第2話 すみかが転校するって本当だった。
今日は休日だ。だけど、父親は残業で、母親は友達とハイキングに出かけていて、私が一人家に残っている。
天気はどこか冴えないような感じの空だった
ベットに寝っころがって天井を見つめて、瞑想、いや瞑想という名の妄想
瞑想に飽きて、スマホを手に取る。
すみかの転校の件を知ったけど、未だに半信半疑だった。
本人に確かめるにもちょっと勇気が足りないし、もう一人の友達に聞こうと思った。私は中1の後期にすみかと仲良くなったが、すぐにすみかの友達とも打ち解けた。すみかの友達の中で一番私が友達になりたかったのがこの古川絵美。面白くて、二次元が好きっていう共通の趣味があって、落ち着いている感じのする人だけど、運動も勉強もできる人なんだよね。近づきたいと思わせるような人。
よって私は一つの結論にたどり着けた。絵美に聞いてみよう!という。
「ねえ、暇」
『う、うんw』
いつも通り返信が早い
「ねえこの前のゲームまた通信しながらやろう?」
『いいよ』
『いつ空いてる?』
「いつかな?」
「日曜?」
『ちょうどいいね』
『うちも空いてる』
『じゃあご飯後にやる?』
「イエス」
『ww』
よし、ここからすみかの話にちょっと移す。
「てか、すみかいつできるんだろう」
『すみかのお母さんがダメって言ってるらしいんだよね』
「すみかのお母さんいい人だけどこういうとこは厳しいよね」
『わかる』
「てかさあ、すみかって転校すんの?」
ナイス自分!
『あ』
『すみかそんなこと言ってた?』
「いや、感」
『そうか』
『うちもなんとなくそうじゃないかって思ってた』
『転校するんだと思う』
まじか、まじか、いやまじか
あ、絵美もそうだと思うのか、転校するって本当だったのか
冗談だと思ってたのに
(いや最初から冗談だなんて一度も思っていなかった、ただ冗談だと思いたかった)
やばいなんかああ、ああ
あああ語彙力が足りない
なんか、知ってたけど、ああ
悲しい?のか
喉が痛い、鼻も、目も。視界がぼやける。
泣きたくない、まだ転校しないもんすみかは
布団の上にうつ伏せになる、ううなんか臭い、微妙に臭いと思って顔を上げて笑ったときに涙がこぼれた
ああ、泣いちゃった。
てか雨降ってる。どしゃ降り。
..............................
ねえなんで、なんで転校するの?ねえなんで?
なんで、.....なんで.....nannde....ナンデナンデナンデ
ああ歌ができそう
落ち着いた...........う
ああああああああああああ
なんで、すみかが転校、学校での数少ない友達が転校なんて!
落ち着けまだ転校しないでしょ、まだ学校があるでしょ
うん、そうだね、うん
はあ落ち着いた
.........でも転校するんだよもし、学校がいきなりなくなったらもう会えないかもしれないんだよ?
学校がいきなりなくなるなんてほぼありえないしSNSがあるじゃない
ああそうだ
こうして、ちょっと泣いては自分を落ち着かせた。
まじで時々精神病院に行った方がいんじゃないかって思う。
でも落ち着けないだってすみかが転校するんだよ!
もう無理
それが最後の感想だった
そして私はどしゃ降りが降っているのにもかかわらず、無音で号泣した。
なんか音を出さずに泣くことが習慣だった。
ピンポーン