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Legend von Ein DranChe Jadh Held 竜狩り英雄伝説  作者: 皇豐 鬼羅丸
序章 伝説の幕開け
2/2

プロローグ②オルデイトの悲劇

プロローグの続きです。結構重要なキャラも出てきます

 オルデイト島、後にイングランドと呼ばれるその島の西部に連なるパティスリー(ガンブリア)山脈の西側の麓に、パラディース王国と東側に三ヶ国存在していた。人類はドラゴンの脅威から身を守るための技術を日夜磨いていた。建築技術や兵器製造技術、移動手段が、後の世に匹敵する程の発展を遂げていたのだ。

 そして、当時の人類は自らが住まうオルデイト島の東側諸国を人類最後の砦リーゼヒフォート、西側を人類最後の安住の地リーゼパラディースと呼んでいた。しかし、

 オルデイト暦850年8月、オルデイトの人類はドラゴンの猛攻により東側諸国だけでなくオルデイト島そのものにおける生存圏を放棄する事になる。


 全周900キロ高さ80メートル厚さ25メートルの巨大な壁に全国土が囲まれたパラディース王国。その巨大な壁により、パラディース王国は450年守られてきた。いや、そもそも西側にはドラゴンがほとんどいないのだ。

 そんな王国の中央に空高くそびえ立つ円柱状の巨大な城、パラスト城の奥に、広大な天井の高い豪華絢爛な部屋があった。この王国の統治者、国王陛下と大臣、そして一部の人間のみが入る事が許される神聖な空間、王の間である。その中央には巨大な円卓があり国王陛下や大臣たち、竜学者や竜調査員が座っていた。

 豪華絢爛な服に身を包んだ初老の男性、オルターゼ3世がこう言った。

「東側諸国が謎のドラゴンによる猛攻により滅亡した。謎のドラゴンは恐らくこちらに来るだろう」

 その言葉に対し目付きが鋭く、白髪で鬚をも白く、皺が深い、片手に本を持った老人、竜学者を束ねる竜学長であるドスティ・バンティーは本を捲りながらゆっくりと口を開く。

「50年に一度起きるとされるドラゴン族の異変、大災厄…か。これはちとマズイのう。この王国は450年、壁に守られてきおった。長い間平和じゃったこの王国は腑抜け取る。鶏小屋に狐が放たれてしもうた」

 眼鏡を掛けた細見で目の下に隈がある青年、竜調査員を束ねる竜調査長は震えながらこう言った。

「謎のドラゴンは鱗が赤く首が3つあったと聞いています。それが正しいのであれば、恐らく100年に一度卵が孵るという伝説の古龍、という事になりますよ」

「火炎竜種の上位種である焔古龍種のさらに希少個体1000年近く生きるという爆焔火炎古龍ドアラ・ウアタイラじゃな。危険度xxxxxx(大災厄)級の超大型個体じゃったかのう」

 二人の会話に部屋が凍りついた。危険度xxxxxx(大災厄)級のドラゴンはほとんどいないが、あまりに巨大で気性も荒く、怒れるその個体と遭遇したら王国は消えるとも言われる程強い。現に今までもたくさんの王国がその竜に滅ぼされてきた。オルデイト島、東側諸国のように。そんな空気に拍車を掛けるように伝令が飛び込んできた。 

「こ、国王陛下!!我が国に接近する未知のドラゴンを発見し、東部壁外駐屯騎士団の全航空兵団が出撃しましたが、か、全滅しました!軍事滴解釈の余地もありません!文字どおり全滅しました!」

「竜学長として進言するが、撤退否パラディースそのものを放棄して逃げるべきですぞい。敵わんどころか、このままじゃオルデイトの全人類か絶滅する」

 オルターぜ3世は立ち上がった。

「大型移送用飛空艇全機、出航用意!直ちに全国民に緊急非常事態早急避難宣言!!王都に住む者は大型移送用飛空艇に乗せそれ以外は各駐屯兵団の連絡艇、物資補給艇に乗艇させろ!パラディース西部20キロの地点で上空にて、合流し西に向え!!余と王室警備兵団、王都守護騎士団は、ここに残れ、ほかの者の盾となれ!」

「「な、なりませんぞ!陛下!」」

 その場にいたほとんどの者が一斉に大声をあげた。

「余は年取った老い耄れだ。悔いはない。それに国民を守るのも国王たる者の努め、今ここで死なずにいつ死ぬ!」

「ならば儂も残ろうかの、国王陛下。爆焔火炎古龍ドアラ・ウアタイラの情報が必要なはずじゃ」

 手を顔の前で組み、顔を伏せながらドスティは言った。

オルターゼは首を横に振りこう言った。

「ドスティ、お前の知識こそ必要だ。逃げ生き延びるためには知恵がいる。皆もようく聞け!人類が生き延びるには若い血と知恵が必要だ!余の全ては息子に伝えた。だから余は死ねる!じゃが皆にも、知恵や技術がある。それを次の子らに伝えるんだ。絶えさせてはならない!人が、この世に我が物顔で生きるドラゴン族を駆逐するにはな!皆、余の代わりに生きろ!そして伝えるんだ!何故、オルデイトを放棄しないといけなかったのか。ドアラ・ウアタイラが何なのかを!そして守れ!国王命令だ!死守せよ!!」

 オルターゼはそう言うと王の間を出て行った。王の覇気を残して。残った者、全員敬礼すると、

「「我ら謹んて拝命します!!全ては国王陛下の御心のままに!!!!」」



    ーーーオルデイト暦850年ーーー

 こうしてオルデイト島の全ての人類は未知なる土地を目指し長き旅をするのであった。

次回から本編ですが一身上の都合により更新は遅くなるでしょう。ちょっと現代に似てる古代文明って設定です。

 詳しい時系列はのちほど。

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