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続編の無い短編集

「Monologue」

作者: 悠木おみ

 彼女のことを、俺は何一つ知らない。

 名前も、性格も。

 彼女が何処から来たのか、そして何処へ行くのかすら知らない。



 ただ、微笑わらっていた。



 辺りが夕闇に染まり始めるあの海で、運命の悪戯での偶然の邂逅。俺の顔を見て驚いたのか、目を丸くした一瞬の後には鮮やかに微笑んでいた。



 ただ、それだけだ。



 彼女との邂逅はその一度。言葉を交わしたわけでもない。

 だから俺は彼女のことなど何一つ知らない。

 今日が終われば思い出すことも無いだろう。

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