ線で

  拳を握り締め。

紗奈「誠……私、決めたわ。」

誠「紗奈?」

紗奈「私……」


[28]

紗奈(拳を見つめ決意の表情)「私、誠と結婚する!」

一同(驚き)「おーーーーっ!?」

紗奈「そして、誠のお父さんに私専用のエンジェーマーを開発してもらうのよ!」

 「誠と同じく、三人のたくましい男性にキスと引き換えで守られる私…ああ、

 なんて美しきべるさいゆっ!!(はーと)」

  すでに自分の世界に入ってしまって完全に恍惚。涎もちょっと。(笑)

誠(涙流して大焦り)「さ、さ、さ、紗奈ーっ!?」


  そして、後ろで呆れたり笑ったりしてる3人だった。


  ---おわり


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