ニエブラその1
温泉の湧く島、ニエブラ島
そこは火山の麓にある活気に溢れる観光地である。
「せっかくだし少し観光でもしていくか?」
「よろしいのですか?」
「ああ、ここは平和そうだし、構わないだろう。
どこか、ブラブラとしてくるといいさ」
「ジョシュア様は?」
「私は少し寄るところがあってだな」
「では私もご一緒いたします!」
「いいのか?
面白くないぞ」
「そんなことありません!
私はあなたと一緒にいきます」
「そうか?
…まあちょうどいいか」
「ちょうどいい?」
「着けばわかるさ」
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港から数分ほど歩いたところにある路地裏の奥にある一件の薄暗い武器屋
そこはジョシュアの行きつけの武器屋の一つである。
「武器屋ですか?」
「ああ、君も知っての通り、私の旅には危険がつきものだ。
極力君の身の安全は私がまもるが、それにも限界がある。
そのときに自己防衛ができないんじゃ洒落にならないからな。
いざと言うときのために持っておいて損はないだろう」
「でも私お金が…」
「そのくらい私が出す」
「よろしいのですか?」
「私の仲間なんだ
そのくらい出すさ」
「すみません、いつかお返しいたします」
「気にすることはないさ
それじゃあ行こうか」
そう言うとジョシュアは店の入り口の厚めのドアを開けた。
「また来たのか、お前は
こんなところまで酔狂なものだな」
「自分で言うなよ、親父さん」
「ははは、ところで今日は何の用だい?」
「私の武器のメンテと彼女にも一つ武器を装備させてやりたくてね」
「ほう、お前みたいな趣味の悪い男にもとうとう仲間ができたのか。
またえらくべっぴんさんだな。」
「うるさいよ、いいからちゃっちゃと頼む」
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「また派手にやったな」
「ついやりすぎてしまうんだよ」
「ついでなんでいろんな国を出禁になるんだよ」
「そんくらい親父さんだって分かってるんでしょう?」
「分かっちゃいるけど想像したくないな」
「そうかい」
「ほら、終わったぞ」
「ありがとさん」
「次はお嬢ちゃんのだな」
「よろしくお願いいたします」
「あいよ、お嬢ちゃんはどんなものが欲しいかな?」
「そうですね…
どんなのがよろしいでしょう、ジョシュア樣?」
「そうだな、手取り早く銃なんかでいいんじゃないか?
狙いさえ当たれば確実だし扱いも簡単だ。
少し訓練が必要ではあるけどね」
「なるほど…
それでは銃をお願いいたします」
「まためんどくせえものを依頼しやがる。
うちはオーダーメイド制だ。
高くつくぞ。」
「分かってるさ。
金はいくらでも払うからいいのを頼むよ」
「畜生、客ってのはお気楽なもんだねぇ」
「金もらってるんだからいいだろう」
「ああ、しょうがねえ」
「じゃあよろしく頼むよ」
「あいよ」