襲撃
町の西の森はジョシュアがいる場所の反対側にある
ジョシュアは走った
途中で出くわす敵たちを容赦なく倒しながら走った
街はそれなりに大きく長い距離を走った
そうして走り続けた後にようやく森にたどり着いた
しかし森も広く、どこに虐殺者達のアジトがあるのか探し出すのは難しい
ジョシュアがアジトを探し歩いていると、虐殺者の1人と思われる男がでてきた
「貴様が俺達に盾つこうとする勇者か」
「ほう?
もう情報が回っているみたいだな」
「当たり前だ
俺らの情報網を舐めんな」
「そうか
すごいな〜
なあ、あんたのボス様の居場所教えてくれよ」
「ボスの居場所が知りたきゃ俺を倒してみろ」
「倒したらボス様の居場所が分かんねえだろ
・・・馬鹿か?」
「うるさい!
来ないなら俺から行くぞ!」
男が迫ってくる
しかし男がジョシュアに近づいた瞬間、右足の付け根に激しい痛みを感じた
ジョシュアが短刀で切り落としていたのだ
「貴様、いつの間に・・・!」
男は足を1本失ったことでバランスを失い、そのまま倒れ込んでしまった
「あ〜あ、教えてくれればこんな痛み味わわなくてよかったのにな〜」
「おのれー!!」
男は地面にうつ伏せに倒れ込んだまま、叫んだ
「ねぇ、まだ教える気にならない?」
「貴様みたいな奴に教えるか!」
「ほう?
今までの奴らよりは耐久性があるらしいな
じゃあもう少し楽しませてくれよ、な?」
「楽しむ?
何をだ!」
「まあまあ、すぐに分かるって」
ジョシュアはニコニコしながら男の右腕を刺した
「あ゛あ゛あ゛あ゛!」
「教える気になったかい?」
「教えるか!」
「じゃあ、もういっちょ
せーの!」
グサッという音と同時に反対側の腕がから大量の血が流れでる
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
「なぁ、頼むから教えてくれよ」
「悪魔め!」
「心外だな〜、罪のない人たちの命を散々弄んでおいて悪魔呼ばわりされるとは」
そう言い放ちながら次は首元を刺した
大量の血がドクドクと吹き出てくる
「そろそろ意識が朦朧としてきたろ?
どうだ言う気になったかな?」
「・・・い、言えるか・・・!」
「ったく、使えねえなあ
ダメだこいつは」
そう言ってジョシュアは背中を思いっきり刺した
血飛沫が出る
それと同時に男は息を引き取ったらしい
「さて、どこかに手がかりになるようなもんねえかな」
ジョシュアは男が何か持っていないか探した
「ん?なんだこれ?」
男の胸ポケットから、羅針盤のようなものが出てきた
開くと、地図が現れた
魔法でアジトと自分の居場所と街の場所を表しているらしい
「しょうがない、これを使ってみるか」
羅針盤を頼りにアジトと思われる場所へ歩いた
すると奥の方が明るくなっていた
どうやらそこがアジトらしい
明るい方へ急ぐ
そこには多くのテントが張られていた
「ようやくお出ましのようだね、外道の勇者さん」
「待たせたか?」
「ちょっとね
君と会うのを私は楽しみにしていたよ
私の名前はダフ・ウィルキンソン
この街を襲った虐殺者集団のボスだ」
「ボスが直々に手合わせしていただけるとは光栄だね
涙が出そうだ」
「そこまで喜んでくれるとは、私も嬉しいよ
君とゆっくり酒でも飲みながらお話したいところだがそうもいかないようだし早速始めようか」
「ああ、そうだな
じゃあ行きまーす」
その後、瞬きもする間もなく、ダフはお腹から真っ二つに切られて息を引き取った
「随分と余裕そうな顔してたくせにすぐに終わったじゃねえか
少しは楽しいことできると思ったのにな〜」
「貴様!
ボスをよくも!」
「お前ら、そんなに死にたいか」
ジョシュアがそう言うと懐から爆弾を取り出し、相手に投げた
ドカーンという轟音の後に辺り一面が焼け野原になった
「もう面倒くさいし、さっさと街に戻ろう」
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街に戻ると、虐殺者は大慌てで逃げ出して言った
ボスが死に、アジトが無くなったことに恐れを生したのだろう
しかし、街に戻っても住民たちは歓迎してはくれなかった
残酷な殺しかたをした為、誰もが脅えていたのだ
「とっととどっかに行きやがれ!」
割と勇気のある若者がそう叫んだ
こういうのはもう慣れっこだった
様々な街で、このような殺し方で制圧したせいか誰もありがとうの一言も言ってはくれない
それはしょうがない事だと諦めていたし、第一、ありがとうと言われるためにこんなことをしてる訳じゃない
疲れを誤魔化しながらこの街を旅立った
そしてこの街の門を抜けて、次の街に行こうとした時に1人の娘がジョシュアを呼び止めた
「勇者様ー!」
その娘は先程虐殺者の男から襲われていた、ローラだった
「俺に何か用か?」
「ぜひ私を、勇者様の仲間にしていただけないでしょうか?」
「俺の仲間に?」
「はい!」
「俺の仲間になっていいことなんてないぞ?」
「そんなことありません
私も勇者様のように強くて勇敢な人になりたいのです!」
「まあ、好きにしろ」
そうして仲間が一人増えつつ彼らの旅は続く